ふたば系ゆっくりいじめ 109 昔なつかしゆっくりれいむ02

昔なつかしゆっくりれいむ02 12KB




 昔なつかしゆっくりれいむ 02 作:YT



 月曜日。ゆっくりがもそもそと起きて来て、朝日に向かって元気に叫んだ。
「ゆっくりしていってね!!!」 
 それを見ていると何かむらむらしてきて、洗濯物を入れるバケツを持って来てゆっくりを放り込んだ。
 ぼすっ。
「ゆゆっ? 出られないよ? ここはどこ?」
 丸い体がすっぽりはまって、動くに動けないゆっくり。
 真上から見ると、赤い髪飾りが左右に回転して面白い。
 ぐるぐるぐる。ぐるぐるぐる。
 けれどもぐらぐらやっているうちにバケツごとごろんと転がって、今度は頭にかぶっちゃった。
「なにするの! れいむおこるよ! やっつけるからね?」
 叫んで激しくぴょんぴょんと跳ねる。けれどもそれぐらいじゃバケツは外れない。
 そのうちれいむは動き出したけど、のそのそ走っては壁にぶつかり、跳ね返ってはクッションに埋まっちゃった。
 のそのそのそ……ゴンッ!
 ふらふらふら……ドサッ!
 よろよろよろ……バサバサッ!
 最後のは本棚にぶつかって振ってきた本に埋まった音だ。
 にっちもさっちも行かなくなったれいむは、とうとう泣き出した。
「ゆああああ、ぜんぜんうごけないよ! れいむもうおこったよ! ほんとうにゆるさないからね! やっつけてやるよ!」
 ドサドサ、バサッ、ばたんばたん!
 暴れまくったけれど、本をどけることは出来なかった。
 そのうちに動きが止まって、変な声が漏れてきた。
「ゆううぅぅぅ……ゆううぇぇぇぇぇぇん……」
 泣いちゃった。その後もれいむはずーっとめそめそ泣いていた。
 三時間ぐらいしてから掘り出してみると、涙の後をつけたまんま眠り込んでいた。


 火曜日。エサ皿を前にしたゆっくりが、ぱああと顔を輝かせて言う。
「ゆっくりいただきます! むーしゃ、むーしゃ……しあわせー!」
 それを見てるとまたむらむらしてきて、私はエサ皿を持ち上げた。
 へにょ、とゆっくりは困った顔になる。
「ゆっ? ごはんが消えたよ? どこー! れいむのごはんどこー!」
 あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
 頼りない泣きそうな顔で、ごはんを探し回る。
 少したってから床に下ろしてやると、遠くからそれを見つけた。
「ゆっ! れいむのごはん! もうにがさないよ!」
 ぴょん、ぴょん、ぴょんっ!
 元気に勢いよく飛んできたので、目の前で持ち上げた。
 スーッ。
「ゆあああ! ごはん! れいむのごーはーんー!」
 あっという間に泣き顔になって、必死に飛びつこうとする。
 ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん! ぼてっ。
 高さが全然届かずに、ひっくり返るだけなんだけど。
「ゆううう、ゆあああ」
 また泣き顔になって口を曲げたれいむは、だだをこねだした。
「れいむのごはんー! とどかないよー! ゆっくりたべたいよー!」
 泣きわめきながら仰向けになって左右に転がる。
 ごろんごろん、ごろんごろん。
 私はそれをたっぷり見つめて、にやにやしちゃった。
 それからまた、エサ皿をいったん下ろした。喜んでれいむがやってくる。
 そこで電気を消して真っ暗にして、その間に取り上げた。
 また電気をつけると、れいむがすごく驚いた顔になって叫んでいた。
「ゆっくり!? れいむのごはんがきえたよ! はやくでてきてね!」
 出さずに焦らしていると、またまたれいむは泣いちゃった。 
 さんざんれいむを泣かせた後で、やっとエサを下ろしてやった。
「ひっくひっく……むーしゃむーしゃ……むーしゃ、むーしゃ!」
 食べているうちに元気が出たのか、すぐにゆっくりは元の勝気な顔に戻ってた。


