開放的理乃



開放的理乃


桐乃が陸上の為のアメリカ留学で世界のレベルの高さを目の当たりにし、心身ともに限界状態だったあいつを放って置けず。
俺は即渡米し何とか説得して二人で帰国したのはつい先日の事だ、体感では何週間も前の出来事の様に思えるがな。
だが、あいつは帰国してからと言うものどうも様子がおかしい。
あいつの宝物であり生き甲斐の一つの押し入れに隠されたコレクションを捨てろとメールで伝えてきた、
あの時と比べれば大した事は無いのかも知れないが。
かも知れないのだが……正直俺は戸惑っている。
姉や妹が居る奴なら分かって貰えるだろうが、基本的に兄弟は男と見なしてもらえない物だ。
だからこういう時どう言えば良いのか悩むところなのだが。
よし、まずは状況を整理しなければならないな。
クラスメイトに相談でもしようものなら異端審問が開かれかねないから赤城にも言えないが。

桐乃がな……恥らいが無くなったつーか、暑いからって下着姿でリビングをうろうろしたりするんだぜ。
正直、目のやり場に困る。
もし、妹の下着姿を見て勃ってしまったりしたら兄として情けないじゃないか、それよりこれをあやせに知られたら殺されかねない。
だから、兄の尊厳と俺の命を守る為にも一発ガツンと言ってやらないとな。

丁度、桐乃が風呂から上がって下着姿のまま冷蔵庫のドリンクを飲みにリビングへ入ってきた所だ。
「お、おい桐乃!最近お前格好がだらしな…い……ぞ?」
「なにぃ?」
と言って俺の方を向いた桐乃を見て俺は愕然とした。
「ってオイ!ブラも付けてねーじゃねーか!」
「はァ?ちゃんとタオルで隠れてるからいいじゃん」
いやいや、タオルを巻いてるならまだしも首からかけてるだけじゃねーか!
フェイスタオルほどのサイズの布は乳首は辛うじて隠れている物の、自己主張をし出した丸く形の良い胸はほとんど丸見えだった。
「隠れてるって言うか動いたら完全に見えるだろうが!」
「別にいいじゃんあたしが気にしないんだから、アメリカじゃこんなの普通だしー、あたし寝るときはブラしないから面倒なんだよね」
「気にしないってお前……」

