ゆっくりに関係する怖い話終幕.7 12KB
実験・改造 現代 独自設定 ゆっくりによる人間恐怖描写あり 過去作の設定流用 生存ゆっくり有り
タイトル:本当の7番目
作者名:蛇足あき
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「……はい?」
「はい?って……お前を除いて、6人しか居なかったろ?」
「いえ、7人全員がいましたけど……?」
何を言って居るのだろうか、この人は
「そんな筈は無い。昨日は最大でも6人しか集まらなかった筈だ」
「そんな事言われましても……どうして部長が知ってるんですか?」
「7人目は俺だからだよ」
「は?」
どういう事だ
「俺が話してくれと頼んだのは6人だけだ。最後は俺が7人目として語る事にしようとしててさ……」
ああ、成る程
だから1人足りなかったって……
「でも昨日、確かに7人から7話聞きましたよ」
部長にメモを見せる
「……確かに7つあるな……お前が考えたんじゃないよな?」
「そんな手の込んだ悪戯はしませんよ」
「おかしい……誰がお前に7番目の話をしたんだ」
「止めてくださいよ。オカルトにも程がありますよ」
「本物が出たって事かな……」
学校の怪談ならともかく、ゆっくりの話で何故出るんだろうか……
「しかし、気になると言えば気になりますね……」
「丁度良い。斉藤、お前が調べるんだ」
「ええー……」
そんな無茶な……
「話としては面白いだろ?お前もそう思っている筈だ」
「それは……まあ……」
紛れ込んだ、誰か知らない人
その事が分かれば、新聞としては面白いけど……
「はい。これ」
部長はメモに何かを書いた後、俺へと手渡した
「?」
『桜井透 2年生
神楽坂香澄 3年生
有沢幸太 3年生
犬飼芳美 1年生
服部慎二 2年生
神田佐助 1年生』
そこには、名前と学年が書かれていた
「これは?」
「俺が頼んだ人達の名前だ。彼等からどの話をしたのか、どれが違う話だったか位は分かるだろう?」
違う話……
ああ、謎の人物が語った話か
「合わせて誰かが教室に入る時、誰を見たかを聞けばいい。ある程度は分かると思う」
「分かりました」
「俺の方も調べてみるが、お前の方がなんとなく見つけそうな気がする」
なんとなくか……
「乗りかかった船です。探してみます」
「頼むぞ」
部室を出て、語ってくれた人達を探しに行く事にした
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部長が頼んだ6人は、あっさりと見つかった
最初は、皆してそんな話は知らないと言っていたが、部長から聞いていると言うと、何の疑いもなく教え
てくれた
ここで意外な事が分かった
「誰もプライバシーなんか問題にしてなかったのか……」
最初に、そんな話を知らないと言ったのも、誰かから漏れると困るだろうからとか、一応は秘密にしてお
いてくれと部長から頼まれたからとか、そんな話だけだった
誰も、自分から秘密にしておいてくれとは、言わなかった
これは部長が、最初は自分の素性を隠して語る為とも思えたけど……
そして次に、全ての人が真実を語った訳ではない事も分かった
最初の話、ゆっくりを生き埋めにしたのは、あくまで作り話らしい
まあ、コンクリートの強度とかを考えるに、それが正しいけど
次の話、ゆっくりんぴーすは……どうだろ?本人は嘘だと言ってたけど、凄く含み笑いをしていた
曰くして、とある秘密結社の話をネタにしたとの事だが……
次の連続殺人事件は、これは完全な作り話と言っていた
ゆっくりんぴーすの話を受けて、とりあえず場を和ませようと、即興で考えたとか
その次の地蔵の話は、昔見たアニメの話が元ネタだと言っていた
通りで中途半端に文化があったわけだ。まあおかしくは無かったからいいけど
その次のきめえ丸の話は、狐憑きが元だと言っていた
ゆっくりペットショップの事件は、偶々知っていた事件なだけで、関連性は無いとか
そして生きながら食われ続けたドスは、どうもとあるホラーを元にしたのだとか
まだ生きて居る事に気付かず、内蔵を移植されたという……怖いなあ
「残ったのは最後……蟲毒の人か」
それぞれが入り、出て言った順番を考えると
その話をした人は、一番最初にあの教室に入り、そして最後まで残っていた……
部長から頼まれてと言っていたけど……そもそもあんな事、本当に部長が頼んだのだろうか?
