沙織の部屋のインターホンを押す清水。
暫く応答がなかったが、ドアが開く。
清水「警察ですが、前嶋沙織さんですか?」
沙織「そうですけど」
清水「ちょっとお話を聞きたいんですが、神田さん、いや神鳥さんのことで」
ぱっと目を見開く沙織、ドアを閉めようとするが、部屋に飛び入る。
沙織「きゃ!」
清水「神鳥はどこにいる!」
沙織「知らない…!」
清水「知らないはずがないだろう!どこにいるんだ神鳥は!」
透「父さん!」
清水「透…!?」
沙織「……?」
清水「どうしてお前が…」
透「父さんこそどうして…」
言いかけて、はっとする透。
清水「お前、この女とどういう関係なんだ…」
透「いや、この人は…」
清水「家に帰っていろ」
透「父さん…」
清水「帰るんだ!」
部屋を出ていく透。
アパートから出てくる透、を見る人影が…。
清水「神鳥はどこにいるんだ」
沙織「だから、知らないって…」
清水「知らない訳がないだろう!」
沙織「だから知らないってば!」
清水「お前がその気なら、こっちにも考えがあるぞ」
沙織「私が何かしたっていうんですか、これはただの事情聴取ですよね」
清水「……」
沙織「知らないものは知らないんです、帰ってください」
清水宅。
清水「どういうことなんだ!」
透「だから、合コンで知り合っただけなんだって、そんなに深い付き合いは無いよ」
清水「深い付き合いでもない女の家に上がり込むのかお前は!」
透「それよりも質問に答えてよ、あの人、一体なんの事件に関係してるの?」
清水「お前には関係ない」
透「関係ないことないよ、全く知らない訳じゃないんだから!」
清水「仕事に口出しするな!」
透、部屋を出ていく。
清水「透」
透「……」
清水「あの女に関わるな」
透、部屋を出る。
清水「……」
家を出る透、そこには沙織が…。
透「沙織さん」
沙織「……」
夜道
透「僕、沙織さんのこと何にも言ってませんよ」
沙織「本当?」
透「当り前じゃないですか」
透「沙織さん、僕、過去のことなんかどうだっていいんです、確かに天童は友達でした、でも僕の中で、あなたの存在が、天童以上に大きくなっていて…その、僕は、あなたのことが…」
沙織「透くん…」
抱き合う二人。
透の顔が突然歪む。
無表情の沙織。
倒れる透。
最終更新:2022年09月15日 00:23