小ネタ/俺妹英雄伝

ある日、学校から帰ってきて机の引き出しを空けたら
俺の膝ぐらいまであるTV画面とボタンが付いた化粧台みたいな装置が飛び出した。
サイズがおかしいって? 気にすんな
何せコイツに付いてた説明書にはこう書いてあったんだからな

気ままに夢見る機

未来のネコ型ロボットの道具に、質量保存は通用しねぇってこった。
まさに世界はグーチョキパーでみんな違うからaikoでしょってな。
「ふーまさか夢の中で夢を見る機会に出くわすとはな」
頬を抓ってみるが痛い。うん、良くできた夢だね。
まあいいや、コイツは自分の好きな夢を見られるひみつ道具だった筈。
取り敢えず、このRPGのカセットを刺して夢を見てみるか。

↓ 夢の世界へー ↓

「ぐへへへへ、京介王子、お前はこの俺、大魔王アカーギの虜になったのだ」

オイコラちょっと待て、俺が攫われた姫のポジションかよ!?
おかしくねぇ!? 普通主人公だろ!? お姫様救いにいくんだろ、俺!?
「うへへへへ…お兄ちゃ…じゃなかった、大魔王様、1週間後に京介王子と結婚することを世界に発表しちゃいました!」
「そうか、悪い魔法使いのセーナちゃん。セーナちゃんの頼みなら、大魔王は王子と結婚もしちゃうぞー」
まさかの貞操の危機っ!?
つーか、あの魔女、ぜってー魔王を裏で操ってるよ!?!
「はっ、お兄ちゃん、この魔法の水晶を見て!」
「うん? これはコーサカ王国か?」
お、親父っ!!

「むぅ…大魔王に捕まってしまうとは情け無い。やはり国は桐乃に継がせるか」

見捨てられたーーーーーーー!!?

「お父さん、お母さん、あたし、兄貴を助けに行く!」
「危ないわ、桐乃。京介は男だからいいとして、あんたは女の子なのよ」
よくねーよ! むしろこの大魔王兄妹は男の方があぶねーよ!!
「大魔王にとっつかまった超鈍くさい兄貴だけど、あれでも一応兄貴だしさ。
 それに兄貴はどうでもよくても、世界もピンチだし、大魔王倒すついでに兄貴も助けてくるから、任せてよ!」
「しかし桐乃、お前一人では……」
「大丈夫です王様! 私も桐乃と一緒に行きます! 私は桐乃の親友ですから!!」
「ふ…黒魔導士の私は闇の世界でも生きていけるのだけれど、報酬次第ではこの女に協力してあげてもいいわ。
 尤も、大魔王に攻められている人間世界に、さしたる財宝なんて残ってないでしょうから
 報酬は京介王子の身柄、というのはどうかしら? ちょうど人体実験に使う動物が欲しかったのよ」
「ふむ。背に腹は替えられん。大魔王を倒した者には京介を娶せてやろう」
「お、お父さん、それ本当!!」
「だ、大魔王を倒せばお兄さんを頂けるんですね?」

ナレーション「こうして、旅にでた勇者桐乃は、仲間達と共に大魔王の城を目指したのでした」

「もう一週間だと言うのに、まだ城にたどり着かないわ。誰かさんのせいで」(クロネコ  しろまどうし  Lv30)
「うっさいなー、ちまちまスライム倒す努力が、後で大事になんの!」(キリノ  ゆうしゃ  Lv55)
「黒猫氏は途中でジョブチェンジしたでござるな」(サオリ きどうせんし Lv63)
「ついにお兄さんを大魔王から取り戻して監禁する時がやってきました」(アヤセ じゅじゅつつかい Lv55)
「加奈子疲れたから帰っていい?」(カナコ めるる Lv99)
「だいまお~さんへのお土産って、これでいいのかなぁ~」(マナミ おばあちゃん Lv80)

「さあお兄ちゃん、じゃなかった大魔王様! ズボっといっちゃって下さい!ズボッっと!」
「早くっ!早く来てくれ桐乃ーーー! 尻が、俺の尻がーーー! 悪夢だーーー!!」

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最終更新:2010年12月08日 00:22
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