続・あやせの幽体離脱 京介×桐乃?
○月○日(幽体離脱四日目)
なんだかんだで四回も石を使ってしまった。この石の力は本物だった。あの女の占い師は一体何者なんだろう。しかし今はそれよりもーーー。
「♪~♪~ふふ~ん♪」
今日はリビングに桐乃が一人でいる。しかしその格好が尋常ではなかった。
「兄シャツ~♪兄パン~♪兄ソックス~♪」
そう。今の桐乃はドラ○エのロトもかくやといわんばかりの兄シリーズで全身の身を固めていた。そこにいつもの親友の姿はない・・・。
「でぅへへ・・・。兄パンおいしいよぉ~。はぉっ♪たまんない~。」 ・・・。
全身をピクピクと打ち上げられた魚のように痙攣させる桐乃。いつもお兄さんが使っていると思われるソファのうえのクッションを抱きしめながらリビングを縦横無尽に転げまわる。
ピルルルル・・・・・。 あ、電話だ。
「もしもし、高坂です。」 「おう、桐乃。俺だよ。」 どうやら電話はお兄さんのようです。
「なにあんた。わざわざ家の電話に電話なんてしてさ。」 「おまえが緊急の用件以外かけるなって言ったんだろうが。」
「そ、そんな昔の話持ち出すなっ。そ、それにい、今は緊急事態じゃん。」 「は、はあ?」
「だ、だから、お父さん達が家に居ないわけじゃんっ?それなのにこんな可愛い妹が家に一人だなんて、き、緊急事態じゃんっ?」 「あ~そのことなんだけどよ・・・。」
「な、なに?あ、もしかして帰りになんか買ってきてくれるものでも・・・。」 「今日真奈美んとこ行かなきゃなんねーから帰り遅くなるわ。」 「・・・え?」
「だから、真奈美の家の田村屋・・・店の手伝いしなきゃなんねーから遅くなるわ。って聞いてるか?」 「な・・・んで・・・。」 震えだす桐乃。
「んじゃそゆわけだから。戸締りしっかりしとけよ。」 「ちょ、待っ・・・」 ガチャん! ツーツーツー・・・。
「・・・。」 無言で受話器を握り締める桐乃。お兄さん・・・もう少し説明があってもよかったんじゃないんですか?
「・・・!」 桐乃は着ていたお兄さんの服を脱ぎだし壁にたたきつけました。そのまま二階へ猛ダッシュ!
お兄さんのベッドの下から、何だろう、あ、あれは・・・エ、エッチな本やDVDを引っ張り出し始めました。それを手に取りそのままーーー
ビリビリビリ!!!バキバキバキ!!!!ガシャガシャガシャ!!!!!
親友の私でも見たことのない、それはもう鬼のような形相で、嫉妬に狂った顔で、お兄さんの私物を破壊し始める桐乃。
全てを終えること数十分ーーー桐乃は目に涙を貯めた何の感情もない顔で自分の部屋にもどっていきました。
○月○日(幽体離脱五日目)
「おい!どういうことだよこれは!?桐乃!?」 「・・・。」 怒り狂うお兄さん(弩)と蔑んだ目で兄を見つめる桐乃(冷)。
「なんの恨みがあって・・・こんな・・・!お、おれのコレクションが・・・!これ集めるのにッ!どれだけ苦労したのかわかってんのかッ!?」
「なにがコレクションよ。どーせあのきもい女のこと考えてきもいことするためのいかがわしいもんでしょーが。この低脳。」 「なっ!?」
「だいたいあんたもさ~その歳になってメガネ~♪つけたまま~♪ってばっかじゃないの?シスコンなのか地味子好きなのかどっちか一つに絞りなさいよ。ま、あんたなんて今まであのキモい女しか相手してくれなかったわけだしね~。せっかくあたしが相手してやってんのに。だから黒いのにもふられんのよ。」 「(プチン)」。あ、お兄さんの様子が・・・。
「・・・。」 黙りこむお兄さん。 「ま、最近はあやせや加奈子にも言い寄られてるようだけど、地味顔の勘違いほど痛いものってなくない?ちょっと頭が回るなら遊ばれてるだけって分かるっしょ?ま、あんたの足りない脳みそじゃそんな簡単なことさえわかんないか~。ちょっとは自覚したら?分不相応って言葉知ってる?知らなきゃ広辞苑引けばぁ?」 そう笑いながら嘲弄する桐乃。
