電子レンジでチンしてポン! 9KB
※スレの「電子レンジでゆっくりは爆発するものなのか?」という話題に触発されて書き
ました
※独自設定垂れ流し
「すっきりしたよ! つぎはあまあまほしいよ! さっさともってきてね!」
腕の中、野良れいむが勝手なことを喚いている。
思わず叩きつぶしたくなるところだが、ここは我慢である。
今回の虐待のテーマは「ゆっくりはシンデレラになれない」だ。
一度とことん綺麗に着飾っておだてあげ、それからじわじわ汚してけなす。身の程知らず
なゆっくりの心をじわじわ折る大人の虐待なのである。
そのためにわざわざ野良れいむを拾ってきて、風呂で綺麗にしてやったばかりなのだ。こ
こで潰しては元も子もないというものである。
だが、むかつくものはむかつく。
そんなとき、目に入るものがあった。
電子レンジだ。
野良れいむごときをわざわざタオルで拭くのは面倒くさい。
ところが、文明の利器たる電子レンジを使えばスイッチひとつで気軽に乾かせる。我なが
ら素晴らしい思いつきだ。
ゆっくりを電子レンジで温めると爆発するなんて噂があるが、あんなのはただの都市伝説
だ。
以前固くなってしまった饅頭や大福を温めたことがあったが、爆発なんてしなかった。
饅頭はややぱさつき、大福は表面のモチが少し溶けた。
だが、それだけだ。
ゆっくりもダメージがあるだろうが、それくらいなら特製オレンジジュースですぐ治せる
レベルだ。れいむにもいいオシオキになるだろう。さほど外見を損ねることもないだろう
から今回のテーマにも反しない。
よし、問題ない。なら実行だ。
さっそくれいむを電子レンジの中に放り込む。
「ゆゆ!? はこさんはせまいからゆっくりできないよ! だして!」
「なぁに、すぐにゆっくりできるさ」
スイッチを押すと、ブン、という独特の電子音と共に内部の回転テーブルが回り出す。
どのくらいの時間を要するのかわからないから、機械任せの自動判断モードにした。
「ゆっくりまわるよ~♪ ゆゆ~ん♪」
れいむも気に入ってくれたらしい。
俺はやれやれと、虐待専門誌「ゆ虐天」を手に取り、椅子にこしかけ待つことにする。
電子レンジがチンと鳴るか、れいむが悲鳴を上げたら乾かし終了。それまではノンビリし
よう。
パラパラと雑誌をめくる。目に入ったのは毎月「読者の選ぶ十の虐待」だ。これは毎月、
一般公募の虐待アイディアを競うもので、入賞すれば賞品がもらえる。賞品といえば特別
な虐待道具を考えそうなものだが、普通の家電だったりする。虐待に傾倒すると日常品が
不足しがちなのだ。
「ゆ虐天」は読者の隠れたニーズに答える心憎い専門誌なのである。
いずれ俺も入賞したいものだ。
「ゆ、ゆぎゅぎゅぅ!?」
雑誌をぱらぱらやっていると、れいむが妙な声を上げだした。
そろそろ乾いたんだろうかと、腰をあげかけると、
「ゆげるっぱぺぽぷぅぅぅ!」
よくわからない悲鳴と「ポン!」という間抜けな音。
その二つの音を残し、れいむは電子レンジの中で弾けて散った。
電子レンジでチンしてポン!
知らなかった。
ゆっくりって、電子レンジに入れると本当に爆発するんだ。
あの後、野良れいむが爆発したのはひょっとしたら偶然かも知れないと、虐待用にストッ
クしていたゆっくり三十匹ほどで試した。そのいずれも爆発したからまず間違いないだろ
う。
ストックにあったのは、手に入りやすい言わゆる基本種――れいむ、まりさ、ありす。野
良もいれば安価でたたき売られていた加工所製もいたが、全て爆発した。どうやら種類も
生まれも関係ないらしい。
ただ、「永遠にゆっくり」したゆっくりは爆発せず、通常の饅頭のようにぱさついただけ
だった。どうやら例によってゆっくりの不思議能力が原因らしい。
ゆっくりの爆発する前、苦しむものが大半だった。だが、中には変わった行動をとるゆっ
くりもいた。
脈絡なく下手糞な歌を歌い出すれいむ。
突然狂ったように暴れるまりさ。
唐突に号泣し出すありす。
だが、いずれも結果は変わらない。最後には爆発する。
なかなか楽しい見せ物ではあったのだが、心の中の疑問がひっかかった。
――ゆっくりは、どうして電子レンジで爆発するのか。
それがあるため、心から楽しむことができなかった。
とにかく数はそれなりに試して様子もつぶさに観察した。それでもわからないのだから、