 水曜日。妹から電動のわんこのぬいぐるみを借りて、部屋に入れた。
 わんこは四本の脚を動かしてすすんでいく。
 ジーコ・ジーコ・ジーコ・ジーコ……。
「ゆゆっ? ゆっくりにげるよ!」
 ぴょーんぴょーん、と逃げ出すれいむ。
 ジーコ・ジーコと追っかけるわんこ。
「ゆっゆっ! ゆっくり逃げるよ!」
 得意になって逃げてたれいむも、十分もするともう息が切れた。
 無表情のまま涙を流してへたりこんじゃう。
「ゆはっ! ゆはっ! ゆはっ! ……」
 そこへじっくり近づくわんこ。
 ジーコ・ジーコ・ジーコ。
「ゆゆっ? ゆっくりしていってね!!! ゆっくりこないでね!」
 ゆっくりが叫んだけど、わんこが聞くわきゃない。
 どんどん進んで、転がってるゆくっりのほっぺたにぶつかった。
 ジーコ・ジーコ・ジーコ……ぽむっ、ジーゴ・ジーゴ・ジーゴ。
「ゆああああ! やめてね! けらないでね! けらないでね!」
 ほっぺたをわんこの脚でけりけりされて、形を変えながら左右に首を振った。
 ぶにぶにぶに。ぶんぶんぶん。
 とっとと逃げればいいのに、わんこを避けるのに必死で逃げ出せないらしい。
 それを見た私はけらけら笑っちゃった。


 木曜日。
「れいむ、おいで。ブラッシングしてあげるよ」
「ゆっゆっ♪ ゆゆっ? なんだか高いよ! むこうがよくみえる!」
 椅子に座って抱き上げると、見晴らしがよくなってれいむは喜んだ。
 ブラッシングを始めると、気持ちいいのか、そのまますやすやと寝ちゃった。
「ゆぅ……ゆぅ……ゆぅ……」
 私はれいむの髪の毛をひと房ずつ梳いてあげた。
 きれいな黒髪だけど、先っちょのほうにはほこりが絡まってる。
 むりもない。ずっと床の上を這い回ってるからね。モップみたいなもんだ。
 取りながらほっぺをつまむ。むにむに、むにむに、とおもちの感触がする。
 おもちなのに生きてるなんて……不思議だなー。
 私はれいむのほっぺを両手で挟んで、正面からよーく見たみた。
 眉は、ある。ピンと左右に跳ねた細いのが。
 でも……なんか、人間みたいな眉毛が生えてないよ?
 筆で書いてある感じだ。
「れいむ、れいむ」
「ゆっ? ゆっくりしていってね!!!」
 目の醒めたれいむが、ぱちぱちと瞬きした。けど……。
 目、丸くない。
 黒目と白目があるけど、虹彩がない。
 ベターッとした、ようかんみたいな茶色い部分になってる。
 どこを見てるかわかんない……(汗
「ゆっゆっ♪ ゆっゆっゆっ♪」
 楽しそうに声を漏らす口にも、唇がない。なんか白い切れ込みで、中が赤くなってるだけ。
 手を入れて、開けてみた。
 くわっ。
「ゆあ? やめふぇね! はなひへね!」
 舌がヒラヒラ動いているけれど……のどの奥は行き止まりだ。
 あれ?
 あれぇー……?
 ゆっくりって、目も眉も口も、実は目でもなければ眉でもなくて、口でもないの?
 頭みたいに見えるけど、それは人間の勝手な思い込みで、実は顔でもなんでもないとか?
 何それ。
 ……なんか、急に気味が悪くなってきた。
「えい」
「ゆっ!?」
 私はれいむを投げ出した。れいむは床におっこちる。
 ぼふん。
「ゆゆっ! ゆっくりしていってね!」
 声を上げたれいむは、ぴょんぴょんと窓際に行って座っていた。