「・・・。」 「だ、だから・・・そ、そんなくらいで・・・怒るのが・・・おかしいって・・・言ってんじゃん・・・。」 「・・・。」 ゆらぁ と幽鬼のようになるお兄さん(幽鬼)。
「・・・。」 「ぅ・・・。」 本気で怒ったのか。お兄さん相手に後ずさる桐乃。
「桐乃。」 「な、なによ・・・なに年下の女の子相手に凄んでんのよ・・・。凄んだってキモいものはキモいんだから・・・。あんたなんか・・・あんたなんか・・・。」
「おしおきだ。」 「え?」 「悪い子にはおしおきをする。それが兄貴の役割だ。」 「な、何言って・・・。」 震える桐乃。お兄さんとは思えない俊敏な動きで桐乃はそのまま取り押さえられーーー。
○月○日(幽体離脱六日目)
わ、私は夢でも見ているのーーー?あの優しいお兄さんがーーー。
「ひぃっ!も、もうやめてぇっ!もう、もうぶたないでぇっ!」 そう桐乃は縛り上げられていた。それも私がお兄さん対策にと桐乃に渡したグッズで。
「いつまで泣いてんだっ!きっちり反省したのかっ!」 昨日のまま覚めやらぬ勢いで桐乃のお尻を打つお兄さん(看守)。
こ、こんな風に悪用(?)されるなら渡すんじゃなかった・・・。お、お兄さん、一体何を・・・乱心?
「あひぃっ!も、もうイってるから!イってるからぁっ!ぁ・・・。」 ビクビクビク。桐乃は失禁してしまいました。
「・・・。」 「ぁ・・・ぁ・・・ぅ・・・ぅう・・・。」 ぴくぴくと震える桐乃。
「桐乃。」 「ふぁ?」 桐乃の髪をつかみ顔を引っ張りあげる鬼畜(兄)。よだれを垂らした虚ろな目で兄の顔を眺める桐乃。
「なんであんなことをしたんだ。理由を言え。」 「(ふるふるふる。)」 首を振る桐乃。
「それにおまえは言ってはいけないことをまた言った。」 「?」 「真奈実のことだよ。俺だけならまだいい。なのに真奈実のことをあんなにまで口汚く罵りやがって・・・。」
「っ!」 お姉さんの言葉を聞いたとたん桐乃の瞳に光が戻ってきました。「もう一度聞くぞ?なんであんなことをーーー。」
ぺっ。唾を桐乃からはきかけられるお兄さん。
「・・・おい。」 「はん、あんたらのキモい関係なんか知ったことかっ。キモいやつのことをキモいって言ってなにが悪いのよっ。」 無表情なお兄さん(能面)。
「お、一昨日だって、結局帰ってこないで、な、なにやってたのよ、ど、どーせ、あ、あの女とセ、セックスでもしてたんでしょう!?」 桐乃は目に涙を滲ませながら、
「い、家には、わ、わたし一人だったのにぃ・・・。せ、せっかくふ、二人っきりだったのにぃ・・・。ぐす・・・。ほ、他の女のところばっかり・・・。」 もう泣くのを隠そうともしない。縛られてるから手で顔も覆えない。
「桐乃・・・。」 「うあぁああ・・・。ぐすっ、おにいちゃんの、おにいちゃんのばかぁ・・・。ぅえぇええ・・・。」 かつてそう呼んでいたのか、幼い子供のようになりながら泣き出す桐乃。
「桐乃。」 スッ とそのまま桐乃を抱きしめます。 「ぉ、にい、ちゃん?」
「桐乃ごめんな。一人にして。桐乃ごめんな。」 貪るようにキス。 「ん、はぁ・・・。ぅうん、は・・・ぁ、き、桐乃が悪かったの。悪かったのぉ・・・。」 顔を涙とよだれでぐしゃぐしゃにして。
「まなちゃんに取られちゃうって思ったの・・・。怖かったの・・・。私、まなおねえちゃんとおにいちゃんの取り合いっこになったらきっと勝てないから・・・。だから、だからぁ・・・。」
「うん・・・うん・・・ごめん、ごめんな・・・桐乃。」 お兄さんも涙を流しながら、桐乃を抱きしめながらその唇を貪ります。
「もう、もう、どこにも行かないでぇ・・・ずっと、ずっと桐乃のことしばっててぇ・・・。」 「どこにも行かない・・・どこにも行かないから・・・。」
・・・。はっ!わ、わたしは何を・・・!な、なんでこんなフラ○ス書院の解説みたいなことを・・・!
