嗚呼、青春の日々 ◆EboujAWlRA
『出来る事なら、もう一度こうやって僕の声を聞けるようにね』
「十六人……織田……」
ちぃちゃんの声に、オレは目を覚ました。
いつの間にか眠っていたみたいだ。
確か、白髪の兄ちゃんに変な剣術っぽいのでぶっ飛ばされて、ちぃちゃんが戻ってきて。
んで……変なアイテムがあのターミネーターもびっくりのタフネス兄ちゃんを縛ったんだよな。
そこからか、眠っちまったのは。
ってことはだ、あの白髪の兄ちゃんと戦ったときには四時は回ってたから……
二時間ちょい寝てたってことか、寝すぎだろオレ。
畳の上で眠ってる、ってことは居酒屋かなんかか。
白髪と戦ったところからの距離的に考えて、ショッピングモールってところか?
しっかし、あそこからショッピングモールまで結構距離あったのに引っ張ってくれてたのかよ。
やっぱ見た目に似合わずいいヤツだなちぃちゃんは。
って、勿体ねえことやっちまったな。
おぶられてたってことは、合法的にちぃちゃんの中坊っぽくねえ身体を触りまくりのチャンスだったのに。
……ま、今はそんな状況じゃねえんだけどな。
「なぁ、ちぃちゃん」
「起きたの、シュン」
「ちょーど今、な。んで、放送ってのはどうだった?」
ちぃちゃんのクールな顔に影が刺した、ように見えた。
嫌な予感がする。
ちぃちゃんが作った表情は狼狽しているわけではないが、確かに悪いことが起こったときにする顔だ。
仲のいいツレが死んだ時の顔というよりは、前日に徹夜して作ったカンペが川に落ちたときのような、そんな顔。
だいたい放送で呼ばれた死者の名前に判断はついたが、ちぃちゃんの言葉を待つ。
「十六人、死んだ。ルルーシュって男も死んだみたい。あと、クラスメイトの織田ってのも」
……やっぱり、ルルーシュって兄ちゃんが死んだか。
っていうか、もう十六人も死んでるのかよ。これって多いのか?
ったく、頭の天辺から爪先まで痛ぇ痛ぇ呻いてやがるし、肝心のルルーシュって兄ちゃんは死んでやがるし、ろくな事がありゃしねえ。
六時間で十六人だから、一時間で二人と四分の一が死んでやがるのか。
二十五分もあれば一人は死ぬほど治安の悪い島です。
旅行者はそれ相応の武器と知識を身につけた上で、旅行会社の案内をよく聞いて行動しましょう。
クソ、洒落にもなってやがらねえ。
「ハザマは、死んでねえんだな」
「ええ、呼ばれていないわ。禁止エリアも合わせてメモを取っておいたから読めば?」
「あいよ……」
まさに、憎まれっ子世に憚るってヤツだな。
あのガキに、白髪の兄ちゃん、ハザマの野郎といい、しっかし、白いヤツはなんでこうむかつくのかね。
見た目は真っ白なくせに腹の中はドロドロの真っ黒なんだ、わかりずらいから見た目も黒くしやがれってんだ。
そもそもオレはロウの悪魔が嫌いなんだよ、上から見下してきやがるから。
「動ける?」
「……んー、ちょっとなら」
いや、正直きついけどな。
ディアラマ頼むわ、ディアラマ。もしくは回復の泉に連れてって。
「シュンはもうここで寝てなよ。
C.C.っていう女は一人で捜すよ」
「おいおい馬鹿いうなよ、ちぃちゃん。元気モリモリだぜぇ……オレは」
「そうやって刀を杖代わりにしなきゃいけない男がなに言ってるんだか」
プルプルと震える両脚の代わりに、逆刃刀で身体を支える。
すげえ、今なら生まれたての子馬のモノマネが自然に出来るぜ。
「無理無理。ほら、これとそれを早く交換して」
「あん? どれとどれを?」
「このボーガンと、その刀」
「なっ!?」
思わず驚きの声を上げてしまう。
一応ではあるが目上として、リラックスさせるためにふざけた感じで通してたつもりなのに、不覚である。
もちろん賢いオレは一瞬でちぃちゃんの言うことは理解できた。
オレがここで寝るにしても護身用の武器は必要、探索に行くちぃちゃんにも武器は必要。
今の身体も満足に動かないオレにはより強い武器を与え、五体満足なちぃちゃんは弱いほうの武器を持っていく。
「ちぃちゃんをそんな命知らずに育てた覚えお兄ちゃんはありませんよ!」
「あたしに兄貴なんていないよ」
「偶然だな、オレにも妹はいねえ」
アホなやり取りをしてる場合じゃない、さっさと言うこと言っちまわないと。
「あのなぁ、ちぃちゃんは刀なんて使えないだろ。しかも、これは逆刃刀で使いにくいんだぞ?」
「今のシュンよりはずっとマシだよ。どっちも生きる、っていう方針ならそれほど悪くもないと思うけど?」
「はん。どっちも生き残るためならもっと楽な方法があるぜ、オレも一緒に行けばいい。
ちぃちゃんも知ってるとは思うが、オレは普通のヤツよりは頑丈さには自信があるんだ」
そう言いながら、オレは逆刃刀を杖代わりにゆっくりとだが確かに脚を進めていく。
身体が上手く動かないとは言え、一般人のちぃちゃんとガーディアンが憑いているオレとじゃ元のパワーが違いすぎる。
全くの役立たずにはならないはずだ。
「小病院に行こうぜ、確か近くにあったよな?」
「そこで治療?」
「それが出来りゃ一番いいけど……まあ、本格的な杖とか欲しいな。頑丈で体重を預けやすいヤツ」
『よっ、と』、なんて年寄りくさい掛け声を上げながらオレは歩く。
痛みが残っているが、無茶できないほど辛いわけではない。
かなりきついのには違いないが、無理をすればいけないこともないってレベルの痛みだな。
「んじゃ、行くか」
「ホントに大丈夫なの?」
「大丈夫だー。さっきの見ての通り、オレ普通じゃありませんから」
「……そ」
オレはノロノロとしか動けないので、自然とちぃちゃんのスマートな後姿を見ることになる。
この光景はこの光景で悪くない、むしろ女の後姿ってのはなんかクルものがある。
しかし、ここって居酒屋なんだよなぁ。
酒も飲みてえな、さすがにこの状況でアルコールを摂取するわけにはいかないが。
ほほぉ、おでんが並んでやがる。さすが居酒屋だな。
機械を動かして入れてちょっと待つだけで、おでんが出来上がるって寸法ですかい。
つうか、こんな状況で呑気におでんを食うような馬鹿とか居るのか?
