ふたば系ゆっくりいじめ 614 赤ありすと、まりさ一家 後編_02

一家は逃走する。
ルートは川原の草むらを、川沿いに下る。
このルートは他のゆっくりたちに察知されやすいかもしれないが、
他のルートは別の意味で危険すぎる。
人間さんだ。
川原の草むらを外れれば、すぐに道路に出る。
住宅地のど真ん中だ。
まりさと赤ありすが出会ったときのように、
別段人間さんの側にゆっくりに対する害意がなくとも、
人間さんはその存在だけで非常に危険なのだ。
まりさはそれなりに優秀で勝手を知ったゆっくりだが、
それでも危険なことに変わりはない。
まして、普段まりさがごちそうを探しに出向く早朝などの時間帯ではなく、
日中に子ゆっくり連れでは無謀すぎる。
ただ、人間さんのプレイスに入り込むルートを取れば、追手のゆっくりたちが
諦めるという可能性もある。
いざという時には、選択肢として考えるべきかもしれない。
だが、今は急いでプレイスから離れることだ。
早々に追手を引き離してしまえば、どのコースを選ぶかなど問題にならない。
「ゆ!まりさ、ゆっくりしないでいそぐよ!」
ゆっくりしない。
それは、ゆっくりにとって身を削られるような喪失感を伴う。
だが、おちびちゃんたちのため、幸せな未来のため、まりさはゆっくりしない。
ぴょーんぴょーん
子ゆっくりと赤ゆっくり、合計三匹を乗せているにしては随分な俊足だ。
だが、それでもスピードは確実に落ちるし、体力の消耗も激しい。
それでも、子ゆ赤ゆにぴょんぴょんさせたのではすぐに追いつかれてしまう。
まりさは必死だった。
追いつかれたら、終わりだ。
そう理解していた。
一家が無事に逃げ切るためには、追いつかれないこと以外にはない。
一対一ならコミュニティに所属するゆっくりで、
まりさに適うものなどそうそういはしない。
とは言え、複数のゆっくり相手ではそんなことは考えるだけ無駄だろう。
猛者ゆっくりであるからこそ、そのことをよく理解できた。
ひとたび追いつかれたならば、自分が囮になって姉妹を逃がすか、
先ほどの人間さんルートに飛び込むか。
二つに一つだ。
自分が囮になれば、姉妹だけは逃げ切れる可能性もある。
自分がどれだけ長く相手の注意を引き付けられるかが、勝負だ。
だが、このやり方では自分が助かる可能性は極めて低い。
一方の人間さんルートなら、追手ゆっくりが
人間さんのプレイスに入ることに恐れをなして追跡を断念する可能性もある。
だが、あの恐ろしい、巨大なすぃー!
あれの恐ろしさはゆっくりの比ではない。
たとえ百匹のゆっくりでも勝てないのでは、と思わせられるあのすぃーが
迫ってきたら、抵抗するまもなく一家まとめてゆっくりだ。
なにしろ、信じられない猛スピードで突っ込んでくるのだ。
百戦錬磨のまりさでさえ、勝てる自信がない。
やはり、人間さんルートは奥の手だ。
最後の最後までとっておくのがいい。
そう決意し、ただひたすらに跳ね続ける。

そして、一時間ほども跳ね続けただろうか。
まりさは、力の続く限り跳ね続けた。
ゆっくりとしては、相当の距離を進んだ。
今のところ、追手の迫ってくる気配はない。
だが、お帽子の上に三匹のゆっくり。
流石に、辛い。
「ゆ、ゆ、ゆはー、ゆぜー・・・。」
息も荒くなる。
「むきゅ!?おとーさま、むりしないで・・・。」
「まりさ、じぶんでぴょんぴょんできるのじぇ!」
「ありちゅも!ありちゅもじぶんで、ぴょんぴょんすりゅわ!」
辛そうなまりさを気遣う姉妹。
まりさのおちびちゃんたちは、ほんとうにゆっくりしてるね。
まりさ、とってもゆっくりできるよ。
 ・・・とは言え本当に子まりさや、赤ありすを自分で跳ねさせるわけにもいかない。
いや、子まりさならば、まりさの負担軽減のために
短時間なら自分で跳ねさせるというのも手かもしれない。
だが、子ぱちゅりーと赤ありすは論外。
遅々として進まないだろう。
このペースで駆け続ければ、無事に逃げ切れるかもしれない。
だが、流石に小休憩は取ったほうがいいかもしれない。
「ゆぅ・・・、ゆぅ・・・。
 おちびちゃんたち、ちょっとだけゆっくりしようね・・・。」
立ち止まり、体を傾けおちびちゃんたちにお帽子から降りるよう促す。
「ゆぅ・・・、ゆぅ・・・。ゆふー・・・。」
やっと一息つけた。
ここまでは、順調だ。
一休みしたら、さらに川沿いに下っていこう。
まさか、追手ゆっくりたちも夜通し自分達を追ってはこないだろう。
一般的に言って、ゆっくりは夜行性ではない。
もう少しすれば、日が暮れてくる。
プレイスへ戻る時間を考えれば、夕暮れ時ぐらいまで見つからなければ、
追手ゆっくりたちも引き返さざるを得なくなる筈だ。
もう一がんばりだ。
新しいゆっくりプレイスでは、きっとおちびちゃんたちと幸せな毎日が待っている。
最初は、お家を建てたり狩場を開拓したりと苦労も多いかもしれない。
しかし、そこは自慢ではないが、
コミュニティでも優秀なまりさとして通っていた自分だ。
おちびちゃんたちを飢えさせたりなどはしない。
お家も、きっと立派なのを建てる。
その覚悟がある。
もう少しで、夢のような毎日が始まる。
まりさは、疲れもあってか少しばかり、気が抜けてしまった。

がさがさ
「にゃ!」
「だじぇぇ!?」
「むきゅー!?」
子ぱちゅりーと、子まありさが驚きの声をあげる。
そこで初めて、まりさも異常に気がつく。
近づいてくるゆっくりの気配を見落としてしまった。
こともあろうに、子まりさと子ぱちゅりーよりも、発見が遅れてしまった。
ゆ・・・。まりさ、ゆだんしちゃったよ・・・。
悔いたところで、既に遅い。
相手の先制を覚悟して身構える。
「みつけたんだよー!」
追ってはちぇん一匹だ。
ゆっくりのなかでも、俊足で知られるちぇん種。
おそらく、単独で先行してきたのだろう。
見つかってしまったのは、失策だが一匹だけならなんとでもなる。
しかし、追手ちぇんは、くるりと身を翻す。
「みつけたんだよー!みんなにしらせるんだよー!」
ぴょーんぴょーん
そのまま跳ねていく。
「ゆ!?」
まずい。
てっきり一匹でも襲い掛かってくるとばかり思っていたが、思いのほか冷静だ。
向かってくるのならば、返り討ちにしてやることろだが、
すぐに仲間を呼びに行くとは!
もしかすると、ぱちゅりー種あたりが入れ知恵したのかもしれない。
追うか。
駄目だ。
おちびちゃんたちを連れては、追いつけない。
おちびちゃんたちを置いていくのは危険すぎる。
「おちびちゃんたち、お帽子にのってね!
 ゆっくりしないでね!」
「むきゅ!!」
「だじぇ!!」
「ゆ・・ゆん!!」
子ゆっくりたちも大慌てでそれに従う。
ゆっくりしないでね、という強い語勢とまりさの緊張感が伝わっているのだろう。
「ゆっくりしないよ!いそぐよ!」
ぴょーんぴょーん
まりさは、今まで以上に速度を速める。
だが、位置を把握されてしまった以上、追いつかれるのは時間の問題かもしれない。
何しろ、自分はおちびちゃんたちを乗せて跳ねている。
比較的身体能力が高めのまりさ、ちぇん、みょん、ありすといったゆっくりたちなら
他の種から先行してまりさに追いつくのも、それほど苦とはしないだろう。
やはり、いざとなったら、自分が囮になっておちびちゃんたちを逃がすしかなさそうだ。
だが、今は力の限りぴょーんぴょーんだ!
まりさは、ひたすら力の限り跳ねた。
体力の配分など考えなかった。
そんな場合ではない。
すこしでも、遠くへ。
まりさは、跳ね続ける。



