ふたば系ゆっくりいじめ 125 アントクアリウムでゆっくり

アントクアリウムでゆっくり 9KB


※スレでアントクアリウムの話題を何度か見かけて触発されて書いてみました
※独自設定垂れ流し


異様な姿と言えるだろう。
正面から見れば。目も、口も、そのむかつく顔つきも、見間違えようもなくゆっくりのそ
れだ。
そこまでは普通と言える。いや、「そこだけが」、と言うべきだろう。おかしいのはその
周りだ。
顔の正面。これ以外が、ない。
お飾りがない。髪がない。皮すらない。
全て取り払われ、餡子が丸見えになっている。それが崩れずにいるのは皮の代わりにビニ
ールで覆われているからだ。
そこまでなら普通のゆっくりの加工だ。違うのは、まず餡子の色。
半透明なのである。光の加減によっては中心まで透けて見えるような独特の透明度は、ど
こか綺麗に思えた。
だが、なによりそれを綺麗に思わせるのは、その内部に縦横無尽に掘り抜かれた細く長い
穴だ。無造作とも計算された美とも、見るものに様々な思いを抱かせる野生の芸術。それ
を掘り抜いた芸術家は誰あろう、小指の先にも見たない小さなアリなのである。




アントクアリウムでゆっくり




ゆっくりと呼ばれる生首饅頭。この不条理ナマモノが世に現れてから随分になる。人はそ
のナマモノとのつき合い方を考えてきたが、結局手を加えなくては無理、という結論にな
った。
手を加える――即ち、加工だ。
加工と言えば、その筆頭はなんといってもゆっくり加工所だろう。ゆっくりを食品として
生産しているゆっくり加工所は、ゆっくりを最も有効活用している誰もが認めるだろう。
広義では、飼いゆっくりも加工されたゆっくりと言える。愛ゆ家は眉をひそめるかも知れ
ないが、人間の都合のよくなるよう性格を「加工」でもしなければ、ゆっくりはペットに
すらなれないのだ。
そんなゆっくりの加工の中でも、これは特殊な部類に入るだろう。

ゆ虐アントクアリウム。

加工所の新製品だ。
アントクアリウムというのは、本来はアリを観察するキットだ。小さな水槽の中、アリの
食事になるジェルで半分ほど満たす。そこにアリを放つと、アリはジェルを食べて掘り進
み、巣を作るというものである。見た目に美しく、普段目にすることのない巣の中でのア
リの生態は知的好奇心を大いに刺激する。
ゆ虐アントクアリウムも、基本的にはアリを飼うものだ。
アントクアリウムがジェルと水槽を使うのに対し、ゆ虐アントクアリウムはゆっくりと水
槽を使う。
用意するのは成体ゆっくり。

「ゆ! れいむはかわいいんだよ! だからあまあまちょうだいね!」

まず、動きを封じる。一般的な「あんよ焼き」でもしておけば十分だろう。

「ゆぎゃああああ! あぢゅいぃぃぃ! やべでぇぇぇぇ!」

その後は専用の溶液を注射する。これで内部の餡子は半透明になるのだ。
次のステップが最も困難で、しかし最も楽しめる。
皮を剥ぐのだ。

「ゆびびびびびいいいいいい! やべぢぇ、やべぢぇ、やべぢぇぇぇぇぇぇ!」

あんよを封じたとは言え、ゆっくりがまったく動けなくなるわけではない。ゆっくりが暴
れるあまり皮を剥ぐ過程で餡子が崩れて絶命してしまうこともある。熟練者でなければ睡
眠剤などを併用した方がいいだろう。
顔の正面以外の皮を剥がし、これまた専用のビニールキャップを貼り付ける。規定のサイ
ズに合わなければ餡子を加えたり削ったりといった作業が必要となる。
もちろん加工所ではここまで加工されたゆっくりも販売している。だが、ゆっくりなんて
何処ででも捕まえられるのだし、是非自分の手で挑戦するのを勧めたいところだ。皮を剥
かれるゆっくりの悲鳴というものはなかなか聞けるものではない。
上手くビニールキャップを貼り付け、水槽の中に設置すればひとまず完成だ。
苦労して出来上がった中身の透けて見えるゆっくり。これだけでも、見た目にはなかなか
楽しい。透けて見えるゆっくりの中身というのは、どこかくず餅をおもわせる涼感がある。
だが、本番はこれからだ。

「ゆぐぅぅぅぅ……ゆぐぐぅぅぅぅ……」

ゆっくりが痛みに苦しんでいるうちか、あるいは痛がり疲れて眠ったとき。
その時を見計らい、アリを放つ。基本的にアリの種類はなんでもいい。

「ゆぅぅ……おかおがちくちくするよ……?」

専用の溶液で透明になった餡子には、アリを惹き付ける効果がある。アリは通常、残され
た顔の表面を掘り進みゆっくりの体内に進んでいく。
そして、アリの巣作りが始まるのだ。


