てんことれいむとフィーバーナイト 前編 24KB
虐待 愛護 自業自得 飼いゆ 野良ゆ 希少種 現代 愛護人間 独自設定 まさかのスーパーてんこ
・現代設定…っていうか全部いつもどおりだよ!!前後編だけどね!
・ただ、今回超設定ゆっくりがいるよ!
こんなのゆっくりじゃない、と思ったらいーらいーらしないうちに何とかしてね!
・最後に、今回はできるだけ深く考えずに読む事をオススメします。
では、ゆっくりしていってね!!!
「おい、クソ饅頭。なにチンタラ歩いてんだ?また殴り飛ばされてぇのか?」
「ひぃ!?ごめんなさい!ちゃんとあるくからやめてね……」
川原を歩く一人の男と一匹のゆっくり。
ゆっくりは、体にくくりつけられた紐を無理矢理引っ張られて、
引きずられるように地面を進む。
やがて苛ついた様子の人間は
「…まだわかんねぇのか?よっぽど痛い目にあいたいらしいな…!」
「ち、ちがうんですぅ!そんなつもりじゃ「うるせぇ!!」 ぎゃん!!!」
おもいっきり殴られたゆっくりは、紐を離されて数十メートル先に転がっていった。
「…ったく」
男はのんびりと、転がってピクピクと動いているゆっくりの元へ向かう。
やがてゆっくりの前まで来ると、しゃがみ込み髪の毛を掴みあげた。
なんとも手酷い扱い方である。いまどきこうも明らかに虐待を堂々とする人間など、そうはいない。
が、この男達は、少し特殊だった。
なぜなら
「なあ、今日はご主人様と奴隷の散歩プレイがいいって言ったのはお前なんだぞ?
真面目にやらずに自分からおしおき受けようとしてどうするんだよ…」
「お、おにいさん。もっとぶってね…あらっぽくいじめてね…
てんこへぶんじょうたい!!になっちゃいそうだよ。うふふ…」
「…だめだ。完全にキマッちゃってる。もう今日は普通の散歩にしよう、てんこ」
「うふふふふ…」
ゆっくりは、ドMだったのです。
てんことれいむとフィーバーナイト 前編
我が家には胴付きてんこがいる。
虐待鬼意山である友人が、何故か泣きながら押し付けてきたのだ。
ゆっくりは一部(ゲス系)を除き区別なく好きなのでこちらとしては別に断る理由も無かったし、
何よりも写真で見たてんこはかわいかったので、諸手をあげて喜んで引き取った。
我が家に来た日。俺はできる限りの贅を尽くして、てんこを迎えた。
ふかふかのクッション。山のようなお菓子。ゆっくりできるおもちゃ。
他のゆっくりが見れば、感動のあまり思わずしーしーを漏らしてしまう事だろう。
が、これでもまだ足りるかどうか、何か抜けはないか心配だった。
なにせ今まで虐待鬼意山の下にいたのだ。心も体も傷つき果てているに違いない。
最善の礼をもって労わってやろうと、俺は勇んでいたのだ。
「じゃあ、こいつ頼むな……もう、俺は虐待はせん……!」
「ああ。なんか知らんが、元気出せよ。
…ふう。大丈夫か、あいつ。
それはともかく…君がてんこちゃん?」
「はい!こんにちは、おにいさん!きょうからおせわになります!
ゆっくりしていってね!!!」
「ああ。ゆっくりしていってくれ。・・・思う存分ゆっくりしていいんだぞ」
「ほ、ほんと!?」
「ああ。ここにあるものは何でも好きにしていいし、
俺にして欲しいことがあるなら、気軽に言ってくれ」
「わーい!ありがとね、おにいさん!
・・・じゃあ、さっそくおねがいしてもいいの?」
もじもじしながらこちらを見るてんこの姿に、思わず鼻の奥が熱くなったが、
そこは鋼鉄の精神で耐えて、あくまでも優しいお兄さんとして答える。
「ああ、もちろんだ。何でも言っていいんだぞ」
ぱぁっと顔を輝かせるてんこに、俺の気分も有頂天だ。
微笑ましい様子に終始ニコニコしていた俺は、次を瞬間耳を疑う事になる。
「じゃあ……あのふぉーくさんで、てんこをめったざしにしてね!!!」
「きこえなかったの?おにいさん。てんこは、あのふぉーくさんでおもいっきりぷすぷすされたいよ!!!」
イヤイヤイヤイヤ、ないわ。これは幻聴か?夢か?なんで顔赤らめながらそんな事言うわけ?