そして、ほんの暫く。
背後に気配を感じるようになった。
複数のゆっくりだ。
ゆゆゆゆ!?
 ・・・とうとうおいつかれちゃったね。
幸いまだ多少の距離はあるようだ。
まりさは、再びあんよを止め、おちびちゃんたちをお帽子から降ろす。
「ゆ!よくきいてね!このままじじゃ、まりさたちはにげきれないよ!
 だから、まりさがここにのこるよ!」
「むきゅ!?」
「だじぇ!?」
「ゆん!?」
口々に驚きの声をあげる。
まりさは、落ち着いて続ける。
「だいじょうぶだよ!おちびちゃんたちは、さきににげてね!
 まりさは、おってをひきつけるよ!
 まりさは、とってもあんよがはやいから、ひとりならかんたんににげきれるよ!
 おちびちゃんたちが、さきににげたら、まりさもすぐにおいつくからね!」
「ゆ、ゆわああぁぁ!すごいんだじぇ!
 おとーさんはてんさいなのじぇ!」
「おとーしゃんはすごいにょにぇ!
 でもきをちゅけてにぇ!けがしにゃいでにぇ!」
「むきゅう・・・。きをつけて・・・。」
子まりさと、赤ありすは素直に感心している。
それに比べ、子ぱちゅりーの顔色は優れない。
きっと、まりさの言葉が半分嘘なのを理解しているのだろう。
まりさとしては、嘘を言ったつもりはないが嘘になってしまうかもしれない。
だが、唯一つ、おちびちゃんたちを逃がすということだけは嘘にするつもりはない。
「もしもだよ!
 もしも、おちびちゃんたちが、ほかのゆっくりにおいつかれたら・・・。
 そのときは、人間さんのプレイスにでてね。
 人間さんのプレイスにでれば、ほかのゆっくりはおってこないよ。
 でも、人間さんのプレイスはあぶないから、きをつけてね。
 さいごのしゅだんだからね・・・。
 それじゃ、はやくいってね!
 はやくいくんだよ!」
それだけ口早に伝えると、まりさはおちびちゃんたちに先を急がせる。
おちびちゃんたちが茂みの無効に消えたのを確認すると、それとは反対方向、
追手の方へと進む。
少し進んだ所で静かに待つ。
気配が近づいてくる。
見えてきた!
五匹といったところか。
しかし、ゆっくりとして平均的な認識力しかもたないまりさには『いっぱい』だ。
その『いっぱい』の追手の前に姿をさらけ出す。
「ちぇんのいったとおりだよー!飼いゆっくりのなかまなんだよー!」
「ゆ!ほんとうなのぜ!ゲスのかぞくのまりさなのぜ!」
「飼いゆっくりをかくまうゲスゆっくりはゆるさないちーんぽ!」
「れいむはしんぐるまざーなんだよ!ゆるさないんだよ!」
「んほおぉぉぉーーーー!!」
関係ないことを言っている連中もいるが、とにかく戦意は旺盛なようだ。
猶のこと、おちびちゃんたちの所へ行かせるわけにはいかない。
「ゆ!まりさをつかまえられると、ほんきでおもってるの!
 ばかなの?しぬの?」
「これだけのかずをあいてに、いいどきょうだみょん!」
「なまいきなんだぜ!まりささまが、せいっさいっしてやるんだぜ!」
まりさの挑発に頭に血を上らせる追手ゆっくりたち。(頭とはどこだろう)
「ゆっふーん!まりさが、つかまるわけないよ!
 くやしかったら、つかまえてみてね!」
そう言うと、おちびちゃんたちが逃げたのとは別の方向へと跳ねる。
追手ゆっくりたちは、陽動に引っ掛かってくれるだろうか?
「ゆがー!まつのぜ!」
「まってねー!ちぇんは、ゆるさないんだよー!」
「れいむは、かわいいんだよ!」
うまくいった。
追手ゆっくりたちは、みんなまりさを追い始めた。
できる限り、おちびちゃんたちのために時間を稼がなくては。
まりさは、少しずつ逃走方向をずらしていく。
基本的に逃走ルートも追跡ルートも川沿いに進むだけであるから、
うまく半円を描く奇跡で、プレイスへと帰還するルートへ誘い込んでやればいい。
そうすれば、おちびちゃんたちは安全に逃走することができる。
だが、流石は追手のなかでも先頭集団。
足の速いものが揃っている。
ここまで、子ゆっくりたちを運び続けたまりさの体力では、
どこまでやれるかわからない。
だが、やるしかない。
と、いつのまにか、追手たちの集団から例のちぇんが飛び出してきて、
自分と並ぼうとしている。
「おそいよー!くちほどにもないんだねー!」
普段ならこの程度で追いつかれたりはしない。
やはり、疲労の蓄積で相当あんよが鈍っている。
「くらってねー!」
ちぇんが、体当たりを仕掛けてくる。
「ゆ!あまいよ!」
瞬間、速度を落とすことでちぇんをやり過ごす。
まりさを追い越し、背後を見せる形となったちぇんに対して、渾身の体当たり。
「ぎにゃーー!!?」ごろごろごろ
あさっての方へと転がっていく。
やったよ!
けれど、今のやり取りで、後続との差は更に縮まった。
意外なことに、次に追いついてきたのはれいむだ。
「にがさないよ!れいむはまりさのかたきをうつんだよ!」
ゆゆ!?
まりさのかたき!?
おそらく、このれいむの番は飼いゆっくりの餌食となったのだろう。
先ほどのしんぐるまざー発言もここからきているのだろうが、
「そんなのまりさたちには、かんけいないでしょーーー!!!」
ばすん
黙ってきいてれば、みんな飼いゆっくりがどーこー言ってるが、
実際のところ、まりさたちには何にも関係ないよ、ぷんぷん!
そんな、これまでの怒りも併せて、まりさの体当たりが火を噴く。
「れいむは、しんぐるまざーなんだよ!」
どっすーん
「ゆぴゃ!?」
ころころ
なんと、百戦錬磨のまりさがあっさりとはじき返されてしまった。
どうやら、このれいむ、ただのれいむかと思いきや、でいぶだったようだ。
まりさはなんとか体勢を立て直す。
幸い怪我は大したことがないようだ。
だが、追手ゆっくりたちに追いつかれてしまった。
追手でいぶが、近づいてくる。
流石に、でいぶが相手では真っ当な力比べでは勝ち目はない。
ならば・・・。
「ゆっくりしんでね!」
「ゆん!」ざくっ
「ゆわあーーーー!!いじゃいぃぃーーー!!
 かわいいれいむのおかおがー!」
まりさは、お帽子のなかに隠し持っていた木の枝で、でいぶを切り裂いた。
「ゆ!まりさは、ほんきだよ!かかってくるなら、ようしゃはしないよ!」
「ゆ・・・。」
「にゃー・・・。」
切れ味するどい木の枝と、それを構えるまりさの勇姿。
裂帛の気合に戻ってきたちぇんやでいぶが及び腰になる。
威嚇が成功したかと思われたが、追手の中からみょんとまりさが一匹ずつ進み出る。
二匹とも、まりさと同様鋭い木の枝をくわえている。
「ゆっへっへ!なかなかやるようなのぜ!
 でもしょせんはたぜいにぶぜいなのぜ!
 かこめばこっちのもんなのぜ!」
「そうだみょん!けんじゅつなら、みょんがまけるわけないみょん!
 おそるるにたらないちーんぽ!」
「わかるよー!あいてはひとりなんだねー!」
「ぐぎぎぎぎぎ!!よくもかわいいれいむをおこらせたね!
 しゃざいとばいしょうをようきゅうするよ!」
「んほおおおおおおお!!」
追手まりさとみょんの言葉に勢いを取り戻す。
特にあのでいぶの傷はそう浅くはないはずだが、ぴんぴんしている。
流石は、でいぶといったところか。
「ゆゆぅ・・・。」
囲まれてしまった。
「まりさのこうげきをくらうのぜ!」
まりさの死角に位置取りした、追手まりさが突っ込んでくる。
辛くもその攻撃をやり過ごす、と、
「くらうみょーーん!」
びゅっ
追手まりさの攻撃に続いて、みょんが攻撃を仕掛けてくる。
これも回避に成功した。
だが、ぎりぎりだ。
「んほおおおおおおお!!」
れいぱーが突っ込んでくる。
「ゆゆー!?」
ばすん
ころころ
体当たりを避けきれず、その勢いで、ころころと転がるまりさ。
ダメージはそれほどではないが、ねっちょりしていてなんか気持ち悪い。
流石、れいぱー。
このままじゃ、やられちゃうよ・・・。
どうにかしないと・・・。
転がったまりさを、再び包囲しようと近づいてくる追手ゆっくりたち。
まりさは、挽回の一手を求め、周囲に目を走らせる。
手頃な大きさのいしさんに、目が留まる。
ゆゆ!きんだんのあのてがあったよ!
急いで、いしさんを口に含むまりさ。
近づいてくるゆっくりたち。
まりさは大きく膨れると、先頭の追手まりさ目掛けていしさんを吐き出す。
追手まりさの目に食い込むいしさん。
「ゆぎゃああああああ!!!?まりささまのおめめがーーーーーー!?」
のた打ち回る追手まりさ。
「ん、んほおお!???」
「ま、まりさー!?わからないんだよーー!!!?」
追手の動揺に付け込んで、木の枝をくわえ突撃する。
「にゃ、にゃにゃ!???ちぇんのほうにこないでねーー!!」どすん
体ごとちぇんにぶつかっていくまりさ。
「にゃ゛にゃ゛にゃ゛にゃ゛!????」
見事に追手ちぇんの体のど真ん中に突き刺さる、木の枝。
追手ちぇんは、痙攣をおこしてすぐに動かなくなる。
やったよ・・・。まずは一人だね・・・。
同属を殺めたとあれば、心晴れやかとはいかない。
だが、黙って殺されてやるほど、まりさも甘くない。
なんと言っても、厳しい野良として生きているのだ。
「まりささまのおべべがああああああああ!!!」
追手まりさは、先ほどから、物凄い叫び声をあげ続けている。
とりあえず、こちらも戦闘不能のようだ。
「まだやるの!まりさ、もうてかげんしないよ!ぷくーーーー!!」
更に威嚇。
「んほおおおお・・・。」
「でいぶはしんぐるまざーなんだよ・・・。」

