ふたば系ゆっくりいじめ 533 カマキリさんの卵でゆっくりするよ!!

カマキリさんの卵でゆっくりするよ!! 31KB


虐待 悲劇 愛護 妊娠 ツガイ 都会 現代 初投稿です



『カマキリさんの卵でゆっくりするよ!!』













河原を埋め尽くすススキの黄金色が秋の深まりを感じさせる。
思わず身震いしそうな冷たい風が辺り一面を凪ぎ、ススキの茎に付いているカマキリの卵が揺れ、冬の訪れが近い事を知らせた。

「平和だなあ……」

もう時間的にも夕映えといってもいいだろうその景色を眺めながら、私はかなり遅めの昼食をとっていた。
例年通りこの時期は仕事が忙しく、休日であるにも関わらず先程までサービス出勤していた私はどこにでもいる一平社員だ。
もう少しでキリのいい所だからと粘った結果、ついついこんな時間になってしまった。
やれやれ、午前中だけのつもりだったのにな…。
もう遊びに行くには遅いしビデオでも借りて帰るかなー。
そんな事を考えつつ腰を上げようとしたその時、

「ゆぴ~…ゆぴ~…」

……おや?
どこからか、間の抜けたイビキが聞こえてくる。
これは…どこからだろう…?

「ゆ~…もうこんなにだべれないよぉ…む~にゃむにゃ…」

橋のある方向から寝言が聞こえてくる。
近くに行くと橋の下に大きいダンボールがあり、その中に毛布に包まれたれいむが一匹。
野良にしてはきれいな方だが飼いにしては汚れている。
リボンに『ゲン』と油性マジックで書かれたビール瓶の王冠がついているが勿論ちゃんとした飼いバッチではない。
誰かの悪戯か、れいむが飼いバッジのつもりでつけているのか。
額からは茎が生えそこにはまだ球体が5つ付いていた。
まだ口や目すら形成されていない未熟児以前の蕾の状態だ。

「ゆぴ~…あかちゃんたち、いっぱいあまあまたべてね…」

音を立てずに寄ったのでれいむは私に気付いていない。
う~む、これは…。
私は起こさないようゆっくりそこから離れると草むらに向かった。





「よし、大量大量」
私の手にはカマキリの卵が5つ。
れいむの茎に付いている蕾と同じ数だ。
鞄から文具入れを探すと…あったあった。
瞬間接着剤を取り出すとれいむの元へゆっくりと戻り、気付かれないようにそっと優しく蕾の1つをもぎ取った。

ぴくっ!

手の中の蕾が少し震える。
さすがにまだ意識が生まれている筈も無いだろうが、それでも本能だろうか。
自らの命の危機を察知し懸命に動こうともがく。
迫りくる死から逃れる為に。
母親に異常事態が発生した事を知らせる為に。
しかし物音一つ立てず行われている我が子の略奪にお母さんは気付かず、相変わらず夢の中。

「ゆ~…ゆ~…あかちゃんたちはほんとうにわんぱくさんだね……ゆふふ…」

私は細心の注意を払い次々と蕾を採集していく。

ぴくっ!

ぴくぴくっ!

私の掌には5つの蕾。
次に接着剤とカマキリの卵を手に取ると本来の蕾があった箇所にそれぞれ卵をくっ付けていった。
母れいむに気付かれず全ての作業を終え私は立ち上がると額の汗を拭った。

「ふーっ、終わった終わった」

つい吐き出してしまったその一言に反応し、それまで眠っていたれいむがハッと飛び起きる。

「…ゆゆっ!?」

おっと、しまった。
気付かれず立ち去るつもりだったのだが。

「ゆっ!おにいさんはだれ!?れいむはおるすばんをしてるんだよ!ゆっくりしないででていってね!!ぷくぅぅ!」

れいむは不安と恐怖で軽いパニック症状になりながら叫びたてる。
無理も無い。寝ていると突如目の前に不審なお兄さんが立って自分の事を見ていたのだ。

「ああ、ゴメンネ!れいむの寝顔が余りにも可愛くてお兄さんつい魅入っちゃったんだよ。ゆっくりさせてくれてありがとうね!」
「ゆ、ゆゆっ!?ゆっ、ゆっくりありがとう!」

悪意の無い私の笑顔にまだ多少警戒しながらもぎこちない笑顔で返すれいむ。
と、本能で母親の声と分かったのか右手の中の蕾ゆ5匹がピクピクと反応する。
私はれいむに見えないように両手を後ろに回し合わせると蕾を思いきり潰し捏ね繰り回した。
意思も何もない蕾は抵抗らしい抵抗すら出来ず、姉妹仲良く1つの餡団子と化す。

「ゆっ!?おにいさんなにしてるの?」

後ろ手に何かもぞもぞしている私を不審に思った母れいむが尋ねる。
下手に隠したら警戒され、気付かれるかもしれない。
キョトンとした表情のれいむに両手を広げ、餡団子を差し出す。
飾りはおろか顔のパーツすら出来上がっていないので、これが元は我が子だった等とは夢にも思わないだろう。

「ゆっ!?おにいさんどうしたの?へんなおかおさんしてるよ!?このおだんごさんどうしたの!?」

いけないいけない、我慢できず表情が歪んでいたらしい。

「…いや、なんでもないよ。ああ、それとこれはね。お兄さんをゆっくりさせてくれたれいむにお礼を用意してたんだ。とってもあまあまな物だよ!」
「ゆ~ん!あまあまさん!」
「ほら、美味しそうなお団子さんだよ!れいむもうすぐお母さんになるんだから栄養つけなくちゃね!」
「ゆゆっ!おにいさんほんとうにこのおだんごさんもらっていいの!?ゆっくりありがとう!れいむおちびちゃんのためにむ~しゃむ~しゃするよ!」
「ははっ、どうぞどうぞ。遠慮せずむしゃむしゃしてね!」
「ゆふ~ん♪おいしそうなおだんごさんだよぅ~む~しゃ!む~しゃ…!ゆ!ゆゆっ!!とってもあまあまだよー!しあわせぇ~♪♪」

