ふたば系ゆっくりいじめ 481 虐待・後篇

虐待・後篇 22KB

虐待 理不尽 

『虐待・後篇』






【虐待】

虐待(ぎゃくたい)とは、自分の保護下にある者(ヒト、動物等)に対し、長期間にわたって暴力をふるったり、世話
をしない、いやがらせや無視をするなどの行為を行うことを言う。一言に虐待といっても、対象や種類は様々である。

                                ―――――――――ウィキペディアより、引用



(あらすじ)

 強化ガラスによって四方を囲まれた、いわゆる透明な箱の中にまだ子ゆっくりサイズのれいむとまりさがいた。れい
むとまりさを箱の中に監禁しているのは、二十代後半の男だった。男は職場で上司の女と恋に落ちた。今では結婚の約
束まで交わしている。

 そんなある日、女はこのような“ゲーム”を男に持ちかけた。

 ゲームとは言っても二人にとっては、将来を左右する重要な意味を持つものだった。

「このハートマークのついたまりさと…さっきのれいむ。1ヶ月後に死んでいたら…あるいはいなくなっていたら…あ
 なたとの婚約は破棄させていただきます」







二、

「ゆっくちしびぎゅぶっ!!!!」

 帰宅し、部屋の中に入ってきた男は、玄関のすぐ目の前にある流し台の上に設置されていた、あんよを丹念に焼き焦
がした赤ゆの挨拶を遮るようにそれを無言で叩き潰した。破れた皮の隙間から餡子が。飛び出した眼球が周囲の壁にへ
ばり着いている。

 男は乱暴に靴を脱ぐと、部屋の奥へと歩いていく。照明をつける。照らされた部屋の中央には強化ガラス製の透明な
箱が置いてあり、その中にはお互いの頬をぴったりとくっつけてガクガク震えているれいむとまりさの姿があった。

 先ほどの“戯れ事”も暗闇の中で一部始終を聞いていたことだろう。男は自分の右手にこびりついた赤ゆの皮の一部
や餡子を二匹に見せびらかすように、手を箱の壁に押し付けた。

「ゆんやああああああああ!!!」

「ゆっくりできないよーーーー!!!!」

 男は陰鬱な笑みを浮かべて、箱の前から立ち去った。流し台の方から水の流れる音がする。手を洗っているのだろう。
れいむとまりさは、男が部屋に帰ってきたことで湧きあがる恐怖心にかられ、言葉を発することができない。くっつけ
ていた頬を、さらに強く押し合う。それぐらいしか恐怖から逃れる術はなかった。

 しかし、これほどまでに怯えているというのに、二匹の顔には傷一つ見当たらない。それなのに澄んだ瞳の奥には、
相当なまでの疲労とストレスが漂っていた。

 最初の一週間で、男は二匹を徹底的に痛めつけた。殺さないよう慎重に、丁寧に、ただひたすら永遠とも感じられる
苦痛をれいむとまりさに与え続けた。れいむもまりさも、泣きながら何度も何度も謝った。何も悪いことはしていない
にも関わらず謝った。そのたびに、潰したくて潰したくてたまらなくなったが、女とのゲームに勝つために耐えた。

 その衝動の矛先は、全て袋の中に詰め込まれた赤ゆたちに向けられた。

 男はゆっくりを潰すのが好きだった。

 希望に満ちた笑顔を。小さな体で一生懸命に這いずる姿を。親に寄り添い一心に愛情を受ける様を。

 叩き潰して壊してやるのが大好きだった。

 ただ潰すだけなら、男もここまでゆっくり潰しにのめり込むことはなかっただろう。ゆっくりを一匹潰すと、必ずも
う一匹のゆっくりがオーバーリアクションで答えてくれる。表情が豊かなので、一瞬にして笑顔が絶望へと変わる様子
を見ることができるのも、理由の一つだった。

 赤ゆたちは主に、握り潰されるか、踏み潰されるか、食われるか、壁に叩きつけられるか、の選択肢しか与えられて
いない。餌など一日もやっていない。それでも赤ゆたちが生きているのは、共食いを行っているからだ。後は適当に生
き残った赤ゆで遊んでいればいい。