 金曜日。
 れいむの正体がどうしても気になって、確かめることにした。
 私はれいむにお酒をたくさん飲ませた。れいむは喜んで飲んだ。
「ぺーろ、ぺーろ、ごきげんー!!!」
 何度もぺろぺろしては喜びの声を上げて、しまいには真っ赤になった。
 そしてころんと転がって眠り込んじゃった。
「ゆぅゆぅ……ゆぅゆぅ……」
 私はそんなれいむを持ち上げて、机に載せた。
 まずは試しにほっぺを針で突いてみる。
 ツンツンッ。
「ゆぅ……ゆぅ……」
 反応なし。よし。
 少しあお向け具合にして、鼻のところにマジックでバツ印を引いた。
 キュッ。
 鼻がないから書きやすい。
 そして、それにそってカッターで十字に切った。
 スッ、スッ。
「ゆぅ……ゆぅ……ゆゆ……」
 ちょっと動いたけど、まだ目覚めない。お酒がよく効いてるみたい。
 それからガラスの試験管を取り出して、バツ印の真ん中に押し付けた。
 めりめりめりめりぃ……。
 試験管は中に入っていく。とてもスムーズだ。やっぱり骨はないみたい。
 最初の三センチを越えると、あとは一気だった。長さ30センチのちょっと長めの試験管が、どんどん入っていった。
 めりめり、めりめり、めりめり、むにゅっ……ずぽんっ!
「あ」
 貫通した。
 れいむの後ろ頭を見ると、髪の中からあんこまみれの試験管が突き出していた。
「ゆぃぃ……ゆぃぃ……ゆぃぃぇ……」 
 あれ? ちょっと鳴き声が変。
 もう一度顔を見ると、薄目の白目っぽい感じになっていた。
 これ、やばいのかな。
 でもまあ、生きてるからいいのかな……。
 考えながら、丸い鏡に柄の付いたデンタルミラーを出す。
 試験管にゆっくり入れる。
 ペンライトで照らすと、れいむの断面が見えた。
 最初の三センチは分厚い白い皮。
 よーくみると、なんか小さな粒粒がうにうにむにむに動いてるみたい。
 それをすぎると、茶紫色のあんこ。
 注意してみたけど、普通のあんこにしか見えない。
 8センチぐらいそれが続いた後で、ちょっとだけ色が変わった。
 なんか、灰褐色っぽい感じ……?
 そのとき、ミラーがコツンと試験管の内側に触れた。
「ヲ゛ッ」
 ……なんだかれいむがおかしな声を出した(汗
 コツン、コツン。
「ヲ゛ッ、ヲェ゛ッ」
 声を出しながら痙攣する。口の端からよだれを漏らす。
 ビクッ、ビクッ。とろとろー。
「うぇ……」
 や、やばい。ここは何か、れいむのとっても大事なところみたい。
 下手にいじると死んじゃうかもしれない。
 ……まあ、普通の生き物ならとっくに死んでるところだけどさ。
 真ん中の餡を過ぎて、奥のほうへ行くと、また元の茶紫色に戻った。
 裏側から、後ろ頭の皮をよく見ると、リンスのCMに出てくるような、生きてる毛根の断面が見えた。

 だいたい納得できたんで、試験管を引き抜いて前後の穴を塞いであげた。
 ずるずるずる……ずぽんっ! ぺたぺたぺた。
 それから一時間ぐらいほっといたら、赤くなって転がっていたれいむも目を覚ました。
 ぶるぶるぶるっ! ぽぺん。
 勢いよく身を震わせて、ぽんと元の姿勢に戻る。そして例のお約束の――
「ゆっヲ゛りしていってね!!!」
「は?」
「ゆゆっ!?」
 驚いて、戸惑った感じできょろきょろするれいむ。
「れいむへんなこえがでたよ! ゆっヲ゛り! ゆっヲ゛りっ!?」
 きょろきょろ戸惑ってから、れいむはぴょんぴょん跳ねた。
「やめてね! やめてね! れいむゆっヲ゛りできないよ! ゆううう!?」
「あははははは」
 うろたえるれいむがとても面白くて、私はおなかを抱えて笑った。
 れいむは夕方までには治った。
 中に何か入れといてやればよかったと思った。