「喜んでもらえたようでお兄さんもとっても満足だよ!それじゃ俺は帰るけどれいむはゆっくりしていってね!」
「ありがとうおにいさん!またゆっくりしていってね!」







親切なお兄さんが帰って暫く経ち辺りが暗くなった頃、れいむの番のまりさが2人の人間さん達と一緒に帰ってきた。
人間さんの2輪すぃーの籠には今日の収穫物が溢れんばかりに入っている。
どうやら今日も大漁のようだ。

荷物を降ろすと一人はすぃ~に乗ってどこかに行ってしまった。
れいむの姿を認めると、まりさは抱えられていた人間さんの腕からするりと飛び降り、愛するれいむの元へ駆け寄った。

「れいむただいま~!ゆっくりおとなしくしてた?」
「ゆ~ん♪おかえりまりさぁ~!れいむあかちゃん達と一緒にゆっくりしてたよ~」

そんな仲睦まじい2匹の元へ、れいむが留守番していたダンボール本来の住人である男がのっそりとやってきた。
初老の域に入りかけているこの男は皆からゲンさんと呼ばれているこの橋の下に住む、いわゆる浮浪者だ。

「おう、留守番ありがとうよ、れい…」

ゲンさんの言葉が止まる。
その視線はれいむの頭上…夕方お兄さんが蕾ゆと入れ替えたカマキリの卵鞘。
そんなゲンさんに釣られてまりさもその視線の先に目を延ばすと…。

「ゆゆゆううぅっ!!?れいむ!あかちゃんおおきくなってるのぜ!?」
「ゆゆっ!!?ほんとうだ!!あかちゃんたちすごいせいちょうしちゃってるよぉ~♪」

お兄さんが交換した卵鞘は元々付いてた蕾の2倍近くの大きさだったのだ。
しかし2匹は蕾がカマキリの卵と変わってるのにも気付かず、ゆゆ~ん、あかちゃん育ってうれしいよぉ♪と大喜びだ。

「げんさん!」
「……えっ!?ど、どうかしたのか、まりさ!?」

呆然としていたゲンさんはまりさの呼びかけにハッと我に返る。

「まりさたち、ちょっとはやいけどここをでておうちでふゆごもりするよ!おじさんたちのおかげでゆっくりしたごはんさんもいっぱいあつまったよ!」

「えええっ!?」

町の野良ゆは基本的に冬篭りはしない。野生と違い日々の食料も少なく冬になっても残飯がある町で冬篭りをする必要も余裕も無いからだ。
だが、このまりさ達は野良ゆにしては非常に恵まれていていた。
今日までゲンさん達の空き缶回収等を手伝う事によってバイト代として日々残飯の余りを分けて貰い、今から冬篭りをしても十分な位の蓄えをしていたのだ。
まあ野良というか半分ゲンさんの飼いゆっくりみたいなものなので普通の野良ゆと比べたら当たり前なのかもしれない。
まりさが言うにはこの成長速度だともうそろそろ赤ちゃんが生まれてしまうかもしれない。
本当はもう少しゲンさんの近くでゆっくりと食料を集める予定だったのだが、大事を考え今から巣に戻り篭る方が良かろうという判断をしたのだ。

「あー……いや、うん。わかった…そういう事じゃ仕方ねえな。何かあったらすぐ戻ってくんだぞ?」
「ゆ!ゆっくりわかったよ!はるさんになったらまりさとれいむのかわいいあかちゃんたちをつれてくるね!」
「ゆぅ~!とってもかわいいあかちゃんにそだてるよ!」

ゲンさんは物凄く複雑そうな表情をしながら頷くと今日の分のバイト代として収穫した弁当の残飯をビニール袋に大目に入れ、おまけに保存の利きそうなお菓子を渡し2匹を見送った。



「「げんさん、ゆっくりさようなら~!またゆっくりしようねぇ~~!!」」



「ゲンさんあいつらどうしちゃったの?途中ですれ違ったけど」
自転車を止めに行っていた相方が戻ってきてゲンさんに話しかけてきた。

「ああ、ゴロウか。その様子だと暗くてあいつの頭のアレ見えなかったか。まったくひでえ事する奴がいたもんだぜ!」
「は?」
「頭の赤ん坊引き千切ってカマキリの卵くっ付けてやがんだよ!」
「はあ!!?」
「それでアイツら…ゆっくりだから気付きもしなくてよ。大きくなった赤ちゃんの為に今から篭るんだとさ」
「なんでゲンさんあいつらに知らせてやんなかったの?」

「……いやあ、あいつらの幸せそうな顔見てるとつい言い出しにくくてよぉ」
「でも、そのうち気付くべ?」
「だろうなあ。でももう赤ん坊いねえんだし無理にメシを貯め込む事もねえだろ。今まで無理して働いてきたんだから暫くゆっくり休ませてやろうと思ってな」

それに今、説明してもカマキリの卵を赤ちゃんだと信じている2匹が納得するとは思えなかった。
そのうち、中々生まれて来ない赤ん坊を不信がるかもしれない。
春になり卵が孵化した時に全てに気付くだろうが、春の陽気が雪と一緒にまりさたちの悲しみも溶かしてくれるに違いない。
なぁに、今回は駄目だったが来年また新しい家族を作ればいいじゃないか。
いくら嘆き悲しんだところでもう失われたモノは戻ってこないのだから。