 男にとって、ゆっくりは玩具でしかなかった。遊び方は簡単だ。何も考えずにただ壊せばいいだけ。

「やめちぇにぇっ!やめちぇ!ゆぎゅっ」

 また一匹、赤ゆが死んだ。ふと気付くと、袋の中にはもう赤ゆが三匹しか残っていない。この袋も赤ゆ詰め合わせで
買ってきたものだが、れいむとまりさを買って来た日から数えてすでに三袋目だ。いったい一週間のうちに、何匹の赤
ゆを潰したのだろうか。赤ゆのストックがなくなったので、ペットショップに向かおうとする男。しかし、あることに
気付いた。

「今日は店休日だったな…。チッ…。………ん?」

 男が、箱の中のれいむとまりさを見る。二匹は、男から一番遠い位置の壁にべったりとくっついている。男の一挙一
動に歯を鳴らし、全身を震わせ続けていた。

「お前ら」

「…ゆ?」
「…ゆゆ?」

「今からすっきりー!させてやる」

 男はそう言うと、箱の中かられいむを引きずりだした。左の揉み上げを掴みぶら下げる。ブチブチ…という嫌な音が
聞こえるが男の耳には入らない。そのぶら下げたれいむを、高速で数発殴りつける。

「ゆぐぢっ!びゅべっ!ぴゅぎっ!んぎゅ!ゆぼぉ!ゆべぇ!ゆ゛ん゛っ゛!!」

 あっという間に気を失ったれいむを放り投げた後は、ぐったりしているれいむを固定するために、ベルトを使ってテ
ーブルに括りつけた。身動きの取れなくなったれいむの顔にばしゃばしゃとオレンジジュースをかける。

「あまっ!あまいっ!!あまままっ!!!」

 復活するれいむ。しかし、殴られた箇所の痛みはまだ引かない。途端にうめき声を上げ始める。男はれいむのあんよ
の辺りをまじまじと眺める。

「…ゆぅ!は…はずかしいからみないでねっ!ゆっくりできないよっ!」

「おにいさん!れいむがはずかしがってるからやめてあげてねっ!」

 箱の中からまりさも抗議する。男はれいむのあんよと口の間を丹念にまさぐり始めた。

「ゆっ!やめてね!そんなところさわらないでねっ!!」

 それだけではわからなかったので、男はれいむの顔を左右に引っ張った。

「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」

 そしてようやく見つけた。れいむの“まむまむ”を。男はその位置を忘れないように、油性ペンを突き刺した。瞬間、
れいむの全身がびくん、っと跳ねあがる。

「ぎっぴぃぃぃっ??!!!」

 痛いらしい。男はニタリと笑うと、その油性ペンをまむまむの奥へ奥へとねじ込んだ。

「あ゛っ!ゆ゛っ!!ぎぃ!!ゆぐりぃ…やべ…で…いだ…い゛よ゛ぅ゛!!!!」

 更にぐちゃぐちゃにかき回してやる。まむまむからは餡子とも体液とも言えないような…とにかく謎の液体が漏れ出し
ている。

「ゆ゛っ!!んんぅ゛!!れい゛…む゛の…ばーじんさん…がっ…!!やべで…よ゛ぅ…っ!!!」

「何がバージンだ、クソ饅頭が。饅頭のクセに生き物の真似すんじゃねぇ、ってこの前も言っただろうが」

 奥の奥まで、油性ペンを突っ込んだ後、勢いよく引き抜く。この油性ペンはもう使い物にならないだろう。れいむは、
痛みと悲しさ、それに恥ずかしさを交えて顔を真っ赤にして泣いている。

「れ゛い゛む゛の゛ばーじんざん゛…。れ゛い゛む゛のいぢばん゛ずぎな゛ひどにあげる゛づも゛り゛だったのに゛ぃ」

「うっぜえええええええぇぇぇぇんだよっ!!!!!!!」

 れいむの顔をハエたたきで執拗に何度も打つ。打たれるたびに、揉み上げがびくん、びくんっと動く。

「おにいいぃぃぃざああああん!!!もうやべでぇぇぇ!!!れいむがかわいそうだよおおおぉぉぉ!!!!」

 男がまりさに向き直る。れいむは既に虫の息だ。男に睨みつけられたまりさは、それ以上何も言うことができなかっ
た。男がまりさの顔を乱暴に掴む。頬をつねられるような形で持ち上げられたまりさは、大粒の涙を流しながら身を捩
り、必死に抵抗した。

