ふたば系ゆっくりいじめ 104 れいむのけっかいはゆっくりできるんだよ!

れいむのけっかいはゆっくりできるんだよ! 7KB


※スレで「れいむは結界を張れる」というネタで盛り上がっていたのに触発されて書きました
 結界の設定はスレからいただきました
※でも、独自設定垂れ流し


れいむのけっかいはとってもゆっくりできるんだよ!



「結界だよ……!」

緊張した声で友人が言う。
謎の生物が住まうという森の中。ついに俺と友人は目的地へ至った。
……って、なんだか緊迫してる状況っぽいが、何のことはない。
森にいる謎の生物というのはゆっくりであり、目の前にあるのは木の根本に掘られたゆっ
くりの巣なのだ。その入り口は木の枝や葉っぱで偽装されている。
偽装と言っても、

「なんだよ、スカスカじゃないか」

木の枝は実に乱雑に組み合わされ、スキマだらけで中まで見えてしまっているお粗末なも
のだった。

「そうだね。でもこれ、ゆっくりにとってはとても有効な偽装になるんだよ。特定のパタ
ーンで組まれたこの『結界』は、人間が見てもなんともない。それなのに、ゆっくりには
巣なんて無いように見えるんだよ!」
「そんなこと言ったって、中の赤ゆっくりまで見えてるぞ?」

巣の奥では数匹の赤ゆっくりが「ゆぴー、ゆぴー」とのんきにいびきをかいて寝ていた。

「ゆっくりは飾りで個体識別するんだろ? 外から飾りだって見えちまってるんだから、
偽装の効果なんてなさそうなもんだけどな」
「それが『結界』の特殊なところでね。ゆっくりには、巣自体が無いものとして認識され
る。したがって中の赤ゆっくりも見えないんだよ」
「いびきだって聞こえてるぞ?」
「無いものとして認識されてるから、聞こえても『聞こえないことになる』の。『結界』
の効果で、ね。ほら、この本に書いてある!」

友人の取り出したゆっくり専門誌には様々なゆっくりの巣穴の写真が載っている。
その中でも大きく取り上げられた「結界」。素人の俺には他のゆっくりの巣穴の偽装と区
別がつかないが、ゆっくりに詳しい友人にはわかるらしい。いや、たいしたもんだ。

「すごいよねぇ……『結界』って、れいむ種しかできないんだって! そのおかげでれい
む種の子ゆっくりは生存率が高い。れいむ種が多いのはそのおかげ。でも、森に来て早々
に天然物の『結界』を目にすることができるなんて運がいいよ。いつもはこうはいかない
んだ。キミといっしょに来たおかげかな?」

そういって、友人はニッコリとじつにいい笑顔を見せてくれた。
なんだか照れ臭くなり、俺は思わず顔を逸らしてしまう。

「で……どうする? 今日のテーマは『森で自然と戯れつつゆっくりを虐待』だったよな。
とりあえずこの赤ゆっくりから潰すか?」
「ううん、こうする!」

友人は『結界』から小枝を一本だけ引き抜いた。

「さ、行こ!」

それだけしかせず、さっさと歩いていってしまう。

「おいおい、他になんにもしないのか?」
「しないよ、なーんにも! でも、期待してね! あとでおもしろものが見れるかもしれ
ないよ!」

そう言って、小走りに森の奥へと進んでいく。
俺はやれやれと、やたらにテンションを高める友人のあとを追うのだった。




「よし! グッドタイミングッ!」

友人の明るい、それでいて辺りに響かないよう押さえた声。
あの、れいむの『結界』を見つけたあと。
俺達は森を散策し、自然を満喫しつつ出会ったゆっくりをその場で虐待、あるいはあとで
虐待用につかまえたりした。
なかなか楽しい一日を過ごした、その帰り道。今まさに巣へと戻るれいむ種に遭遇したの
だ。
別に珍しい光景じゃない。それなのに友人はなぜだか妙に興奮していた。

「なんだ? あのれいむを虐待して今日の締めにするのか?」

今日の虐待でひとつだけ変わったルールがあった。友人の提案で、「れいむ種は虐待しな
い」という縛りで楽しんだのだ。
森には他の種類のゆっくりも豊富だったから、ルール自体に不満はなかった。ただ、そん
なルールをどうして設定するのか、その理由を教えてくもらえなかったのがちょっぴり引
っかかっていた。
そして友人のこの盛り上がりよう。もしかしたられいむ種の特別な虐待方法があり、それ
で最後を飾るという趣向なのかも知れない。

「そうだよ! ……まあ、見ててね。きっと面白いから!」

そして、俺達は茂みに潜んでれいむの様子を窺った。
野生生物のくせに、やたら警戒心の薄いゆっくりのこと。別にわざわざ隠れなくても見つ
かる心配はないのだが、こうした方が気分が出る。
ゆっくり虐待は雰囲気作りが大切なのだ――とは、友人の弁。まあ、俺も同意だ。

「あの巣はね、最初に見つけた『結界』。いや、『結界』だったものって言うべきかな」

友人の囁き。頬に息が当たる。顔がくっつきそうなほど近くで、なんだかムズムズする。
と、それよりれいむの様子を見なくては。なにが面白いんだか。

「おちびちゃんたちぃぃぃぃ!? そんなところでなにしてるのぉぉぉぉ!?」

れいむは、自分が作ったであろう結界をぶちこわして巣の中に飛び込んだ。

「ゆゆゆ!? お、おきゃーしゃん!?」
「どうしたにょ!? ゆっくちしてよ!」

驚く赤ゆっくり達。
巣の中で親ゆっくりを待っていただろうに、その当の親れいむがあんな剣幕で入ってきて
はそれも驚くのも当然というものだろう。

「おちびちゃんたち! ここはれいむのおうちじゃないよ! かってにほかのゆっくりの
おうちをとっちゃだめだよ! れいむはおちびちゃんたちをそんな『げす』にそだててお
ぼえはないよ!」
「ゆゆぅ!? にゃにいっちぇるのおきゃーしゃん!?」
「ばきゃにゃこといわにゃいでよぉぉぉ! ここはれーみゅたちのおうちでしょぉぉ!?」

