ゆっくりぷくーしていってね! 8KB
※スレの以下のレスに触発されて書きました
>キリライターの電子レンジれいむのように
>「もうぷくーしちゃくにゃいのにぃぃ!」
>みたいなネタ増えないかな?
※独自設定垂れ流し
「れーみゅもうおこっちゃよ! ぷきゅううう!」
俺の目の前で、まだ幼いゆっくりれいむが頬に空気を吸い込み膨らんだ。
ゆっくり特有の威嚇動作、「ぷくー」だ。
野生生物で身体を大きく見せるという威嚇は珍しくない。エリマキトカゲのエリなどが代
表的だ。青虫の表皮に描かれた、目玉に見える模様などもそうだろう。
それ自体は別にいい。ゆっくりの生態だ、仕方ない。
人間である俺に通用すると勘違いしているのも別に構わない。ゆっくりの愚かさだ、仕方
ない。
だが、俺は。
「ふざけるなああああっ!」
「ゆびゃあっ!?」
「ぷくー」する赤れいむにデコピンを見舞った。
赤れいむを許せなかった。別にゆっくりの威嚇ごときにむかついたわけではない。
「ぷくー」が限界にはほど遠かったからだ。まったくもって普通の威嚇だったからだ。
この赤れいむはもっと怒らねばいけないはずなのだ。
何しろこの赤れいむはたった今、目の前で親れいむを踏みつぶされたのだから。
ゆっくりぷくーしていってね!
よく聞く、ゆっくりのおうち宣言。
間抜けな話だと思っていた。戸締まりをしていればゆっくりの侵入を許すはずはない。お
うち宣言されるなんてよっぽど警戒心の薄いやつか、あるいはおうち宣言なんて本当はな
くて、都市伝説みたいなものなんじゃないかとすら考えていた。
だがもう、俺は笑えなくなってしまった。
縁側でひなたぼっこしていたところに、鳴り出した電話。かかってきたのは旧友で、つい
つい小一時間ほど話し込んでしまった。
その隙に開けっぱなしになっていた縁側の戸からゆっくりが侵入、おうち宣言をされてし
まったというわけだ。
ちょっと電話した隙に都合良く現れるとは、こいつら人間の隙をつく能力でもあるのだろ
うか。あるいは、類は友を呼ぶのことわざのように、隙だらけのゆっくりは自然と隙のあ
る場所に寄って来るのかも知れない。
とにかく、赤ゆっくり一匹を連れてきた親れいむは、「しんぐるまざー」の不幸と赤れい
むのかわいさを主張し、俺の家の占拠宣言、あまあま要求へと移った。
まったくもってテンプレ通り。実に見事な様式美。
だから俺もその流れにのって虐待でもしようかと思ったのだが、親れいむの口上があまり
にもうざく、ついカッとなって踏みつぶしてしまった。
思った以上にゆっくりは脆く、簡単に「永遠にゆっくり」してしまった。
いらだちは収まらず、さて赤れいむに何をしようかというところで気の抜けた「ぷくー」
をされたのだ。
許せなくなるのも当然というものだろう。
「いぢゃぃぃ! どぼじでかわいいれーみゅにこんにゃことしゅりゅにょぉぉぉ!?」
「しょぼい『ぷくー』だからだ」
「ぷ、ぷくーっ!」
またしても赤れいむは身体を膨らます。
確かにさっきより一回り大きくはなった。もみあげもわさわさと広げて揺らし、怒りを全
力で表現している。
先ほどより気合いも伺える。
だが、
「全然ダメだっ!」
「ぷぎゃあああ!?」
再び赤れいむにデコピンを見舞う。赤れいむは丸まっていたことに加え、口から空気を吹
き出して勢いに乗り、実によく転がりタンスにぶつかってようやく止まった。
「ゆんやああああ! いぢゃいよぉぉぉ!! どぼぢでごんなひどいごどずるのぉ!?」