あとは思考をめぐらすのみ。まずは原点に立ち返ろう。
ゆっくりの原点など考えても無駄なので、電子レンジの原理から考察だ。
電子レンジの原理は、簡単に言えばマイクロ波を照射し、水分子を振動させて熱を発生さ
せること。
ゆっくりは涙を流したりしーしーしたり、通常の饅頭よりは水分があるのだろう。
だが、ニワトリのタマゴのように電子レンジで爆発するほどではないはずだ。事実、「永
遠にゆっくり」したゆっくりは爆発しなかった。
なら、電子レンジの原理とゆっくりの特性がかみ合ってこの不可解な現象が起きるはずだ。
ゆっくりの特性――様々な虐待経験が頭の中をよぎっていく。
足焼き。目玉抉り。赤ゆ潰し天どれも楽しかったなあ。
そんな思い出に浸る内に、ひっかかるものがあった。
電子レンジの原理とゆっくりの特性を繋ぐキーワード。
それがひとつ、見つかった。
「ゆんゆ~ん♪ ゆっくり~♪」
今、電子レンジの中では生きたゆっくりれいむがマイクロ波を浴びている。
俺は時計片手に、れいむの様子を固唾を呑んで見つめていた。
ゆっくりが苦しみだすのは、先ほどの試した限りでははおおよそ十秒前後。
時計が八秒を刻んだところで、
「今だ!」
「ゆゆぅ!?」
素早く電子レンジを停止、れいむを取り出すとテーブルの上に載せた。
「ゆ、ゆゆぅ?」
れいむはゆっくりらしく、急速な状況の変化に反応できず戸惑っている。
俺は取り出してからは一切手を触れず、ただじっとれいむを見つめる。
変化はすぐに現れた。
まず、頬が赤くなった。これは電子レンジで温められたのだから当然だ。
問題は次だ。
「ゆ、ゆゆ……ゆふ~ん? んほぉぉぉぉぉぉ!」
突然だった。
れいむはいきなり息を乱したかと思うと、ぺにぺにをクライマックスまで屹立させた。目
はだらしなく垂れ下がり、卑猥に笑みを浮かべる口元からはヨダレがとめどなく流れてい
る。
その性欲に溺れた顔はれいぱーありすにも引けを取らない醜悪さだった。
そこで俺は確信した。
「やはり! 『振動』がキーだったのか!」
そして、俺は包丁を取り出すと一気にれいむを両断した。
「ゆげぇっ!?」
おぞましく発情したれいむはまっぷたつになった。普通のゆっくりなら断面に餡子が見え、
それがこぼれ落ちるのに少しは時間がかかる。ゆっくりの餡子の粘性は意外に高い。
だが、こいつはそうはならなかった。
二つに割られた皮からすぐさま漏れ出たのは、どろどろに溶けた餡子のスープだったのだ。
ゆっくりと電子レンジをつなぐキーワード。
それは、「振動」だ。
ゆっくりは振動させると発情する。
そして、電子レンジはマイクロ波で水分子を振動させる。
餡子にも水分は含まれる。だからゆっくりを電子レンジで温めると言うことは、分子単位
で、それも体内からゆっくりを強制発情させることになる。これは相当異常な状態と言え
るだろう。
ゆっくりが発情すると、身体から糖分たっぷりの粘液を分泌する。すっきりーすれば精子
餡を射出する。いずれも餡子よりずっと水分が多いものだ。
これはゆっくりの中にある水分を使ったものだろうか?
おそらく違う。それでは量が足りない。
ゆっくりは、発情時に餡子を水分に変換しているに違いない。喰った物をなんでも餡子に
変換するのだから、逆もまた然り。このくらいはあり得るだろう。
普通ならば特定の部位から適量だけすっきりーに必要な水分が生み出されるはずだ。
だが、電子レンジでは違う。
電子レンジの中のゆっくりは、マイクロ波で体内を分子単位に揺さぶられるという通常で
はあり得ない強制発情の異常状態。おそらくは体内の全ての餡子が精子餡や粘液を――す
なわち水分を発生しだすようになるのだろう。
するとゆっくりの体内はどろどろになってしまう。いくらゆっくりがいい加減な適当ナマ
モノとは言え、これではたまらない。爆発前の異常行動はそれが原因なのだろう。いきな
り身体中の内臓がぐしゃぐしゃになるなど、どんな苦しみか想像もつかない。
そして、体内で急速に水分が増加し、電子レンジによりいっそう加熱される。おまけに発
情したゆっくりの体温上昇まで加わる。
これらが非常に短時間で行われる。
結果、爆発するのだ!
全ては推論に過ぎない。
しかし、苦しみだす直前に取り出したれいむの状態を見るにまず間違いないだろう。
大発見だ!
俺はとてもすっきりした気持ちになった。いや、素晴らしい!