赤ゆっくり達の不満を無視し、れいむは赤ゆっくり達をくわえると頭に乗せた。

「さ! ほんとうのおうちにかえるよ! ゆっゆゆー!」

そして、親れいむは赤ゆっくり達を頭に乗せたまま、森の奥へと跳ねていった。

「いったいなんだったんだ? あの親れいむ、自分の巣に帰ってきたんだろ?」
「ふふーん! それはこれのせいでーす!」

友人が得意げに取り出したのは、最初に『結界』から抜き去った小枝だった。なんだ、わ
ざわざこんなものとっておいたのか。

「この枝を抜いたことで『結界』は壊れちゃったの。だかられいむは巣を自分のものだと
認識できなかったんだよ」
「自分の子供がいたってのにか? 巣の中身だって全然いじってないのに?」
「れいむ種にとって自分の張った結界は絶対。ちょっと崩れた程度ならともかく、『結界』
を完全に壊されてたらとても危険なことがあったってことになる。だから、その巣からは
逃げ出しちゃうんだ。今回は『結界』が全く無くなってたから『自分の巣じゃない』って
勘違いしちゃったらしいね」
「全く無くなってたって……小枝一本抜いただけじゃないか?」
「あれ? 気がつかなかった? この小枝、結界を構成する超重要部分なんだよ! ほら、
本にもちゃんと書いてある!」

またしてもゆっくり専門誌を見せつけられる。確かに解説は載せられているが、素人の俺
にはさっぱりだ。
だが、友人が言うならそうなのだろう。
小枝を抜くことで『結界』は効果を失った。そしてれいむは、スキマだらけの偽装を通し
て自分の赤ゆっくりを見かけ、それで他人の巣をぶんどったと勘違いしたんだ。ゆっくり
にしては善良だ。マヌケと言った方がいいかもしれないか。

「こんなちょっとした見た目の違いで騙されちゃうものなんだな、ゆっくりって」
「うん。ゆっくりって単純だからね。でも、人間にとっても視覚情報ってすごく大事だよ。
だまし絵とか、色によって心理状態が左右されたりとか……見た目でけっこう幻惑されち
ゃうものだよ。面白いよね?」
「幻惑される、か。それはなんとなく理解できるな。今実感しているところだ」
「ん? どうして?」

屈託なく俺のことを見つめてくる友人。実に楽しそうな顔だ。
こいつ、普段は無表情なのに、どうしてゆっくりのこととなるとこう「いい顔」をするん
だか。

「今日れいむ種だけを虐待対象外にしたのは、あのれいむを見るためか」
「そうでーす! どれがあの巣の持ち主かわからなかったからね。でも、あんないい場面
を見られるとはおもわなかったよ。やっぱりキミがいてくれたからかな? キミはボクに
とって、幸運の女神だよ!」
「お前なあ……で、このあとはどうする? あのれいむを追っかけて虐待するか?」
「なんにもしないよ。このまま帰る」

友人は両手を水平に広げて、ゆるりと一回転。ふわりと長い黒髪が舞う。

「だって、楽しくない? このあとあのれいむ親子がどうなるか!? 今日見てきた森の
中、ゆっくりが落ちちゃいそうな穴とか川とかあったよね? 虐待したまま放置したゆっ
くりもいたよね? 日が暮れようとする危険な森の中、見つかるはずもない『本当の巣』
を探してさまようれいむ親子達! いったいどんな事件に出会うのか!? いろんな想像
がふくらむよ! こんな楽しい想像で今日の虐待を締めくくれるなんて、とっても素敵じ
ゃない!」

そうして、友人は今日一番の笑顔を見せた。

あの親れいむが小枝一本抜かれただけで『結界』を見失ったのはバカなことこの上ない。
そう思う。
でも、今の俺はそれを笑えない。
だって虐待が趣味な友人の、女の子らしい素敵な笑顔に、今こうしてこんなにも「幻惑」
されているのだから。



by触発あき

元ネタ絵 byドーナツあき



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このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

すべてのコメントを見る
  • ここの友人がかわゆいと聞いて -- 2014-02-08 19:14:41
  • つつきが気になる
    -- 2013-07-13 16:03:32
  • パルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパル -- 2012-07-18 00:54:24
  • 友人に萌えるSSはここですか? -- 2011-12-23 12:14:44
  • クソ妬ましいわww -- 2011-09-09 20:45:49
  • ゆ虐より友人のキャラの方が俺得
    -- 2010-09-29 00:12:42
  • 友人の描写に力入れすぎだろw
    ゆ虐じゃなくて友人に萌える話じゃねーか!w -- 2010-09-24 07:25:57
  • GOTHの主人公のイメージなんだよなこのこ。森野 夜だっけ?
    かわいくてドSで猟奇趣味で黒髪。普段はテンション低いのにこの手の話題の時だけ笑顔とか
    しかも二人称がキミとか、どんだけ俺得w -- 2010-09-06 05:26:43
  • そのいい子達(笑)が悲惨な目にあうとこまで書いてくれなきゃだよー!!泣き喚くゆっくりがみたいのにー!! -- 2010-08-29 09:49:39
  • 結界の使い方が面白いな。
    しかしこのれいむかわいいな。良い子だし、おちびちゃんの教育もちゃんとしてるし。 -- 2010-08-06 20:22:15
最終更新:2009年10月18日 13:28
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