紹介文
ついに沖縄上陸!飛行機の中でもハチャメチャぶりを発揮♪
本編
僕の女子寮(5)
登場人物
1)橋本勇次
18歳。失業していたが、いろいろあって(一巻参照)女子寮で働く事になった。幸せ者(?)
2)杉山悠子
22歳。この物語のヒロイン(まだそれらしき動きは見えないが)で、美しくしなやかな髪の毛は、腰
まできている。男勝りな正確。
3)小林圭子
26歳。この女子寮の寮長であり、すこし思い込みが激しく過激。
4)二村亜津子
23歳。活発で、運動神経が良い。しかし勉強が大嫌い(ならどうやって大学は入れたか知らないが)
で、ちょっとわがままなところがある。
5)村田 愛
19歳。勉強の成績はかなり良く、青い髪の毛はとても輝いているが、クールで少し冷めている。
6)大塚みどり
23歳。スタイルがよく、活発で過激でわがままでぶりっ子の男好き。
ついにこの日がやってきた。沖縄への6泊7日の大旅行!!
ついにといっても昨日決まったばかりのことなのであまり待ちに待ったという感覚はない。
それにしても・・・
「何で貴様らはそんなに荷物が多いんだぁぁ!!」
バシッ「うっさいぞ若造。一人一人にちゃんと言いなちゃい。」
即座に亜津子にはりせんで叩かれてしまった。
「ってててて・・じゃぁ・・順番に言わせてもらうと・・」
「悠子、何でおまえはそんなに荷物が多い!ただでさえ暑い沖縄に何をそんなに持っていくつもりなのか知りたい。」
「まぁいい、じゃあ、亜津子、何でもう水着なんだよ!これから飛行機に乗るのにおろされるぞ!」
「それから、愛!何でおまえは改まった服着ているんだ!?遊びに行くんだろうが!」
「そいで・・、大塚!何だその重装備は?」
「それから悠子!おまえのその菓子の量は何だ!?太るぞ!」
勇次が言い切ってさっぱりした顔をした数秒後、衝撃と共に勇次の視界はフェードアウトした。
目がさめたときにはもう飛行機の中であった。
あくびをしつつ隣をみると、大塚が鎧をまとって乗っているじゃないか。
「お・・おい、大塚!」
回りに迷惑をかけない程度の大きさで声をかけた。
「どうしたの?勇次君」
ギリギリ音を立ててこっちを向く大塚が恐ろしく見える。
「え・・いや・・なんでまたこんな重装備なのかなって・・」
苦笑い交じりに聞いた。
「決まってるじゃない。飛行機が落ちたときのためよ。」
「え・・・?」
以前から思い込みの激しい人とは知っていたけれどもここまでとは・・。
「みんな信じられないよね。亜津子ちゃんなんて水着なんですもの。」
「そうだな・・・・ぁあ?って・・え!?亜津子、水着で乗ったの!?」
あまりにも意外なことだったため驚きの声を上げてしまった。
「そうよね!驚くよね!絶対危ないもん。」
いや・・そうじゃなくて・・と思いながら大塚の向こう側を見た。
本当に亜津子が水着で座っているのだ。しかも股を大きく広げて寝ているのだ。
(まじかよ・・よくここの機長が許したな・・)
とか思いつつ視線が亜津子から離れなくなってしまった。
好きな女の子だったら顔とまじまじと見てしまうのだが、
勇次の目線は明らかにいやらしいところに向けられていた。
(あ・・あ・・もう少し・・)
と、その時目に火花が散った。ゴツンと頭に衝撃がはしった。
後ろから鉄アレーが飛んできたのだ
「こんにゃろぉー!」
振り返るとちょうど後ろの席は裕子と愛の席だった。
悠子はそっぽを向いて怒ったような顔をしてた。
(またやばいことみられちゃったなぁ・・)
2時間の飛行機での旅、後ろから刺さるような悠子の視線に
二度と亜津子ちゃんの水着を堪能できることはなかった。
(でもなんで悠子のやつ鉄アレーなんて持ってるんだ?)