「まだだみょーーーん!!」
みょんが突進してくる。
回避しきれない。
みょんへと、体の向きを変えたところで衝突する。
目の前が真っ白になる。
だが、それも一瞬のこと。
木の枝を構え直し、
「びゅ?」
おかしい、木の枝をくわえていない?
いや、だが木の枝は口元にある。
だが、短い。
それに、まりさの声もおかしい。
「びゅげげげげげげ!?」
どうしたというのだろう。
声が出ない。
出てくるのは、潰れたような呻きばかりだ。
体の奥の餡子さんが痛い。
必死で自分の口元に視線をやる。
木の枝は折れてはいないようだ。
だが、やはり短い。
良く見れば木の枝は、自分が口にくわえているわけでもないのに、
口元から落ちもしない。
どういうわけだ。
とりあえずは、包囲を抜けよう。
ずーりずーり
「ゆびゃびゃ!?」
いたい。
それに、自分はぴょんぴょんしようとしたのだ。
ずーりずーりではない。
あんよを痛めてしまったのだろうか。
いや、痛いのはあんよではない。
寧ろ口元から、体の奥、そして更に突き抜けて体の反対側、後頭部までだ。
まさか。
まさかまさか。
嫌な想像が餡子脳に閃く。
そして、混乱したまりさは気づかなかったが、
まりさのすぐ傍には息絶えたみょんが転がっていた。
体の中央に木の枝が刺さっている。。
まりさとの衝突時に、深々と刺さった木の枝が中枢餡を貫いたのだ。
そしてみょんの木の枝は、まりさに刺さった。
まりさの口元の木の枝は、まりさのものではなく、みょんの木の枝が刺さったものだ。
まりさは当たり所がよく、即死は免れた。
だが、大きなダメージを負ってしまったのは確かだ。
もし、木の枝が刺さったまま、さらにずれれば中枢餡を傷つけ、
永遠にゆっくりしてしまうかもしれない。
それほどの傷だ。
だが、それ以前にまりさの危機は目の前に迫っていた。
「ゆぷぷぷぷ!いいざまだね!
 かわいいれいむをいじめたばつだよ!」
「んほおおおお!!」
でいぶと、れいぱーが残っていた!
まりさが、串刺しになり抵抗もないとみるや、素早く距離をつめてくる。
「ぎゅんびゃああああああ!!!?」
紛れもない恐怖の悲鳴を上げるまりさ。
木の枝に串刺しになったのみならず、でいぶとれいぱーという、
忌避すべき輩が自分目掛けて襲い掛かってくる。
もはや、自分に抵抗する力がないことは、理解できていた。
自分がこのあと、どうなるのかも。
のしっ
「ばべでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
背後から凄い力で、圧し掛かられ、押さえつけられてしまう。
「んほおおおおおおおお!!しまるわーーーー!!」
「ぶびげええええええええ!!」
普段の勇敢なまりさからは想像もつかない、悲痛な泣き声。
ぱんぱん、ぬちょぬちょ
ぱんぱん、ぬちょぬちょ
「んほおおおおおおお!!もりあがってきたわぁぁぁぁぁぁ!!!」
「びびゃがああああ!!!!ばらじでえええええ!!!
 ばがびゃんでびぢゃぶううううううう!!!!」
泣き叫ぶまりさ。
もう陰惨以外に言葉がない。
「すっきりー!」
「びゅっびりー!」
そして、同時声をあげる二匹。
まりさの頭上に一本の茎が生えてくる。
まりさからは見えないが、小さい数体の実ゆっくりが生っているはずだ。
まりさ、犯されちゃったよ・・・。
れいぽぉされて、赤ちゃんできちゃったよ・・・。
ざくっ
「びゅう!?」
そんな悲痛な思いに沈む間もなく、まりさに衝撃が走る。
「ゆふふ!かわいいれいむのかおに、きずをつけてくれたおれいだよ!」
でいぶが木の枝をくわえ、まりさに傷をつけたのだ。
だが、傷は深くない。
手加減されているのだ。
無論、慈悲などではない。
甚振るつもりだ。
ざくっ
ざくっ
ざくっ
滅多矢鱈に木の枝でまりさに切りつけるでいぶ。
「ゆびぎゅうううううううう!!!」
あまりの苦痛に悲鳴を上げる。
と、
「んほおおおおおお!!だい2らうんどよおおおおお!!
 えんりょしなくていいのよおおおお!!!」
ぱんぱん、ぬちょぬちょ
ぱんぱん、ねちょねちょ
「ぎゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅ!!!」
「ゆぷぷぷぷぷぷ!こっちもえんりょしないでね!」
ずぶっ
「ぐぎゃああああああああああ!!!」
そして、少し離れたところでは、
「まりささまのおめめがーーー!!おめめがみえないいいい!!!」