「かわいそう?じゃあ、たっぷり慰めてやれよ」

 男は笑いながらまりさの後頭部を両手で押さえこむように掴み直すと、れいむのまむまむ付近にまりさの顔を押し付
けた。意識を取り戻したれいむが、既に真っ赤に腫れあがっている顔を更に赤く染める。

「…っ!…ぅ!!!」

 そして、まりさを高速でれいむにこすりつけた。一瞬にしてぬめぬめした体液が二匹の顔中から漏れ出す。

「やべでえ゛えええぇぇぇぇ!!!!」
「まりさ…まだすっきりしたくないよーーーーーー!!!!!」

 男はゲラゲラ笑っていた。悲痛な訴えを投げかける二匹の表情が少しずつ変わっていく。

「はっは!!想像通りキモイな、ゆっくりのアヘ顔はよっ!!!!!」

「ゆゆゆゆゆゆゆ!!!!ま…まり…さぁ…っ!」
「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆんんんんんんゆゆゆんんんんんんっほおおおおおおおおっ!!!!!」

 どうやら、まりさが雄役に決まったらしい。まりさのあんよと口の間に、にょっきりと10cmくらいのぺにぺにが
出現している。既に戦闘態勢のようだ。一旦、二匹への刺激を与えるのをやめたせいか、我に返ったように、

「お…にぃさん…れいむ…いや…やだぁ…………」
「すっきりは…もっと…おとなになってから…する、んだよ…ゆっくり…りかいしてね…っ?」

 途切れ途切れに言葉を紡ぐ。

「知るか」

 まりさのぺにぺにをれいむのまむまむに突き刺す。油性ペンよりは太いせいか、またもれいむが悲鳴を上げた。男は
そのまま、まりさを上下に激しく動かした。まりさのぺにぺにがれいむのまむまむを蹂躙していく。

「ゆんっ!ゆんっ!ゆ…やめ…んゆぅ…っ!!!!」
「れ…れいむ…!まりさ…なんだか…きもちよく…なってきたよ」

 やがて、

「「んんんんんっほおおおおおおおおおお!!!!」」

 甲高い声を上げる。そして、汗と涙、涎、体液を体中から水分が全てなくなるのではないかと思うぐらいに垂れ流し、
恍惚とした表情を浮かべ、

「「す…すっきりーーーーーーーーー!!!!!」」

 どうやら事が終わったらしい。まりさのぺにぺにを引き抜く。れいむの頭には茎が伸びていた。まだ赤ゆにも満たな
い状態の実ゆが三匹ほど生っている。実ったばかりの実ゆに栄養分を奪われ疲労困憊のれいむに、男は額のあたりに注
射器を突き刺した。

「ゆ゛ぎぃ゛っ!!!!」

 れいむが目を見開き、体を再び、びくん、っと跳ねあげる。男は注射器の中の砂糖水を一気にれいむの体内に注入し
た。さすがにこの量の砂糖水を一気に大量注入されるのは、辛いことなのか、

「がっ!ひっ!!!」

 などと叫んでいる。

「れ…れいむ…のまむまむ…よかったよ…」

 うわ言のように呟きながら、満足そうに果てているまりさを見た瞬間、男の中の何かが爆発しそうだったが、深呼吸
をすることでその衝動を無理矢理に抑え込んだ。

 そして、まりさの未だ収縮しないぺにぺにを先ほどのハエたたきで叩き始める。動けないように、まりさのお下げを
足で踏んでいる。ぺにぺにをハエたたきで打たれるたびに想像を絶する痛みがまりさを襲うのか、

「ゆ゛っぎゃあああああああああああ゛あ゛あ゛!!!!!あああ゛っ!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」

 絶叫する。性欲からの解放と終わらない激痛にまりさの欲望もかき消えてしまったのか、ぺにぺにが引っ込んでいく。
やがて、そこには初めから何もなかったかのように完全に収縮してしまった。本当に謎の多い生物だ。