「それにしても…一体どこのどいつだ。俺のペットに手を出しやがったクソは」

ゲンさんはこの辺の浮浪者のリーダーで、元々土方で働いてた事もあり腕っ節もかなり強い。
以前にもゲンさんの飼っていたゆっくりに手を出そうとした虐待鬼威惨を仲間と共に追い掛け回して囲み…いや、それは今どうでもいい話だ。
そんな訳でこの近辺の虐待癖を持つ人間はゲンさんお手製のバッジを付けているゆっくりの番には手を出さない筈なのだが。



後日、ゲンさん達は犯人を調査したが付近のゆ虐趣味の人間は全員アリバイもあり、目撃情報すら無かったので結局手掛かりすら掴める事は出来なかった。
それもその筈、お兄さんは普段その時間帯に立ち寄る事もなければ住まいは2つ隣の町なのでこの付近の住人でもない。
更に言うとゲンさんは根本的に間違っていたのだ。















まりさとれいむは夢を見ていた。
遠い遠いある冬の1日。
両親が若い頃苦労して見つけた薄暗い洞窟の中、家族全員寄り添うように集っていた。
かっこいいお父さんまりさといつも優しいお母さんれいむ。
それに10匹ほどの子ゆっくりたち。
晩夏に生まれ、ようやく赤ちゃんを卒業しようやく子ゆになったばかりでまだ完全に赤ちゃん言葉の抜け切っていない一番可愛い頃合だ。

「ゆっゆ~♪ゆっくりそだってね~♪」
「「ゆっゆっゆ~♪ゆゆっゆ♪ゆーゆゆ~んっ♪」」

お母さんれいむの歌声が響き、それに続くように甘えん坊でかわいいまりさの妹れいむ達が続く。

「ゆゆ~ん。おかあさんとおちびちゃんたちのおうたはとってもゆっくりできるね!」

一方こちらでは、

「ゆっゆ!まりしゃははやいね!まけないよ!」
「まりしゃだってまけないよ!」
「ゆっゆっゆーーん!」

「ゆやーん!ころんじゃっだよー!いじゃいよー!」
「ゆゆう!まりちゃなかないで!ぺ~ろぺ~ろすりゅよ!」

わんぱくなまりさ達は今日も仲良く洞窟を運動場においかけっこ。
まりさは必死で走りながらチラリと横目で隅の従兄弟れいむを見る。
れいむはもうねむねむの妹をむ~にゃむ~にゃさせる為、小声で子守唄を歌っている所だ。

「ゆっゆっゆ~ん♪はるさんになったらまたいっしょおはなさんとろうね~♪」
「ゆぅ…ゆぅ…おねちゃ…ゆっくち…」

れいむは父まりさの妹れいむの子供だったが1ヶ月前、巣がれみりゃに襲われて妹と2匹だけ生き残ったのだ。
父まりさは妹の死を悲しむと孤児となった2匹を引き取った。
幸い今年は豊漁でごはんさんもたくさん集まっていたのもあり、母れいむも快く引き受けた。
従兄弟家族とは時々遊んでいたから面識もあるので、姉妹達も大喜びだ。
これから長い冬篭りの中で遊び相手は多いに越した事はない。
それに、何度か聞いた事があるが従兄弟れいむのお歌はとっても上手で小さいながらもお母さんと同じくらいゆっくり出来ると評判だったのだ。

まりさは従兄弟れいむの事が大好きだった。
いつか一人立ちできた時には従兄弟れいむに告白するつもりだ。
まりさと一緒にずっとずっとゆっくりしようね!と…。

そんな事を考えつつ従兄弟れいむの方を何度もチラチラと見ていると、不意にれいむと目が合ってしまった。
少し固まってしまうまりさに、れいむはニコッと優しく微笑み返してくれた!
瞬間、まりさの中の餡子が沸騰してしまうかのような感覚に襲われた。

「ゆっゆっゆ!?」
「ゆあ~!まりしゃとってもはやいよ!」
「しょごいよ~!」

そうだ!もっともっと早くぴょんぴょん出来て兄弟の誰よりも狩が上手にならなきゃ!
あんなに可愛くてお歌の上手なれいむと一緒にゆっくりするには、それに見合うようにならなきゃ!
気が付くと妹を寝かしつけた従兄弟れいむはお母さんに手招きされ、まりさの妹達と仲良くお歌を歌っていた。

お父さんまりさは、そんなまりさ達の様子を穏やかな笑顔で眺めながらとってもゆっくりした幸せを噛み締める。
貯蔵庫には父まりさが苦労して集めたいもむしさんや木の実さんが天井に届く程高く積まれている。
洞窟さんの中は快適な室温を保ってくれており、ジメジメする事も無い。
それに何より可愛い子供達。

「ゆふ~ん。まりさはとってもしあわせー!だよ~」

だが、虐待される為に存在するゆっくりのしあわせー!など薄紙を破る程容易く壊される。
お母さん達の歌をかき消すかのように、それは聞こえてきた。


「おい、ココだココ!」
「うわ、こんなんで隠してるつもりなの?バレバレじゃん!やっぱこいつら頭悪いな」

巣の外から響いてくる人間の声。
一体なんだろう…?
人間さんを知らない姉妹はみんな顔をあわせて首を(というか顔だが)傾げる。
ただ、お父さんまりさとお母さんれいむだけが青ざめ、金縛りにあったように動けないでいる。
気になった一匹の妹れいむが声のする塞がれた入り口さんに歩いていき、それに気付いたお父さんまりさが、

「おっ、おちびちゃん!!そっちにいっちゃあぶないよ!おとうさんたちのところへもどってきてね!!!」

その叫び声に妹れいむが振り向いた次の瞬間、あんなにも強固に入り口さんを塞いだけっかいを、いとも簡単に壊したシャベルの先がその勢いのまま妹れいむを突き潰した。
弾け飛んだ餡子が一家の頭上に降り注ぎ、可愛い可愛いおめめがお父さんの頬に張り付く。