ゆっくりたちは大騒ぎを続けて、とんでもない騒音を周囲に撒き散らしていた。







れいぱーと、でいぶの饗宴はいつ果てるともなく続いた。
続くと思われた。
が、唐突にそれは終わりを告げる。

ぐちゃり

つい、たった今まででいぶがいた場所に、巨大な何かが生えている。
いや、巨大な何かがでいぶを踏み潰したのだ。
巨大な何かを見上げる。
人間さんだ!
何故?
ここは人間さんのプレイスではない。
川原だ。
ゆっくりプレイスではないが、ゆっくり以外はほとんど訪れることのない場所だ。
なのに、何故人間さんが現れ、しかもゆっくり殺しをしているのか。
まりさの知る限り、わざわざ川原にまできてゆっくりを殺していく人間さんなどいない。
「ん、んほ!?」
驚愕にすっきりの途中だというのに動きを止めるれいぱー。
巨大なあんよを持ち上げる人間さん。
「んほおおおおおおおおおおお!?????????」ぶちゃ
れいぱーが潰される。
まりさの目の前で。
次は自分の番だ。
恐怖のあまり、身動きどころか、呻きさえ漏らすこともできず死を待つ、まりさ。
が、
「いじゃいいいいいぃいいいいい!!いじゃいのぜえええええええ!!!!
 まりささまのおめめが!きれいなおめめがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
延々と大騒ぎを続ける追手まりさの方へと向き直る人間さん。
そして、
ぐちゃり
静かになった。
ほんの少し前までの喧騒が嘘のように静まり返る。
人間さんが、脚を振っている。
靴についた餡子を落としているようだ。

ゆ!?
もしかして・・・・!
自分を助けてくれた!?
この人間さんは自分を助けてくれたのだろうか!?
「にん・・・げ・・・じゃ・・・。ゆっぐ・・・じ・・・ありが・・・・。」
人間さんが、まりさの絞り出すようなお礼の声に気づき振り向く。

ぐちゃり

汚い物を踏んだとばかり、
靴の裏にこびり付いた餡子やカスタードを地面に擦り付け落とす人間さん。
そしてそのまま去っていく。



















姉妹は歩みを止めず、逃走を続けていた。
まりさの言いつけの通り、川原を川沿いに下っている。
とはいえ、子ゆっくりのあんよではさほどの距離は進めない。
まして、身体能力の低いぱちゅりー種と、赤ゆっくりが一緒では尚更だ。
ともすれば、遅れがちになる二人のために、
比較的体力に余裕のある子まりさが殿を引き受け、二人を励ましつつ先に進んでいた。
別れた直後はそれほど不安でもなかったが、姉妹だけで逃走していると
どうしても不安が頭をもたげてくる。
特に赤ありすは、しばらくすると改めてまりさのことが心配になったらしく、
おとーしゃんだいじょうぶかちら、と何度も口にしていた。
そのたびに子ぱちゅりーと子まりさが、おとーさんならだいじょうぶ、
と安心させてやらなければならなかった。



不安と疲労との戦いではあったものの、しばらくは何事もなく逃走を続けた姉妹だが、
「ゆゆ!?」
ふと違和感に気づいた子まりさは、立ち止まると周囲へと注意を傾けた。

がさごそ、がさごそ
ぴょーん、ぴょーん

背後から草を掻き分けてくる音と、ゆっくりが跳ねるとき特有の物音が聞こえてくる。
自分の気のせいだろうか。
だんだんと近づいてくるように思える。
それも一匹ではない。
どうやら複数のゆっくりが近づきつつあるらしい。
子まりさは考える。
おとーさんは姉妹のために、一人残った。
ぱちぇおねーちゃんは、体が弱い。
ありすはまだ赤ちゃん、論外だ。
いざと言う時は、人間さんのプレイスに逃げ込めといっていた。
だが、それも危険な手だとも言っていた。
最後の手段だよ、と。
だが、まだ自分がいる。
体の弱い姉妹二匹のために、自分にはやれることがある。
ならば、自分がやるしかない。
あの偉大なおとーさんと同じまりさ種である自分が。

「ぱちぇおねーちゃんとありすは、はやくにげるんだじぇ!
 まりさもすぐにおいつくんだじぇ!」
「むきゅう・・・。」
「ゆぴぃぃぃぃ!いやぢゃあぁぁぁぁぁ!
 おねーちゃぁぁぁん!いきゃないぢぇぇぇぇぇぇ!」
躊躇う子ぱちゅりー。
泣き叫ぶ赤ありす。
「だいじょうぶなのじぇ、ありす!
 おねーちゃん!いもーとをたのんだのじぇ!」
そう言って、二匹に背を向ける子まりさ。
いもーとをたのむ。
その言葉にはっとなる子ぱちゅりー。
まりさの言わんとするところを理解したのだろう。
「むっきゅん!いくわよ、ありす!」
「いやぢゃ、いやぢゃぁぁぁぁ!」
赤ありすは、子まりさに追いすがろうとする。
ぱしっ
「ゆっ!?」
子ぱちゅりーが赤ありすに軽く体当たりする。
赤ありすは、驚いて目を見開き、思わず動きを止める
「むきゅー!いいかげんになさい!
 ありすが泣いてると、まりさだってゆっくりできないわ!
 いそいでにげるのよ!」
「ゆっぐ・・・、ゆぅぅぅ・・・。ゆっくちりかいしちゃわ・・・。
 おねーちゃん、かえってきちぇね!やくちょくよ!」
「ゆ!やくそくなのじぇ!またみんなでゆっくりするのじぇ!」
背を向けたまま答える子まりさ。
そのまま、二匹と距離をとり、追手の声が聞こえる方へと向かう。




しばらく進むと、追手と思しき、まりさとれいむの姿が見えた。
周囲には他のゆっくりの気配はない。
どうやらこの二匹だけが先行してきているようだ。
「子ゆっくりどもはこっちにむかったはずなのぜ!
 はやくみつけるのぜ!」
「あまあま、たのしみだね!れいむがおいしくおりょうりするよ!」
「ゆっへっへ!れいむのりょうりはてんかいっぴんのんだぜ!
 いまからたのしみなのぜ!」
あまあま?
おりょうり?
何のことだろうか。二匹の追手の話の内容は良く分からない。
しかし、大事なのはこの二匹の向かう先だ。
この二匹は先に逃げた姉妹の方へと向かっている。
予想したとおり、このままでは身体能力の低い姉妹たちは逃げ切れないだろう。
やはり自分が覚悟を決めるしかない。
子まりさは追手とある程度の距離を保ったまま、タイミングを計り姿を現した。
「ゆ!まりさはここなのじぇ!つかまえてみるのじぇ!」
偉大なおとーさん譲りの俊足を今こそ見せるときだ。
恐怖は勿論あるが、気分が高揚してくるのをとめられるものでもない。
いかに大人ゆっくりとはいえ、そうそうこの自分が遅れをとるものか。






