サンダーブレーダー 一章

紹介文
  サンダーブレードの2巻です。容量も少ないので値下げしました。

本編

サンダーブレード

この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。


〈一章〉
アスクは脱獄を決意した。
あの汚い者の中から。
「しかし、脱獄するとなるまずこの牢獄から出られないと何も始まらないな。」
そう言うと、アスクは牢獄から出る方法を考え始めた。しかし、いくら考えてもいい案が思いつかない。その日はすぐに寝てしまった。

次の日、アスクは昼近くに目覚めた。
「・・・・?ここは・・・・・。ああ、そうだった。」
などと、始めは寝ぼけていたが、アスクはすぐに正気にもどった。
深く眠ったせいか、頭の回転がさえていた。
アスクは、2つの方法を考えた。
一、 壁に穴を掘り、脱獄。
二、 鉄格子の鍵を破壊する。
どちらの方法も幼稚な考えであったが、壁は土を重ねたもので、簡単に穴が開くし、鉄格子の鍵はアルミでできていたので、破壊する事も不可能ではない。
早速2つの方法を実践してみた。しかし、穴を掘ると体力の消耗はバカにならない。これは、一日に2度しか食事をさせてもらえない者にとっては、ものすごい屈辱であった。鍵の破壊も、鍵を木刀で叩くと、大きな音が鳴る。その音で、見張りの者が来てしまうのだ。アスクは失望した。


その夜、食事当番の男が現れた。しかし、一日に2度の食事は、1時間ほど前に済ませたはずなのだ。なのに何故食事当番が来たのか?アスクは不信に思った。
アスクはしばらくその男を見つめていた。
するとその男は、辺りを見回すと、鍵を開けた。
「さぁ出ろ。俺はここの人間じゃない。早くここから逃げるんだ。」
男は無表情な顔でアスクに言った。
「は・・・はい。あなたは?」
アスクが問い掛けたが、
「今はそんなことをのんきに話している場合じゃぁない。いいか?俺に黙って着いてくるんだぞ。いいな?」
男は言い放った。
「は・・・はい。」
自身のなさそうな返事をアスクはした。
そして男について行くと、屋敷の中庭へ出た。
「おかしいぞ・・・!?外に出るはずなのに・・・!」
屋敷は広かった。それも持ち主が間違えるほどに。
「すまんアスクよ・・・・・。」
「いいえ、また別の出口を探しましょう。」
アスクが男を気遣うように言った直後であった。
「困るなぁ。大切な金づるを逃がすような従業員を雇うとは・・・。誰がこんなのを雇ったんだ・・・?」
いつの間にか、中庭には主人と、数人のボディーガードが立っていた。
「フン!何でも人のせいにするのか・・・!」
男は言った。この言葉にはアスクもうなづいた。
「全く口の減らんやつだ!捕まえろ!」
主人の一言で、数人のボディーガードは、アスク達に襲い掛かる!
「来るぞ!」
男は言うと、光のように早く動き、一人のボディーガードとの間合いに入り、ボディーガードの体に触れると、
「カッ!!!!!」
と気合を入れた。その瞬時にバチバチっと電気が流れて、ボディーガードは気を失った。
「き・・・貴様も電撃の術を使えるのか・・・!」
主人が後ずさりしながら言った。アスクもこれにはさすがに驚いた。ボディーガードも少し戸惑っている。
「よしっ!逃げるぞアスク!」
男の声とともに、アスクと男は、逃げ出した。
「何をボサッとしておる、早く追いかけろ!絶対に逃がすな!」
と主人が叫ぶと、ボディーガード達は一斉にアスク達を追いかける。


アスク達は、逃げているうちに屋敷から出ていた。そして、屋敷の隣にある大きな森に身を潜めた。
「これでしばらくは大丈夫だ。申し送れたな・・・俺の名はジェリー・フランクル 。昔勇者と旅をしていた。
アスクは驚いた。しかしそれと同時に蘇ったモーリの言葉が、頭の中でリピートし続けられているのだ。
それにしてもジェリーも電撃の術の能力者だとは、全く意外だった。アスクにも、安心感が芽生え始めたのだった。


次回予告
敵と戦うために、武具や薬が必要になったアスク達は、森から見える町へ、買い物をしに行った。しかし買い物の途中、街中で敵に出くわし、町で騒ぎが起こるのだ。


このお話の登場人物
アスク・ノルベン
この物語の主人公。あるきっかけで不思議な力を手に入れたのだ。

ジェリー・フランクル
その昔、勇者のパーティで、魔法使いを勤めていた。電撃の術を得とくしている事は、言うまでもない。


おまけ
〈勇者のパーティには、どんな人がいたのか?〉
1・・・勇者
2・・・武道家
3・・・戦士
4・・・盗賊
5・・・魔法使い
6・・・商人
7・・・天候師
8・・・鍛治氏
9・・・スパイ
10・・・スパイ(二人目)


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レビュー

  投稿者:Anti 投稿日:2002/12/22  
   【アクス】という主人公の脱獄から始まるファンタジー系小説【サンダーブレード】アクスの行動を筆者の緊張高まる描写をまじえ物語りは進んでいく、第1
   章ではアクスの脱獄が主となる、読んでいるとハラハラドキドキしてしまいます、次回予告やおまけなど多々心遣いが付いてます。

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最終更新:2022年08月28日 00:46