「ちょっと、あんたこっち着て」
リビングでくつろいでいたら妹に呼び出された。
「最近 物騒だからあやせの家まで送って行くから、あんたもきて」
「俺も?」
「はぁ、あたしだけだと家に戻る時 あたし一人になっちゃうじゃない」
だからって二人で送らなくてもいいんじゃないか
「お前なら何かあっても走って逃げ切れんだろ、だいたいお前 帰りは俺と二人で歩きたいの?」
「なっ…」
「桐乃もお兄さんも心配しないで、それほど遠くないし一人で大丈夫だから」
マイエンジェルあやせたん やっぱりかわいいぜ
「よし俺が送ってくる。桐乃は家で留守番してろ」
「ちょっと、なんでそうなるのよ」
ちっ、なんとかこいつを残らせる手をないか?
「そろそろメルルの放送が始まるけどいいのか?」
「そんなの録画してるから大丈夫よ」
まあ当然か、よしここは
「今日後ろの番組が特番みたいで時間ずれてたぞ」
「えっうそ。ちょっと待ってて」
あわててリビングに戻る桐乃を見て、よしよし
特番なんて嘘だし時間変わっても追従するだろうに、メルルの事となると我を忘れるやつw
「じゃ行こうぜ あやせ」
「えっ でも」
「いいって、いいって さぁさぁ」
「なんで そんなにうれしそうなんですか」
逃げるように家をあとにした。あいつにばれる前に遠くに逃げないと
数分後 追って来られたら、どうしようかと思ったがとりあえず大丈夫のようだ
が、携帯が鳴り出した、もちろん相手は桐乃 ここで出ないと確実に追われる
仕方なく出ると
「ちょっと特番なんて嘘じゃない、帰ってきたらひどいからね 覚えておきなさい」
「それとあやせに話しかけたり、近づいたら駄目だかんね、半径5m以内に近づいたら こ○すから」
隣にいるあやせにも聞こえるほどの爆音で伝えてきた
「それって端から見たら俺 完璧にストーカーじゃん」
「はぁー なんか言ったぁ」
「何でもありません」
「ちゃんと送るのよいいわね」
言いたいことだけ言って切られた。
その後すぐ、あやせの携帯にも着信があり。
「うん」「うん」「大丈夫だから」「なんかあったら通報するから」みたいなやり取りがあった。
絶対、桐乃だよな、でっかい釘刺されちゃたよ、しょがなくあやせの後を付いて行こうとすると
「お兄さん、大丈夫ですよ。私も少しお兄さんとお話したかったですから」
おおー ついに俺の心が通じたか、ここはひとつ愛について
「桐乃が帰国した時のことです」
へ・・・そっちかよ
あんまり思い出したくないことを聞いてくるな。
「言っとくけどおまえを呼ばなかったのは、着信拒否されてたからで他意はないぞ」
「その時の話 じゃなくて」
「お兄さんが桐乃をアメリカまで迎えに行ったんですよね?」
なんでこんな事 聞いてくるんだ
「・・・ああ」
「お姉さんの携帯で私に連絡してきたとき、やっぱりお兄さんの所にだけ連絡きていたんですね?」
「連絡って言っても、業務連絡みたいなもんで たいした内容じゃなかったぞ 言えないけど」
内容教えたら なんで処分しなかったんですかと詰め寄られても困るから 黙っておこう
「言わなくていいです。だいたい解りますから」
「えっ」
「『兄貴に会いたい』って書いてあったんでしょ」
何を言い出すんだこいつは
「あいつがそんな事 書く訳ないだろ」
「でも その日のうちにアメリカまで会いに行ったんですよね」
痛いところを突いてくるな
「それは兄貴として、友達に連絡もしない妹を怒りにだな・・・」
「やっぱりお兄さんには勝てませんね」
あやせが急に割り込んできたので言葉に詰まってしまった
「桐乃って意地っ張りじゃないですか、向こうで全然勝てなくて、それでメールも電話も止めて
陸上に打ち込んでいたけど、それでも駄目で最後の最後に愛するお兄さんに頼ったんですよ」
「さっきも言ったけど、会いたいなんて書いてないし、あいつは俺のことなんかなんとも思っちゃいないだろ」
「メールの内容じゃなくて気持ちです。なんとも思っていない相手にそんなメールは出しません」
なんと返事をしていいものか。桐乃が俺のことを・・・
妙な沈黙が続いたあと、あやせがつぶやいた
「できれば私に頼って欲しかったな」
「でも私じゃ桐乃に会いに行けても連れ戻せなかったと思うからやっぱり、お兄さんでよかったです」
「すみません、私の愚痴に付き合ってもらっちゃって」
「家 すぐそこなのでココでいいです。送っていただいてありがとうございました」
「ああ。じゃあ」
せっかくのマイエンジェルの笑顔なのに、桐乃の事が気になってそっけなく対応してしまった。
「それと桐乃の事これからもよろしくお願いします」
「ただし桐乃に手を出したら こ○しますから」
やっぱ怖ェ~
あやせ:
「お兄さんがシスコンなのはしょうが無い、手を出さないように釘も刺してるし
問題は桐乃がお兄さんにラブラブなのを兄妹とも認めない事よね。今気付けば引き返せるはず
あの兄妹 早く何とかしないと・・・」
京介 帰宅後
ちょっと妹の友達とお話したからって、なんで俺は妹の部屋で正座させられて
妹から延々と説教されなきゃいかんわけ。
「あんた、ちゃんと聞いてるの」
桐乃が俺のことを・・・そんなことありえん。やっぱ可愛くない
最終更新:2010年12月12日 12:49