ネザー |
ご覧ください!このエッグは相当に綺麗なものですね?これでは開ける前から「この中には、大事なものが入っている」と言っているようなものです……。 |
ネザー |
しかもいざ開けてみれば、まさか本当に宝物が入っているなんて! |
ネザー |
このように全てが想定内である出来事は、果たして真にサプライズと言えるでしょうか!? |
ネザー |
あ、もちろん、イースターエッグさまに非があると申し上げている訳ではありません……。 |
ネザー |
このような薄っぺらいやり方で下準備をなさっているのも、何かしらのお考えがおありなのだと思っております! |
イースターエッグ |
う、薄っぺらい―― |
ネザー |
ご心配には及びません!イースターエッグさまの苦心を、決して無駄にはいたしません! |
ネザー |
それゆえ、このような改変をさせていただきました!ご覧ください、かなり難儀いたしましたが、このエッグの柄を全て擦り取りました! |
ネザー |
これなら、このエッグを見つけたお方は、「普通のエッグなのにとんでもない宝物が入っていた」という喜びを感じられるでしょう! |
イースターエッグ |
え、こ、これは……。 |
イースターエッグ |
まあ、一理あるというか……。 |
ネザー |
ああ!わたくしの一存だったのですが、ご理解いただき恐悦至極にございます! |
ネザー |
また、こちらをご覧ください! |
イースターエッグ |
これは……変わっているようには見えないけど……。 |
ネザー |
もちろんです!サプライズの形が全て同等のものでは、サプライズとはいえません! |
ネザー |
様々な案を検討した結果、この美しく、まるで宝物が収められているかのような外見は、このままにすることといたしました。その代わり……、 |
ネザー |
中身はすべて、他のエッグに移しておきました! |
ネザー |
すなわち、このエッグを見つけたお方は、「宝物が入っていると思いきや、なにも入っていなかった」というサプライズを受けることができるのです! |
イースターエッグ |
そんなサプライズありなの!? |
ネザー |
ええ!予想外のことが起きる、それすなわちまごうことなきサプライズではございませんか? |
イースターエッグ |
……でも、せっかくエッグを見つけてくれたのに、なにもあげないっていうのはちょっと……。 |
ネザー |
ご安心を! |
ネザー |
道端に落ちているこのベリーを、残念賞として入れておきました! |
イースターエッグ |
……。 |
ネザー |
しかも、しかもです! |
ネザー |
マトリョシカのようなポケットもつけておきました! |
ネザー |
こういたしますと、このエッグを見つけたお方は、「宝物が入っていると思いきや、なにも入っていなかった」というサプライズをご堪能いただける他に……、 |
ネザー |
「なにも入っていなかったと思いきや、残念賞が入っていた」というサプライズまで体験できるのです!一粒で二度おいしいとは、まさにこういうことを言うのではないでしょうか! |
ネザー |
完璧だと思われませんか! |
イースターエッグ |
完璧……かなぁ? |
ネザー |
もちろんです!みなさまにとって、かなり珍しい体験になると思いませんか? |
ネザー |
そうでしたそうでした!こちらも御覧ください! |
ネザー |
このエッグは、チョコレートの色に塗られ、上にはクリームのような装飾が施されているのですが……、 |
ネザー |
見つけたお方は間違いなく「チョコレートかな」と思われるでしょう! |
ネザー |
しかしいざ開けてみれば、中にあるのはなんと、フルーツキャンディ!? |
ネザー |
しかしこれだけではありません―― |
ネザー |
よおく、ご覧ください! |
ネザー |
改めてよくよく見てみれば、実はこれ、フルーツキャンディではなく、それっぽく見える石なのです! |
イースターエッグ |
……。 |
ネザー |
どうですか?素晴らしいサプライズだと思いませんか? |
イースターエッグ |
すごいといえばすごい、けど―― |
ネザー |
ああ、イースターエッグさまとお話していましたら、手が止まってしまいました。 |
ネザー |
引き続き頑張りませんと! |
ネザー |
さてさて、次は……、 |
ネザー |
あら?これはなかなかミステリアスな雰囲気ですね!素晴らしいサプライズが仕込めそうです! |
モノローグ |
ネザーはそう言いながら、真っ黒に塗られたエッグを手に取り、開けようとした。 |
イースターエッグ |
ま、待って!その中には―― |
ネザー |
はわあああっ!? |
モノローグ |
イースターエッグの制止は間に合わなかった。ネザーは悲鳴を上げ、地面に倒れてしまう。 |
モノローグ |
その真っ黒なエッグに入っていたのは、少々不気味で怖い感じのするモンスターのフィギュアだった。 |
イースターエッグ |
それは今日、特別に用意したびっくりエッグなんだ……。開けると、中からこんなのが飛び出すんだよね……。 |
イースターエッグ |
予め説明しておかなかったのは悪かったよ。まさか開けられるとは思ってなかったから―― |
イースターエッグ |
とにかく、びっくりさせてごめんね―― |
ネザー |
……。 |
イースターエッグ |
あれ……ネザー?ネザー!?大丈夫!? |
モノローグ |
どれほど呼びかけても、ネザーからの反応はない。……気を失ってしまっていた。 |
イースターエッグ |
……。 |
イースターエッグ |
そんなあ!?こ、これはどうしたらいいんだろう……。 |
イースターエッグ |
そうだ、そういえば―― |