「お兄さん」
「おう」
「今日が何の日か知ってますか?」
「あ? 今日は11月11日……吉幾三の誕生日?」
「……何でそんな渋い情報知ってるんですか」
「ん、いや、麻奈実んとこの爺さん婆さんが好きでな」
「そーですか……」
「あやせ」
「な、なんです?」
「今やきもち焼いただろ」
「はっ!? な、なにを、そんなわけないじゃないですか。 ちょっと本気でお姉さんをブチ〇したいな~、なんて全く考えませんでしたよっ!?」
「考えたのかよ!? いや、その気持ちは嬉しいがちょっと落ち着いて!? ね!?」
「う、うぅ~……考えてなんて……や、や、その話は、もういいです。 ……それより、本題のポッキーゲームについて、です」
「えーと……そういや、エロゲとかでもそんな単語を目にしたような」
「情報元がエロゲだなんて不健全です! お兄さんの変態っ!」
「お、怒るなよ。 わかったから、話を続けてくれ」
「くぅぅっ……誰のせいでわたしがこんな……。 まあ、それで、なんですけど」
「うん」
「……わたしとポッキーゲーム、してみませんか?」
「やろう」
「早ッ! 即決ですか!? 即答ですか!?」
「愛しのラヴリーマイエンジェル
あやせたんからの申し出でこの俺が断ったことがあったか?」
「その呼び方は恥ずかしいから止めてください! ……そういえば、なかったような気がします」
「そうだろう? さあやろう今すぐやろうとっととヤろう」
「何か止めたくなってきました……」
「ほい、口開けて」
「うぅ……わかりました。 ん」
「いいか?」
「はい」
「いくぞ」ポリッ
「ん、ん……(あ……顔、お兄さんの顔が……あ、ぁ)」ポリッ
「……」ポリポリ
「……(どんどん近く……近く……お兄さんの目……すごく真剣……あっ)」ポリ
「ん」ぱくり
「っ……ふ……ん……むぅ、ちゅっ……はぁ……はぁ……」
「ふぅ……」
「な、何で、こうなるんです……? き、キス、とか……これ、逃げた方が負けなのに……あれ? もしかしてお兄さん、最初からやり方知ってて……」
「甘い口づけだったな、あやせ」
「……」
「あ、あれれ? あ、あやせさん?」
「お…………くせに」
「へ?」
「お兄さんのくせにぃぃぃぃ!」
「おおおおおおお!?」
――その日、京介は一日中手錠を掛けられていたとか、いないとか
最終更新:2010年11月12日 11:35