「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」

 恐らくは初めて見たであろうぺにぺにを執拗に殴打され、まともに言葉を発することができないまりさ。

「これだけやっても死なないんだからお前らは便利だよな。殴られるためだけに生まれてきたような気さえするぜ」

 そして、男が“殴られるためだけに生まれてきた”新しい命に目を向ける。れいむは額から伸びた茎を男から隠すよ
うに背を向けた。横目でこちらを見ながら震えている。望んではいなかったとはいえ、子供が生まれたことにより、れ
いむの中の母性が目覚めたのだろうか。怯えてはいるが、凛とした瞳で男を見据えている。

「気にいらねぇ。だから何だってんだよ」

 男は茎の先端部の実ゆを親指と人差し指で挟んで、潰した。

「ゆああああああああああああああ!!!!!!!」

 れいむが泣き叫ぶ。真ん中の実ゆを潰す。

「何、子供を守る母親みたいな顔してやがんだよ馬鹿。頭から生えた茎に生ってるガキを、手も足もないてめぇらクソ
 饅頭がどうやって守るつもりだってんだ?最初から守れやしねーんだから、生意気な目して睨んでんじゃねぇよ」

 れいむの頬に平手打ちをかます。それでも泣きながられいむは男を睨みつけている。男はもう一発、れいむの頬を打
った。乾いた音が静かな部屋に響く。れいむはそれでも睨み続ける。もう一発。もう一発。さらに、もう一発。ついに
れいむは泣きだして男から顔をそむけた。

 そのれいむの顔を無理矢理、男の方に向けさせる。

「最終的に睨みつけられなくなるなら、最初からナメた真似してんじゃねぇよ」

 言って、実ゆの最後の一匹を潰した。れいむは声も出さずに泣いた。初めての赤ちゃんは、話をしてあげることも、
すーりすーりしてあげることもできないまま、全滅してしまった。わずか五分足らずの出来事である。

「あぁ…しまった…。潰して悲鳴を聞くためにお前らにガキを作らせたのに…喋れるようになる前に潰しちまったら意
 味ねーわな」

「ゆっ?」

「もう一回、子供作ってくれや」

「「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛……っ!!!!!!」」

「遠慮すんなよ。何匹潰しても、お前らが頑張ればすぐに生えてくるんだからよ」

「じね゛っ!!!ゆっぐりでぎないにんげんざんはじねぇええぇぇっ!!!!」

 まりさが叫ぶ。

「はい。お前、三週間後に殺すから」

 それから一週間、男は何度も何度もれいむとまりさをすっきりー!させ、その間に生まれた子供を潰して遊んだ。そ
れが余りにも面白かったので、袋の中に入れられた赤ゆが共食いの果てに最後の一匹となっていたことに気がつかなか
った。当然、赤ゆは人知れず餓死した。

「おにゃか…すいちゃよ…」
「ゆっくち…ごはんしゃん…ちょうらいにぇ…」

 袋の中で呟いた言葉は、ゆっくり潰しに夢中になっている男と、満身創痍のれいむとまりさに届くはずはなかった。








三、

 三週間目に入ってもなお、男はれいむとまりさに強制すっきりー!を行い、二匹に宿った新しい命を叩き潰すという
遊びを続けていた。同時にペットショップで購入した赤ゆたちも潰していたので、日々退屈することは一切なかった。
家族のいないペトショの赤ゆたちと違い、二匹の間に生まれた赤ゆを潰すときはれいむとまりさが絶叫してくれるので
潰し甲斐があった。