実に気分が良くなり、今までイマイチ楽しめなかった分も取り返したくなった。
どうせやるなら凝ったことをやろう。
「んほぉぉぉぉ! いいわぁぁぁぁ!」
俺が選んだのはありすだった。とりあえずこいつをひとしきり手で揺すって発情させる。
そして、
「んほぉぉぉ! すっき……」
すっきりー直前で手早く電子レンジの中にたたき込む。
「ちょっとぉぉぉ! ここまでやってじらすなんて、とかいはじゃないわぁぁぁ!」
喚くありすを無視して、電子レンジのスイッチをオン。
オレンジ色のランプに照らされ、回転皿でありすが回る。
「ん、んほ!? ありすのぺにぺにをぜんしんなめまわすようにみたいなんて、おにいさ
んもとんだへんたいさんねぇぇぇぇ!」
確かに言われてみればストリップショーみたいだ。
れいぱーありすは発情時になんでも自分に都合良く考えると言うが、ここまでキモイもの
だとは。正直むかつく。
だがこれはいらだちはこの後の素敵なショーを味わうためのスパイスのようなもの。
俺はそれこそストリップショーの観客のように舌なめずりしてありすを眺める。
「ん? んほ、んほ、んほぉぉぉ!? なんだかとってもとかいてきだわぁぁぁ! から
だがあつくなってきたわぁぁぁ!」
既に発情状態だったためか、あるいはさすがれいぱーありすと言うべきか。
マイクロ波に敏感に反応し、ありすはさらに興奮を高める。
ぺにぺにをさらに大きくし、ぬらぬらと身体からは止めどなく粘液を分泌しだす。
「んほぉぉぉ! んほぉぉぉ! んっほおおお!」
雨上がり、アスファルトでのたうつミミズのように暴れ回り、それでいてなめくじのよう
に異様なぬめりと光沢を放つ身体は醜悪そのもの。その身体に張り付く金髪は濡れて乱れ
張り付き悪夢のような気色悪い彩りだ。
情欲まみれというよりヤバイ薬をキメたかのような正気を失った目。ダラしなく伸び、振
り回される舌は触手のように柔軟にしてキモイ。
電子レンジの中、発禁レベルのクリーチャーが誕生しようとしていた。
さすがに正視に耐えなくなってきた。とっとと終わりを迎えて欲しい。
そう願ったとき。
「すっきりーっ!」
爆発した。
異常膨張したぺにぺにから放たれる沸騰したカスタード。その発射に耐えきれないかのよ
うに爆裂四散するありすの身体。
俺が見ることが出来たのはそこまでだった。
悪い予感に身を任せ、咄嗟に身を伏せた。それが幸いした。
頭上で爆発音が通り過ぎ、しばらくしてからゴン、と頭に当たる者があった。
電子レンジの蓋だ。
爆発したのはありすばかりではなかった。
電子レンジそのものが、爆発してしまったのだ。
「やれやれ、やっぱりれいぱーありすをオチにもってくるものじゃないなあ……」
ため息を吐きながら後かたづけをする。
幸い火事になったりすることもなく、被害は電子レンジ付近が少々焦げたぐらいだった。
それでも大損害である。
だが俺はそれほど後悔していなかった。
虐待としては楽しかった。都市伝説が事実だとわかったばかりでなく、その原理まで回答
できたのだ。大収穫だ。
なにより、「ゆ虐天」の来月号予告が俺を勇気づけてくれた。
「読者の選ぶ十の虐待」の賞品の中には、電子レンジがあったのだ。
了
by触発あき
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- なんで爆発するんだおかしいだろ -- 2023-08-26 12:03:10
- 頭がいたい -- 2016-10-06 22:03:22
- ゆっくりを電子レンジでドッカンってよく思いついたなw面白かった! -- 2016-05-04 11:36:27
- 私がゆっくりだったら、コワイ。ゆっくりも東方と同じじゃない?(悪気はない)ゆっくりを見かけたら、そっとしておこうね?
-- 2016-05-03 10:24:02
- ゆっくりが可哀想…。電子レンジでチンして、包丁で切ってさ。可哀想だと思わないかな?
-- 2016-05-03 10:18:19
- れいぱーのセリフで死ぬほど笑った、ありがとう -- 2014-01-09 19:38:36
- 電子レンジ最強! -- 2013-09-11 23:16:02
- ↓情報有難うございます。
「ゆ虐天」はどこで入手できますか? -- 2012-05-02 21:47:30
- ↓今月の「ゆ虐天」に載ってるよ☆ -- 2011-12-27 02:02:01
- ↓↓↓挿絵見たいよなw -- 2011-12-23 10:44:53
- でた「ゆ虐天」ww
読みてぇえええwww -- 2010-09-06 04:21:22
- サイクロプス -- 2010-08-17 12:21:51
- 電子レンジで回るありす、シュールすぎるwww -- 2010-06-14 17:10:27
最終更新:2009年10月18日 13:13