第一話 クールな新入り
お父さんお母さんがいる家族、いない家族。
世の中にはいろんな家族がいる。
この家族も他とは少し変わった特殊な家族です。
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レオン ♂ 27歳 レオナルド・ハッカース
ティモン ♂ 27歳 ティモン ・ダグラス
マーティー♂ 27歳 マーティー・クラウドット
マイク ♂ 10歳 マイケル
レイダー ♀ 6歳 レイダー
ソアラ ♀ 2歳 ソアラ
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父マーティーと子供3人が食卓を囲んで夕食を楽しんでいる。
マイク「父さんケチャップ変えたね。恋でもしたのかな?」
ケチャップを手ににやつきながら父を見上げる。父はあきれながら言う。
マーティー「マイク。母さんは三ヶ月前に死んじゃったけど・・・。父さんは一度足りとも他の女の人を好きになったことはないよ。」
マイク「えぇ!?じゃぁ新しいお母さんもらわないの!?」
レイダー「いらないもん。」ホットドグを手に口をはさむ。マイクはレイダーをそっと睨む。
マイクル「じゃぁ明日の授業参観もお父さんが来るわけ!?」
マーティー「いいじゃないか。」
マイク「いいけど・・・。お父さん覚えてる??二年生の運動会。」
マーティー「覚えてるとも!」
マイク「クラス対抗リレーの時急にリレーに参加したよね。」嫌な顔をする。
「あれから三ヶ月くらいずっとみんなにからかわれたんだからね!」
マーティー「あれはお父さんじゃなきゃマイクのクラス負けてたもん。お父さんは救世主だ!」
マイク「結局負けたでしょ!」
マーティー「大丈夫。明日の授業参観は何もしないから・・・。」
マイク「授業に参加しないでよね!」
マーティー「わかったってば。」
マイク「ごちそうさま。」マイクが小走りで階段を駆け上って行く。
マーティー「・・・・・・・・・・・・。」
授業参観
アーガル先生「みなさん。今日は歴史です。今日はお家の方々が見ていますが――。キョロキョロしないでねマイク。」
クラス中の視線がマイクに集まる。
アーガル「マイク。お父さんはちゃんと来るから心配しないでいいわよ。」
マイク(来てほしくないんだよ!)
ガチャ。教室に誰か入ってきた。マイクの顔は輝いた。
やって来たのはマーティーの古い親友レオナルドだった。
レオンはマイケルが生まれた頃からよくマイクの家に来て遊んでくれるため、家族のように親しかった。
レオンが来るなんて夢のようだ。
レオンはマイクにクールに手を振った。
彼はクールでカッコいいが天然ボケだ。
マイクも手を振りなおした。
アーガル「では授業を始めます―――――――――。」
授業参観は無事終わった。
レオン「マイク、ジュースでも飲むか?」学校の駐車場でコーラを差し出した。マイクは笑顔でそれを受け取る。
マイク「それにしてもカッコいいなぁこのバイク。」
レオン「毎日磨いてんだぜ!」自慢げに言う。」
マイク「でも鳥の奮ついてるよ。」バイクの後ろの方を指差す。
レオン「あああーーーーー!!!!!!」クールな見かけからは想像もつかない悲鳴だ。
マイク「おじさん!!!」レオンは気を失った。
家ではマーティーとレイダーがすごろくをしていた。
レイダー「やったぁ!また私の勝ち!」
マーティー「強いなぁー。さすがお父さんの娘だ!」
レイダー「お父さん8マスしか進んでないじゃん。」
「よし。もう一回やろ!」
マーティー「えー???まだやるのぉ?」
レイダー「お父さんが誘ったんでしょ?泣きながら。」コマを振り出しに置きながら言う。
キッチンからソアラ登場。
レイダー「ソアラもやる?」
ソアラ「あぶぁー。あばばー。」まだ喋れない。とてもかわいい笑顔だ。
レイダー「ふぅ~。だめだこりゃ・・・。」白目で言う。
その時ソアラがサイコロを持って走り出した。
レイダー「あっ!最悪!!!」レイダーがそれを追い掛け回す。
マーティー「ソアラ。ありがとう。」すごろくが終わったので安心した。
ふたりは二階に行ってしまっていた。
レオン「ただいまーっ。」レオンとマイクが帰って来た。
レオン「ここの家の庭すげぇな!雑草伸びきってるぞ!」
マーティー「ロレン(マーティーの妻)が大切にしてたガーデニングだ。」
「そんなことよりレオン。ありがとう。」
レオン「いいってことよ。それより・・・。」マイクに視線をやる。