個人情報を守るためと言って居たが……あそこまで出来るとは思えない
謎の7人目が、自分の正体を知られたくなくて、全て用意したのか?
それなら納得は出来る……
でも、部長がもし全てを頼んでいたなら……
7人目は、どうして片付けと言ったんだ?
もし7人目が部長と何の関係もないなら……誰があれ等を片付けたんだ?
「これは部長に聞くしかないか……」
ブブブ……
「電話だ……」
携帯電話を取り出す
『新聞部部長』
都合よく、部長から電話がかかってきた
「はい、どうしたんですか?部長」
『どうだ斉藤。何処まで分かった?』
やっぱりそういう話か
「とりあえず全員に話を聞いた所です……例の7人目を目撃した人は居ませんでした」
『そうか……実はな、俺の方も聞き込みをしたんだが、どうも見た人が居たらしいんだ』
「本当ですか!?」
『ああ。宿直で残っていた先生がな。あの新任教師の……』
「高橋先生ですか?」
『そうそう。旧校舎に向うのを見たらしい』
なるほど
目撃した時間はともかく、旧校舎に用がある人なんて、滅多に居ないだろう
ソレも生徒で……
「誰かは分かったんですか?」
『ああ。うちの高校に夜間部がある事は知って居るか?』
「はい」
『どうもその生徒らしいんだが……』
「その生徒がどうしたんですか?」
『いや……なんて言ったら良いのか……』
嫌に歯切れが悪いな……
『その……聞いた所、どうも訳有りのようでさ』
「夜間学校に通うんだから、訳有りなのは当たり前では?」
『はっきり言うな……その生徒がじゃない。出身地だ」
「出身地?」
どういう事だろう?
『I区って知ってるか?』
「何処のですか?T都じゃないですよね?」
『詳しくは分からん……じゃあO教授というのは?』
「聞いた事があります。何十年も前に、ゆっくりから臓器を作り出して……」
今ではゆっくりんぴーすが五月蠅いし、何より信頼性の問題でやって無いけど
『ああ。I区はその教授が居た場所なんだ』
「それに何の関係が?」
それだけで何の問題があるのだろうか?
『その生徒……そこの出身者らしいんだ』
「?良く分かりませんが」
何処が問題なんだろう?
『お前今、I区を知らないって言ったよな?』
「言いましたけど……」
『そこはな、数十年前に軍事ミサイルが誤射されて、区の領域が変わったんだ』
「はい?」
なんだそれ……
『あくまで公式記録でそうなって居るだけで……実際は違うって噂だが……』
「軍事ミサイルなんて……一体どういう事なんですか?それにそもそもその話だと……I区出身者の生徒
は存在しない事になりませんか?」
まあ夜間学校だから、高齢でも問題はないかもしれないけど
『O教授だけどな……どうもおかしな実験をしていたらしいんだよ……』
「おかしな実験……」
最後の話を思い出す
謎の7人目が語った、蟲毒で作り出されたゆっくり
まさか……ソレが?
