ふたば系ゆっくりいじめ 119 ぺっとぼとゆ

ぺっとぼとゆ 10KB


※スレでみんなが凄い勢いでゆっくりをペットボトルに詰め込んでいるのに触発されて書きました
※独自設定垂れ流し


「やっべぇ、早く帰らないと……!」

飲み会のあと、先輩の手伝いで研究室への缶詰という逆らいがたい流れ。その激流に飲ま
れ、俺は実に一週間も家を空けるハメになった。
なんてことだ。
家には手塩にかけて育てたゆっくりがいるというのに。
それも、普通のゆっくりじゃない。ペットボトルの中に住む、「ぺっとぼとゆ」なのだ。




ぺっとぼとゆ




喋ることができ、見た目もある意味かわいい生首饅頭不思議ナマモノ、ゆっくり。
ペットとして一時ブームになったが、すぐつけあがるその身の程知らずの傲慢さは問題に
なった。結果、野良が大量に発生し、一時は社会問題になったほどだ。
そんな中、ゆっくりの商品価値はその生態を制限したインテリアに見いだされた。
その一つの成功例が、「ぺっとぼとゆ」だ。
名前の通り、仕組みは簡単。ペットボトルの中でゆっくりを飼うのだ。
「ぺっとぼとゆ」は、購入時は赤ゆの状態でペットボトルに封入されている。ペットボト
ルの中は特殊な保存液で満たされており、それを抜かない限り赤ゆが目を覚ますことはな
い。カタログによればその状態で三年程度保存が効くらしい。

「ゆっくちしちぇいっちぇね!」

保存液を抜くと、赤ゆは目覚め、ゆっくり特有の挨拶をする。
餌は細長いスポイトを使い、専用の溶液を与える。

「ちゅーぱ、ちゅーぱ、ちあわちぇー!」

餌用の溶液には成長抑制剤が入っているから、赤ゆっくりはそれ以上育つことがない。
溶液を与える量さえ間違えなければ、うんうんやしーしーの類を出すこともほとんどない。
また、ペットボトルという狭い空間で生きる「ぺっとぼとゆ」は、体力の消費も極めて少
ないから餌もたまに与える程度で済む。

「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆっくちしちぇいっちぇね~♪」

「ぺっとぼとゆ」にできることと言えば、せいぜい歌うことぐらい。
それだって煩わしければ、ペットボトルの蓋を閉めれば静かになる。
跳ね回って部屋を散らかすこともない。飼い主をいらだたせる元となる声も簡単に封じる
ことだってできる。
ゆっくりのうざかわいさだけを、好きなときに好きなだけ楽しむことができる。まさに理
想のインテリアなのである。
そうした制約に縛られることで、ゆっくりはようやく人との生活の中で問題なく生きるこ
とのできる場所を得た、というわけだ。
だが。
制約があれば、その中で精一杯挑戦したくなるのが日本人というものだ。
俺もご多分に漏れず、この「ぺっとぼとゆ」に対してひとつの挑戦をしてみた。

だれしもが一度は考えること。
「ぺっとぼとゆ」は、どこまで大きくなれるのか。

「ぺっとぼとゆ」がかわいくなって、ペットボトルを切り開いて外に出してやる飼い主も
いるというが、そんなことに興味はない。
俺が試したのはペットボトルの中で「ぺっとぼとゆ」がどこまで大きくなるか、だった。
さっそく「ぺっとぼとゆ」のれいむタイプを購入。
与える餌は成長促進剤を混ぜたオレンジジュース。オレンジジュースはゆっくりにとって
万能の妙薬であるし、吸収率も極めて高いから、不要物としてうんうんやしーしーを排出
することはほとんどない。