そうだ、きっとこれは夢だ。思えば胡散臭かったんだ。こんなに可愛い子がウチに来るわけないじゃん。
まさか悪魔でも囁いたのか?それとも趣味のヨガがフレイムで「おにいさん!!」 「去れ!マー…はい?」
気がつくと、目の前にてんこの顔があった。どうやら動転するあまり、知らぬ間に座り込んでたらしい。
「どうしたの、だいじょうぶ?おにいさん。やっぱりわがままいっちゃいけなかったのかな…」
泣きそうなてんこもかわいい。かなり近いせいか、薄っすらと桃の香りがする。
本当にこれが夢なのだろうか?思わず自分の頬をつねってみる。痛い。紛れもなく現実だ。
するとてんこが鼻息を荒くして飛びついてきた。
「あ!ずるいよ!つねるならてんこをつねってね!!おもいっきりひきちぎってもいいよ!!!」
チクショウ。紛れもない現実だよ、これ……
結局その後詳しい話を聞いてみると、どうやらてんこはドMらしい。それも極度の。
鬼意山に虐められて毎日楽しく過ごしていたのだが、
ある日突然、鬼意山が抜け殻のようになってしまったとか。
その後一緒にいた他のゆっくりは全部虐められて永遠にゆっくりできたのに、
何故かてんこだけは虐められず、ここに貰われることが決まったのだそうな。
きっと鬼意山としてのプライドをズタズタにされたあいつにとって、最後の意地だったのだろう。
そういえば遠くを見ながら「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」とか疲れた様子で呟いてたな。
あの時は頭湧いてんじゃないのかと思わず引いてしまったが、こういうことだったのか。哀れな・・・
そしてウチに来て、今までのように楽しく過ごせるか心配だったが、
何でも言っていいという言葉に甘えて、図々しいと思いながらも早速我侭を言ってみたのだとか。
―――ダメだ、頭が痛い。理解不能にも程がある。
とはいえ、それがてんこの望みなら是非も無い。
いたしかたなく、できる限り要望どおりに虐めてあげる事にした。
だが、その代わりといってはなんだが、こっちも要望を飲んでもらうことにした。
要望といっても簡単なものだ。
虐める時と、そうでないときのメリハリをつけたい。ただそれだけ。
虐めない時は思いっきり甘やかす事にしたのだ。そうでもしないとこちらの精神が持たない。
てんこは少し不満げだったが、その分虐めるときは思いっきりやってやると言うと、喜んで頷いた。
そこからは地獄と天国が入り混じった様な複雑な日々だった。
ある時はボールを使って普通に遊ぶ。俺は楽しいが、てんこは少し物足りなさそうだ。
そしてある時はてんこを壁に張り付けて、思いっきり顔面にボールをぶつけまくる。辛くて泣きそうだ。主に俺が。
ある時は、てんこを膝に乗せて破れた服を縫ってあげた。俺は幸せのあまり鼻血が出そうになった。
そしてある時はてんこを膝に乗せて、全身を針で刺しまくった。てんこは涎を垂らして悦んでいる。
ある時はてんこを風呂に入れてやった。別に欲情はしない。HENTAIとか犯罪なの?(社会的に)死ぬの?