「「「ゆ”っ……!!!?」」」


余りの出来事に固まる一家を2人の侵入者が一瞥する。

「おーー、こん中、結構広いじゃん」
「だべ?それに結構いるなあ、当たりじゃん」

侵入者はどちらも小学生位の子供だったが、それでもあの大きいお父さんの何倍も大きかった。

「「ゆ゛っゆ゛っ」」
「「「ゆ゛あああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」」」

「ばりざの「れいぶの「「おぢびじゃんがああああああああああぁぁぁぁ!!!!!」」
「れいぶのいもうちょがあああああああああああああああ!!!」
「ばりざのおねえじゃんがああああああああああっ!!!!!」

「おっ、なんか叫び始めたべー。そらそうと、何匹いるの?」
「んー、赤いのと黒いの一匹づつでいいや」
「そんならそれ以外はやんべー」

ニタニタ笑みを浮かべながら、恐慌に陥っている一家に近づいてくる2つの巨大な黒い影。

「ばりざのおぢびじゃんかえぜええええええぇぇぇぇ!!!!!」

勇敢にも少年に向かってぷくーしながら突っ込んでくるお父さんまりさだが、あっさりと頭を捕まれると、そのままぐぐっと容赦なく全力で地面に押し付けられる。

「ゆぎにゅぎゅぎゃあああああああああぁぁぁ!!!!」

圧力で中の餡子が口やらあにゃるからブピピッっという汚い音を出して漏れ出す。

「「おどうぢゃああああんんん!!!!!」」
「ばりざあああああーーーーーっ!!!!!!」

家族の悲痛な叫びに目玉から餡子の涙を流しつつ父まりさは必死の形相で地獄を耐える。叫ぶ。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!お゛どうぢゃんがあああ!!みんだぼまぼるぼおおおおお!!!!」
「うひょっ!こいつら間抜けな顔して超必死!!まじでー?まもるのーーー?」

ゆっくり家族の阿鼻叫喚の地獄に超ゴキゲンな鬼委三郎君(10)
ゴキゲン過ぎて体重を一気にのせたせいで父まりさを襲った更なる圧力は餡子が目玉を吹き飛ばし外皮を破き、皮一枚だけのゆっくりだったモノと変えた。

「ゆごぴゅっ!!?」



「「ゆんやあああああ!!!!!おどどど!!!!!」
「「おどじゃんがあああああああ!!!!!」」
「「よぐぼおどうぢゃんぼおぉーーー!!」」

勇敢な子まりさ2匹が顔を真っ赤にして父を潰した少年にぺちぺちと体当たりする。

「うひひ!超いてえ!反撃反撃!」

バチュン!

バチュン!

「ゆべっ!!」
「ちべっ!!」

「ゆあーーーんん!!やめてねやめてね!!!」
「「おねいもうちょちゃーーーん!!!」」

それを見たスコップを持った少年が

「あ、もったいね。どうせなら食えばいいのに」
「えー、でもこいつら野良だから汚くね?」

この少年は加工所産の清潔なゆっくりしか食べた事がないのだ。

「ばっか。野良と野生は違うんだよ。都会のきったねえ空気に汚れたドブ饅頭と比べてここいらのは綺麗なもんだべ」

そう答えるシャベルを持った少年は地元民。
正月休みに田舎に遊びに来た従兄弟の少年に頼まれてゆっくり狩り遊びを教えていたのだ。

「見てみろ」

言うと、少年のすぐそばで呑気に眠りこけている従兄弟れいむの妹れいむを捕まえた。

「ゆゆっ?」

こんな大騒ぎでも起きなかったがさすがに身体を掴まれ目が覚めたようだ。

「ゆああああ!!れいむのいもうちょ!!」
「ゆううっ!まつんだじぇ!いまいったらあぶないのじぇ!!」
「おちびちゃんゆっくりいっちゃだめ!!」
「はなちてえぇーーー!!」

そんなやり取りも寝ぼけた頭には届かず、少年に持ち上げられ

「ゆわーい!おそらをとんでるみたい!!」
「「ゆゆーーーっいいなーーーー」」

ガブリッ!ペッ!

「ゆぎゃあああああ!!!れいみゅのあんよぎゃあああ!!!」
「「「ゆあああああああぁぁぁぁん!!!」」
「「もうやめちぇええええ!!!!」」

「ほら、こうやって下の皮を噛み千切ってな・・・ずずずーーーっ!!うはっ!うんめぇええ!!」
「ゆぎひぃぃぃ!!れいみゅのあんきょをしゅわにゃいりぇぇぇぇ……っ!!!
「へーーー!そんなに美味いの。よし、食ってみようかな!」

三郎君がジリジリと残りの家族に近寄り、シャベルの少年も吸い尽くした子れいむの皮をポイッと投げ捨て後ろに続く。
れいむの可愛い可愛い妹はペラペラの皮に成り果て、洞窟の地面にベチャリと汚い音を立てて張り付いた。

「…ゅっ………ゆああああああああ!!!!れいみゅのいもうちょをかえちぇええええ!!!ぷっきゅうう!!!」
「ゆううう!!まりちゃがれいみゅをまもりゅよ!!!ぷっくううううう!!!」

極悪非道な少年達に向かってゆん生最恐のぷくぅー!をかます2匹。

「ゆああああ!!まりさもれいむもあぶないよおおお!!!!?のこりのおちびちゃんたちはおかあさんのおくちさんにはいってね!!」
「ゆーーー!!!」
「ゆっくちおくちさんにはいるよぉ!!!」
「きょわいよぉぉぉ!!!」
「ゆっくち!ゆっくち!!!」
「ゆふふふ!!おきゃあしゃんのおくちにはいったからもうあんちんなのじぇ!!」

