サンダーブレーダー 序章

紹介文
  新たな連載ものです。ちょっと高いけど許して~。

本編

サンダーブレード

この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。

〈序章〉
シリマネス大陸は大きな大陸だ。
この大陸には幾つかの村があり、大きな自然がある、とても豊かな大陸だ。
その中の一つに、ニーズという小さな村があった。小さいゆえに、村の全ての人間の名前も、誰でも知っているのだ。
その中に16歳になる少年がいた。
少年の名は アスク・ノルベント 、この村の英雄の ファイン・ノルベント という剣豪の一人息子だ。アスクは4歳の頃から父に剣術を習っていたため、剣の腕前はこの村でも5本の指に入るほどの実力を持っていた。


ある日、アスクは剣術の稽古を終え、母の マルベン・ノルベント から頼まれ、村の雑貨屋 モーリ に向かって歩いていた。アスクは、モーリへ向かう途中、雲行きが怪しいのを見て、不気味に思っていた。しかしモーリの目の前まで来ていたので、そのままモーリの店の中へ入っていった。


「こんにちは。セロリを買いに来ました。」
アスクが店の入り口で言った。
「おおアスクか。ちょっと待っとれ。」
中から現れた店の主人 モーリ・クラスティス が言う。
村には、店というものは一つしかないのだ。だから村の人々は必ずこの店に来る。
「ほれ。セロリじゃ。」
モーリはセロリをアスクにそっと渡した。
「どうもありがとう。」
アスクは一切乱れのない笑顔で礼をした。
するとモーリは、いつの間にか雨の降る外を窓から除き、そっとつぶやいた。
「早く帰った方がいい。間もなく嵐が来るぞ・・・!」
モーリはその昔、伝説の勇者等とともに、少しだけ旅をしたことがあったのだ。その時のモーリの役目は天候を見る事であった。よって、今でもその天候術は少しもおとろえていたいため、よく店に来る客にも明日の天気などを教えている。
嵐が来ると聞いたアスクは一礼し、足早に店を出た。
ところが、アスクが店を出たのはもはや遅かったのか、雨は激しく、
空からは雷が落ちてきている。
アスクは顔を曇らせたが、家まで思いっきり走った。
しかし、急に雷はニーズの村に近づいた。
アスクは不安になった。
そして不運な事に、雷はものすごい音をたてて、アスクに落ちた。
「うあああぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」
ドゴーン!!!!
アスクは気を失った。ただでさえも体は雨で濡れていて、電気を通しやすい状態になっていたのだ。
アスクの悲鳴を聞き、家からは父であるファインと、母であるマルベンが家から飛び出て来た。二人が目にした光景は、気を失っている息子であった。
「アスク!しっかりするんだ!アスク!」
父がアスクに呼びかける。
「アスク・・・・・!お願いだから目を開けて・・・・!」
母も嘆く。
しかし二人の声はアスクには全く聞こえなかったのである。


それから実に三ヶ月の月日がたった。
死んでいるかのように眠るアスクは、息をしていたため、自分のベッドに横たわっていた。
マルベンがアスクの部屋へ入ってきた。
マルベンもファインもこの三ヶ月、毎日毎日アスクの部屋に入ってはアスクに話し掛けていた。
今日もマルベンはアスクに話し掛けた。
「アスク・・・・・・。」
すると
「・・・・・・・・・。」

アスクの口は、重々しそうに開いた。
「かあ・・・・・・・さん・・・・?」
アスクは三ヶ月ぶりに復活したのだった。
「アス・・・・アスク・・・・!」
マルベンは急いで夫のファインを呼んだ。
「おおアスク!」
父が涙を浮かべてアスクを読んだ。
「とう・・・・・・とうさん!」
アスクも答えた。
この瞬間二人は抱きしめあった。
母も来て抱きしめあったため、アスクの体温は上がった。そのまま3分も抱きしめあっていたため、アスクの体温は、平熱よりも3℃近く上がったのだ。その瞬間。
ビリリ・・・・・!
「きゃ!」
「うっ!」
両親は悲鳴を上げてアスクから離れた!
何が起こったんだ?アスクは思った。
まさしくアスクは無意識のうちに両親に向かって、電気を放出したのだった。それに気づいたアスクは、自分の両手を見つめた。
(どういうことだろう・・・・)
アスクは考えた。アスクが電気に関係するのは三ヶ月前のあの出来事だけ、でもどうやってそんな昔の電気を放出したのだろうか。
答えを知りたいアスクは、村にたった一つだけある研究所を訪れた。