『ゆっくりを人にしたって……』
「……はい?」
なんだ……それは……
『ゆっくりに、ゆっくりで作った人間の臓器や皮膚やらを移植して……人と同じゆっくりを作った……そ
んな噂があるんだ……』
「あ……ありえないですよ。そんな事……」
『もちろん、俺もそう思う……だけどその話を信じて、何処かの虐待お兄さんが、そのゆっくりを殺す為
にミサイルを撃ち込んで、事実を隠蔽する為に軍事ミサイルとして……』
「それこそありえないですよ。何故隠蔽を?そんな事する位なら……」
『ああ。いくら噂としても、あまりにも無責任というか無理がありすぎる……でも、1つの区が変わって
実際にミサイルが落ちたと言う記録はあるんだ」
「……」
『新任教師が見たって生徒も……歳は俺等とそう代わらないらしい』
「ありえない……そもそも戸籍とか……」
『新任教師もそう言ったけど、気にし過ぎだって皆に言われたってさ』
「うちの高校酷いな」
少しは調べようよ……
『私立だからな。その辺は杜撰なんだろう……それより、噂だと、そのゆっくりが今でも生き残って居る
とか』
「……」
『何せ人の知能があるゆっくりだからな……思い込みでどう変化するか分からん』
「……部長…」
『ん?』
「謎の人物が語った怖い話なんですけどね……」
俺は部長に、蟲毒の話をした
「……どう思います?」
『もし噂が本当なら、案外自分の事を言っていたのかもな……思い込みで変身できるって……』
「そんな……」
ただの一介の高校生が、なんで事を知らなければいけないのだろう……
映画や漫画じゃあるまいし……何をしろって言うんだ……
一体何を考えて、その人は俺にそんな話を……
『噂によるとだが……彼女は自分の存在を人間にしたくて、ゆっくりだと気付いた人間を、殺して周って
いるらしい……』
「……」
『しかし……あの7番目の怪談だけが、本当だったとは……』
「部長……」
『深く考えるな。そんな事が、現代社会であっていい筈がない』
「……とりあえず、高橋先生に話を聞いてきます」
『ああ。俺ももう少し調べてみる』
ピ!
携帯をきる
あまりにも、昨日までとはかけ離れた話……
怖い話に、自分が巻き込まれた感覚
俺は普通の高校生だ
何処にでも居る、何の英雄にも主役にもならない
ただの高校生だ
何があるかなんて、知った事じゃない
「高橋先生に聞かないと……」
本当に見たのか
その彼女は何なのか
見間違いじゃないのか
そして……
頭が混乱する
話を聞くのが、何より先決だ
そこから考えても、きっと遅くは無いだろう
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「えっと……斉藤真樹君だったっけ?」
「はい。高橋先生、話を聞かせて貰って良いでしょうか?」
「ああ、うん。いいよ。数学の話かな?それとも物理の……」
「授業の話じゃないんです。昨日、放課後に見た人物についてですけど……」
「え?何の事?」
「部長から聞きました。旧校舎に入って行った夜間学校の生徒ですけど……」
「いや、僕は知らないよ?」
「はい?」
何それ?
「そもそも、昨日はずっとここにいたよ。旧校舎なんて、ここからじゃ見えないでしょ?」
「まあ、そうですけど……」
「勘違いしたんじゃない?その部長さん……名前ってなんだっけ?」
「酒井由宇先輩です」
「ああ、新聞部の……うん。やっぱり話してないよ」
おかしいな……
確かに部長は、高橋先生から話を聞いたと
新任教師と言っても、そもそも新任が高橋先生しかいないし……別の誰かと間違える事はない
とはいえ、高橋先生が嘘を吐くとは思えない
「部長にからかわれたんじゃない?」
「ですかね……あ、そういえば高橋先生」
「ん?」
「夜間学校の生徒って、知ってますか?」
「んー……夜間の生徒は受け持ってないからね……さっぱり分からない」
「I区出身者のとか……」
「I区って、あのミサイルが誤射された?」
「ええ」
その事件自体は、普通に知っているのか……
「いや、もし居たらいたで話題になってるからさ……ちょっと僕は聞いた事が無いね」
「そうですよね」
そもそも、この新任教師だって知ってるんだ
多少知識があれば、それがどんなに悪い事でも噂にはなる
当然、普通科の俺達の耳にも入ってくる筈なのに……
やっぱり部長にからかわれたのか……
「部長にあって、きちんと聞いてみたら?」
「そうですね……携帯使いますね」
部長へと電話をかける
今一度確認しないと……
誰と話したのか
部長は何処まで、嘘を吐いて居るのか
ああ、そういえばあの用意の事も聞き忘れてた
ついでに聞かないと……
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部長は出なかった