そしてある時はてんこに熱湯をぶちまけた。加減を間違えて体が溶けかけたせいで、
ジュースをかけたりと大騒ぎだったが、てんこは恍惚とした表情で、もっとしてくれとせがんで来た。
ここらへんかなぁ。俺の胃に穴が開いたのは。
そのほかにも数え上げればキリがない程、えげつない事をしてきた。
しかし人間、続けていれば何とか慣れるものである。
胃薬やお医者様といった友達が一時期増えたが、とりあえず関係は良好なまま、仲良く暮らせていた。
そしててんこも悪い意味で慣れたのか、変なプレイまで要求してくるようになり、現在に至る。
――――――――――
紐を解いた俺は、しばらく経ってようやく正気に戻ったてんこといつもの散歩コースを普通に回っていた。
別にてんこの意識がどこかへ飛んでもうろたえはしない。もう慣れた。
「ごめんね、おにいさん。てんこどうしてもがまんできなかったよ…」
「うん、まあ、いつものことだし別にいいさ。おもいっきり殴るのも割と普通になっちまったしなぁ」
「おかげでてんこもすごくゆっくりできるよ。まいにちへぶんじょうたいなんて、ゆめみたい!!」
俺も夢だと思いたいよ。慣れたって言っても別に楽しくないぞ、こっちは。
俺はいたってノーマルなんだから。
「まあいいか。ほれ、おやつだ。今日は一個オマケしといたぞ」
「わぁ!おにいさん、ありがとう!・・・これにわさびとかは「ねーよ」 なーんだぁ」
しばらく歩いて公園についた俺達は、
半ば特等席となっているいつものベンチに座っておやつを食べる。
ここでもてんこは、いつもタバスコだとか青汁だとか、ベタな罰ゲームのようなものを期待する。
しょーもないパラエティ番組じゃあるまいし、人の好意を何だと思ってやがるんだ。
「むーしゃむーしゃ、ごっくん。とってもおいしいね、おにいさん!」
こうやって普通にしてると、ただの超絶にかわいいゆっくりなのに、なんであんな趣味が…
「どうかしたの?」
「いや、ほっぺに食べかすついてるぞ。取ってやるから動くな」
「ん・・・ありがと、おにいさん。もうすこしはげしくてもいいよ!!」
「はいはい。今はそういうのナシな」
そんな長閑な、絵になりそうなひとときに、この世の常だろうか。水を差す者が現れた。
「にんげんさん!ゆっくりしていってね!!!」
「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!!」」」
「は?…あー、確かれいむ…だったっけ。なんか用か?」
突然声をかけてきたのは、赤いリボンをつけたゆっくり。れいむ種とかいったか。
小さいのと、でかいの、合わせて四匹だ。ゴミや泥で汚れてるところからすると、野良に違いないだろう。
何が目的なのだろうか?俺は一応ゆっくりに悪感情は持っていない、というかよく知らないだけなのだが、
それでも野良ゆっくりの悪い評判だけは毎日のように耳にする。警戒するに越した事は無い。
「おにいさん……」
「大丈夫だ、てんこ。後ろに下がってな」
「ちょっとまってね!れいむたちわるいことしにきたんじゃないよ!」
「にんげんしゃんたちも、おかーしゃんのはにゃしをきいちぇにぇ!!」
「あ、そうなの?じゃあ何の用だ?」
「じつは、おにいさんにかってもらいたいんだよ!!」
「おにぇがいしましゅ!」
「ゆっきゅりしゃしぇちぇくだしゃい!」
俺に……何で?わけが分からん。
「じつはれいむたち、いじめられないとゆっくりできないんだよ!!」
えー?またかよ……
話を聞いてみると、どうやられいむたちもドMであるらしい。
そんな特殊な自分達でもゆっくりできる場所を探していると、
虐められているてんこと、虐めている俺を見つけたそうだ。
何度か見ているうちにこの人ならば、と思い声をかけたらしい。
別にそんなことをしなくても野良の環境は十分にハードなのでは?と思って聞いてみたが、
そういうのとは、また趣が違うらしい。そういうものだろうか。
にしても、どうしたものか。ウチはドMの駆け込み寺というわけではない。
実際てんこで精一杯なのだ。いや、経済的なものでなく精神的な意味で。
でもこのままこいつらを見捨てるのも寝付きが悪い。
どうしたものかとてんこを見つめていると
「おにいさん。てんこのことはきにしなくていいからね。
てんこはいままでどおりいじめてもらえれば、それだけでしあわせー!なんだよ」