そして追いかけっこを初めて数分。
「はひぇ、はひぇ・・・。」ぜーはー、ぜーは
追手もなかなかの俊足だ。
だが、負けてなるものか。
なかなか距離が離れない。
ならば我慢比べだ。
「はひぇ、はひぇ・・・・。」ぜーは、ぜーはー
相手はすぐに音を上げるに決まっている。
自分に追いつけるものか。
「はひぇ、はひぇ・・・。」ぜーはー、ぜーはー
そう思っていたのに、そう思った結果が・・・、
「konozamaなんだじぇ・・・。」

だじぇ、だじぇ言いながら元気良く逃げ回っていたのも最初のうちだけ。
すぐに息が切れてきて、はひぇーはひぇーな様になった。
相手は別段無理をするでもなく、淡々と子まりさの少し後を着いてきている。
このままでは逃げ切れない。
いつか追いつかれる。
その焦りから、子まりさは周囲への警戒を怠る。
目の前に突き出た鋭い枝と、その先に三十センチほどの高低差が
できていることに気づかない。

ザクッ
ぼすん、ごろごろ
「ゆぴぃぃぃぃぃ!!!」
鋭い痛みと続く鈍い痛みに、子まりさは思わず悲鳴を上げる。
木の枝に速度を落とさぬまま突っ込み、皮を切り裂かれてしまった。
そして、そのままの勢いで三十センチの高さから落下し、転がった。
木の枝で裂いたのだろう頬と、落ちたときに石にでもぶつかったのか
まりさのあんよも破け、餡子さんが漏れ出している。
「ゆぴぴぴぴぴ!!?まりさの餡子さん、とまるのじぇ!」

いたい、いたい
早く先に進まなければいけないのに。
姉妹を逃がして、そのあと自分もにげきらなければいけないのに。
まりさのあんよさん、はやくうごくのじぇ!
傷ついたあんよはどれだけ必死に動かしても、ずーりずーりがやっとだ。
しかも動くほどに、微量だが餡子が漏れていく。
子まりさはまだ気付いていないが、傷自体も動くほどに少しずつ大きくなっている。

ずーりずーり、ずーりずーり
がさごそ、がさごそ
ずーりずーり、ずーりずーり
がさがさ、ごそごそ
子まりさは痛みを無視して必死にあんよを動かす。
しかし、遅々として先に進まない。
それに比べて、後ろから聞こえる物音はどんどん近づいている。

ずーりずーり、ずーりずーり
がさごそ、がさごそ・・・「みつけたんだぜ!」

「ゆぅぅぅぅぅぅ!」
追いつかれた。
見つかってしまった。
あんよがいたい。
逃げ切れない。
「まりさはつよいのじぇ!いまならみのがしてやるのじぇ!」
精一杯の虚勢を張り、威嚇を試みる。
上手くいけば、戦わず相手を追い払える。
が、
「ゆっへっへ!まずはあんよなのぜ!」がぶっ
「まりちゃのあんよがーー!?」
相手は子まりさ如きの威嚇など意に介さない。
追手まりさの一噛みで、子まりさの底部の四分の一ほどの皮が噛み千切られた。
あんよ四分の一の損傷ならすぐに死に至ることもない。
しかし、これだけのケガを負ってはずーりずーりすらまともにできない。
まして、この二匹から逃げ切ることはもう不可能だろう。
続いてれいむが近づいてくる。
恐怖と痛みに半ば反射的に、再びの威嚇を試みる。
今度はぷくーだ。
「なにするのじぇ!?やめるのじぇ!まりさ、ほんきでおこるよ!ぷくー!」
しかし、追手のまりさとれいむは、そんな子まりさを全く相手にしない。
「これでもうにげられないね!ごくろうさま、まりさ!
 おりょうりはれいむにまかせてね!」
「れいむはりょうりめいじんなんだぜ!たのしみなんだぜ!」
「ゆふふふ!てれちゃうよ!ほんとうのこといわないでね!
 それじゃ、おりょうりかいしだよ!りょうりはあいじょうなんだよ!」
追手まりさと追手れいむが何を言っているのか理解できない。
りょうり?
一体何を料理するというのか。
理解はできないが、なにやら不吉なものを感じる。
「な、なにをするきなのじぇ・・・。」
気丈に振舞おうと努めるが、怯えが隠せない子まりさ。
声が震える。
ふと気づくと追手れいむが、先の鋭い木の枝をくわえている。
そして、それを子まりさ目掛けて振るう。
さくっ
「ゆぴいぃぃぃぃ!?いたいのじぇ!やめるのじぇ!」
さくっ
さくっ
「ゆ!?ゆびぃぃぃぃぃ!!」
さくっ
さくっ
さくっ
「ゆっ!?ゆっ!?いちゃい、いちゃい、いちゃいぃぃぃぃぃ!!!」
追手れいむは子まりさを浅く、何度も切りつける。
その傷口は、皮が僅かに裂ける程度で、ほとんど出餡しない。
つまり苦痛を与えはするが、命を脅かすことのない傷だ。
子まりさが、苦痛とショックで痙攣を起こしかけるまで続ける。
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」
しかし、ショック死などさせない。
『りょうりめいじん』のれいむは、ギリギリの所を見極め一旦りょうりの手を休める。
「ゆぴー、ゆぴー・・・。ゆぅぅぅぅ・・・。」
子まりさが落ち着くのを待って、次の手順に移る。
「それにしても、このちびまりさ、きたないお帽子だね!
 まりさとはおおちがいだね!」
「まったくなんだぜ!おなじまりさとしてはずかしいんだぜ!」
「「ゆぷぷぷぷぷ!」」
二匹で子まりさを口々に罵倒し始める。
なかでも、ゆっくりにとっては個体認識などに極めて重要なお飾り、
この場合はお帽子について集中的に罵倒する。
「ゆ!?ゆゆゆゆ!?まりさのお帽子をわるくいわないでね!
 まりさのお帽子はとってもゆっくりできるんだじぇ!」
「ゆっぷー!!そんなきたない汚帽子がゆっくりできるの!?
 まったくかたはらいたいよ!しょうしな!だよ!」
「やっぱりきたない汚ちびまりさの汚帽子はゆっくりできないんだぜ!
 うんうんのにおいがするのぜ!」
「ゆびぃぃぃぃぃ!!やめるんだじぇ!まりさほんきでおこるのじぇぇぇぇ!」
度重なる侮辱に、痛みも忘れ怒り心頭の子まりさ。
しかし、二匹の追手はそんな子まりさの怒りもさらりと無視すると。
おりょうりの最終段階へと進む。
「こんなきたないお帽子はめざわりだね!わいせつぶつちんれつざいだね!
 れいむがしょぶんしてあげるよ!」
ぐいっ
言うや否や、追手れいむは子まりさに近づくと、
そのお帽子を口にくわえ剥ぎ取ってしまった。
「ゆんやー!!?まりちゃのお帽子さんかえすのじぇ!
 お帽子さんがないとゆっくりできないのじぇぇぇ!!!!」
子まりさはほとんど身動きが取れない。
そんな体でも、追手れいむの方へと這いずっていく。
その体からは少しずつだが、餡子が漏れる。
「ゆゆゆゆゆ!そんなにだいじなお帽子ならはやくとりかえしにきてね!
 はやくしないと・・・!」
びりっ
「ゆびゃああああああああ!!!」
追手れいむが子まりさのお帽子を少しだけ破いてみせる。
子まりさは狂ったように叫び始める。
じたばたと無意味に体を動かし、そのせいで出餡も増加する。
「ゆんやー!ゆんやー!かえすのじぇ!かえすのじぇぇぇぇ!!」
「おお、ぶざま!ぶざま!」
「くそちびがいいざまなのぜ!」
びりっ
びりっ
「まりちゃのおぼーし!ゆっくりできるおぼーししゃんがああぁぁぁ!!」
びりっ
びりっ
「ゆわーー!!もうやめるのじぇ!
 はやくぺーろぺーろしないとまりちゃのおぼーちなおらないのじぇ!」
ペーろペーろしたところでお帽子が治る訳もないが、
一刻も早くお帽子の元にたどり着こうと必死の子まりさ。
びりびりびりびりびり
「ゆ・・・!?ゆわあああああああああああああああ!!!???」
とうとう子まりさの目の前でただの布切れに姿を変えるお帽子。
「ぺーりょぺーりょ、ぺーりょぺーりょ・・・。
 ゆわあああああ!?なんでなのじぇ!
 なんでおぼーちしゃん、なおらないのじぇぇぇぇぇ!!!???」
「ぺーりょぺーりょ、ぺーりょぺーりょ!はやくなおるのじぇ!?
 まりちゃのすてきなおぼーちしゃん!なおるのじぇ!」
「ぺーりょぺーりょ、ぺーりょぺーりょ・・・。」
一向に治らないお帽子をぺーろぺーろし続ける子まりさ。
「ゆゆゆ!?なんだかゆっくりできないこがいるよ!」
「ほんとうなんだぜ!おかざりなしのゆっくりできないゆっくりなのぜ!」
さも、今気づきましたと言わんばかりのわざとらしい態度の二匹。
しかし、子まりさはこれまで以上に動揺が激しい。
ゆっくりできない。
おかざりなし。
ゆっくりとしてのアイデンティティに関わる言葉だ。
既に異常な心理状態の子まりさが、更なる動揺を誘われたとしても無理はない。
「きもちわるいね!きっとおやにすてられたんだよ!」
「ちがうんだぜ!
 きっとこのおちびのかぞくもゆっくりできない連中なんだぜ!」
「ゆぴぃぃぃぃ!まりちゃはゆっくりできないゆっくりじゃないいぃぃ!
 ゆっくりしないであやまるのじぇ!」
「ゆぷぷぷぷ!この汚まんじゅうなにかいってるよ!」
「お帽子なしのくせにうるさいのぜ!」
「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶ!!」
とうとう精神的なショックから再度の痙攣に突入しかける子まりさ。
「ゆゆーん?そろそろいいね!あじみするよ!」
ぱくっ
「ゆぴっ!?」
小さく子まりさを齧る追手れいむ。
「ゆゆーん!おいしいよ!おりょうりかんせいだよ!」
「やったのぜ!まりさもあじみなのぜ!」
ぱくっ
「ゆぴいいいいいい!?いちゃいぃぃぃぃぃぃ!!」
むーしゃむーしゃ
「いいおあじなのぜ!さすがはまりさのれいむなのぜ!」
「ゆふふふふ!てれるよ!
 ゆん!それじゃ、ひさしぶりのごちそうだよ!いっしょにたべようね!」
「そうするのぜ!」
「「ゆっくりいただきます!!」」