「ゆぴ、ゆぴ、ゆぷぷぷぅ」

アリが掘り進むたび。あるいはアリが巣の中を移動するたび。ゆっくりは奇妙な声を上げ
て苦しむ。
全身をアリがはいずり回るのを想像すれば、誰もがぞっとするだろう。
なら、体内を動き回られるというのはどんなおぞましさがあるのか。体内を少しずつ喰わ
れ、掘り進められるとどんな苦痛があるのか。
殆どの人が想像すらつかないだろう。
そんな不思議を、ゆ虐アントクアリウムのゆっくりが教えてくれる。

「ゆぴ、ゆぷ、ゆぴっぱぺっぽぷぅ! ゆぽぴょぴょぴょぴょぴょぴょお! ゆっぽお!」

その場を動けないゆっくりは、極めて興味深い行動を見せてくれる。
泣き、叫び、笑い、唸り、諦めに満ちた無表情からちょっとあり得ない愉快な表情まで千
変万化。見ていて飽きないだろう。
だが、ゆ虐アントクアリウムの最大の楽しみはやはりアリの巣作りだ。
これが、実に楽しい。時に歪な直線を掘り、時に歪な曲線を描き、それらが立体的に交差
する様は見ていてなかなか飽きるものではない。その中で行われるアリの営みというのも
興味深いものだ。
アリは思うままに掘り進むのだが、不思議とゆっくりは死なない。
ゆっくりは一定以上の餡子失うか、中枢餡を傷つけられると「永遠にゆっくり」する。
アリがいくら巣を掘り進めたところでゆっくりが死ぬほどの餡子が失われることはない。
また、通常の苦しみと違うためか餡子を吐きだすこともない。そんな余裕すらないとも言
える。
不思議とアリは中枢餡を傷つけることはない。本能的に避けるのか、あるいは中枢餡には
アリが好まない成分が含まれるのか、その結論は未だ出ていない。
ともかく、アリの巣作りによってゆっくりは死ぬことがない。ゆっくりは生きている限り
己の腐敗を押さえる不思議能力がある。よって、腐敗により死ぬこともない。
だが、それでも栄養を供給しなければ、やがては消耗して死ぬことになる。
栄養補給はオレンジジュースを霧吹きで吹きかければ十分だ。
だが、あえて普通のお菓子をあげることをお勧めしよう。

「ゆっ……! あまあまぁ……!」

ゆ虐アントクアリウムのれいむの前に置いたのは、クリームたっぷりのイチゴのショート
ケーキだ。
あまあまの魅力に苦痛を忘れたのか、れいむは必死に舌を伸ばす。だが、あんよはとっく
に動けなくなっており、ケーキを置いた場所も舌がギリギリ届かない場所だ。そもそも舌
だって満足に動かせる状態ではない。
れいむは涙を流して目の前のあまあまを見るだけだ。
だが、そこに救いの主が現れる。

「あ、ありざん……!?」

ケーキの存在に気づき、れいむの体内からアリが群がってくるのである。
アリは次々とケーキに取りつくと、勤勉に巣の中、すなわちゆっくりの中へと運んでいく。
目の前でドンドン小さくなっていくケーキ。食いしん坊のゆっくりなら、ケーキを運ぶア
リを見過ごすハズなど無いだろう。
だが、れいむにそんな余裕は与えられない。

「ゆぴぴぷぷぺぺぺぺぽおおうっ! ゆぽおっ!」

ケーキを運ぶ作業をするため、アリが頻繁に行き来する。それはれいむに想像を絶するお
ぞましい苦痛を与えるのだ。ケーキを惜しむ余裕もアリを舌で捕食する余裕もれいむには
無くなってしまう。
だが、ここで注目すべきはアリの行動だ。

「むむむむ……むーしゃ……むーしゃ……し、しししあわせぇ……?」

これは本当に不思議なことなのだが、アリは運び込んだケーキをゆっくりののどの奥にあ
る消化器官にどんどん入れるのだ。
こうすることにより、ゆっくりはケーキを餡子に変換して体力を回復させる。即ち、アリ
にとっては巣の補強になるわけだ。
そもそもアリにとって、食料で満ちた巣の中からあえて外のケーキを取りに来る必要はな
い。だが、「ゆっくりを生かして巣を維持する」という意味では極めて合理的な行動なの
だ。
アリはキノコを栽培したりアブラムシを牧畜する性質がある。ゆっくりが登場してまだ数
年と言ったところだが、中枢餡を傷つけないことといい、アリは早くもこの不思議ナマモ
ノとの共生方法を学んだらしい。


「ゆぴ! ゆぷ! ゆぱぷぷぱああ! ありざん、れいむのなががらゆっぐじじないでざ
っざどででっでねぇぇぇぇ! ゆぺぷぱぷうううううう!」


ゆ虐アントクアリウムの制作キットと、ゆ虐アントクアリウム加工済みゆっくり。これら
は、ひさしぶりのヒット商品として世をにぎわした。






「……で、買ったはいいけど放置しちまったわけか」
「いや、面目ない」

友人に呼ばれ、俺はゆ虐アントクアリウムを――いや、かつてそうだったモノ、と言うべ
きか――を掃除するはめになった。
ブームに惹かれて購入、そして放置。いつもの友人の行動パターンだ。
しかし良くないのは、今回は仮にも「ナマモノ」だったということだ。
水槽の中のゆっくりは、すっかり腐敗していた。中のアリもとっくに全滅だろう。
この有様を見て、友人は自分で片づけるのが嫌になってしまったらしい。まったくもって
情けない話だ。

