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風林火山 (NHK大河ドラマ2007)

作品内容と反響


原作は、2007年に生誕百周年となる小説家・井上靖が1950年代初頭に執筆した同名小説『風林火山』で、井上作品の大河ドラマ化は初めて。武田信玄(晴信)の伝説的軍師として知られる山本勘助の生涯を描く。類似テーマとして、1969年に上杉謙信を主人公に川中島合戦などを描いた『天と地と』、1988年に武田信玄を主人公にした『武田信玄』がある。織豊時代が描かれた2006年の『功名が辻』や2009年の『天地人』とは近時代にあたる戦国時代が扱われる作品。原作は勘助の武田家仕官から始まるが、物語は前半生にあたる放浪時代からスタートし、序盤は農民の娘・ミツとのエピソードなど、本ドラマオリジナルの展開となった。第12回「勘助仕官」より原作部分に入る。ただ第12回以降もオリジナルストーリーを基本に原作部分を組み入れる方式を取り入れているのが大きな特徴である。したがって第12回以降もオリジナルドラマの要素が強い。勘助が討死したとされる第四次川中島の戦いで完結する。

勘助の人物像は伝説的であるが、隻眼の主人公を題材にした大河ドラマとしては1987年の独眼竜政宗以来となり、小道具としての眼帯も複数製作された。時代劇では刀の鍔を利用することが多いが、このドラマの場合、山国の甲斐では藁製を、海がある駿河では鮑の貝殻を利用するなど細部にまで拘られている。

主演の内野聖陽は1998年『徳川慶喜』以来2度目の出演にしての主役抜擢。他にも、ヒロイン由布姫に新人の柴本幸、武田信玄に歌舞伎役者の市川亀治郎、上杉謙信にミュージシャンのGackt、北条氏康に大衆演劇から松井誠と、物語の中心的人物には大河ドラマ初出演でなおかつテレビドラマでの露出も少ない役者が多数抜擢された。板垣信方役の千葉真一も大河ドラマ初出演であり、全体的にもフレッシュな顔ぶれとなっている。

ホームドラマ的な要素が多かった近年の大河ドラマとは一線を画し、戦国時代の価値観に極力近づけていることを特色とした骨太な正統派時代劇となっている[1][2]。配役も実力派舞台俳優の内野聖陽など、一般的な知名度よりも演技力を重要視しており、「ドラマや映画で主演級の俳優」「CMでおなじみの人気タレント」達があの役を演じる、といった近年の大河ドラマに見られた配役傾向とは異なっている[3]。物語序盤に勘助の恋人ミツを演じた貫地谷しほりなど、各出演者の演技へは総じてメディアで高く評価されている[4][5]。

オープニングタイトルは、冒頭部分で風林火山の句「疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」が内野聖陽によって朗読されている。なお第30回より新たに収録しなおされたものを放送している。また、スタッフ・キャストのテロップは、2年連続で横書き表示である。

裏話として、NHKのラジオ番組で放送された、脚本家らを集めた座談会で、プロデューサーが内野聖陽に勘助役を打診したところ、「(僕じゃ)かっこよすぎないですか?」と尋ね返されたというエピソードが明らかになった。

このドラマへの出演を機に上杉謙信役のGacktが2007年8月25,26日に上越市・春日山地区で開催される「第82回謙信公祭」に同役で出演することが決定した。

また、板垣信方役の千葉真一が、7月7日にゲスト出演したNHKの生放送番組「土曜スタジオパーク」内で「風林火山の出演をもって俳優を引退する」と涙ながらに発言し、板垣の討ち死にシーンが放映された翌日(7月16日)に記者会見を開き「板垣信方の死をもって千葉真一を葬り去りたい」と述べ、正式に引退表明を行った[6]。


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最終更新:2007年08月09日 15:14
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