 そんなある日。

「おでがいじばずう゛う゛ぅ゛!!!!!」
「まりざだぢのちびちゃんを…つぶざない゛でぐだざい゛ぃぃぃぃ!!!!!!」

 聞き飽きた訴えだったので、男は一匹、また一匹と今度はまりさの頭に生えた茎に実る赤ゆを潰していった。

「ゆびゅぇっ!!!!」
「ぎゅぶぅっ!!!」

 赤ゆが断末魔を上げるたびに、

「「ゆぎゃああああああああ!!!!!」」

 と悲鳴を上げるれいむとまりさ。

「いい加減慣れろよ。もう何匹潰されてると思ってんだ?」

 呆れながら、最後の一匹に男が手をかける。まりさは必死に頭を揺らして赤ゆが捕えられないようにしているが、無
駄な抵抗だった。

「おきゃーーーしゃあああああん!!!!たちゅけちぇぇええぇぇ!!!!」

「おちびちゃんっ!!おにいざんっ!!!おでがいじばずぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

「ゆっぐりじだこにぞだででみぜまずがらあぁぁぁぁぁ!!!!」

「…何?」

 男が赤ゆから手を離す。赤ゆはまりさ種だった。赤まりさは、男の手から解放されたことで、安心したのか泣きなが
ら、

「おきゃーーしゃあああん!!!ゆっくちしちゃいよぅっ!!!!しゅーりしゅーりしちぇええぇぇぇぇ!!!!」

 男は箱からまりさを取り出し、つま先をその顔面にめり込ませた。まりさはすぐ後ろの壁に叩きつけられ、切れ切れ
に呼吸をしている。

「おきゃーしゃんっ!?ゆんやあああああああああ!!!!」

 赤まりさが叫ぶと、もう一発、まりさが蹴り込まれた。

「ゆっゆっゆっゆっ…どう…して…」

「育ててみろよ」

「「ゆゆゆっ?!」」

「ただし、俺は一切手伝わん。そのクソガキがなんか叫びやがったら、親の責任ってことでお前らを殴る」

「………ゆ……」

「不服か。じゃあ、死ね」

 男が手を伸ばす。まりさは泣きながら、

「ぞれでいいでずぅぅぅ!!!あがちゃん゛…ゆっぐり゛ざぜでぇぇぇぇ!!!!」

 赤まりさがぼろぼろ涙をこぼしながら、まりさを見つめている。






 れいむとまりさが、すっきりー!を始めてから…何日が経過し、何匹の赤ゆが潰されて死んだだろうか。この日、よ
うやく…れいむとまりさは、自分たちの赤ちゃんと…すーりすーりをした。

「ゆぅぅぅぅぅぅん…っ!」
「かわいいよぅ…かわいいよぅ…まりさたちのあかちゃん…すごくゆっくりしてるよぅ…っ」
「おきゃーしゃん!まりしゃ、しゅーりしゅーりしゅるよ…っ!ゆぅん…ゆっくち~~~~!!!!!!」

 その瞬間、男がれいむを持ち上げ、殴り飛ばす。本棚の角にぶつかって跳ね返り、床に叩きつけられる。わずかの間
の出来事に、まりさと赤まりさが凍りつく。れいむは痙攣を起こしていた。

「…れいむ?」
「…ゆ…くち…?」

「ガキが叫んだら、親を殴る。そう言ったよな?」

「ゆっ…!ちびちゃんは…すーりすーりしたくt」

 男が透明な箱を蹴り飛ばす。凄まじい衝撃が箱の中に走り、赤まりさは吹き飛ばされて、箱の壁にその身を打ち付け
た。

「ゆんやあああああああああ!!!!!!いちゃいよぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!」

「ち…ちびちゃ…」

 遅かった。うつぶせに倒れて呻いているれいむの後頭部に、拳を振り下ろす。

「ゆぐぅっ!!!!!!」

 口が床に押し付けられているため満足に悲鳴を上げることができない。

「おきゃーーしゃああああん!!!ぺーりょぺーりょしちぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

「ちびちゃんっ!!!!」

 再び、れいむが殴られる。今度は水平方向に…若干アッパー気味に殴ったので、れいむが宙を舞う。玄関の扉まで飛
ばされ叩きつけられた。あと一歩で死にそうな状態だったので、オレンジジュースをふりかける。

「あま…い…よっ…」

 一命は取りとめた。しかし、箱の中ではおかしなことになってきている。

「おきゃーしゃん…?おこっちぇる…?」

「…ちびちゃんが…おおきなこえをだしたら…れいむおかあさんがゆっくりできなくなるよ!ゆっくりりかいしてね!」

「でも…でみょ…」

 まりさと赤まりさのやり取りを観察している男。その手にはれいむがぶら下がっていた。まりさがそれに気付く。赤
まりさが大声を出さないように、それを睨みつけるまりさ。

「でみょ……ゆぅ…ゆ…ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ…」

 本当は大声を出して泣きたいのだろうが、親であるまりさの叱咤に恐れをなしたのか、声を上げて泣くことはしなか
った。まりさが安堵の表情を浮かべる。男は、れいむを箱の中に放り投げ、蓋をした。まりさがれいむに駆け寄り、れ
いむの傷を舐めている。

