皆さんこんにちは
あやせです
突然ですが、私は今窮地に陥ってます。あぁ、いきなりこんな事を言っても訳が分からないですね。話は十数分前に遡ります。
今日私は、親友の桐乃の家に遊びに来た。すると桐乃のお兄さんが出迎えてくれた。
「あれ?桐乃の奴今家にいないみたいだけどコンビニでも行ってるのか?まぁすぐに戻ってくると思うから、あいつの部屋で待っててくれよ」
そう言うとお兄さんは、保留中だった携帯での会話を再開した。『相手できずすまない』というように片手拝みするお兄さんに、『気にしないで』と口パクで答え二階に上がった。
桐乃の部屋に向かおうとして、ふと手前のドアが少し開いている事に気付いた。
お兄さんの部屋だ。閉じてあげようとノブに手をかけた時、ふと悪戯心が湧いた。下の様子を窺うと、お兄さんはまだ電話中のようだった。どうやらすぐには終わらない様子
それを確認すると、ちょっとだけ罪悪感を感じながらもドアを開けた。
お兄さんの部屋は思ったより片付いていた。衣装タンスの引き出しが一つだけはみ出している。気になったので、中を見ないように閉じる。
机の上にはパソコンが置かれている。これでお兄さんは普段あのいかがわしいゲームをしてるのかと思うと、叩き壊したくなったが自重する事にした。
ふとディスプレイの陰に、まるで隠すかのように置かれている一冊のノートに気付いた。興味をそそられ手に取る。表紙にはこう書かれていた。
「マイラブリーエンジェルの切り抜きVOL.2」
これもいかがわしいモノなのかしら?恐る恐るページを開こうとした時
「じゃあ細かい打ち合わせはその時ってことで、じゃあ…」
お兄さんが電話を終え二階に上がってきた!
冷静に考えればそこまで慌てる事もないのだが、その時は見つかってはいけないという事しか考えられず更なる苦境へ自分を追いやってしまった。
そう部屋のクローゼットに隠れるという愚行を…
部屋に戻ってきたお兄さんは首を捻りながら独り言を呟いた。
「あやせの奴桐乃の部屋にもいないしどこ行ったんだ?」
胸の動悸がお兄さんに聞こえてしまうんじゃないかと思う位高鳴っている。助けて桐乃!
そうだ桐乃!私は液晶の光が外に漏れないように手で覆いながら、桐乃にメールを打った
件名:助けて桐乃
本文:訳あってお兄さんの部屋のクローゼットの中にいるの。気付かれないようお兄さんを連れ出して!
メールを送信して祈るような気持ちで返信を待った。ややあって返信が来た
件名:それ無理
ど、どうして!?慌てて本文を開いて見る
本文:今兄貴の押し入れにいるの…
終
最終更新:2010年11月17日 02:32