「おにいざん、とどがないようう! あまあまのまぜでよぉぉ!」

オレンジジュースはゆっくりの届くギリギリの高さから与えた。こうすることによって、
れいむは懸命に身体を伸ばした。
基本的にゆっくりは食べることに全力を費やす。まして甘いオレンジジュースならなおさ
ら必死になる。
俺のもくろみは成功し、「ぺっとぼとゆ」のれいむは身体を伸ばし、ペットボトルの形に
合わせて成長した。透明なペットボトルの中、みっちりとスキマ無く膨らみ、それでいて
その口はペットボトルの口のほうにあるから餌を与えることもできる。その気になれば破
裂するまでいけるかもしれない。。
あとは友人連中に見せて笑って、そのあとは……まあ、捨てるぐらいしかないだろう。
そんな風に考えていた。
だが、ちょうど成長しきったところで、俺は研究室に缶詰になってしまった。「ぺっとぼ
とゆ」は部屋に置いたままで。

「やっぱり腐ってるよなあ……」

ようやくアパートの部屋の前に着いた時。俺はすっかり冷めてし冷静になっていた。
マニュアル通りに育てて「ぺっとぼとゆ」なら生き延びていたかも知れない。しかし、俺
の「ぺっとぼとゆ」はもう普通のゆっくりと同じ、食欲旺盛な状態になってしまっている。
まず生き残ってはいないだろう。

「ただいまぁ……」

憂鬱だ。
なんか、時間をかけてRPGでキャラを育てたのに、セーブデータをウッカリ消してしまっ
たような気分だった。
逆に言えば、その程度の落ち込み。所詮相手はゆっくりなのだ。
そんなことを考えながら、玄関に腰を下ろして靴ひもを解く。
そんな時だった。

「おにいざぁん……」

やけにくぐもった声がした。そして。
ぬるり、と。手を、ぬめったなま暖かいものに撫でられた。

「ひっ!?」

立ち上がり、振り向く。
そこには、何もない。ペットボトルが転がっているだけだ。
いや、ペットボトル……?
おかしい。こんなもの置いた記憶がない。それにおかしい。そのペットボトルにはなんの
ラベルもない。真っ黒で、明らかに中に何かが入っているというのに。
その黒の中に、不意にぎょろりと白いものが浮かび上がった。
丸くて白いそれは、中央に黒い丸があった。
それが、俺を「見た」。
そうだ、これは目だ、瞳なのだ。目と目が合い、俺は恐怖に動けなくなる。
それだけならまだ良かった。
次に見たのは、ペットボトルから伸びる何か。
赤いものがビロビロと伸びている。ぬらぬらと光沢を放ち、しなやかに動くそれ。
直感的に悟った。アレが、先ほど俺の手に触れたのだ。
背筋に怖気が走る。
そして、そいつは再び、言葉を放った。

「おにいざぁぁん……ゆっくりしすぎだよぉぉぉ!」
「うわあああああ……って、おまえれいむか!?」

思わず叫びそうになってしまった。ペットボトルということ、「ゆっくり」と言う言葉が
無ければちょっとしたホラー体験で情けない姿をさらすハメになっただろう。

「いったいどうなってるんだ?」

ペットボトルを持ち上げる。
黒く見えたのは餡子だった。ぐるりと回して見たが、全て黒。皮も髪もリボンもない。

「おにいざぁぁん……おながずいだよぉぉ……」

れいむの声で、なんとなく理解した。
こいつ、飢えのあまり、身体の余分な部分を消化したんだ。
元々ペットボトルにみっちりと詰まっていたのだ。ペットボトル自体が外殻になっていた
のだから、皮はいらないことになる。
しかし、なんてでたらめな。
そんな風にしげしげとペットボトルを見回していると、

「おにぃざぁぁん」

いきなりれいむと目があった。

「うわっ!?」

思わずペットボトルを落としてしまう。
ペットボトルはゴロゴロ転がるかと思えたが、すぐに止まった。
ペットボトルの口から出た赤いビロビロ……どうやら、舌らしい。ゆっくりにしても異様
に長いそれが、回転を止めたのだ。

「おにいざん、ひどぉぉい……」

そのまま舌で身体を引きずり俺の方へずりずりと迫ってくるれいむ。
キモイ。
だがなによりキモイのは、先ほど俺を驚かせた目だった。
これが、ペットボトルの中を縦横無尽に動くのである。どうやら皮で固定されることが無
くなって、そして転がって安定しないペットボトルで視野を確保するために進化したらし
い。
ぎょろぎょろと忙しなくペットボトルの中を自由自在に動き回る目玉はおぞましいの一言
だった。
なんてことだ。
俺のちょっとしたお遊びがこんな奇怪なクリーチャーを生みだしてしまうなんて。
餡子が漏れさえしなければゆっくりがそう簡単に死なないことは知っていたが、それでも
これはないだろう。