「れいむっ!ぺーろぺーろ…!ゆっくりしないでなおってね!」

 赤まりさはこのまりさの行動に釈然としない苛立ちを感じていた。自分だって痛い思いをしたのに。まりさにぺーろ
ぺーろしてほしいのに。

「おきゃーしゃんばっかりじゅりゅいよおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

「ゆああああ!!!!」

 今度はまりさが持ち上げられる。れいむと同じように顔面を強打された。その後も、

「おきゃーしゃあああん!!!まりしゃ、ちーちーしちゃいよおおおおおおお!!!!おしょとにちゅれてっちぇ!!」

 れいむの頬に拳がめり込む。

「おにゃかすいちゃよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 まりさのあんよに膝が打ちこまれる。

「「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」」

 れいむとまりさはもう満足に動くことができないくらいに、わずかな時間で理不尽な暴力を受けた。赤ちゃんができ
たのに、少しもゆっくりすることなでできなかった。




 それから更に三時間後。赤まりさがその場を動かなくなった。体の中の餡子が、運動エネルギーに変換するために必
要な分に達していないのだろう。これ以上動くと、体内の餡子の三分の二以上の餡子を失うことになり、死に至る。

「お…きゃ……しゃ………まり…しゃ…おにゃか……すい………」

 当然、食べる物などない。それはれいむとまりさも同じことだった。

「ごめんね…っ!ごめんねっ!おいしいものをたべさせてあげられなくてごめんねっ!」

「おにいさん!おねがいだよっ!ちびちゃんになにかたべものを…」

「やるわけねーだろ。お前らが育ててみせる、って言ったんだぜ?なぜ俺が手伝ってやらないといけない?お前らがな
 んとかしろよ。お前らのガキだろ。責任もって育てるんだろ?」

「ゆぅぅぅぅぅ…」

「ククッ…。死んでたほうが良かったかもな。そいつ」

「ゆっ?!」

「一瞬で死ねたんだぞ?俺に潰されてれば。それなのに、お前らが余計なことしようとするから、こんなにじわじわ苦
 しんでよぉ?ホント、お前らは何もできない饅頭だな」

 まりさがボロボロ涙を流す。主張したいことはたくさんある。

「…っ!こんなところにいなければ、ごはんさんとってこれたよっ!!!!」

「へぇ。どこから?」

「ゆっ…?」

 まりさには、食べ物がある場所などわからない。そもそも森や山の中ならともかく、ここは人間の街だ。探して食べ
物が見つかるような甘い場所ではない。

「できもしねぇことを偉そうにほざくんじゃねぇよ、カスが」

 赤まりさは視線は既に焦点が定まっていない。れいむとまりさはただひたすらに赤まりさの頬にすーりすーりしたり、
ぺーろぺーろしたりしていた。それで、空腹が満たされるわけでもないのに。男がゲラゲラ笑う。

「馬鹿じゃねーの?なんか食わせてやれよ。死ぬぞ、そいつ?ほら?どうした?死ぬぞ?助けてやれよ」

「ゆ゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ……!!!!」

 悔しさと悲しさで滝のように涙を流すれいむ。れいむ種は母性が強い。目の前の子供を助けてやることができなくて
、悔しくて仕方がないのだろう。

「何が子供を育てるだ、馬鹿が。ゆっくりなんかが家族の真似ごとした結果がこれだよ!」

 わざとゆっくりの口調を真似て、二匹をこれでもかと言わんばかりに罵倒する男。れいむもまりさも何も言うことが
できなかった。ただ、涙が頬を伝うばかりだ。

「お…きゃ……しゃん…ゆっくち……しちゃいよぅ…」

「これだもんなぁ。自分がゆっくりすることしか考えてない。周りの連中がどんな思いして苦しんでるかなんて、一つ
 も考えやしないこの餡子脳。こんなのが生まれて喜ぶお前らの神経が俺にはわからねぇよ」