マーティー「ああ・・・わかってる。マイク。ちょっと・・・。」マイクをマイクの部屋に呼んだ。
マイクはこうなることを予想していたかのようにため息をつき、父について行った。
マイクはベッドに腰をかけた。父は同じ室内にあるレイダーのベッドに腰をかけたが、やっぱりマイクのベッドに座った。
マーティー「今日レオンおじさんに授業参観に行ってもらったのはこれを話したかったからなんだ。」
マイク「何さ・・・。」
マーティー「運動会の時は・・・お父さん自身馬鹿だったと思ってる・・・。お前の気持ちもよ~くわかる。」
マイク「よ~くなんてわかりっこないよ!」
マーティー「ちょっとわかってる・・・。」
「でもそれは・・・それだけマイクのことを大切に思ってるからなんだよ。」
「結果的には2ヶ月間からかわれただろうけどね・・・。」
マイク「三ヶ月間だよ・・・。父さんの気持ちも・・・ちょっとわかってるよ。」
マーティー「ちょっとだけでも充分さ。」
2人はしっかりと抱き合い、絆をいっそう深めた。
マイク「それと提案なんだけどさ・・・。レオンおじさんにしばらく家にいてもらわない?」
マーティー「そうだな・・・。お父さん仕事だから毎日ベビーシッター頼むのはお金がかかってどうしようと思ってたところだよ。」
マーティー「―――――――ということでレオン。しばらくここで・・・・雑用してみない?」
レオン「はい。なんて言う奴ぁいねぇよ・・。」
その時ソアラが来て、レオンに抱きつき、
ソアラ「おじさんずっといて。」と甘く切ない声で言った。
マーティー「おぉぉぉ!ソアラが喋ったよ!!!!」
クールなレオンはあっけにとられ、とても間抜けな顔をしている。
レイダー「おじさん!」
マイク「いいでしょ!?」
マーティー「ずっといろってわけじゃないし・・・僕もいるんだ。」
レオン「そ・・・そうね・・・。OK・・・。しばらくいるよ・・・。」
クラウドット一家「やったぁ!!!」
レオン「ちょっとの間だからな!」
マーティー「いいよ。でも最低、髪の毛全部白くなるまでいてよね。」
レオンが出口に向かって走り出す。
マイク「あっ!だめだよー!」
レオン「荷物取りに行くだけだよ!」
第一回 END
レビュー
投稿者:神官ムサシ 投稿日:2003/06/9
ほのぼのとした家族の生活が描かれた物語。とてもいいテンポで進んでわかりやすかった。
投稿者:黒熊 投稿日:2003/05/21
「フルハウス」とか言うアメリカン・ホーム・コメディを思い出させる。
1話は完全に「導入章」これだけではほとんど意味を成さないので、続きを買うべし。
今後の展開には期待が持てるので、損は無いかと。
投稿者:スナ悪 投稿日:2003/05/20
フルハウスというテレビドラマがありましたが、それと良く似たアメリカンホームコメディーが描かれています。
文章は台本形式で第一話では3ヶ月前に死にたてほやほやの母親の存在を10歳の息子がいとも簡単に消化しきっているシーンから、
レオンなる未婚男性と思われる輩が住み着くシーンまで描かれます。
レアリティーの意味だと思いますが、ちょっと特別な「レアファミリー」をフルハウスという言葉だけは口にせずにお楽しみください。
投稿者:麒麟丸 投稿日:2003/05/8
海外ドラマにありがちな設定と会話・・と思ってしまうのは、浅はかな考えかな?
そう頭の中で思ってしまうと、面白さは半減してしまいました^^;
投稿者:ヨッシー 投稿日:2003/05/4
6人のファミリーのほのぼのとした話です。心に雪が積ってる人(・・・)など寂しい人におすすめです。
この本の良いところは、やっぱりこのほのぼのした感じです。値段がとても安いので、誰が買っても損はないと思います。
投稿者:ユウロウ 投稿日:2003/05/4
すごく暖かい気持ちになれました。
投稿者:クール 投稿日:2003/03/31
何か心が洗われるような本です。かなりいい本です。かって損はないと思います。
投稿者:syou 投稿日:2003/03/30
おもしろいです。もうちょっとで笑いそうで笑えないくらいに(謎)
この本を見てるとある外国のドラマを思い出しました(あえて何かはいいませんが)第二話も今度かって見ます
投稿者:お歳暮 投稿日:2003/03/28
いい話だ~低価格で、こんなにいい話が・・絶対買ったほうがいいですよ~
最終更新:2022年08月28日 00:22