「……でもまあ、よく生き残ったなお前」
「おながずいだぁぁぁ……」

まあ、予定はだいぶ狂ってしまったが、これはこれで面白いものができた。
友人に見せて驚かすつもりだったが、これなら夏合宿の肝試しにでも使った方が面白いか
も知れない。
となると、ここで死なせるわけにはいかない。

「わかったわかった、ちょっと待ってろ……」

まだオレンジジュースのストックはあったはずだ。賞味期限が少々切れていてもゆっくり
相手なら問題はない。
また舌でずりずり動かれても気持ち悪いので、俺はれいむを手に持って冷蔵庫へと向かっ
た。そして、俺は再び驚かされることになった。

「なあ、れいむ……」
「なぁに……おにいざぁぁん……?」
「お前すげーな。これどうやったかやってみせろ。上手くできたらご褒美だ。あまあまを
くれてやる」

れいむを床に置く。
すると、驚いたことにれいむは下を伸ばすと逆立ちした。舌の力だけで自重を持ち上げた
のだ。驚くべき進化である。
そればかりか、その状態で跳ねた。跳ねて、冷蔵庫にぶつかった。
なるほど。これを繰り返して、こいつは……。

――冷蔵庫の扉を開けやがったのだ。

冷蔵庫は酷い有様だった。野菜などは食い散らかされている。パックされたりタッパに入
っていたもの、あるいは高い位置にあったものはこのれいむでもどうしようもなかったの
だろう、荒らされてはいない。
だが、一週間近く開けっ放しになっていたであろう冷蔵庫の中、それらはとっくに腐って
いるに違いない。冷蔵庫からは異臭が漂っている。

「おにぃざぁぁん……おながずいだよぉぉ……」

れいむはひたすらこればかり繰り返す。確かに冷蔵庫の中にはあまり食べ物が入っていな
かったし、届く範囲のものしか食べられなかったろうから、お腹は空いているのだろう。
だがなあ、れいむ。お前の腹がからっぽなら、俺の腹は怒りで煮えたぎってるんだよ……!

「よおしいいだろう、くれてやるよ!」

俺は流しのタライの中に、冷蔵庫に残っていたオレンジジュース――さすがにこのれいむ
にも開けられなかったらしい――を、景気良く徳用ペットボトル二本分、まとめてぶちま
けた。開けっ放しの冷蔵庫の中にあったのだ。どうせもう飲めやしない、もともとれいむ
用に買った物だったし惜しくもない。
そのなかに、俺はれいむをたたき込んだ。

「ぺーろぺーろ、しあわぜぇぇぇ!」

オレンジジュースによる快楽と溺死、二重奏の恐怖を味合わせてやろうと思った。だが、
オレンジジュースの中に沈み込みながらもれいむは実にしあわせそうだった。
ああ、しまった。怒りに頭が回っていなかった。こいつはすでにゆっくりの皮を失ってい
るのだから、溶ける心配などないのだ。
そうだ、こいつは進化した。もう普通の虐待は通用しない。
足焼きはだめだ。ペットボトルを直に火にかけるのは環境的に問題がある。
針を刺すのも少々手間だ。ペットボトルはなかなか固い。
殴る蹴るの暴行も、ペットボトルの固さがあっては通常のゆっくりほど効果はないだろう。
下手をすれば俺の方が痛い。
考えあぐねた結果、

「よし、茹でよう」

タライの中身を丸ごと鍋に移すと、火にかけた。
最初から強火だ。
最初こそれいむはしあわせそうにしていたが、すぐに熱くなったらしい。

「ゆげぇぇぇぇぇ! ゆぎょぇぇぇぇ!」

もう普通のゆっくりとは声を出す機能が違うのか、得体の知れない叫び声を上げる。
長い舌で逃れようとするが、鍋はとっくに触れられないほど熱くなっている。舌を伸ばし、
鍋の縁に触れるたびに弾かれたように舌を戻すのを繰り返している。
舌以外の移動手段のないこいつのことだ。
こうなるともうどうしようもない。