 男のもの言いに、ついにまりさが咆哮を上げる。

「ゆ゛っがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!ぜんぶ…お゛にい゛ざん゛の゛ぜい゛でじょお゛お゛お゛っ??!!!!」

「全部、俺のせい?この状況をどうにもできないお前らに非はない、ってか」

 そんなやり取りをする間に赤まりさは今にも死にそうだ。もちもちした肌はしなびて乾燥し、舌をだらりと垂らして
いる。瞳にかつての輝きはなく、淀んだ視線を宙に向けている。そんな赤まりさをれいむは必死で慰めた。やがて、赤
まりさがぶるぶると震え始めた。

「ちびちゃんっ!!!ちびちゃんっ!!!!ゆっくりしてねっ!!!!」

「お…ぎゃ…じゃ……どう…じ…ちぇ…」

 赤まりさの言葉にれいむとまりさが耳を傾ける。男は鼻歌を歌いながらこの様子を観察していた。

「ゆ゛…ぐち…させちぇ…くれにゃ…きゃった…にょ…?」

 そう言ったきり、赤まりさは動かなくなった。二度と動くことはなかった。赤まりさは死んだのだ。親の目の前で、
無力な親を呪いながら、餓死したのだ。

「「う…う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」」

「可愛そうだなぁ。お前らみたいな役に立たないゆっくりの間にさえ生まれなければ、幸せに過ごしていけたかも知れ
 ないのに」

 男の言葉に、二匹はもはや反論などしなかった。

 思いついたように、男は二匹を箱から取り出し、また二匹の頬をこすり合わせた。頬が紅潮していき、興奮状態へと
導かれる二匹のゆっくり。ペットショップに赤ゆを買いに行くのが面倒になった。それだけの理由で、男はまた二匹に
無理矢理子供を作らせた。そして、実ったばかりの実ゆを潰して一夜を明かした。

 れいむとまりさは子ゆっくりだった。それにも関らず、すっきりー!の回数だけは、天寿を全うした成体ゆっくりの
回数よりも多かったことだろう。








四、

「やればできるじゃない」

 女がほほ笑む。二匹の額のハートマークを確認した女は満足そうに次の言葉を紡いだ。

「ただ潰すだけなんて、美しくないわ」

「俺にはお前の理論がよくわからんよ」

 女は、いわゆる虐待お姉さんだった。男と出会ってから、“ゆっくりの苛め方”について何度も何度も議論を交わし、
それによって破局の危機に追い込まれた回数も相当なものだったが、最後はゆっくりで遊ぶことで仲直りをした。女は、
れいむとまりさの入った透明な箱に顔を近づけ、子供のような無邪気な笑みを浮かべた。

「即座に潰すだけじゃ見れないでしょう?こんな、生きること全てに絶望して、今にも消え入りそうな顔のゆっくり。
 どれだけ頑張っても無駄。どれだけ叫んでも無駄。どれだけ痛みに耐えても無駄。それを理解した…とても、イイ顔
 してる」

 女の持って来た透明な箱には、まりさが入っている。しきりに男と女に向かって話しかけていた。

「おねえさん!ゆっくりしてないでまりさにごはんさんちょうだいねっ!おなかすいたよ!!」

 男も女も言葉を返さない。まりさは、唇を尖らせて、

「おねえさん!まりさ、おこってるよっ?!ぷんぷん!!!」

 言葉を返さない。まりさは少ししょぼくれた表情に変わり、

「お…おねぇさんっ!ゆっくりまりさとあそんでねっ!まりさ、おそとにでたいよっ!!」

 返さない。まりさが叫ぶ。

「むしじないでえ゛え゛ぇ゛ぇ゛!!!!」

 女がクスリと笑う。男が尋ねる。

「あれ…何日目だ?まだ元気なようだが」

「さっき、そこで拾ってきたの。活きがいいでしょう?これから、あのまりさは箱の中で食べる物も与えられず、誰と
も話をすることもできず、惨めに一匹寂しく死んでいくの」