と、言ってにっこりと笑った。なんて良い子なんだろうか…天子を見た気分だ。いや、誤字ではなく。
「・・・わかった。お前達もウチに来い。できるだけてんこと平等に、不便な思いはさせないからな」
「「「やっちゃー!!!」」」
「ありがとう、にんげんさん!!れいむたちいいこにするからね!!!」
「ああ。存分にゆっくりしていくといい」
「よかっちゃにぇ!おかーしゃん!」
「ちゃのしみだにぇ!これもれいみゅがかわいいからだにぇ!」
「ゆゆーん♪かわいくちぇごめーんにぇ!」
「おちびちゃんたち、そんなにはしゃいじゃだめだよ!いいこにしようね」
「「「ゆっゆっおー!!!」」」
はしゃぐれいむたちを前に、俺は満足した気分で頷いた。
――――――――――
なんて甘い人間なのだろうか。まさかこうも上手くいくとは。
あまりにも順調に計画が進んだので、れいむは内心飛び跳ねたい気分だった。
このれいむ一家。勿論ドMなどではない。
目当ては虐められる事ではなく、飼いゆっくりの地位と、快適な生活だ。
れいむは生まれてこの方野良であったが、親が元飼いゆっくりだった。
でいぶ化して捨てられたせいで、子供であるれいむも立派にでいぶとして育ったのだが、
それでも親の、昔の飼いゆっくり時代の話を聞いて、ずっと憧れていた。
親だったでいぶは、人間を奴隷だと言っていたが、れいむはそうは思わなかった。
生粋の野良だったれいむは、人間の怖さを親よりもよく理解していたのだ。
あんなに強い人間が、ゆっくりの言いなりになるだろうか?
いや、そんなはずは無い。いくられいむたちが可愛くても、ふてぶてしい態度を取れば捨てられるのは当然だ。
重要なのは、人間に逆らわない事。そんなことも分からないのか、このバカなでいぶは。
飼いゆっくりの何たるかを理解する事ができたれいむは、内心で親を見下した。
所詮は自分の立場も分からず捨てられるようなバカだ。れいむならもっとチャンスを活かせるのに…
まあいい。いつかれいむが飼いゆっくりの地位を手に入れるまで、精々働いてもらおう。
バカではあるが、自分には甘い。こき使ってボロボロになったら食料として使ってやるのがこいつのためだ。
こうしてれいむは、でいぶであることを隠し、演技をすることを覚えた。
これだけの演技力があれば、いつかお人好しな人間なり、飼いゆっくりなりを騙せるはず。
道端で無様に、それでいて上から目線で物乞いをする親を尻目に、れいむは希望に胸を膨らませていた。
しかし、現実は甘くない。世間は自分に思った以上に厳しかった。
飼いゆっくりどころか自分だけが生きていくのにも精一杯。
ある時は、結局人間にしんぐるまざーがどうとか言って歯向かって死んだバカな親の死骸を食べ、
またある時は親切な野良ゆっくりの厚意を逆手に取り、食料や住処を奪って生き延びた。
それでもれいむは諦めなかった。いつか飼いゆっくりに、という夢を捨てなかった。
そんな時、ある二つの出会いが、れいむの運命を分ける。
一つはたまたま公園で見かけた、飼いゆっくりと飼い主の姿。
見慣れない姿の、そのゆっくりは人間に罵られ、殴られていた。
いくら飼いゆっくりでも、あんなのは嫌だ。と嘲笑っていると、
なんと飼い主の人間は急に優しくなってあまあまさんを一緒に食べ始めたではないか。
急な展開に理解が追いつかなくなったれいむは、真相を確かめるべく、見つからないように近づいた。
なんとか話を聞き取ると、こういうことらしい。
“人間はゆっくりの要求であんな事をしているだけで、本当は凄く優しい。
人間は本当はあんな事をしたくないらしいが、ゆっくりに甘いので仕方なく言う事を聞いてあげている。
あのゆっくり。てんこは虐められることが何よりの幸せ”との事。
正直理解し難い部分も幾つかあったが、これは使えるのではないだろうか?
あの人間は相当甘いようだ。もしかしたら自分が付け込む隙もあるかもしれない。
いざとなったらあのバカっぽいゆっくりを蹴落とそう。どうせ珍しいだけで、きっと大した事は無いだろう。
れいむの演技を持ってすれば出し抜くのは難しくない、はず。
それでもまだ情報が不足している。
これからあいつらを観察して、いけると思ったら実行に移そう。
ようやく見えた光明に、れいむは喜びまわった。
それが、いけなかった。
「ゆはぁ!なんかばかそうなれいむがいるんだぜ!!