高橋先生に迷惑を掛けたと謝って、次の日に新聞部の部室に行っても、部長は来なかった
教室にも居なかった
部長から聞いた家は、そもそも家が無かった
部長は、行方知れずになってしまった
「……」
部長が居た痕跡だけは、皆の脳内とこの部室に残って居る
確かに居たのだ。新聞部部長、酒井由宇は
今では存在しないだけで
何かの事件に巻き込まれたのか
それとも……
「あ……」
部長が残したパソコン
「……この学校の七不思議……」
嘘七話を含めた七不思議の詳細が、残っていた
1、地下から響く呻き声
2、旧校舎2階の職員トイレの死者
3、関わってはいけないグラウンドの大木
4、存在しない地下へと行くエレベーター
5、掘り出せなくなったタイムカプセル
6、夜中に跳ね回る初代校長像の頭
7、居てはいけない時間帯のある教室
どれもこれも部長は、調べていた
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1、地下から響く呻き声
どうやら、これは本当にゆっくりを埋め立てたとの事
完全にあの話と同じじゃないが、ある程度はその影響らしい
2、旧校舎2階の職員トイレの死者
これはその死者が出ると言う、4番目のトイレが存在しなかった
職員しか入れないから分からない、真偽を確かめられなかったただの噂だった
3、関わってはいけないグラウンドの大木
これも同じく、根も葉もない噂
人によって理由が変わりすぎている、典型的な怪談だった
4、存在しない地下へと行くエレベーター
これは普通に業者が点検時に使う物だと分かった
それを見た人が、最初の呻き声と合わせて勘違いしただけ
5、掘り出せなくなったタイムカプセル
単純に、その上に設備を建てて掘れなくなっただけ
噂にあるような、呪われたものでも、場所が分からない物でもなかった
6、夜中に跳ね回る初代校長像の頭
これはもっとも単純に、夜中に偲び込んだゆっくりの話だった
それを夜中に偲び込んだ不良が、勘違いしただけだった
7、居てはいけない時間帯のある教室
部長が嘘だと言った7話
でももし……これが本当なら……
「違う……」
逆だ
俺が聞いた本当の7話目
それは、部長からしか聞いてない
内容も……あまりにも今回の事件と合いすぎている
「……」
全ては部長が……いや、彼女が仕組んだ話なのか?
彼女は部長となり、本当はあの時語ったけど居ないフリをして、俺を困らせて……
こうして、謎を残して消えた
何の為に?
どうして俺を?
何故わざわざ……本当の7不思議を教えてまで?
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「本当の7番目の話はな、この高校にゆっくり人間が通ってるんだよ」
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携帯を開く
アドレス帳に残った、部長の電話番号
ここからかける事が不可能でも……
もし俺にかかってきたら
俺は電話をとれるだろうか……
Ending No.7 『ゆっくり人間』
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- おお、鳥肌鳥肌 -- 2013-08-26 23:28:59
- ぁあぁあああぁああぁあぁ~~~~~~こーーーーわーーいよーーーーーーーー -- 2013-05-28 20:26:04
- 怖すぎる -- 2013-01-15 13:52:04
- このシリーズは楽しかった。最後の話はもう、鳥肌たったねww
-- 2012-07-15 18:32:37
- 私のゆっくりに対する(性的な)愛情にかなうものはいnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn -- 2011-11-27 18:49:55
- ↓↓↓HENTAIお兄さんとは犯り合ってないなら勝算はあるかもしれないけど
すごい怖いよおおおおおお!!! -- 2011-02-02 16:13:32
- ↓↓みのほどしらずのおにいさんはゆっくり捕食されていってね! -- 2010-09-14 22:02:09
- ↓勝てるわけねーだろ -- 2010-09-14 01:19:21
- こう言うのも悪くないかも
と言うか好きなジャンル、俺ならこのゆっくりと殺りあってみたいね -- 2010-07-11 03:11:08
- まじで怖いから困るw -- 2010-05-23 20:09:10
- おお、こわいこわい -- 2010-05-18 03:19:54
最終更新:2009年12月18日 21:15