一体何なのだ、この二匹は。
おりょうり?
どうやら自分のことらしい。
それよりさっきこの二匹は自分のことを食べた。
そう、少しだけだが、確かに自分の体を食べたのだ。
ガタガタ
ガタガタ
子まりさは今更体の震えが止まらない。
この二匹が自分に何をするつもりなのか、ようやく理解できた。
こいつらは自分を喰らうつもりなのだ。
どういうつもりかは知らないが、わざわざ自分を痛めつけた上で
生きたまま喰らうつもりだ。
ガタガタ
ガタガタ
先ほどは、僅かに齧られただけだ。
齧られた場所も体の表面だ。
だが、この先はどうだろう。
自分の体を喰らうということは、自分のおめめや残ったあんよ、
なにより体の内にあって命の源である餡子さんまで食らうつもりではないのか。
ガタガタ
ガタガタ
人間で言うところの内蔵や筋肉に当たるゆっくりの餡子。
それを生きたままにして貪られる。
餡子脳の子まりさにもこれから自分の身に起こること。
その苦痛と、恐怖がやっと理解された。

「ゆぴぴぴぴぴ!!おとーしゃ?おかーしゃ?ぱちゅりーおねーちゃ?ありちゅ?
 みんなどこなのじぇぇぇぇぇぇーーーー!!?」
ずーりずーり
「たすけてほしいのじぇ!まりちゃはここなのじぇぇぇぇーーー!!」
すーりずーり
痛めた体で無理に体を動かす。
ぽろぽろと餡子がこぼれる。
「ゆぅぅぅ!?もったいないよ!
 せっかくの餡子さんがもれちゃうでしょ!ぷんぷん!」
「まったく、しょうがないのぜ!」
がぶり
「ゆぎいいいいいいい!!!?」
追手まりさは更に子まりさのあんよを噛み千切る。
子まりさの底面は、ほぼ餡子が剥き出しでうねうねと不気味に蠢くものの、
最早僅かたりとも先に進むことはない。
「これでいいのぜ!こんどこそ、ゆっくりごちそうをあじわうのぜ!」
むーしゃむーしゃ
ぺーろぺーろ
がーつがーつ
旺盛なゆっくりの食欲の前に小さくなっていく子まりさの体。
叫ぶ子まりさ。
「やめるのじぇ!?やめるのじぇ!?まりしゃをたべないでほしいのじぇ!
 ゆぴぴぴぴ!!!そんなとこかじらないでほしいのじぇぇぇぇ!!!!!」
弱弱しく、途切れ途切れになっていく声。
「やめるのじぇ!!まりしゃの餡子しゃんたべないでほしいのじぇ!?
 いのちの餡子しゃん・・・。まりしゃ、の、・・・・。」







「ゆっふー!あまあまさんおいしかったね、まりさ!」
「ほんとうだぜ!こんなときぐらいしか、あまあまさんはたべられないのぜ!
 まりさたちはうんがいいのぜ!」
「あとのおちびはどうするの?」
「ゆあーん?まりさは、おなかいっぱいなのぜ!
 きょうのところはかえるんだぜ!」
「ゆっゆゆーん!そうだね!はらはちぶんめだね!さすがまりさだよ!」
「「ゆっくりごちそうさまっ(なのぜ)!!」」
ぴょーん
ぴょーん



