ライト・ライト ◆KazZxBP5Rc
――この世は腐ってる……。
日本一優秀な高校生・
夜神月は、いつものように退屈な授業を聞き流しながら外を眺めていた。
雲はまばらで何をするにもちょうどよい天気であろう。とはいえ教室の月にはどうでもいいことだ。
一通り雲を数え終わり、ふと校庭の方に目をやると、なにやら黒いものが落ちているのを見つけた。
よく目を凝らしてみるとどうやらノートらしい。
ここは学校だ。ノートのひとつ校庭に落ちていたところでおかしくないのかもしれない。
しかし、そのノートには月を惹きつける不思議な雰囲気があった。
「いや、気のせいだ。」
そうつぶやいて、視線を黒板の方に向けた。既に全部頭に入っている授業でも、代わり映えのしない外の風景よりはマシだ。
放課後、生徒玄関を出、彼は再びそのノートを目にする。
周りにはたくさん生徒がいるというのに、誰一人気付いていないのだろうか。それとも皆、興味を持つに値しないと思ったのか。
月はそっとノートを拾い上げた。ノートは黒一色の表紙で、ただ表に白抜きの文字でこう書かれていた。
DEATH NOTE。
その瞬間だった。月は強烈なめまいに襲われ、その場に崩れ落ちる。周りから悲鳴が聞こえる……。
「今から、皆に殺し合いをしてもらいたいんだ。」
少年は確かそう言った。その後、見知らぬ少女を連れてきて――死の音が鳴り響いた。
月は森の中で目を覚ました。
さっきのできごとは、夢? いや、そうでないことは首にかかるこの感触から分かる。
世の中は腐っていると常日頃から思っていたが、まさかここまでとは。
人を拉致してきて殺し合いをさせるなどということが行われているとは夢にも思わなかった。
しばらく放心状態だった月だが、近くにデイパックが落ちているのを見つけ、中を見てみることにした。
地図・コンパス・水……サバイバルに最低限必要なものは揃っている。
これはなんだろう。月は名簿に手を伸ばした。だが、ざっと目を通し見知った名前が無いことを確認、デイパックに戻す。
それから……。ここが殺し合いの舞台であることを示すようにデイパックの中で一際輝きを放っているものがあった。
夜神月には将来の目標がある。それは警察庁の長官になり、そして犯罪の無い世の中を作り上げること。
そのためにこの道具は避けては通れないものであろう。
だが、それを目の前にして戸惑いが無い訳ではなかった。
「ピストル……本物だ。これを、僕が持つのか。」
手に取って、その冷たく重い感触を確かめる。本当に殺し合いが行われるなら……。
もちろん自分はそんなものには参加しない。だが、この身に危険が訪れるなら……。
「その時は、これを使うことになるかもしれない。」
突然、近くの草むらが大きく揺れる音がした。
慌てて銃を構える月。もしかしたら早速殺人鬼と出会ってしまうかもしれない。
不気味な静けさが月の周りを支配した。
五秒、十秒、何も起きない。気が立っていただけだろうか。
落ち着くため一度深呼吸をし、銃を下ろそうとした。途端、暗闇から一人の男が姿を現した。
「慣~れない物扱うなってぇ。震えてるぜ、坊主。」
すぐさま銃を構えなおす月に、赤いスーツを着た細見の男が両手を上げて話しかけてきた。
「野郎に優しくしてやる趣味はねぇんでなぁ、一度だけ言うぜ。そいつを下ろしな。」
と言われても、もしこの男の言うとおりに行動したとして、彼が武器を隠し持っているとしたら。
月は死への恐怖に体がすくんで動けなかった。
月が躊躇していると男は再び口を開いた。
「しょうがねぇなぁ。本当ぁカワイコちゃん以外にこんな姿見せるったぁいけすかねぇんだがよぉ……。」
そう言ってデイパックを放りだし、服を脱ぎ始めた男。
突然の行動に月がうろたえている間に、男はトランクス一丁の姿になり、前、後ろ、前と向き直った。
「ほら、分かったろ。俺ぁ丸腰だ。さあ、銃を下ろせ。」
ここまでされると流石にこのまま銃口を向けているわけにはいかないだろう。
月は銃を丁寧にデイパックの上に置くと、再び服を着始めた男に向かって問うた。
「あなたは一体……?」
着替え終わった男はポーズを決めてこう放った。
「よ~くぞ聞いてくれました。俺様ルパ~ン三世。」
風が二人の間を通り抜けた。
「そうですか。僕は夜神月と申します。」
「で、お前さんこれからどうするよ?」
「もちろん、こんなくだらないゲーム、さっさと脱出して、警察に報せますよ。」
「警察ねぇ……。」
月は訝しんだ。この人は警察を信用していないのだろうか。
いや、実際月も信用してはいない。
あそこにも腐った人間はたくさんいる。刑事局長の父親からそういう話はうんざりするほど聞いている。
だがしかし、このような凶悪な犯罪に対して立ち向かうことができるのは結局のところ警察だけだ。
いくら優秀な頭脳を持っているとはいえ、一介の高校生である月にどうこうできる話ではない。
もどかしい。自分が警察を動かせる立場になるには後何年かかるのだろう……。
ちょうど月の思考が一段落したところで、タイミングよくルパンは次の句を告いだ。
「ま、俺も脱出っちゅーのにゃあ賛成だな。皆で、仲良く、元の生活に帰ろうや。」
しばらくして二人の間に会話はなくなった。この暗闇の中、他人に一方的に居場所を知らせることになりかねないからである。
ルパンは思考を巡らせた。
ひとつに、このゲームの首謀者のこと。これほど大掛かりなことをできるということは相当な金持ちであろう。
脱出ついでにそいつのお宝もちょちょいと盗んでやろう。
それから、ライトとかいう坊主が持っていた銃。あれは次元のものだ。
ということは自分のデイパックに入っているものも誰かのものなのだろうか。ワルサーも誰かの手に渡っているのだろうか。
そしてもうひとつ、坊主の眼。
最初に対峙した時、恐怖に震えていた彼の眼には危うさがあった。ふとした弾みでどう変わるか分からない危うさが。
そうして身を滅ぼした人間をルパンは何度も見てきた。
彼が正しい道を歩めるよう祈るばかりだ。そう、自分とは違う、正しい道を。
【一日目深夜/D-7 森】
【
ルパン三世@ルパン三世】
[装備]なし
[支給品]支給品一式、ランダムアイテム
[状態]健康
[思考・行動]
1:仲間を募りゲームを脱出する
2:主催者のお宝をいただく
3:月を見張る
【夜神月@DEATH NOTE】
[装備]なし
[支給品]支給品一式、M19コンバット・マグナム(次元の愛銃)@ルパン三世
[状態]健康
[思考・行動]
1:仲間を募りゲームを脱出する
※1巻冒頭からの参加です。Lのことも知りません
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最終更新:2010年06月12日 01:26