「まあ、俺はバイト代さえもらえりゃ文句はないけどな……」

ビニール手袋を嵌め、おそるおそるゆっくり触れる。触れた途端に崩れた。そうとうに劣
化している。ビニールキャップで固定されていなかったらとっくに昔に崩れ去っていたこ
とだろう。
嫌な匂いもするし、ムシでも湧いていそうだ。
そんな時。

「ひっ!?」
「ど、どうした?」
「いや、なんか動いてんのが手に触れた。蛆でも湧いたのかもなぁ……」
「うええ……早く片づけてくれよぉ……」
「はいはい……」

正直嫌になってきたが、これも金のため。意を決して、再びゆっくりのなれの果てへと手
を伸ばす。
ボロリと崩れた腐った餡子。その中から、そいつは転がり出てきた。

「なあ……ひとつ訊いていいか……?」
「な、なんだよぉ? 早く片づけてくれよ」

友人はこちらから目を逸らしている。ああ、そうだろう、それが賢明だ。
こんなもの見るべきじゃない。

「お前……このゆ虐アントクアリウムに、最後に何を食べさせた……?」
「え……ああ、れいぱーありすだよ。近所の飼いゆっくり襲おうとしてたから、ボコボコ
にしてそのままちょうどいいから餌に……って、なんでそんなこと聞くんだよ?」

そうか。
なんとなく、理解した。
確かゆっくりの体内構造は単純で、消化器官の近くに生殖器官もある。アリはれいぱーあ
りすを解体し、精子カスタードも運び込んだのだろう。その際、消化器官に処理されず生
殖器にかかった精子カスタードもあったのかも知れない。
可能性だけなら、あり得る。
だが……起こり得るのか、こんなことが?

「ゆっくちしちぇいっちぇね!」

そいつは、腐った餡子の中で誕生の喜びの声を上げた。

「バカ、こっち見るな!」

友人はその声につられ、見てしまう。
水槽の中、新たに生まれたナマモノを見てしまう。

だから、友人は、当然の結果として……絶叫した。

ああ、そうだろうさ。俺だってまともでいられるのが不思議なくらいだ。
いや、もうとっくにどこかがどうにかなってしまっているのかもしれない。
だって、おかしい。変なのだ。ゆっくりが生まれるにしても、これはない。あり得ない。
なぜ。どうして。
多分、ありす種なのだろう。
金髪がある。カチューシャもある
そのスキマから。見える。黒々と蠢いている。白いハズの肌なんて全然見えない。
こいつは、どうして、こんなにも黒く、ビッシリと。
まるでゴマダンゴみたいに、スキマなくビッシリと。
しかも、全部動いていて、つまり生きていると言うことで、蠢いていて……!
なんで、どうして。いっしょに生まれた? こんな、バカな、あり得ない……!
アリが、アリが、アリが……!
こんなにも、アリがっ……!



by触発あき

挿絵 by嘆きあき

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感想

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  • 見ててゾッとした…俺集合体恐怖症… -- 2023-02-15 16:14:11
  • 新種の開発に成功しただと -- 2016-06-12 09:36:13
  • この友人って102、104の友人娘?
    かわいい -- 2014-03-04 22:10:49
  • ここまでやっておいて、処分を友人に任せるヘタレっぷりが凄いな、友人の子ゆっくりを見た時の冷静さも凄いが -- 2012-12-13 19:43:21
  • あり巣



    wwwwwwwwwwwwwww -- 2012-10-31 23:17:54
  • おもにがらだがぎもいいいいいいいい!! -- 2012-03-28 12:01:37
  • ありす→あり、す→蟻、巣。蟻巣のありす。ありすで蟻巣で…えれえれ… -- 2012-02-21 13:31:13
  • おもにアリスがきもいw -- 2011-09-25 04:03:31
  • じゃないかなぁ。多分アリの塊の体を持つありすって事なんじゃない?
    しかしまたきっつい虐待方法を考えたもんだなぁw -- 2010-09-12 04:50:40
  • 体の殆どが蟻でできているゆっくりが生まれたってこと? -- 2010-09-10 23:14:07
  • 人間の死体みたいじゃなか・・・ -- 2010-08-25 18:52:45
  • 最後のやつ、もしこれ存在したら、虫嫌いの友人に見せた瞬間卒倒しそうw
    まぁ、俺なら、きもいwって言って諸共に潰すけどな! -- 2010-07-26 02:24:53
  • 最後どうなったのかわかりにくいです。
    それ以外はきも面白かったw -- 2010-07-26 00:42:40
  • 絵がおもにきもい -- 2010-06-25 12:32:30
  • きもい -- 2010-06-19 02:46:01
最終更新:2009年10月18日 14:18
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