ぷくぅをしているまりさとれいむ以外の子ゆを口の中に入れると守るように2匹の前に立ち、母れいむは渾身の力を込めてぷくぅーーー!!してみせた。
お父さんとお母さんのぷくーは凄いのだ。
長老ぱちゅりーからも『むきゅ!!ものすごいぷくーだわ!きっとうさぎさんもおどろいてにげだすにちがいないわ!』『ゆ!うさぎさんも!!もうこのもりのなかではてきなしね!』『ゆーっゆっゆ!!(笑い声)』というお墨付きだ。

最も、その父まりさのぷくーもまったく効果は無かった訳なのだが。

「ひんへんはんはほっほほへいむはひのおふひはらへへっへへ!ふふぅーーー!!!」
「はぁ?口の中に入れて喋ってるから何言ってんのかわかんねーよ」

ヘラヘラと笑いながら、母れいむの口の上、人間で言えば鼻の部分に爪をかけるとバリバリと掻き毟り始めた。

「……っ!!!びゅ!!!!!……!!!!」

叫び声をあげてしまえば口が開き中の子が飛び出てしまう。
れいむは必死に叫び声をあげない様、頑張って頑張って頑張りぬいた結果、10秒後に皮を剥がされ餡子をほじられまた一匹一匹と子ゆが発掘されてゆく。

「ゆふーー!?おそらをとんで…ゆぎゃあああああ!!!!」
「おねえちゃ…ゆ!?おしょりゃを…ゆ゛んやはあああ!!!」

山道を駆け回りすっかりお腹の空いていた少年達の食欲をまったく衰えを見せず、激痛と悔しさに涙を流す母れいむの眼前で次々と子ゆっくりを吸い殺し続け、ペラペラになった汚い皮袋を母れいむの頭に叩き付けていく。
そして口腔にいた子ゆ全てを平らげると

「ごっそさーん。んじゃこいつはもらっていくわー」

母れいむの後ろで必死にぷくぅー攻撃していたまりさとれいむを両手で掴み鼻歌を弾ませながらその場を後にする。

「…!!……っ!!!」

叫びたくとも口は破壊されたので声は出せず、追いかけたくとも致死量の餡子を掘り出されたので一歩も動けない。


母れいむは緩慢な死の中で少年達に無駄な怨念を延々とかけ続けた。











「ゆっ…!!」

そこでまりさは飛び跳ね、隣で毛布に包まれしあわせー!そうに眠る愛しい妻と赤ちゃん達の姿を見ると胸を(無いけど)撫で下ろす。
あの後、まりさとれいむは少年が親に隠して都会に持ち戻り、少しの間飼われていたのだがある日少年のお母さんに見つかり外に投げ捨てられたのだ。
まりさ達にとって幸運だったのはその場で潰されずに捨てられたのと、少年の母親に早く発見された事だろう。
もう少し遅れていたら、まりさ達に飽きていた少年に虐待され、生ごみとしてポリバケツに捨てられただろうから。
暫くして更に幸運な事にゲンさんに拾われ曲りなりとも人間の飼いゆとして今日まで生き延びてこれたのだ。
ゲンさんと出会わなければ、慣れない街の生活に適応する間もなく死んでいただろうし、こんな素敵なおうちも持つ事は無かっただろう。
まりさたちが冬篭り用に住んでいるここはゲンさん達のグループが自転車を止めている荒れた空き地に建っている使われていない古びた小さな物置だ。
人間が入るには狭すぎるし、人間さんもゲンさん達の縄張りなので近寄らないのだ。
時々ゆっくりが近くにやってくる事もあったが、けっかいを張って進入できない用にしている。
ここなら雨さんや雪さんの侵入も防げるし家屋ほどではないにしろ外より全然マシだ。
マシどころか、野良ゆにとって最高級のおうちだろう。
れいむもまりさも無計画に子作りした訳ではなかったのだ。
家族みんなで笑いながら仲良く冬篭りを…。
あの日、二人が果たせなかった夢が今、ようやくそこまで来ているのだ。











「いやあ、あの野良れいむは本当に可愛かったなあ!」

夜、暇だからとウチに遊びに来た友人が開口一番、いきなり叫んだ。
いつもの事なので適当に流す。

「なんで借りてきたDVDを俺の家で見るんだよ。帰って見ろよ」
「えーーーっ!?いいじゃん。どうせお前も暇なんだろ?一緒に見ようぜ!」

許可を取る間もなく居間のコタツに座るといきなり持参した弁当とビールを開け、レンタルしてきたDVDをセットし始めた。
タイトルは可愛いゆっくり大集合!とかそんなの。

「いや、お前と違ってそこまでゆっくり好きって訳じゃないし」
「ちぇっー!いいよ、そんじゃ帰ってゆっくり見るよ!」

俺が渋い顔を見せると渋々DVDを戻し、チャンネルを変える。
番組名は『ゆーぶつ奇想天外!』

「……まあ、いいけど。特に見たい番組ないし」
「おう!一緒に見ようぜ!」

で、TVを見ながら帰りに見つけたゆっくりの事を喋り始めた。
なんでも野良ゆっくりがにんっしんしていたらしい。
大自然と違い、町には比較的食べ物があるとはいえ、やはりそれでもこの時期に野良が子を作るのは自殺行為だ。
気温の低下により運動能力も低下するので食料集めが他の季節に比べ、やはり多少は困難になる上、室内にいる飼いゆならまだしも、屋外で暮らす野良ゆの場合、寒さと雪で極端に体力の無い赤ゆは死ぬ場合が多い。
よってこの時期にんっしんしたゆっくりは冬場に飢えと寒さで最悪、家族同士が共食いする可能性が高い。
愛で派のこの友人はほんの少し躊躇したが、心を鬼にして最悪の事態を避けるべく赤子を間引いたのだ。

「さすがに潰した赤ゆを親に見せた時は申し訳なくて泣きそうになっちゃってさ。うううっ。誤魔化すのが大変だったよ!」

言いながら思い出したのか涙ぐむ。
愛で派といっても、ゆっくりんピース程には極端に偏っていないし、感情に流されず間引きとか決断する意思とか個人的にいいとは思う。思うのが…。