 土曜日。めっちゃんが来た。私はれいむを抱っこして前の道路に出た。
 10メートルぐらい離れて、キャッチボール。ゆっくりを交互に投げる。
 ぽーん、ぽーん。ぽーん、ぽーん。
「ゆゆっ! やめて! ゆっく! ゆっぶ!」
 ばむっ。
 くるくる回って、強くキャッチされるもんだから、れいむは半泣きで悲鳴を上げている。
 それをバックにして、私はめっちゃんとおしゃべり。
「それはさー」
「うんー」
「中枢餡だよ」
「ちゅうすうあんー?」
「ゆっくりの脳みそってことー」
「そうなんだー。やっぱり大事なとこ?」
「大事大事。そこ壊すと死んじゃうからねー」
「やっぱりかー」
「わりとポピュラーだよ、そこいじるのはー」
「ふーん」
「あっ、でもえっちゃんは飼ってるんだから、壊さないようにしなくちゃね」
「そだねー。あっ」
 ぶぎゅる。
 私の手をすっぽ抜けて、れいむがおっこちた。顔面から着地して変な音を立てる。
 と思ったら、ぽんっと起き上がって走り出した。
 てーんてーん、ぴょんぴょんっ!
「れいむ、もうおうちにかえる! もっとゆっくりしたい!」
「あ、やば」
 あわてて追いかけようとするめっちゃんを、私は止めた。
「待って」
「えー、なんで? 逃がしてやるの? もったいないって!」
「そうじゃなくて」
 私はめっちゃんと並んで、あぜ道を跳ねていく黒髪頭をしばらく見つめていた。
 そして、れいむが森の手前で点のように小さくなったところで、つぶやいた。
「それっ」
 一気にダッシュして追いすがる。れいむはもうのろのろになっていて、余裕で追いつけた。
 すぐ後ろに立つと、一休みしたれいむがつぶやいていた。
「ゆっくりにげたよ! れいむはやい! とってもはやい!」
「残念でしたー」
 油断してきっていたから、簡単に捕まえられた。抱き上げるとれいむはものすごくビタビタ暴れた。
「ゆゆっ、すすめないよ? れいむはすすむよ! ゆっくり、ゆっくりー!」
「でもダメです」
 戻ろうとした時。
 森の茂みをがさがさと揺らして、もう一頭のゆっくりが出てきた。
 私のれいむに向かって、どことなく嫌みったらしい目で得意げに叫ぶ。
「れいむ! ゆっくりしていってね!!!」
 私は振り返って叫んだ。
「めっちゃーん! まりさ出た、まりさ!!」

 まりさは、捕まったれいむを笑いに来たのかもしれない。
 でも速攻で自分も捕まった。


 日曜日。
 私はこの一週間で、たっぷりゆっくりをいじめてしまった。
 だから、日曜日ぐらいはお休みにしてあげるつもりだった。
 けれど。
 ガシャーン、カラカラン、びしゃー。
 部屋で自分の食事の準備をしてちょっと目を離した隙に、まりさとれいむにテーブルをやられた。
 戻った私が見たのは、床に落っこちた料理と、ぽんぽん逃げていく二頭。
「ゆっゆっ、ゆっくり逃げるよ!」
「たいりょうだよ! かくれてたべようね!」
 そんな声を残して、安全なゆっくりプレイスに逃げ込んだ。
 もちろん、安全だと思っているのはれいむたちだけで、その屋根はただのクッションだ。
 私は洞穴の前にいって覗き込んだ。二頭が幸せそうに食事をしていた。
「むーしゃ、むーしゃ」「しあわせー!」
「れいむ!」
「まりさ!」
「すーりすーりすーりすーり!!!」
「やわらかいね!」
「あったかいね!」
「ゆっくりしていってね!!!」
 むらむらむらっ。 
 ……あー。
 これか。
 めっちゃんが言ってたのは、この境地なんだなー。
「れいむ、まりさ」
 私はニッコリ笑うと、洞穴に手を突っ込んで、嫌がる二匹を無理やり引きずり出した。
「ゆっゆっやめてね! いたいよ! れいむ出たくないよ!」
「はなしてね! おぼうし脱げちゃうよ! れいむとすりすりしたいよ!」
 いろいろ言ってるのを全部無視して、こぼれたご飯のところに連れて行って、一頭ずつお仕置きしてあげた。
 ずぴしずぴしずぴしずぴし!
 ぎゅいーぎゅいーぎゅいー
 ぱーんぱーんぱーんぱーん!
 でこピンと、ほっぺつねりと、おビンタをたっぷり。
 それから、床の上の料理に顔をしっかり押し付け。
 ぐりぐりぐりぐりぐり。
「テーブルのごはんはいけません」
「ゆあーんゆあーん! ゆあーんゆあーんゆあーん!」
「ゆあーんゆあーん! ゆあーんゆあーんゆあーん!」
 れいむとまりさは真っ赤な泣き顔になって、プレイスへ逃げていった。

 楽しい……♪


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結局いじめちゃった。
YT


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感想

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  • 原種に中枢餡は無い。(逆に耳はある)
    この作者は色々と混同しているのか? -- 2018-03-21 21:01:25
  • これは素晴らしい。 -- 2011-12-23 12:44:21
  • ニヤ(・∀・)ニヤ -- 2010-09-29 23:44:35
最終更新:2009年12月26日 17:00
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