第11話 親子

沙織の部屋のインターホンを押す清水。
暫く応答がなかったが、ドアが開く。
清水「警察ですが、前嶋沙織さんですか?」
沙織「そうですけど」
清水「ちょっとお話を聞きたいんですが、神田さん、いや神鳥さんのことで」
ぱっと目を見開く沙織、ドアを閉めようとするが、部屋に飛び入る。
沙織「きゃ!」
清水「神鳥はどこにいる!」
沙織「知らない…!」
清水「知らないはずがないだろう!どこにいるんだ神鳥は!」
透「父さん!」
清水「透…!?」
沙織「……?」
清水「どうしてお前が…」
透「父さんこそどうして…」
言いかけて、はっとする透。
清水「お前、この女とどういう関係なんだ…」
透「いや、この人は…」
清水「家に帰っていろ」
透「父さん…」
清水「帰るんだ!」
部屋を出ていく透。

アパートから出てくる透、を見る人影が…。

清水「神鳥はどこにいるんだ」
沙織「だから、知らないって…」
清水「知らない訳がないだろう!」
沙織「だから知らないってば!」
清水「お前がその気なら、こっちにも考えがあるぞ」
沙織「私が何かしたっていうんですか、これはただの事情聴取ですよね」
清水「……」
沙織「知らないものは知らないんです、帰ってください」

清水宅。
清水「どういうことなんだ!」
透「だから、合コンで知り合っただけなんだって、そんなに深い付き合いは無いよ」
清水「深い付き合いでもない女の家に上がり込むのかお前は!」
透「それよりも質問に答えてよ、あの人、一体なんの事件に関係してるの?」
清水「お前には関係ない」
透「関係ないことないよ、全く知らない訳じゃないんだから!」
清水「仕事に口出しするな!」
透、部屋を出ていく。
清水「透」
透「……」
清水「あの女に関わるな」
透、部屋を出る。
清水「……」

家を出る透、そこには沙織が…。
透「沙織さん」
沙織「……」

夜道
透「僕、沙織さんのこと何にも言ってませんよ」
沙織「本当?」
透「当り前じゃないですか」
透「沙織さん、僕、過去のことなんかどうだっていいんです、確かに天童は友達でした、でも僕の中で、あなたの存在が、天童以上に大きくなっていて…その、僕は、あなたのことが…」
沙織「透くん…」
抱き合う二人。
透の顔が突然歪む。
無表情の沙織。
倒れる透。

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最終更新:2022年09月15日 00:23