「ほー、よく誤魔化せたな……いや、あいつらなら餡子脳だし大丈夫か」
「ひどい事言うなよお!野良にしてはいい子だったんだぜ?変なあまあま要求もしないし挨拶もきちんとしてくれてたし!」
「というか、なんで子供の死骸を食べさせたんだ?悪趣味だな」
「違うよお!そこら辺に捨てるのも可哀想だし、それなら実のお母さんの体内に還るのが一番かなって…」
「…えっ、埋葬じゃ駄目なの?」
「ああああ!!!気付かなかったああああ!!!」
「大体なんでカマキリの卵なんだよ。孵化したら気持ち悪いだろ」
「いやあ、そりゃ最初は驚くだろうけど、いいおやつになるだろ。カマキリは餡子なんか食わないしな!!」

叫ぶと、ふと台所の一画、透明なケースの中に視線を泳がせる。
中には成体のぱちゅりーとまりさが2匹とその子供が1匹。
物凄い形相で歯をぎりぎりと噛みながらこちらを睨みつけている。
まりさがゴツゴツと頭をケースに打ち付けてくるが、そんなもんで壊れるわけがない。

「あれ?お前のとこの飼いゆの家族、なんか数が減ってねえ?」
「ペットじゃなくてコンポストな。勝手に子供増やしてたから間引いた。で、朝から物凄い騒ぐし鬱陶しいから捨てようかと思ってるんだが」
「うおいっ!お前本当にひでえな!」
「言葉が通じるのにまったく言い付け守らないから仕方ないだろ」

俺はゆっくりを特に虐待したいとも思わんが特に愛でたいとも思わない。
正直どーでもいいと思いたい。が…それは兎も角、先程の友人の話の中で少し引っ掛かった所がある。
橋の下って大体浮浪者が住んでるもんだし、それに人間の文字が書いてある王冠のバッジか…。
野良にてはゲス度が高くないというのも、それなりに躾があったんじゃ…。
いや、目の前で今日の幸せに浸っている友人の気分を壊すのも可哀想なので考えるのはよそう。
どーでもいい筈だ。










「ゆうっ!?」

再びまりさは飛び起きた。
お外がなにやら騒がしい。

「火事だあーーー!」
「くそっ!間にあわねえ!!燃え広がるぞ!!」
「消防車はまだか!!?」

どうやら何処かで火事が起きているらしい。

「ゆゆっ!かじさんはゆっくりできないよ!!」

まりさはあわてて火さんが来ないように入り口のけっかいを補強する事にした。

「ゆゆ~?まりさ、どうしたの?」
「ゆっ!しんぱないよ!れいむはゆっくりねてていいよ!」

身重のれいむに下手に心配をかける必要はない。


「まりさがまもるよ!」


辺りの荷物を積み重ね次々と入り口を塞いでいく。

「ゆ!ここまでやればあんしんだね!ゆっくりできるよ!」








「おい!火の粉が飛んで燃え移ったぞ!」
「何い!?あそこで燃えてんのはなんだ!?」
「ああ、あの空き地の物置だろ。ありゃあもう使われてねえし、中にあるとしてもあの辺のホームレスの持ち物だろ。あの狭さじゃ人間なんて入れねえし」
「そっか。んじゃ、それより先にこっちの家の方をどうにかしねえとな!!」







「ゆきゅっ!?」

三度、まりさは飛び起きた。
変だ、暖かいよ?!
いくらなんでも春さん来るの早すぎるよ!
まだまりさたち赤ちゃん達にす~りす~りもぺ~ろぺ~ろもしてないよ。
赤ちゃん達のおかっけっこもしてないし、れいむのお歌も聞かせてないよ。
まりさ達、赤ちゃん達としあわせ~な冬篭りするから、春さんゆっくり来てね!
………いや、暖かいどころではない。
暑い。暑すぎる。
春さんどころか夏さんまで来ちゃったの!?
ゆっくりしない季節さんだね!!

「はるさんなつさんいいかげんにするのぜ!ぷくぅーーー!!」
「ゆゆ!?まりさどうしたの!?」
「はるさんとなつさんがゆっくりしないでくるからぷくぅーしておこってるのぜ!」
「ゆゆゆっ!?ゆっくりしないはるさんとなつさんはいけないね!でもまりさなんででんきさんつけてるの?」
「ゆぅー?ここのおうちにでんきさんなんてないのぜ!?」
「ゆっ!?だってあかるいよ?」

「ゆゆぅー!?」

そして2匹は揃ってその光源に視線を向け…


「「ゆああああああああああ!!!!??」」
「どぼじでかじさんになってるのおおおおおぉぉ!!!!??」

「ゆっぐりできないいいいいいいいい!!!!!」

既に天井部分から火の粉が降り注ぎ始めていた。

「いっ!いそいでここからでるのぜ!!」

まりさ達は慌てて脱出しようとしたその先には先程高く積み上げたけっかいさんが。

「ゆわあああん!どぼちてけっかいさんおそとにだしてくれないのおおおお!!?」
「ゆっくりしてね!ゆっくりおわてないでねれいむ!まりさがゆっくりいそいでけっかいさんをけすのぜ!!」
「ゆああ!!れいむもゆっくりしないでてつだうよおお!!」

大急ぎで荷物を除けるまりさだが、火の粉さんはゆっくりしてくれる訳がない。
とうとう辺りに燃え広がり始めた。

「ゆああ!!まりしゃたちがあかちゃんたちとむ~しゃむ~しゃするはずのごはんさんたちがあああ!!!」
「ゆあああああん!!あづいよおおおおお!!!!!」

そんな騒ぎ立てるまりさのお帽子に火の粉さんが1つ降り注いだ。

「ゆゆ!!まりさのおぼうしがもえてるよおお!!」
「ゆっ!!???ゆっぎゃあああああああ!!!!」

慌てて転げ周り炎を消すが既に帽子の半分は燃え、まりさの金髪も見る影も無く、身体のあちこちに火傷も負ってしまった。
もう、虫の息といってもいいまりさだが、その目に飛び込んできたのは小さい頃から愛してきたれいむとその額から生えた二人の愛しいあかちゃんのついた茎。