ちょうどたまってたからすっきりさせるんだぜ!!!」
「ゆぶっ!?なんなの!?や、やめてよ!すっきりしないでね!!!」
「うるさいんだぜ!のらのぶんざいで、さからうなんてなまいきなんだぜ!!
ばっじをもってるまりささまのすっきりのあいてになれただけでもこうえいにおもうべきなんだぜ!!」
油断した!いつもならもっと気を張ってるはずなのに。しかもこんな日に限って襲われるなんて。
一応は抵抗するが、こうなってしまえばもう助からない事は分かっていた。
この近辺では、飼いゆっくりが自分の立場の強さを盾に、好き放題をしているのが普通となっていたのだ。
それが解っていたからこそあれだけ普段警戒していたのに、よりにもよってこの記念すべき日に…
「ゆふぅぅぅ、でるんだぜ!!すっきりーっ!」
「いや゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!すっぎりやだぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
「ふぅ、のらにしてはなかなかいいまむまむだったんだぜ。
まりささまはこどもなんかほしくないから、くれてやるんだぜ!
まりささまのあんこがもらえたことをありがたくおもって、だいじにそだてるんだぜ!!!」
「う゛ぅ゛ー…ゆっぐりじないでじねぇ…ごのげずぅ…」
勝手な事を言ってもう一つの出会いである、まりさは去っていった。頭には一本の蔓と五つの実が生っている。
見たところまりさ種が2、れいむ種が3といったところか。
こうなってしまっては仕方ない。いくら憎くても子供は子供だ。育てよう。
あの白黒クソゆっくり以外は。
そして、図々しくも優先的に栄養を奪っていたまりさ種の二匹が、他に比べてかなり先に生まれた。
ぽてん! 「ゆっ!おかーしゃん?ゆっきゅりちていっちぇね!!!」
ぽてん! 「おかーしゃん!まりちゃちゃまをゆっくりしゃしぇりゅんだじぇ!!」
「うるさいよ!おまえさみたいなくそがきなんかとゆっくりできるわけないでしょ!!しね!!」
「「ゆぶっ!!!」」
「おかあしゃんどおぢでぇ…?まりしゃしゃまをゆっきゅりさしぇちぇ…」
「ゆ、ゆっきゅりしゃしぇにゃいおやはまりちゃちゃまがしぇーしゃい…」
「だまれ!おまえらみたいなやつにおかーさんだとかおやだとかいわれたくないよ!!ごみのくせに!!」
「「も…もっちょゆっきゅり…ちた…うびゅべぇ゛!!!」」
「ふん!げすのくせにゆっくりしようなんてずうずうしいよ!さっさとしね!!」
こうして赤まりさたちはゆっくりする事を知らずに、たった十数秒でそのゆん生を終えた。
そして残った赤れいむたちにのみ、ありったけの愛を注ぐ。
「ほら、おちびちゃんたち。さいしょはこのくきさんをたべようね!」
「わーい!おかあしゃんありがちょー!!たくちゃんありゅにぇ!!」
「きゃわいいれいみゅにふちゃわちいちゃべもにょだにぇ!!」
「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!!」
「よかったね、おちびちゃん!じゃあれいむもごはんにするよ!!
むーしゃむーしゃ。し、し、し、しあわせーーー!!!」
「ゆっ!?おかあしゃん、しょれしょんなにおいちいにょ?」
「れいみゅもちゃべちゃいよ!」
「ふふっ。もうすこしおとなになったらね!だいじょうぶだよ、
おちびちゃんがこどもをつくっておかーさんになるころにはたべれるようになるよ。きっとね・・・」
こうして、家族が増えた。
が、これでのんびりしていられなくなった。なにせ圧倒的に食料が足りない。
こうなったら少し予定より早いが、おちびちゃんに最低限の事を教えて、行くしかない!