「お゛ね゛え゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!」

 男が拳を握りしめる。

「うるせえだろうが、俺が潰してやろうか?」

「馬鹿ね…。あの叫び声がカワイイんじゃない…?それとあの泣き顔。たまらないわ…正直、感じちゃう」

(うわぁ…)





 女が男の首に手を回す。

「ヴァージンロードは…赤ゆを敷き詰めた絨毯がいいな」

「いいだろう」

「キャンドルサービスはまりさのお帽子に火をつけるの」

「いいだろう」

「ケーキ入刀は、ドスまりさの顔を真っ二つに」

「最高だな」

「ブーケの代わりにれいむを。れみりゃを敷き詰めた箱の中に投げ入れるわ」

「涎が出る」







「…好きよ」

「俺もだ」

「ゆ…ゆ…ゆ…ゆ…」

「……………………」

「お゛ね゛え゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!!!!!!」






 Happy Wedding…










虐待お兄さんと虐待お姉さんのカップルが書きたくてやった。後悔はしていない。






日常起こりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。

挿絵絵 by???



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このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

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  • うるさい!死ねば? -- 2019-05-27 17:51:40
  • ありがとうございます😊😊😊 -- 2019-05-27 17:50:38
  • 結婚おめでとう -- 2019-03-31 22:20:30
  • 確かにただ闇雲に潰すだけでは三流と言われても仕方ないかもしれんな・・・ -- 2014-06-05 17:32:40
  • 後日、アンチは内臓ずたずたにやられました -- 2014-05-03 02:29:18
  • ↓アンチさんはこないでねー、わかれよー -- 2012-09-27 22:40:56
  • この二人のガキが誘拐されて虐待されて殺されればいいのに -- 2012-09-21 23:12:51
  • か カップルでしたか・・・俺も非常識 とか書いてしまいました。すみません。 -- 2012-05-05 00:18:07
  • 正直なところ、なんか雑な虐め方する男だなあと思ってしまったがオチで納得。
    虐殺お兄さんと虐待お姉さんのカップルだったんだね。 -- 2012-03-25 20:11:13
  • つい先ほど前作の方でお姉さんをゴミを可愛がる異常者と書いてしまったが前言を撤回させてくれ
    このお姉さんは常識人なうえに自分の中に確固たる芯のあるとても素晴らしいお姉さんだよ。 -- 2011-11-04 17:33:47
  • HENTAIお姉さんて、いいよね -- 2011-09-07 02:22:41
  • 面白いねー
    リアルだねー
    作者はリアルに虐待経験あるねー -- 2011-07-05 22:45:08
  • ゲームの理由はこれか…… -- 2011-04-27 22:09:08
  • 「ちゅっ、ちゅぶれりゅぅぅ!」と言われて潰さないのはもはや失礼に値する。 -- 2011-01-09 19:32:50
  • 前編で、アンチ虐待と結婚しなくてよろしいと書き込みかけたけど安心しましたwww
    二人に祝福を。
    ゆっくりにZETUBOUを。 -- 2010-12-18 21:28:50
  • とてもゆっくりできました!
    確かにお姉さんの言うようにあっさり潰したら勿体無いですよね
    徹底的に追い込んで心を砕かないとw
    ただお兄さんの赤ゆの「ちゅっ、ちゅぶれりゅ!」を我慢出来ずに
    一気に潰しちゃう気持ちも分かりますけどねw
    ともあれ夫婦で共通の趣味を持てる事は素晴らしい事ですね
    人に言えない趣味ですとなおさらですw -- 2010-11-11 23:02:12
  • あれ、結婚できなくなるかと思ったのに意表を突かれたぜ…
    お食べなさいをすれば、意趣返しできたのになぁww -- 2010-10-12 19:21:26
  • ↑ここではこれが普通。お前が狂人w
    満足!
    すっきりーwww
    ただ自分で潰したいwww
    -- 2010-10-11 18:13:31
  • HENTAIお姉さんと虐殺お兄さんですな -- 2010-08-03 14:37:13
  • 赤ゆは苦しんで死ぬためにうまれてくるんだね。 -- 2010-07-28 02:57:50
最終更新:2009年11月11日 16:13
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