「ゆあああああん!!ちにだぐないよおおおおおお!!だれかあがじゃんだげでもだすげてえええ!!」
「…ゆ…ゆっがあああああ!!!!!」

まりさは怒号を上げけっかいさんの山に突っ込む。
すると、それまでビクともしなかった山が少しずつ動いていくではないか。
身体のどこにそんな力が残っていたのか。
この世の神がまりさの最後の最後に哀れんで奇跡を与えてくれたというのだろうか。
そうなのだろう。神様は与えてくれたのだ。
愛する妻と愛してもいないカマキリの卵を守る為に。

「れいぶうぅぅ!!ごごがらぞどにでてえええええーーーーー!!!」

まりさの最後の力を振り絞った努力の結果、なんとかゆっくり1匹ギリギリ通れそうな隙間が出来ていた。

「で、でもまりさが!」
「ばりざのごどはほうっておくのぜ!どっどといくのぜ!!」

まりさの帽子や身体に火の粉が再び降りかかっている煙が燻っている。
このままではまた火達磨になるのも時間の問題だろう。
見れば辺り一面火の粉が降り注いでいる。
れいむにほとんどかからなかった事だけでも凄い奇跡なのだ。

「…あがじゃんを…たのむのぜ…」

もう、全ての力を使い果たしたのだろう。
まりさは糸が切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちる。

「ゆ…!わかったよ、まりさ…!れいむはいくよ!」

止まることの無い涙を拭きもせず、れいむはまりさの命を代償に空いた隙間めがけて潜り込んだ。



「でっでれないいいい!!?」



「ゆあっ!?」

そう、まりさの作った隙間はなんとか通れそうな大きさだがギリギリ足りなかったのだ。
それでもなんとか出ようと必死でもがくれいむだが、本当にギリギリ足りないのでどうにもこうにもならない。

「ゆぎゃああ!か、からだがさけっ!さける!さけちゃうぅーーー!!」

まあ、本当に少し裂けている訳だが。
そうこうしている内に、額の先の茎の部分だけはどうにか外に出たのはいいものの、完全に挟まれてしまった。

「れいむ!?れいぶ!?どうしだの!でれだの!?」
「むり!ごれいじょうばむり!」
「ぞんなあああああぁぁ!!」

もうこれまでか。
そう、もうどうしようもないだろう。
後はこのまま、まりさもれいむも赤ちゃんも、火に巻かれて焼け死ぬしかないのだ。

「ゆっ!?あかちゃん!?」

そこでれいむは、ハッとして茎に視線を這わせる。
そうだ!赤ちゃんだけでも!
大きさ的にはいつ生まれてもおかしくないのだ。
自分達が死んでも赤ちゃんさえ生き残ってくれれば…!
幸い、まりさ達にはゲンさんという優しく心強い味方がいる。
物置の火事にはさすがに気付いてるだろうから、その内駆けつけてきてくれるだろう。
両親がいなくても、彼の保護が受けられれば生きていけるに違いない。



「ゆっゆ~♪ゆっゆ~♪ゆゆ♪ゆゆゆ~んっ♪」
「ゆゆっ!?」

突然のれいむの懐かしくも美しい歌声にまりさがはっと顔を上げる。
そして、まりさもれいむの意図に気付いた。

「ゆっゆ~♪あかちゃんゆっくりしないでうまれてきてね~♪」
「ゆう!まりさたちのあかちゃん、いそいでうまれてくるのぜ!」

れいむは迫りくる死に恐怖する事も無く赤ちゃんに語りかけ歌い続ける。
命を懸けて我が子を想うこの世で一番尊くも美しい歌声。
それに包まれ死ぬ自分は幸せな筈だ。
とうとう帽子の残り半分が発火し炎がr

「ゆぎゃああああああああ!!!!!!?????どぼちてれいぶのあがちゃんがらかまきりさんがうまれてぐるのおおぉぉ!!!!?」
「ゆっ…??………ゆゆはああああああああ!!!!???」

れいむの歌声に応えたのか単に火事のによる温度の上昇の為か。
まあ、理由は後者だろうが2匹の祈りに答え赤ちゃんはどんどんと孵化して来る。カマキリの。

「やめて!やめてね!かまきりさん!れいむのあかちゃんからでてこないでね!!」
「どっ、どゆことおおおお!!?なんでばりざだぢのあがじゃんがかまぎりざんんっ!!??」
「わがらないよおおおお!!???れいむのあかちゃんがボロボロになっていくよおおお!!!」

カマキリの卵鞘1つに卵は数百個含まれている。
れいむの茎にある卵鞘は5つなので、単純計算でも1000以上のカマキリの幼虫が一斉に孵化し、れいむの顔を這い回る。

「ゆべええええええ!!!??ぎぼじわるいよおおおおおおお!!!」

「ひっ!?ひぎゃわああああああああ!!!??あづあづあづあづうううううううぅぅっ!!!!!!ゆんやあああああああああ!!!!」
とうとうまりさの全身が炎に包まれ、さながらカマキリの赤ちゃん達を祝福する為の生きるキャンドルと化す。
そのまりさの炎はあっさりと入り口のけっかいさんに燃え移り、少しずつ少しずつれいむをあんよから焦がしていく。

「ひぃぃぃぃぃぎぁぁぁぁはぁぁぁぁぁっ!!!!!れいぶの!れいぶのあんよしゃんが!!!あぢゅい!あぢゅいよお!!」

まりさとは違い少−−−しずつ熱せられる事により、なかなか焦げるもなく焼ける事もなく、ぐつぐつと内部の餡子が沸騰するのを感じながらこの世の物とは思えぬ程の苦痛がれいむを襲い続ける。