口から出任せでも、それらしく聞こえれば本当に騙せる、はずだ。
―――そして、
内心不安ではあったが、なんとか適当な言い訳をつけて人間を騙す事に成功した。
理由にしんぐるまざーなどという事は使わない。そんなものが人間に通用するわけが無いからだ。
重要なのは自分達をいかに哀れで、可哀相で、従順に見せるか。それだけ。
おちびちゃんもヘマをせずに上手く働いてくれた。猫をかぶった結果がこれだよ!!
「さて、じゃあ帰るか。そろそろ時間だしな」
人間が立ち上がった。とうとう人間のおうちで暮らせるんだ。
「それなりに遠いけど、お前らチビとか大丈夫か?」
「ゆ!もんだいないよ!おちびちゃんもいざとなったられいむがはこぶからね!!」
「そっか。まあドMだもんな。それくらい平気か」
「てんこはだいじょうぶだよ!むしろひきずって「知ってます。引きずりません」…なーんだ」
そう言うと、人間は先に歩き始めた。どうやらついて来いという事らしい。
なんだか変な設定がついてしまったが、まあ構わない。
なにせこんなバカっぽいゆっくりが喜ぶような虐待(笑)だ。
痛そうに見えたが、きっとそれほど酷いものでもないのだろう。
死にはしないだろうし、快適な生活と引き換えだとおもえば、そう辛いものでもない。
少なくとも、人間の子供に追い掛け回されたり、大きなすぃーに潰されるよりはマシなはずだ。
「てんこはてんこっていうんだよね!これからよろしくね!」
「「「よろちくにぇ!ちぇんこしゃん!!」」」
「おにいさんもやさしいみたいだし、これかられいむたちもゆっくりできそうだよ!!」
このバカの口添えもあって飼いゆっくりになれたのだ。一応感謝して、仲良くしてあげよう。
まあいつかは蹴落として、れいむたちがあの人間の一番の飼いゆっくりに・・・
「何いきなり話しかけてきてるわけ?」
「「「「「ゆっ!!?」」」」
「別にあんたらの事なんかどうでもいいわよ。ただお兄さんが困ってたから助け舟出しただけだから」
これまでとは大違いの態度で、ふてぶてしく、流暢にてんこが話した。
「っていうかお兄さんって呼ぶのやめてくれない?お兄さんはてんこたちだけのお兄さんなんだから。
あんたらなんかに気安く呼ばれたくないのよね。まああんたらなんか眼中に無いけど。
ったく、ただでさえお兄さんがかまってくれる時間が減るかもしれないってのに…
何のつもりでウチに来ようとしたのか知らないけど、
あんまこっちが大人しくしてるからってチョーシこいてると、すり潰すわよ。お?」
「「「「え・・・あ・・・う・・・?」」」」
「おい、何してるんだ!早くしないとおいてくぞ!!」
「まってね、おにいさん!あ!もしかしてあたらしいほうちぷれいなの?」
とてとてと、てんこはいつもの調子で人間に駆け寄る。
「バカ言うな。……あれ、あいつらなんであんなところでボーっとしてるんだ?」
「さぁ?てんこわかんない。うれしくてへぶんじょうたい!!なのかも」
「まさか、お前じゃあるまいし。…いや、同じなのか…?」
れいむたちはしばらく固まっていたが、何とか持ち直した。
予想外の出来事ではあったが、飼いゆっくりにはなれたのだ。
これからバラ色のゆん生が待っていることには間違いない。
あのよくわからないてんこも、まあ何とかなるだろう、きっと。
入り込めばこっちのものだ。
念願叶ったれいむを止められるものは何も無く、
おちびちゃんを立ち直らせたれいむは、急いで人間達の下へ跳ねて行った。
――――――――――
帰り道、特に何を話すでもなく歩いていたが、「そろそろか」とお兄さんが口を開いた。
「ゆ?おに・・・にんげんさん、どうしたの?」
「ああ、ここらへんで帰りの遊びの時間かな、と思ってな。てんこ、今日は何する?」
「うーん…きょうはてんこさっかーがいいな!」