追手ゆっくりが去った後にはお帽子の残骸の黒い布以外は何も残されていない。













一方の子ぱちゅりーと赤ありす。
子まりさと別れた後も必死の逃走を続けてはいるものの、
歩みの遅さは変わらない。
「むきゅー、むきゅー・・・。」
「ゆはー、ゆはー・・・。」
二人とも無言で跳ね続ける。
「ゆっ!?」
ごろんごろん
赤ありすが石ころに躓いて転がる。
「ゆ・・・、ゆぴぇぇぇぇぇぇん!」
痛みに泣き出す赤ありす。
「むきゅん・・・。」
本来なら、赤ありすを宥めるなり叱咤するなりして先を急がせるべき
姉の子ぱちゅりーも精も根も尽き果てていた。
「むきゅ・・・。すーりすーり・・・。ゆっくりしていってね・・・。」
「ゆ!?・・・ゆっくりしちぇいってにぇ・・・。」
なんとかすーりすーりをしてやるので限界だ。
「・・・・。」
「・・・・。」
そのまましばらく、二匹は無言のままじっとしていた。
体力が尽きているのだ。
もう先に進めない。
それに。
おとーさんは無事だろうか。
姉妹のまりさは無事だろうか。
こうしている間にも二人が自分達に追いついてこないだろうか。
二人のことが心配でならない。
不安で不安で仕方がない。
だが、何もできない。
「むきゅ・・・。先にすすみましょうか・・・。」
「ゆ・・・。」
ずーりずーり
ずーりずーり
それこそ、ナメクジが這うような速度で先に進む。
少し行っては立ち止まる。
その繰り返し。
まわりは本格的に暗くなり始める。
暗くなれば、追手たちも諦めてまりさと、子まりさも戻ってくるかも知れない。
子ぱちゅりーは、自分を誤魔化してそう言い聞かせる。
そうしないと、不安で泣き叫び出しそうになる。
だが、今となっては赤ありすの面倒を見られるのは自分だけだ。
姉としてできる限りのことをしなければ。
無言のまま進む二匹。
稀に子ぱちゅりーから、赤ありすへの短い激励があるだけだ。
少し離れた道路のほうから、物音が聞こえてくる以外は、
しんと静まり返ったなかを二匹は進む。
不意に歩みを止める二匹。
それまでの静寂を破って川原から物音が聞こえる。
自分達の後方。
ゆっくりプレイス側から近づいてくる。
もしかしたら、まりさと、子まりさだろうか!
耳を済ませる。
違う!
物音の数はもっと多い。
おそらく大勢のゆっくりが近づいているのだ。
間違いない。
追手ゆっくりだ。
「むきゅ!ありす、いそぐわよ!」
急いだところで、自分達が逃げ切れるとは思えない。
「ゆん!わかっちゃわ、ぱちぇおねーちゃん!」
おとーさまは、なんと言っていただろうか。
疲労で鈍った餡子脳で考える。
そうだ、人間さんのプレイスに出ろと言っていた。
人間さんのプレイスは危険だ。
しかし、だからこそ追手も人間さんを恐れて、立ち去るかもしれない。
賭けるしかなさそうだ。
「ありす、川原をでるわ。人間さんのプレイスにいくのよ!」
「ゆゆ!?ぢぇも、あっちは・・・。」
赤ありすは、まりさと出会った時に
人間さんのプレイスでさんざん怖い思いをしている。
ショックで死に掛けたほどだ。
赤ありすは、人間さんのプレイスを「ゆっくりの地獄」と表現した。
あながち間違いではない。
そうした体験があるため、まりさに言われたことを覚えてはいても、
いざ人間さんのプレイスに出ると言われると、恐怖から尻込みしてしまう。
「むきゅん!ありす、おとーさまの言ったことをわすれたの!行くのよ!」
厳しい口調で、命じる。
赤ありすの戸惑いは理解できるし、自分も進んでそうしたいわけではない。
危険があることも承知している。
それでも、他に助かる手立てがないのだ。
本当にこれが最後の手段。
自分達の為に、囮になってくれたまりさや、子まりさはここにはいない。
誰も自分達姉妹を守ってはくれないのだから。
「ゆ・・・。ゆっくちりかいしちゃわ・・・。」
最後の最後の力を振り絞って、人間さんのプレイスへと出て行く。
この辺りは川原から、道路へは斜面になっている。
力尽きようとしている二匹のあんよをさらに鈍らせる。
後ろから近づく物音はどんどん近づいている。
自分達の位置は既に捕捉されているのだろう。
「むきゅー、むきゅー・・・。」
「ゆうー・・・、ゆふー・・・・。」
もうすぐ、人間さんのプレイスだ。
しかし、
「むきゅ!みつけたわ!ゲスの飼いゆっくりよ!」
「みつけたよ!ゲスはせいっさいっだよ!」
「ゆっくりしないで、まつんだぜ!」
とうとう追いつかれてしまった。
全部で十匹ほどの集団だ。
勿論、二匹にはたくさん、としか認識できない。
逃げる二匹。
追う十匹。
追う側が、ふと気づく。
「にゃ!あっちは人間さんのプレイスなんだよー!」
「みょ!?まずいみょん!人間さんのプレイスにはいけないみょん!」
「ゆんやー!人間さんはこわいよー!れいむはもどるよ!」
「ありすももどるわ!
 人間さんのプレイスに入り込むなんていなかもののすることよ!」
追手ゆっくりの大半が、戻っていく。
むきゅ!やったわ、本当に諦めたわ!
しかし、追手もあと三匹残った。
「むきゃきゃきゃ!
 人間さんのプレイスに入っても、悪いことをしなければいいのよ!
 ぱちゅは、こんな手には引っ掛からないわ!」
「まりさは、ゲスゆっくりをしまつするまであきらめないよ!」
「れいむもおちびちゃんのために、ゲスをせいっさいっするよ!」
人間さんのプレイスに入ったというのに、構わず追ってくる。
二匹は必死であんよを動かすが、あっと言う間に距離をつめられる。
「おいついたよ!」ばすん
追手まりさから体当たりを受ける赤ありす。
「ゆぴいいいいぃぃぃぃぃ!?」
悲鳴を上げながら、ごろんごろんと転がっていく。
転がった先で今度は待ち構えた、追手れいむに弾かれる。
「れいむのいかりをおもいしってね!」どすん
ごろんごろん
転がった先でようやく止まる赤ありす。
目を回したのか、痛みのせいか、その場所から動かずに泣き喚く。
「ゆぅぅぅぅぅ!!?ゆんやーーーー!!ゆぴいいいいいいいいい!!!」
「うるさいよ!なけばいいってもんじゃないんだよ!」
「そうだよ!なきたいのはこっちだよ!みんなのうらみをおもいしってね!」
どすん
ばすん
ぼすん
赤ありすに何度も体当たりを食らわせる、追手のれいむとまりさ。
「む、むきゅ!ありすにさわらな・・」どかっ
「むはー、むきゅー・・・。やっと追いついたわ・・・。」
止めに入ろうとした子ぱちゅりーも、
遅れて追いついた追手ぱちゅりーに不意打ちを食らわされ、動きを阻まれる。
「む、、むきゅん・・・。あ、ありす・・・・。」
「ゆびびびびびびびびび!!!?やめちぇぇぇぇぇぇ!!
 ありちゅのお飾りとらにゃいぢぇぇぇぇぇ!!!」
「ゆぷぷぷぷ!お飾りなしのありすはゆっくりできないね!」
「ゲスの飼いゆっくりにはお飾りなしがおにあいだよ!」
お飾りを奪われた上、体当たりを食らわされたり、噛み付かれる赤ありす。
子ぱちゅりーも、追手ぱちゅりーに圧し掛かられる。
体の弱いぱちゅりーでは、これだけで、じわじわと生命力を奪われていく。
むきゅう・・・。もう、だめかしら。
諦めが、頭をもたげてくる。
すると、
シャー、キキッ
鋭い音がして、ゆっくり一同がそちらに視線をやる。
そこには、人間さん用の小さいすぃーに跨ったおにーさんがいた。
「ゆゆ!?」
「ま、まずいよ!?人間さんにみつかっちゃったよ!」
動揺する追手まりさとれいむ。
「むきゅきゅん!
 人間さん、ぱちゅりーたちは、こっちのゲスゆっくりをせいっさいっしてるの!
 人間さんたちの迷惑になることはしないから、ほうっておいてね!」
「ゆ!?さすがだよ、ぱちゅりー!
 そうだよ、まりさたちはゲスゆっくりをせいっさいしてるんだよ!
 だからにんげんさんにはかんけいないんだよ!」
「ゆゆん!人間さんはゆっくりしないで、はやくいってね!
 れいむたちは、わるいゆっくりじゃないんだよ!」
口々に、言い立てるゆっくりたち。
だが、おにーさんは、黙ってこちらを見つめてくる。
立ち去ろうとしない。
焦れたのか、ぱちゅりーが少々短気を起こす。
「むきゅん!聞こえないの!?ぱちぇのいったことが理解できる?
 人間さんには迷惑を掛けないから、人間さんもさっさとどこかにいってね!」
それでも、無言のおにーさん。
追手ゆっくりたちは、動くどころか、何一つ話そうともしないおにーさんの
その態度をどうとったのか、調子に乗って騒ぎ出す。