A「お前が気にしなくても俺が気にするんだよ!」
B「親父が見たらどうするんだよ」



A
「お前が気にしなくても俺が気にするんだよ!」
意を決して俺がそう告げると、桐乃は驚いた様なきょとんとした顔をした後に暫し考え込む動作を見せたが。
「へぇ、あんた妹のあたしの体見て欲情したんだ。これだからエロ妄想ばっかしてる童貞は」
と黒猫に自慢を言っている時のように勝ち誇った様な嫌味な顔をした。
お、押し倒してー……じゃなかった、張り倒してぇ!
「……ど、童貞ちゃうわ!」
咄嗟にそう言い返すので精一杯だった。べ、別にエロ妄想なんかしてないんだからな!童貞かどうかは置いといて。
「へぇ、童貞じゃないなら別にイージャン。おっぱいくらい見慣れてるんでしょ?」
「ぐ……ッ」
こんな時どうやって言い返せば良いんだ。ちくしょう!舐めやがって!
そう言えば、前に見たアニメにこんなシーンあったな。
「それは違う、桐乃の裸に少しはいやらしい気持ちになったりもする」
「な~んだ、見栄張っちゃって本当は童貞なんじゃん」
「俺が童貞かどうかは置いてといてだな、女の子はもっと恥らいを持たないとダメだろ」
「さっきも言ったけど、アメリカじゃこんなんふつーだしー」
結局、そこに戻るのか。
「お前がそこまでアメリカ式に拘るならこっちにも考えがあるぞ」
「何?あんたも脱ぐとか抜かしたりするんじゃないでしょうね、この変態」
は、はっはっは、そんな安直な事するわけないじゃないかエロパロスレじゃあるまいし。
「アメリカで下着姿で家の中彷徨くのが当たり前なら、家族ならハグしたりキスしたりするのもアメリカじゃ当たり前だよな」
「え……?そりゃ……まあ……」
「ならこうするまでだ!」
俺は正面から桐乃に抱き着いた、俺の着ているTシャツとタオル越しに柔らかい感触が伝わってきて、
風呂上がりの石鹸とシャンプーの良い匂いが鼻孔を刺激する。
やべぇ柔らけー!こうやって密着すると心臓の鼓動まで聞こえてくる、桐乃の奴は驚いたのか心臓がバックバクだ。
「ちょ……ちょっと!」
「何だアメリカじゃ普通の事なんだろ?」
さっきとは攻防が逆になりこちらから意地悪な台詞を吐いてやる。
「そうじゃなくて、暑苦しいから止めてよね!」
「それじゃ答えになってないな、ハグの後のキスがまだだぜ」
そう言って桐乃の背中に回していた両手のうち右手だけを離し、その右手で桐乃の顔を上に向けさせー
「いい加減にしろー!」
同じく片手が自由になった桐乃の張り手が俺の頬に炸裂した。
桐乃は顔を赤くし目には涙を浮かせて、ゼェはぁ言いながら肩を荒く上下させていた。
どうやらこの勝負俺の勝ちみたいだな。
勝利宣言を言おうと思ったその時、ばさりと言う音がして桐乃の肩にかけてあったタオルが床に落ちた。
「これに懲りたら風呂上がりでもまともな格好しt……て、おい!おっぱい丸見えだぞ!」
「ふぇ?あ……キャー!!」
よっぽど恥ずかしかったのか桐乃はタオルをほっぽり出して階段をドタドタ登って自室に逃走したみたいだ。
さっき、一瞬見えたが桐乃の乳首ってあんな形してたんだな、なんかちょっと起ってた様な……。

その後は、桐乃も羞恥心を取り戻したのかそれとも俺のお灸が効いたのか、とにかくタオル一枚や下着姿で家の中をうろつく事も無くなった。
だが、相変わらず風呂上がりはキャミソールやらタンクトップやらの下にブラは付けてない様だ。
あの時裸を見てしまったからかどうかは分からないが、胸の頭頂部にポチリと浮かぶビーチク様が気になって仕方ない。
けど、せっかく少なくても服を来てくれる様になったのに余計な事言って悪化させても困るから苦言を呈する事も出来ん。
世のお兄ちゃん達は妹のけしからん格好を見たらどうやって窘めてるんだろうな。
言っても聞かないからそのまま放置だって?そんな事してたら俺の股間が有頂天になってしまうじゃないか。
いや、昔は兄妹で一緒に風呂入ったりした事もあったはずだが、あの時は何とも無かったのにいつからこんな気持になる様になったんだろうな。





B
「親父が見たらどうするんだよ」
そう俺が言った瞬間「ぐふぉハァ!」という叫びと共にガタっと倒れる音がリビングの食卓用テーブルの方から響いた。
「って親父居たーーー!!?」
親父が血を吐いてテーブルに突っ伏していた。
「お、おい……大丈夫かよ親父!」
いくら刺激が強すぎたからって血を吐くなんてどんだけ親馬鹿なんだよ。今時ギャグ漫画くらいでしか見られない光景だぜ。
と思ったら吐血では無く鼻血だったらしい。
とりあえず、上を向かせて鼻血を止めないとな、それから鼻血を拭くものを用意しないと。
「ティッシュティッシュっと……」
「お父さんこれ使って」
そう言って桐乃はタオルを親父に手渡した。
「お、済まんな桐乃」
って、そのタオルはつい今しがたまで桐乃が使ってた奴じゃ……。
「ごはぁ!?」
案の定親父の目の前には桐乃の双丘が。

後日、高坂家の家訓に「例え自宅の中であっても妄りに肌を露出べからず」という項目が追加された。







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最終更新:2010年10月02日 19:13
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