友達の唄



アイツらと出会ってから、どれくらい時間が流れただろう。
キッカケは、兄貴が友達を探そうっていったことだったね。

初めて喋ったのは、秋葉のマック。
それから夏コミに行って・・・。
運悪くあやせに出くわして、一緒に雨にぬれながら私が泣いたこともあったっけ。
あれ、あの時黒猫と沙織はぬれてなかったかな?

素直じゃない私達のことだから、顔見ればいがみ合って。
2人とも大事な友達だってこと認めたくなくて・・・。いつも遠回りして。
それでも私たち・・・友達だったよね?沙織はそんな私達を見ていつも笑ってたケド。

なんだかんだいいながらいつも手を取り合って、兄貴を含め4人でよく遊んだっけ。
消えていく時間の中で、多分アンタ達に一番の時間を費やしたんじゃないかな。
でも私は、今もそうしてよかったって思える。本当に、心から。

大きくなるにつれて、背負う物が多くなってきて。
今も辛くて、辛くてしょうがない時だってある。
だからって私達4人の誰かが泣いていても、あのとき私達が馬鹿みたいに笑いあってた記憶は
消えやしないから。誰か一人が笑っていれば、その笑顔も簡単に思い出せるよね。

そういえば、私が偽彼氏を連れてきて皆を怒らしちゃったこともあったね。
黒猫も沙織も、私達の仲を大切にしてて優しいから。あんまり本気で怒ることなんてなかったけど。
あのときは私を本気で叱ってくれたよね。今だから言える。沙織、怖がらせちゃってごめんね。

4人で遠いところへ行ったこともあった。
皆で知らないものに触れたこともあった。そして皆で光を見出せた。
いろんなことがあって、私達はもっと距離を縮められたんじゃないかな。
近づけば近づくほど、アンタ達の温かさを感じれるような気がした。
それと同時に離れるのが怖くなったりもした。でも、それは私の考えすぎだった。
兄貴が理不尽にフラれたあのとき、私が急いで黒猫を呼びに行った日のように。
私達は皆を絶対に見失わないって気付けた。お互いがお互いを目印にしてるってとこかな。

そういえば私がアメリカに留学したとき、兄貴がアメリカに私を連れ帰しに来たっけ。
あの時は私の甘えを消すためとか一人で悩んで、
私の趣味を全部捨てようとしてたんだよね。あの時兄貴が連れ帰しにきてくれなかったら
どうなってただろう。あの時は嬉しかったな。

その時に分かったんだ。私達はいつでも傍にいるんだってこと。
沙織の家にわざわざ押しかけたこと、兄貴が私を連れ戻しにきたこと、黒猫を追って遠い温泉までいったこと。
物理的な距離が離れてても、関係ない。皆のためならどこへだって飛んでいける。

この記憶は絶対に忘れない。
私達がどんなに歳をとったとしても、私の身体が滅びようとも。
心の奥に、アンタ達はずっといてくれるから。
もしアンタ達が忘れそうなときは、私達と笑ってたこと、一緒にいたこと。
教えてあげるためにも、ね。

信じたままで、会えないままで。どんどん私達は大人になっていっちゃうけど。
それでもアンタ達と、ずっと笑っている。そんな気がするんだ。


だって、ずっと友達でしょう?

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最終更新:2011年05月21日 07:37
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