自転車で帰宅中に妙なものに行き当たった。
ゆっくりだ。
しかし、なんだこいつら。
この辺りのゆっくりたちは、その多くがとある場所を住処にしている。
この川沿いに少し行った先の空き地だ。
かなり広い場所で、私有地。
ただし、長いこと放置されてるようだ。
そこに多くのゆっくりが棲みついたんだ。
苦情がないわけじゃないけど、
公園なんかに棲みつかれるよりましってことで黙認されてる。
それと、黙認されてるもう一つの理由は、野良のゆっくりたち自身だ。
長く人間からの駆除を受け続けて、少しは学習したらしい。
人間に楯突いたり、そもそも人間の前に姿を現すことを控え始めたのだ。
そうして、ゆっくりの側が大人しくしていれば、
わざわざ望んでゆっくり潰しに走る人間は少数派だ。
この辺りのゆっくりは比較的大人しくて善良って言われてるんだけどな。
こいつら、理由は分からんが、子ゆっくりを虐めてるし。
あっちのありすなんか、お飾りを盗られて泣いてるな。
しかも、こっちが黙ってると調子に乗ってきやがったな。
こんな風に人間の生活圏に入ってきて大騒ぎするような連中は久しぶりに見たぞ。
とりあえず、潰しておこう。
ぶちゅ
ぶちゅ
ぶちゅ
よし。
静かになった。
でも、まだ、残ってるんだよな。
こっちに小さいのが二匹。
ありゃ、二匹で寄り添って、小さく震えてやんの。
かわいいねー。
さて、こっちのちっこいの二匹は・・・・・・・・。





























それから、子ぱちゅりーと赤ありすは、しあわせーな生涯を送った。
二匹を助けてくれたお兄さんが、そのまま二匹の飼い主さんになってくれた。
二匹は成体になる頃には、銀バッジのゆっくりになった。
成長した二匹は姉妹から番となった。
二匹は、何匹もの子ゆっくりと孫ゆっくりに恵まれた。
ほとんどの子供達は里子に出されたが、何匹かの子や孫はお兄さんの手元に残され、
ぱちゅりーとありすと一緒に暮らすことになった。
里子に出された子ゆっくりたちも、ときどきは会うことができた。
優しい飼い主さん。
暖かなお家。
おいしいごはん。
愛しい番に、可愛い子に孫、円満な家庭。
多くのものを失った二匹だったが、失った家族以外の全てを取り戻した。
失った家族は戻ってこなかったが、新しい家族を手に入れることができた。
二匹は、しわわせーに生き、老いて、そしてその生涯を終えた。





































偶々助けた子ゆっくりを、ほんの気まぐれで飼い始めたが、
思ったより長い付き合いになったな・・・。
元野良の割りにこいつら、いいゆっくりだったよ・・・。
俺もすっかり情が移ったよな。

それにしても。

ゆっくりって本当に三より大きな数がわからないんだな。
実ゆを間引いたりしても全然気づかないし。
お飾りとって、口を利けないようにしておけば、
自分の子ゆがゆっくりコンポストにされてても全然気づかないし。
それに、数が増えすぎたと思ったら事故死、病死に見せかけて殺しちゃっても
俺がやったなんて疑いもしないし。
おかげで、実ゆ食べ放題だったし、生ゴミの処理も楽になったし。
まあ、生ゴミだけじゃなくて燃えないゴミとか、
危険物もちょっと無理させれば普通に処理してくれたけどさ。
最初の躾はちょっとコツがいるし、必ずしも責任もって飼おうとすれば楽じゃないよ。
ゆっくりって。
勿論、無責任に飼おうとすれば楽な連中だけどな。
しかし、潰したり食べたりできるし。
まあなんにしろ、一つ言えるのは、
ゆっくりってのは処分するには手間の掛からないペットではあるってことだ。
それは確かだろう?




























さいごまでよんでくれた人、ほんとうにありがとうございます。
それとおつかれさまです。
よむだけでひとくろうだったのではないでしょうか。


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感想

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  • 出来れば赤ありすの本当の親と会えるトゥルーエンドが欲しいです -- 2023-03-01 17:34:10
  • 空地の野良を完全駆除
    ゲス飼いゆれいむを(なんやかんやで)処分
    赤ありすの本来の親の最期
    やっぱり赤ありすと子ぱちゅりーの虐待
    ↑のストーリーを書き忘れているよwwwwww -- 2018-02-06 01:10:47
  • オチがなぞ過ぎる -- 2016-09-07 00:09:37
  • 最後がちょっとすっきりしないね
    事実がどうであれ2匹が心理的に救われて終わったのがゆっくりできなかった -- 2013-04-26 21:24:56
  • 最初は野良狩りをする飼いゆが赤ありすの親なのかと思った。 -- 2012-09-20 09:54:22
  • なぜ途中で諦めたww
    親まりさと子まりさを永遠にゆっくりさせたのはとてもよかった
    でもどうせなら子ぱちぇと赤ありすにも悲惨な最後を遂げさせれば
    善良一家全滅ENDでもっとゆっくり出来たのにw -- 2011-03-03 13:28:13
  • 逆恨みゆっくりどもがゲスだったんだねー全然ゆっくりプライスじゃないよー。
    中途半端なのが残念。
    前編は一杯描写があってゆっくりできたよー -- 2010-10-18 20:15:36
  • 後半からの失速が残念だ…
    父まりさの立ち回りは、無常感含め心が躍った。
    子まりさは一矢報いる方が、逃避行で犠牲になる二代目で良かったかも。 -- 2010-10-01 18:15:10
  • 最後どうした -- 2010-09-15 01:33:10
  • 中途半端すぎ。 -- 2010-09-08 12:14:04
  • 飼いゆっくりと逆恨みゆっくりを全部殺しなさいよ
    じゃないと全然ゆっくりできないよ -- 2010-08-17 03:28:09
  • 面白かったけど最後の無理やり感は否めないなw
    何にせよ乙。もっと続いてもよかったねー -- 2010-08-04 23:57:44
  • 頭の良いゲスな個体が生き残るのは生き物として当たり前だよ

    物語だからってご都合主義な勧善懲悪ばかり求めるのはやめてねっ -- 2010-08-02 18:44:39
  • もっとつづけてよ -- 2010-06-18 11:10:56
  • なんというか、物語を広げすぎて単に破綻しただけだったね・・・・ -- 2010-06-18 06:17:44
  • 強引なオチだなあ・・・作者は途中で飽きた? -- 2010-06-09 01:47:42
  • ゲスはどうなったんだ
    -- 2010-05-18 05:48:10
  • ゲス飼いゆをなんとかするべきだろ
    まぁ最後二匹が普通に暮らせたのはいいけど -- 2010-03-17 16:36:29
  • ゲス飼いゆはこの作品のと同一?

    M1&M1DC / 「即興ゆっくり物語②」より

    009/09/25 駆除れいむ
    yukkuri-futaba.sakura.ne.jp/published/src/1253961570706.png

    2009/09/25 偽バッジ
    yukkuri-futaba.sakura.ne.jp/published/src/1253961795518.png -- 2010-02-15 20:02:05
  • 面白かったけど、回収していない複線だらけだよ!!
    その後のゆっくりプレイスのみんなやゲス飼いゆの状況を知りたいよ!! -- 2010-01-29 21:20:38
最終更新:2009年12月25日 19:06
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