「しゃっかー?」
「しょれちゃのちいにょ?」
「うーん…てんこからすれば楽しいらしいぞ。俺はどうかと思うが…」
「ちゃにょちいにょ!?れいみゅやっちぇみちゃい!!」
「こら、おちびちゃん!わがままいっちゃだめだよ!」
親れいむが窘める。さっかーがなんなのかは知らないが、余計な事に首を突っ込まないで欲しい。
「いや、いいさ。そうだな…試しにやってみるか?」
「いいにょ?ゆわーい!!」
「構わないさ。てんこもここは譲ってやってくれないか?この後ちゃんとやってやるから」
「うん、かまわないよ!こんなにたのしいこと、ひとりじめするのはよくないしね!!」
てんこは不機嫌さを全く見せずにニコニコ笑っている。
「ゆっ!?ゆぅ…にんげんさん、ごめんね…」
そうまで言われては、無理に断っては疑われるかもしれない。
まあ楽しいと言っているし、おちびちゃんも喜んでるし、別にいいか。
「じゃあここに立ってくれ」
「わきゅわきゅしゅるよ!」
「いいにゃー。あちょでれいみゅにもやらしぇちぇね!」
「ああ、いいぞ。不公平は良くないからな。じゃあいくぞー!!」
「ゆっゆっおー!!」
お兄さんが思いっきり走ってきた。
赤れいむは期待に胸を膨らませながら身構え
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおりゃあ!!!」 「ゆぴぃ!!?」ボヒュッ
死んだ。
お兄さんのキックで跡形もなくなった赤れいむの無残な最期に、親れいむはしばらく固まっていたが
「ど、ど、ど、どおじでごんなごどずるの゛ぉぉ゛ぉ゛!!?
うわぁぁ゛ぁ゛!でいぶのがわいいあがぢゃんがぁぁぁ!!!」
「いやぁぁぁ!!れいみゅぅぅぅ!!!」 チョロチョロチョロ
「ゆわぁぁ!れいみゅのいみょうちょがぁぁぁ!!!」 チョロチョロチョロ
「うわ!?すまん!いつもの調子で蹴っちまった!!
大丈夫・・・じゃないな。どう見ても。いや、本当に申し訳ない」
偽り無く、すまなさそうにお兄さんは謝ったが、そんなことはどうでもいい。
何故いきなりおちびちゃんを蹴り飛ばしたのか。返答しだいでは許さない。
「なんでごんなごどしだのぉ!?あぞんでくれるんじゃながっだのぉ!!?」
「いやいや、それに関しては文句言われたくないぞ。加減を間違ったのは済まないと思うけどな。
だって、お前たちが『てんこサッカー』で遊びたいって言ったんじゃないか」
「て、てんこさっかー?」
「説明するよ!てんこサッカーとは、てんこをボールにして、
一定の距離を、思いっ切り蹴ってもらう遊びのことだよ!!」
「え゛!?てんこ、今…」
「ゆ?どうしたのおにいさん?なんにもおかしいことなんかなかったよ?」
「いや、確かに今すっごくペラペラ「な ん で も な か っ た よ ?」 ……はい」
てんこの後ろに天子が見えた。いや、今度はマジで。
「ま、まあそういうわけで、遊んでただけなんだし、それに関しては何にもおかしな所は…」
「ゆぐぅ…」
なんという事だ。こんな危険な遊びだったなんてわかる訳無い。
確かにそれなら蹴った事に対しては文句は言えない。悪気も無いみたいだ。
……だからといって許せるものか!
かわいいおちびちゃんを殺されて黙ってられるほどお人好しではないのだ。
「やっぱりゆっくりごろしの「うらやましくないの?」ゆっ!?」
割り込んだ声の主は、やはりというべきか、てんこだ。
「おちびちゃんがいじめられてゆっくりできたんだよ?うらやましくないの?」
何を言ってるんだ、こいつは。羨ましいわけ・・・
「ほんとのどえむなら、いまのをみてうらやましくないわけないよ。
じぶんのこどもがあんなにはげしくけられてゆっくりできるなんて、
こうふんしてしかたないのがふつうでしょ?