「ゆぎょぇぇぇぇぇ! あぢゅいいい! あぢゅいよぉぉぉ! ゆげっ! ゆごっ! ゆ
ごげごげぇぇぇぇ!」

それにしてもうるさいし、その声も聞くに堪えない酷いものだ。正直たまんない。
そうだ、うるさい「ぺっとぼとゆ」には正規の対応方法がある。
部屋をちょっと探すと、ペットボトルの蓋はすぐに見つかった。

「ゆぎょげぇ!?」

舌を切り取り、蓋を閉める。
よし、これでばっちりオッケー。
声は聞こえなくなったが、ペットボトル内をぎょろぎょろ動く目玉で苦しんでいるのがわ
かる。キモイ。キモイなあ。
でもざまあみろ。人の冷蔵庫をあんなにしやがって。
俺はようやく少しだけ満足し、ホッとする。
安心したところで、自分が致命的な間違いをしているような気がしてきた。
気がついたときには遅かった。

「ゆごげっ……ゆがばばばばあああああ!?」

蓋を閉めたペットボトルを熱したのだ。当然中は膨張し、限界を超えれば破裂する。
ましてや中身は異常進化を遂げたゆっくりなのだ。
膨張もまた異常なものだったらしい。

ペットボトルは、爆発した。

「うわああああっ!?」

ペットボトルの破片でケガをするようなことはなかったものの、俺は頭から餡子を浴びる
ハメになった。台所もまた、飛び散った餡子で酷い有様だった。
育てたれいむは爆発、冷蔵庫の中身も全滅、おまけに台所まで汚れてしまった。
ろくなことがなかった。
だが、そんな惨状の中、一つだけ俺を慰めてくれることがあった。
俺にかかった餡子はとびきり甘かった。わけのわからないゆっくりになってしまったが、れ
いむがこれ以上ないくらい苦しんだことだけは、間違いないのだ。



by触発あき

挿絵 byくらっかーあき


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  • ゆんやあああああああああああああああああああああいああああああああああ
    ぎぼぢわるいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
    れいみゅおうちがえ「グシャッ」 -- 2023-02-27 17:33:23
  • ならば気持ち悪い貴様にはG用の毒入りクッキーをくれてやる(キモいキモいキモいキモいキモい死ね死ね死ね死ね死ね) -- 2018-05-27 18:44:16
  • おもしろーーい(サイコパス) -- 2018-01-15 20:00:47
  • こわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい -- 2016-07-15 21:03:10
  • 素晴らしい! こういうのが読みたかった -- 2015-12-03 22:26:02
  • SANチェック不可避 -- 2015-04-17 15:54:15
  • スマホの大画面で挿絵が出て叫んでしまった、恥ずかしい -- 2014-12-26 15:11:48
  • SAN値1d4ぐらいは減りそう -- 2014-12-02 12:19:40
  • うぉ!? 寄生獣を思い出したwwww -- 2014-07-30 20:15:16
  • ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁゆっくじでぎない゛ぃぃぃぃぃ -- 2014-07-20 22:08:38
  • お腹すいた?なら、お兄さんのケフィアをあげよう -- 2014-05-07 01:37:54
  • OH…きもいきもい -- 2013-08-19 11:08:40
  • おお、同意 同意。 -- 2013-07-13 17:01:50
  • おお、 きめぇ きめぇ。

    -- 2013-06-08 14:31:00
  • コメント見ようとスクロールしたらクソビビッタΣ(゜д゜;) -- 2013-03-01 16:58:20
  • 挿絵がある場合は先に見るんだけど、これはびびったな、見た瞬間!?ってなったよ*1)) -- 2012-12-13 18:35:47
  • ぎゃあああああああ -- 2012-11-25 22:39:22
  • 食べたい -- 2012-11-04 15:30:03
  • こわい。主に挿絵がこわい。おお、こわいこわい。 -- 2012-10-18 00:34:11
  • KOEEEEEEEEEEEEE -- 2012-10-16 02:33:13
最終更新:2009年10月18日 14:03
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