研究所には、 ディスペル・サーペンター という学者が、電気について研究している。アスクは早速ディスペルを訪ねた。
「待っておったぞノルベント君。して、今日は何のようだい?」
ディスペルは笑顔で尋ねた。
「ちょっと・・・・・・・・・・。」
アスクは説明した。するとディスペルは真剣な顔になり、
「ちょっとついて来てくれ。」
と言った。
アスクはついて行くと、そこにはたくさんの機会があった。
「この機械の中に入ってくれ。」
言われた通りにアスクは機内へ入った。」
ピピィ!
「よし、出てもいいぞ。」
アスクは機内から出た。
「やっぱりあったよ。君の体の中に電気があったんだよ。」
「ええ!!??」
「あの日の雷が今も君のからだの中で生きているんだよ!」
アスクはよくわからなかった。
「君のからだは少し特殊でね、雷を体の中で溜めているんだ。」
「・・・・・?」
「実験してみようか?」
と言ってディスペルはテレビをつけた。
「ここ2週間テレビはついていなかったんだ。ノルベント君。テレビの画面に触れてみてくれ。」
アスクは言われた通りにした。すると画面は静電気でバチバチと音をたてたが、アスクは画面の静電気を体内に吸収した。
「!」
「よし、次はこの室内を20周ほど走ってくれないか?」
「えっ!?」
この部屋の中は暖房がかかっていてただでさえ暑いのに、窓のない密室なので、20周も走るとなると、とても暑い。しかしアスクは、自分の疑問を解決するべく、実験に付き合った。
「こ・・・これでいいんですか・・・?」
ようやく走り終えたアスクはディスペルに問いた。
「今君の体温は平熱よりも6℃も高い。この状態で電気を通すものに触れてみてくれ。」
ディスペルが真顔で言った。
「電気を通すもの・・・?」
アスクは室内を見渡す。するとアスクは室内にある一台の機会を見て、それに近づいた。
(よ~し)
アスクは機会に触れた。するとアスクの手から、先ほど吸収した静電気と、もともと体内にあった電気を、その機会に無意識の内に放出してしまった!
機会は電気が通り、故障してしまったが、
「すごいよ!私が思ったとおりだよ!」
ディスペルは実験成功に目がくれて、機会の故障を気にしなかった。
「これでわかったろ?君が目を覚ました時、なぜ父さんや母さんに電気が流れたか!」
ディスペルは早口で言う。しかし、
「いえ・・・・まだよくわかりません・・・・・・・。」
「だ・か・ら!君は3人で3分も抱き合ったんだろ!?だから体温が上昇して、今のように電気が流れたのさ!」
ディスペルが言う。
アスクもディスペルの説明に納得したようだ。


家に帰って、この事を両親に伝えると、アスクは早く寝た。


アスクが電気の使い手になった事は、村中に広まった。さらに、村から旅の商人として出かけた者が、別の町でそれを語ると、その町でも話が広まった。噂が噂を呼び、それはシリマネス大陸中に広まった。
電気の使い手 アスク・ノルベン は、一気に有名人になった。
しかし、アスクを使って金儲けを企む者が増えてきた。


ある夜のこと、事件は起こる・・・・・・。
アスクの部屋は、家の2階にあるのだが、窓から誰かが入ってきた
ような気がした・・・。アスクは思わず窓を向いた!すると、黒い帽子、服、めがね、手袋、そして拳銃をもった男がいたのだ!
アスクは部屋の隅に立てかけてある稽古用の木刀を手に取ったが、その男にあっさりと捕まってしまった。そして2階の窓からロープで、外に降り、黒い車に乗せられた。誘拐である。
アスクは見たこともない景色を窓から除き、シリマネス大陸の真北まで連れてこられた。


アスクが連れてこられたのは、大きな屋敷であった。おそらく卑怯な手口を使ってお金を手に入れてきた外道が、彼を使ってまたお金を手に入れようとしているのだろう。
しばらくすると、中からごつい黒いスーツを着た男が数名出てきた。そしてその者たちに囲まれている、紫色のスーツを着た、背の低い中年の男がこの屋敷の持ち主、主人だと思われる。
正義感の強いアスクは、主人に飛び掛った!
しかしボディーガードであるうちの一人が、アスクを軽々と持ち上げた。しかし、誘拐されたアスクは、緊張感と興奮で、体が熱くなっていたのだ。
「体が・・・熱い・・・!」
アスクと、アスクを抱いているボディーガードの男が、声をそろえてこう言うと、男に電流が流れた!男は倒れた。
これを見た主人は、一瞬冷や汗が出た、が、
「これが噂に聞く電撃の力か、実物を見たらさらにほしくなった!」
と言って、こんどは10数人のボディーガード全員で、アスク一人をに飛び掛る!アスクはすぐに捕まり、鉄格子の狭い牢獄に入れられた。アスクは、この力を憎んだ。しかしあの主人の汚さに、正義感が燃えて、奴等が欲しがっているこの電撃の力で脱獄する事を誓った。


こうして、電撃の力を持つアスクと、汚い手口でしか金儲けをできない者の戦いが幕を開けた!
                      「序章」完


次回予告
まずは牢獄から出なければ何も始まらないと思ったアスクは、地面に穴を彫ったり、鉄格子の鍵を木刀で破壊しようとしたが、全て失敗に終わる。その時、同じ力を持つ男が現れる!


このお話の登場人物
アスク・ノルベン
この物語の主人公。あるきっかけで不思議な力を手に入れたのだ。

ファイン・ノルベン
アスクの父親。ニーズ村の英雄で、ものすごく強い剣豪である。

マルベン・ノルベン
アスクの母親。料理の天才で、どんなものでも「プロの味」にしてしまう事は、村中で評判である。

モーリ・クラスティス
ニーズ村唯一の雑貨屋を開いている。過去に勇者一行と旅をして、天候師を務めていたのだ。

ディスペル・サーペンター
ニーズ村唯一の研究所で、電気について研究をしている。


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レビュー

  投稿者:のぶや 投稿日:2002/12/10  
   もう。最高って、感じ。いいねぇ。

  投稿者:神官ムサシ 投稿日:2002/12/1  
   とても緊迫感があり、読んでいてわくわくしてきました。話の内容がうまくまとまっていてすごくよかった。
   ただ・・少し誤字脱字には気をつけたほうがいいと思います。

  投稿者:KEN 投稿日:2002/11/26  
   誤字がなければもっといいと思う。推敲をもっと繰り返して欲しい。登場人物一覧は初めに書いていてほしかったw 
   これからの展開が気になるので、次も買いたいと思う。

  投稿者:飛鳥井仁 投稿日:2002/11/24  
   せ、世界観がスゲ―。なんか圧倒されちゃいました。キャラクターの個性も出てて読みやすいです!。次回も楽しみにしてますー。

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最終更新:2022年08月28日 00:44