げんにいまうらやましすぎて、てんこのしたのおくちはびしょびしょになってるよ。
…なのに、なんでおこってるの?ほんとにれいむはどえむなの?」
「・・・何を言ってるんだ、お前は……」
違う方向からツッコミが入った。
それはともかく、そう言われれば反論できない。
怒りで忘れていたが、自分達は虐められる為に飼われたがったドMという事になっているのだ。
ここで我を忘れて怒ってしまえば全てバレて水の泡に、下手すればもっと酷い事になるかもしれない。
「そ、そうだね。でもかんちがいしないでね!
れいむ、うらやましくてついおにいさんにせがんじゃいそうになったんだよ!」
「そ、そうなのか?凄いな、お前…
まあ、次からはちゃんと気をつけるから、許してくれな」
・・・仕方ない。おちびちゃんのことは、不幸な事故だと思って諦めよう。
自分の夢には代えられないし、まだ二人も可愛いおちびちゃんがいるのだ。
(さよなら、れいむのかわいかったおちびちゃん……)
れいむは驚異的な速さで立ち直り、星となった我が子に別れを告げた。
「さあ、おちびちゃんもないてないで、ゆっくりしちゃったれいむのぶんもしあわせーっ!になろうね」
「「ゆ、ゆっくちりきゃいちたよ…」」
何とか赤ゆを宥めたれいむに、突然てんこは近寄ってきてボソリと呟いた。
「ようこそ、地獄の一丁目へ。ゆっくり死て逝ってね!」
「!!!」
思わず声の方を向くと、そこにはニヤニヤ笑っているてんこがいた。
「ホントにバカね、あんたたち。
てんこならともかくあんたたちみたいなゴミ饅頭がお兄さんの力に耐えられるわけ無いじゃない。
ま、ドMが本当でも嘘でも、どっちでもいいけどね。もう逃がさないし」
「おい、てんこの番だぞー」
「じゃ、私は思いっきり蹴られて愉しんでくるわ。
・・・はーい。いまいくからまっててね、おにいさん!」
またいつもの間抜けた調子に戻るとお兄さんの下へ、とてとてと向かう。
「何話してたんだ?」
「いちおうちびちゃんがしんじゃったから、げんきだしてねっていってきたんだよ!」
「そうか。優しいな、てんこは…」
「ゆふん!それほどでもないよ。
さあ!ばっちこいだよ、おにいさん!!てんこぼーるではっととりっくをきめてね!!!」
「…よしっ!うおぉぉぉぉ!いっけぇ、俺のなんたらシュート一号!!」
「うきゃぁぁぁ!ごーるだよ、おにいさん!!いってんめだよおおぉぉぉぉ………」
「…はぁ。なんか鍛えられてる自分が悲しい。何だよ、なんたらシュートって…」
手加減なしに蹴りこむ人間と、悦びながら遠くに飛んでいったてんこを見て、
れいむはようやく、自分がとんでもないところに足を踏み入れたのではないかと疑った。
まあ、疑おうが確証を持とうが、もうこの魔境から逃げることなどできないのだが。
続く
本当に演技が巧いのは、誰なんでしょうね?
というわけで、突然ですがスランプ中です。
正直これも書いては消して、やっとこさ捻り出した作品なので、
後編は時間が掛かるかもしれません。
では、本当にいつになるか分かりませんが、また後編で!!
小五ロリあき
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- お兄さん優しいね俺だったら霊夢を〇〇けどなぁ
(〇〇はご想像に任せます) -- 2015-12-19 11:02:25
- てんこ…こんなゲスだったなんて…………… -- 2015-01-31 15:34:39
- てんこがドMでドSに見えてきたのぜ… -- 2013-06-20 08:30:35
- てんことお兄さんいいコンビだなwww -- 2012-07-19 12:50:44
- てんこ頑丈杉wwwww -- 2011-08-27 18:18:28
- くそうwww唐突すぎるブロント語はやめてくれwwww -- 2010-11-14 23:23:54
- 唐突なブロント語にフイタ -- 2010-11-13 01:04:37
- 腹黒なてんこちゃんいい…ハァハァ -- 2010-10-16 13:30:35
- お兄さん可愛すぎるwww -- 2010-10-01 16:22:52
- てんこちゃんハァハァ -- 2010-06-24 12:31:43
最終更新:2009年12月04日 19:16