ついに沖縄の地へと到着した。
飛行機からタラップに降りた時点でもう馬鹿なうちの女どもは騒ぎ散らしていた。
日本の南端の県という事もあってその日差しはいうまでもなく強烈だった。
俺としてもやっと悠子の眼下から開放されたため、気分がうんと楽になった。
真っ先にバス向かった先はホテルである。
すぐにでも海に入りたい亜津子はバスの中でも騒ぎ散らしていた。
「海はまだなの!?早く入りたいー!!」
前の席のおじさんの髪の毛を引っ張ってわがまま言うものだから大変だ。
しかも俺はその亜津子の隣の席。もちろんバスでも水着姿だ。
「いてててて!なんだ君は!怒るぞ!」
髪の毛を知らぬ人に引っ張られるものだからたまらず声を上げる
「おい!亜津子やめろ」
俺は周囲の目に耐えられなくなり亜津子を取り押さえようとした。
「何よ勇次!あんたまで私を海に入れさせない気なの!?」
このわがままはなかなか抑えられるものではない。
「そうじゃないから、とりあえずやめろよ!」
そう言って勇次はおなかに手をあてて引きずり下ろそうとした。
「はなしなさいよ!!」
亜津子が暴れるものだから勇次もむきになってムギュと掴んだ。
ん・・?ムギュ・・?・・・
亜津子の動きが突然止まった。
「・・・・・・・・・・」
必死に亜津子を止めようとしていた勇次は、知らないうちに左手で亜津子の胸を掴んでいたのだ。
亜津子はおじさんの髪を引っ張ったまま、俺の手は亜津子の胸を掴んだまま時が止まってしまった。
いまさら引くにも恐怖のあまり手が動かなくなっていた。
確実に親指だけは、じかに亜津子の胸に当たっていたのだ
もちろん他の指も水着一枚というその場所で当たっている。
はっと我に戻った勇次はドスっと退いた。
時間にすれば一瞬の出来事であったが、勇次にとっては数分、またそれ以上の時に感じた。
亜津子はしばらくその体勢で固まっていたが、少しの時間を置いて座った。
バスの中は亜津子の騒がしい声は消え、のほほんとした雰囲気となった。
それっきり亜津子は目をつむってしまったが、俺はかなり罪悪感につつまれた。
ふと、誰かにこの出来事を見られたんじゃないかという不安が襲った。
見回すと、反対側の席で本を読んでいた愛と目があったものの、誰も勇次を睨むような目でみる人はいなかった。
少しほっとすると勇次も力が抜け寝ついてしまった。
「おい、おきれ!」反対側の席で愛の隣に座っていた圭子に小突かれて目が覚めた。
もう他の旅行者は荷物持ってバスから降り始めていた。
亜津子も何もなかったかの様に、大塚と楽しそうにしゃべりながら降りていった。
(よかった・・気にしてないみたいで・・)
勇次は少しほっとすると圭子に続いてバスを降りた。
ホテルのロビーに入ると旗を持った添乗員が部屋の鍵をわたし始めた。
勇次たちのもとには一番最後にやってきた。
「すみませんが・・東京からの寮のみなさんですよね?」
まるで珍獣をみるような目で僕たちの格好を見ながら聞いてきた。
「はい、そうです。」
「では・・これが部屋のキーです。部屋の割り振りですが、505号室が小林圭子さんと前田愛さん。
506号室が二村亜津子さんと大塚みどりさん、507号室が杉山悠子さんと橋本勇次さんとなっています。」
(え!?一人じゃないの!?)
勇次と悠子が困惑顔をしているのに気にも止めずそれぞれに、キーの入った袋を手渡された。
ツー・・
エレベーターで5階まで上ると、窓からの景色はさすがに綺麗だった。
まさに南国の風景と言うべきか、透き通るような青の海が広がっていた。
とりあえず今日はホテルの前のビーチで遊ぶことになった。
着替えとかを済ませ20分後に下のロビーに集まることでそれぞれの部屋に分かれた。
「えっと・・507・・507・・」
気まずい雰囲気をかき消そうと勇次は部屋の番号をつぶやきながら探した。
しかし、悠子の表情は今ひとつ感情がなく、全く持って無視された。
「お、あったぞ。」俺の歓喜の声にも
無関心なのかあきれているのか「あってあたりまえでしょ」と冷たく返された。
(やっぱり昨日の圭子とのことを怒ってるんだろうか・・)
部屋は明るい色で統一された高級感のあるものだった。
早速着替えようかと思ったときに、やっと事の重大さを気づいた。
(悠子もこの部屋できがえるのか!?)
勇次は恐る恐る悠子のほうを見てみた。
「なによ?」めんどくさげに悠子が答える。
「え・・いや、おまえどこで着替えるの?」
「さーね。」微妙にほほが染まったように見えた。
「さーねって・・言われても・・」
「冗談。もうしたに着てるわよ!」
そういいながら服を脱ぎ始めた。
ズボンを脱いで水着の下のほうが現れた。
さてシャツか・・そんな顔をしたが勇次を見ると
「着たままでいっか!」
そう可愛い笑顔を見せていった。
「う・・うん、日焼けしないし・・ね。」
(本当は水着姿を拝みたかったのだが・・)
そんな勇次の表情に気づかないのか、気にしていないのか、
「じゃ、お先に下に行ってるね!」
そういって部屋を後にした。
バタン。ドアが閉まる。
悠子の笑顔を久しぶりに見た気がした。
(もう怒ってないのか・・。とりあえず、よかった。)
しばらくの間、その場で固まっていたが、水着になるためトイレへと入っていった。
「かー!恥ずかしかった!!」
ここは1階のロビー。そんな声でしゃべるのは悠子だった。
「でも、気を許しちゃダメよ。あいつ何するかわからないからね。」
ブスっとそうつぶやくのは亜津子。やっぱりバスでの出来事は悔しかったのだろう。
実は悠子、こんな勇次に思いを寄せる一人なのだ。
しかし、表にはうまく出せず、いつもうらめ裏目に出て結局いつも勇次と対立してしまうのだ。
「あいつにそんなことできないよぉ」
すこしほほを赤く染めながら悠子は返した。
「さぁどうだか。あいつだって男だ。何考えてるか分からないからね。」
亜津子は言い聞かせるようにそう言っていると、噂をすればなんやらで張本人の勇次が歩いてきた。
「ありゃ、みんなもう揃ってるんだね・・。遅れてごめんなさい・・。」
うつむき加減に勇次は言った。
「何いってんだい!さぁいくよ!!」
圭子がバチーンと勇次の背中を叩くと、みんなビーチへと駆け出していった。
「早くしないとおいていくぞ!」
振り返ってそういった悠子の頬が、俺には染まっているように見えたのは気のせいだろうか。
いずれにせよ、俺は今、何人もの女の子に囲まれて沖縄にいるんだ。
この夏を存分に楽しまなくちゃな!
そう心に誓うと、慌ててみんなのあとを追いかけた。
レビュー
投稿者:ユウスケ 投稿日:2003/09/16
今回も充実した内容で十分に楽しめることができた。沖縄編ということもあるが、ビーチは次回へお預けとなるようだ。
だが、この巻でそれぞれのキャラクターの個性も見えはじめ、活躍していなかったキャラクターも目立ちだしてきた。
また、今回もドキドキする展開の話で楽しむことができた。
最終更新:2022年08月28日 01:49