いや、オレとちぃちゃんも呑気にデイパックの中のスイカとか食ってましたけどね。
ただ、あのびっくり剣法が使えるターミネーターとかがおでん食ってたら超笑えるよな。
「オデンデンデン……オデンデンデン……ってか」
「なに、お腹空いたの? スイカあれだけ食べたのに?」
ちぃちゃんは振り返って不思議そうに逆刃刀を杖にヒィーコラしながら歩いているオレを見てきた。
なんか珍獣を見るみたいな目だな、おい。
しかし、腹が減ったか、か。
別に空腹なわけじゃないけど、なんか無性に人間の食べるものってヤツを食べたいだけで。
そう言えば、魔界から帰ってきたときは食えるものを食いまくったなぁ。
自棄食いっつうか、人間の料理を食べたかったつうか。
「なあ、ちぃちゃん」
「ん、どっか痛むところがあるの?」
「焼肉、食いてえなあ」
「……はぁ?」
あは、やっぱ呆れてやがる。
こんな状況でこんなこと言ったから仕方ないよな。
っていうか、今の雰囲気ってオレが死にそうな雰囲気じゃねえか?
「こう、皆で鉄板を囲んでよ。
肉が焼けてない、焼きすぎだ、野菜も入れろ、焼肉なんだから肉が優先だ……そういう感じでよ」
「……」
「焼肉、食いてえなあ」
ちぃちゃんは一瞬、悲しそうな表情を見せて直ぐに顔を引き締めた。
ちょっとミスったかな。
「シュン」
「あん?」
「ここはもう非日常なの。それぐらい分かってるでしょ?」
ちぃちゃんは冷たい言葉ばっかり言うね、中学生だって言うのに現実を受け入れすぎでしょ。
もちろん、オレが甘すぎたって言うのはあるけどよ。
まあ、しょうがねえじゃん。人間ならちょっと逃げたくなるときだってあるんだし。
もっとも、尻尾巻いて一人だけで逃げるような気はないけどな。
逃げるなら皆で、だ。
「ごめんなあ、ちぃちゃん。ちょっと痛みで弱気になってたわ」
「……」
ちぃちゃんの返事はなし、か。
へっ、どう足掻いたってもう焼肉は食えねえってことかよ。
まあ、そんなことはとそんなことは分かってるんだけどな。
オレだってそこまで頭がハッピーなヤツじゃねえよ。
ただ、ただちょっと考えてみただけだっつうの。
チクショウめ。
【一日目朝/ H-3 ショッピングモール内部】
【蒼嶋駿朔(
男主人公)@真女神転生if…】
[装備]:逆刃刀@るろうに剣心
[支給品]:支給品一式、どんと来い超常現象全巻セット(なぜベストを尽くさないのか付)@
TRICK、スイカ(残り4玉)@
スクライド
[状態]:重傷(杖があれば歩ける程度には回復)
[思考・行動]
基本:ブイツーだかなんだか知らんがムカつく野郎はぶっ飛ばす。
0:本格的な杖を探すために、小病院に行く。
1:千草と行動。セクシー姉ちゃん(C.C.)を探す。
2:狭間は相変わらずの様子ならもう一回ぶっ飛ばす、つーか刺す。
3:一緒にブイツーだかをぶっ飛ばす仲間を集める。
【
千草貴子@バトルロワイアル(小説)】
[装備]:ブラフマーストラ@真女神転生if、鉈@
ひぐらしのなく頃に
[支給品]:支給品一式×2、織田のバイオリン@バトルロワイアル、
庭師の鋏@
ローゼンメイデン、未確認支給品(0~1)
[状態]:健康
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗るつもりはない……?
0:シュンの治療をするために、小病院へ移動する。
1:シュンとひとまず行動。蒼嶋の言うセクシー姉ちゃん(C.C.)を探す。
2:三村と合流するべきか?
[備考]
※本編死亡後より参戦。
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最終更新:2010年07月06日 22:27