○月○日(幽体離脱七日目)
とうとう最後の石を使う日がやってまいりました。なんて疲れる一週間でしょうか。正直お仕事よりもこちらのほうがよっぽど神経を・・・あう。
今日は、ん?どこか外へ出かけるみたいです。なにやら桐乃がめかし込んでいます。
「お~い、桐乃~。まだか~?」 「もういく~♪」 玄関でブーツを履きながら、
「ふふん♪」 「な、なんだよ桐乃。」 「あたしのセンスがいいのかなっ。京介もすっかりかっこよくなっちゃってさぁ。」 「や、やめろよ、くすぐったい・・・。」
確かに、今のおにいさんの服装はとても洗練されている。そして素は悪くはないのだから(むしろかっこいい。てへ☆)自然目を引きます。
「じゃっ、行こっ。おにいちゃん♪」 お兄さん(デレデレ)の左腕に両腕を絡ませながら、嬉しそうに出て行くバカップル兄妹(1組)。
途中、クレープを一つ買って公衆の面前で食べさせっこしていたのを指摘するにはあまりに疲れました・・・。(公衆だとわきまえているのか「一応」口移しではない。)
お兄さんは最後にペアリングとネックレスを買って桐乃に着けさせ、そのまま帰宅しましたーーー。
ーーー翌日。
「はあ。」 とぼとぼといつになく活気をなくして歩く私は新垣あやせ1×歳。この一週間はとてもとてもショッキングなものでした。なぜなら、
「あんな、あんなことを、ふたりで・・・。」 ・・・もう私にあの二人に入り込む余地はないのかな?お兄さん、私の告白をどう受け止めてくれてるんですか?私のこと、大好きじゃなかったんですか?
暗澹とした気持ちで歩いていると・・・。
「あやせ~おっはよ~。」 そう、張本人(その1)が笑顔でこちらにかけてくる。
「・・・おはよう桐乃。」 「どうしたの?元気ないね、やっぱ昨日まで海外いたしね、疲れてるの?」 ・・・どの顔下げて言ってるの?このブラコン娘は。
「あ、もしかして!またうちの兄貴があやせに何かーーー。」 「おーい桐乃~あやせぇ~。」 向こうから近づいてくるは張本人(その2)。
「・・・。」 「ようあやせっ。今日も結婚したくなる天気だなっ。」 ぷるぷるぷる。ここ一週間が走馬灯のように流れる。
「態・・・。」 「え?お、おい、あや」 「死ねえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!このっ変態があああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!11111111111!!!!!!!」 「う、うわああああああああああああ!!!!!???!!!」
私は夢の島直行産業廃棄物(兄)に正義のパイルドライバーをアスファルトに叩き込んだーーー。
おしまい。
おまけ。
女占い師「ふう。いいサンプルが出ましたわ。実験結果もなかなか上々。」
黒猫「な、なにをやってるの。沙織、あなた・・・?」
沙織「おやおやばれてしまいましたか・・・。次のサンプルはあなたにしようと思っていたんですわよ。ほほほのほ・・・。」
黒猫「くっ、こ、これほどの邪悪を裡に秘めていただなんて・・・。」
沙織「この作品が完成すれば、いついかなるときに何度でも離脱できる。わたくしに隠し事は通じませんわよ京介さんーーー。」
執事長「お嬢様・・・お元気になられて・・・。じいは・・・じいは。」
執事達(たくましくなりすぎだろおい。)
今度こそ終われw。