京介さんに喜んでもらえた私は最高にいい気分です!!
でも、何故でしょうね。
私、拒絶されてるみたいで。
京介さんの家に行こうとしても、電話で「来るな…」って感じで。
ツンデレさんなのかもですね!
いつか、デレがくるんだろうなぁ、、、。
しかし、ツンにしては異常なんですよね。
なんか、裏で誰かに指図されてる感じがします。
こんな時は監視しか無いですよね♪
準備はしてありますよ?
隙を見て、京介さんの家中に監視カメラを仕掛けておいたんです。
愛し合ってる関係で隠し事はよくないですけど、京介さんは優しいですからどんな女に
奪われてしまうかわかりませんからね。
ごめんなさい、京介さん。
あなたが優しくするのは私だけでいいんです。
カメラの映像と音声は私のノートパソコンで見る事ができます。
携帯電話の回線を使えば、どこでもネットができるなんて便利な世の中です。
そうこう考えながら京介さんの家を監視していると1人の女が家に来ました。
あれは…、私も知っています。
そう、お姉さん、いや、桐乃は『地味子』とか言っていましたっけ。
そいつが家に入って行きました。
嫌な予感がするので家の中までついて行きたいんですけどね。
仕方なくノートパソコンで我慢します。
早く帰って欲しいものです。
*
京介Side
あやせが殺った。
そんな事、わかってる。
何を思ったか知らないが、俺の妹、そう、桐乃をあいつは殺した。
「親友」を殺したんだ、あいつは。
桐乃の悲鳴が聞こえて、それでも一応と思って桐乃の部屋に入ると、動かない桐乃と真っ赤に返り血を浴びながらも微笑むあやせがいた。
一瞬、何がなんだがわからなかった。
人が、死んでいる。(人が、人を殺した。)
死んでいるのは、桐乃。(殺したのは、あやせ。)
動かないのは、俺の妹。(微笑んでいるのは、俺の天使ちゃん・・・?)
しかし、あやせが全て悪いのか?
何故なら、殺した理由が『京介さんを守るため』というからだ。
意味わかんないだろ?
俺が桐乃にヒドイ事をされるのが見ていて辛かったんだと。
そんな事言われたら、俺だって悪いじゃないかと思ってしまうわけだ。
本当は、警察に今すぐ突き出したい。
だけど、あやせの将来や理由を考えるとできなかった。
第一、両親がアメリカに行っていていない今、1人で悩んでいてもしょうがない。
そう考え、『頼れる幼馴染』に相談した。
それが3日前。
今日が三回目。
言われ続けている事は、早く出頭させろ、ということ。
今日も多分そうだろう。
「きょうちゃん?お邪魔するね?」
どうやら来たようだ。
さて、それじゃ話をしましょうかね。
*
あやせSide
地味子が京介さんの部屋に入ったようです。
あいつの息が、臭いが部屋にたまってしまうというのに。
迷惑な女です。
話が始まったようです。
ノートパソコンから声が聞こえて来ます。
「きょうちゃん。いい加減にした方がいいよ?」
「何がだよ」
「あやせちゃんのこと」
やはりそうでしたか。
あの地味子が京介さんに吹き込んでいたんですね。予想通りです。
さらに地味子は続けます。
「あのね、きょうちゃん。仮にもあやせちゃんは、言い方は悪いけど殺人者だよ?わかってる?
今まで言わなかったことなんだけどさ。
気づいてなかったかもしれないけど、桐乃ちゃんは明らかにきょうちゃんを男、つまり異性として見てた。要は、桐乃ちゃんはきょうちゃんのことが好きだったんだよ?」
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
何を言っているんだあの女は
桐乃のことを言ったら京介さんが私をますます避けるじゃないか
ましてや私を殺人者扱いだと?
ふざけるなよ
何も知らないくせに
京介さんの日頃の気持ちも何も知らないくせに
もういい。
消す。
そんな決意をしても、無情にも話は続きます。
「なに…?桐乃が、俺を…?」
京介さん?ウソを目の前にいる女は語ってますよ?
「そう。きょうちゃんやっぱり鈍いんだね。でも、あやせちゃんもきょうちゃんのこと好きなんだよ?
それであやせちゃんはライバル、ましてや実の妹だからね。桐乃ちゃんを殺したんだよ」
し、ん、で、し、ま、え。
「っ・・・。そうなのか。わかった。一応あやせの話も聞いてから警察に行くよ」
「話を聞くの?」
「あぁ。何かしら言いたいこともあるだろうしな。
それに、本人の口から本当の理由も聞きたい。そういうことだよ」
「そうかぁ。きょうちゃんはやっぱり優しいね」
「そんなこと無い。優しかったら桐乃の気持ちに気づいていたかもしれない」
京介さん。私が助けます。いかなる女からも。早急に。それに、地味子は許せない。絶対にーーー。
*
京介Side
知らなかった。
桐乃が俺のことを好きだったなんて。
あいつはあいつなりに頑張って来たのに。
俺は何もできず。結局、桐乃がいなくなってから反省なんて。
バカな兄貴だ。
話をあやせから聞いて、必ず警察に行こう。あいつのためにも。
今まで避けて来たあやせに電話をする。もちろん会うためだ。電話で済ませようなんて思ってない。
不思議なことに1コールで出た。
「こんにちわっ♪京介さん!」
妙に明るい。それに、怖い。
「おぅ。元気にしてたか?」
それなりに平静を装ってみる。
「はい。もちろんです!」
向こうからは何も話を振らない。仕方ない、本題にいこう。
「ところであやせ。明日、夕方4時くらいから空いてるか?」
「えぇ、もちろんです!空いてなくても空けますよ」
「そ、そうか。じゃ、いつもの公園で会おう。
大事な話がある」
「だ、大事な話ですかっ!!」
「あぁ、そうだよ」
何か違う。いつものあやせじゃない。
「わかりました!楽しみにしてますねっ!!」
いや、楽しみなことでは全くないんだが、と言おうとしたら電話が切れた。
はぁ。気が重いが…、仕方が無い。会いにいこう。
最終更新:2010年11月13日 00:09