「くうう゛ぅぅーーーーーーーがああぁぁぁーーーーーーはああぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


沸騰した餡子がゼラチンで出来た目玉を溶かしボトリと流れ落ち、眼窩、口腔、あにゃる、ぺにぺに、まんまん、身体の穴という穴から水蒸気が吹き出る。
そして、カマキリの最後の幼虫がようやく無事脱出した所で初めて、れいむの身体が炎に包まれたのだ。
















「ゲンさん…」
「ああ…」

それから数時間後、すっかり焼け落ちた物置の前で呆然と立ち尽くす男がいた。

「もうどっちがどっちだがわかんねえけど…この炭の塊、あいつらだろうなぁ…」

ブルブルと固めた拳を振るわせる。

「くそっ!くそっ!よりにもよって今夜、火事なんて!なんてツイてねえんだ!そもそもどっかの誰かがあんな悪戯しなきゃ今夜もあいつらは俺ん所で寝てた筈なんだ!!」

そんなゲンさんの肩に仲間の一人がぽんと手を置き、慰めの言葉をかけてきた。
夜空を見上げると、2つの星が大きく輝いている。
まるで死んだゆっくりがお星様になったようだ、等と似合いもせず想うゲンさんだった。









カマキリのお兄さんは友人宅を離れ帰路に着いていた。
表面上はなるべく明るく振舞おうとしていたが、さっきまでやはり夕方、蕾ゆを殺した事に対して罪悪感を抱いていた。
が、酒の力もあり今では今日中に吹っ切ろうと決心していた。

「そうだよな!あのままじゃアイツら不幸になっちゃうもんな!そうそう、俺は凄くいい事をしたんだ!セイントか俺!」

夜空を見上げると、2つの星が大きく輝いている。
が、すぐに流れて消えた。









終わり


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感想

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  • うっせえだまれ -- 2020-09-03 14:34:51
  • ↓×1の者です。
    浮浪者がゆっくりにエサを与える行為は、いわば、
    野良犬や鳩やカラスやゴキブリにエサを与えることと同じ。
    つまり違法行為に当たる。
    →幼虫カマキリは(恐らく)助からず、野良に餌付けする違法行為、近隣住民(虐待お兄さん)への恫喝·暴行、河川敷に無許可での建造(浮浪者ハウス)。
    意外と善人がおらず、ハッピーエンドのない悲しいストーリーだと思った。 -- 2018-01-04 00:02:25
  • カマキリ・・・通常は春に産まれ、秋くらいまで産卵し、冬前に寿命が尽きる。
    中には翌年1月まで生きる場合があるが、エサの確保が十分可能であり、ある程度気温が暖かいことが条件。
    →幼虫でも越冬できそう!と思ったが、エサとなる小さい虫がいないため、恐らく全滅する。 -- 2018-01-03 23:43:24
  • 浮浪者さらっとやばいこと言ってんじゃねーよwww -- 2017-05-21 15:34:12
  • ラストの二行良かった -- 2016-02-14 11:32:16
  • これは浮浪者も死ぬべきやったやろ -- 2014-07-20 01:33:13
  • いかんぞ、善良種に手を出すのはどうでもいいが他人の飼いゆに手を出してはいかんぞぉぉぉぉ! -- 2014-06-28 18:52:51
  • 🔽確かに -- 2014-06-27 16:51:00
  • 浮浪者ごときが市や業者の集める資材をゴミ饅頭使って勝手に集めた挙句、饅頭を餌付けして更にちゃんと働いて生活しているゆ虐派の人たちを袋叩きにしたって?浮浪者死ねよ。人間版のゆっくりだろうよ -- 2014-04-21 00:50:50
  • 火事になった時悲惨な孵化を見ずに終わってしまうのかとハラハラしたが無事生まれてホッとした
    ゆっくりした環境で期待に夢膨らませて出産しても良かったけど -- 2014-01-08 03:16:15
  • カマキリさんは全員脱出できたんだね、よかったよかった -- 2013-12-12 04:11:21
  • なんかやけにハイテンションなゆっくりの最期の展開に草生えるwww -- 2012-10-10 23:57:28
  • まむまむがまんまんって…一気に生々しくなってるよ -- 2012-05-26 22:45:02
  • このゆっくりいい奴等だったよな?
    お兄さんもはだしのゲンさんも良心で色々やってたから
    複雑ですな
    まあもみもみしながら
    そろそろ寝ます(´ρ`)スピー -- 2012-05-25 01:01:41
  • げんさんのくだり要らなくね?あとなんかカマキリってグロイな・・・ -- 2011-12-01 04:40:53
  • ↓ちがうよー!おれさまはぎぜんのたいげんしゃたるせいっさいっおにいさんなんかじゃない、しんのせいぎたるひーろーおにいさんなんだよー!
    あくをくじきせかいにせいぎをしめす、せいんとなんだよー!
    いくらゆっくりできないくそどれいでも、そのていどのことぐらいわかってろよー! -- 2011-11-07 17:14:16
  • •お兄さんがげすっていってるひとがなんでここにいるのかわからないよー
    ↑制裁お兄さんなんだよーわかれよー -- 2011-11-06 04:57:46
  • あえて飼いゆっくりにする必要がないだろ。
    オマケに一応善意の行動だから、誰に悪意を向けて良いかもわからずカタルシスがないよ。 -- 2011-07-11 20:27:36
  • カマキリのお兄さんのキャラが不愉快
    自分の事を俺とか言ってる醜女を見ているようでキモい -- 2010-12-17 07:35:27
  • ざまあ -- 2010-12-08 15:56:52
最終更新:2009年11月30日 17:44
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