「どうしてだと!? 決まっている、お前に足りないからだ!」
ダン、と赤れいむのすぐ隣に足を踏み下ろす。
その音と衝撃に赤れいむは黙り、泣きやんだ。
「足りない足りない! 全然、足りない! 目の前で親が殺されたんだぞ!? そんな理
不尽な状況で、その程度の『ぷくー』があるかっ!? 愛も怒りも憎しみも、悲しみさえ
も全然足りないっ!」
赤れいむは涙をボロボロこぼし、だらしなくしーしーを漏らし始めた。
いかん、怖がらせすぎたようだ。これでは「ぷくー」もままならないだろう。
「……仕方ない。手本を見せてやる」
俺は風船を用意した。マジックで目と鼻を適当に書き込み、親れいむの亡骸からリボンを
拾い上げ、テープでこれまた適当にくっつける。
そんな俺の工作を赤れいむは呆然と眺めていた。
「さあ、できた」
赤れいむの前に風船を置いてやる。
「ゆ、ゆうう……?」
赤れいむは不思議そうに風船を見ている。
腹這いになり、赤れいむに目線の高さを合わせる。
そして、
「ゆくぞ! これが『真ぷくー』だっ!」
一気に風船へと空気を送り込む。
ぺっちゃんこだった風船はあっという間に丸々と膨らんだ。
「ゆ、ゆううっ!?」
一息で赤れいむの大きさを越えた。何度か頑張るとバスケットボール大の大きさになった。
「お、おきゃーしゃん!?」
赤れいむの瞳が輝いた。
「おきゃーしゃん、ちゅぶれちゃったとおもっちゃけど、げんきになっちぇよかっちゃね!」
ゆっくりは飾りで個体認識するという。だが、リボンとラクガキの目や口だけで認識する
というのはどうだろう。
まあいい。
「ぷくうううううう!」
叫びながら空気を吹き込む。
さらに一回り大きくなる。
「ゆううっ!? おきゃーしゃん、どーちてぷきゅうしゅりゅのぉぉぉ!?」
息を吹き込む。風船は更に膨らむ。
「ご、ごめんなしゃいぃぃぃ! もうわがままいったりちないきゃらゆるしちぇええ!!」
息を吹き込む。風船は更に膨らむ。
「ねぼけておかーさんのかみのけむーしゃむしゃしてごめんなしゃいぃぃl!」
息を吹き込む。風船は更に膨らむ。
「おきゃーしゃんのあたまのうえではこんでもらったとき、うれしーしーしちゃってごめ
んにゃしゃいい! きぢゅかれてないとおもってまちたあああ!」
息を吹き込む。風船は更に膨らむ。
「ゆああああん! おきょらにゃいでぇぇぇ! れーみゅ、もうおかーしゃんがおひるね
しちぇるときに、おくちのなきゃにうんうんしちゃりしないきゃらあああ!」
こいつとんでもないことやってるな……そう思ったときだった。
軽快な炸裂音が響いた。
ついに風船は膨張の限界を超え、破裂して飛び散った。
「ゆびゃああああああっ!?」
赤れいむは飛び上がって驚いた。しーしーも凄い勢いで漏らしている。むしろしーしーの
勢いで飛び上がったように見えるほどだった。
「はあ、はあ、はあ……どうだ、これが『真ぷくー』だ。お前もこれくらいの『ぷくー』
をだな……」
荒い息を整えながら講釈してやっていると、赤れいむどうやら聞いてないらしいことに気
がついた。
横倒しになり、全身を振るわせて白目を向いている。先ほど大量に漏らしていたから、し
ーしーまみれになっていて実に汚い。まったくもって人の話を聞く態度とは言えなかった。
「まあ、ゆっくりには言葉で教えるより実技指導だよな……」
もうひとつ風船を用意すると、赤れいむの口の奥まで押し込んだ。
目を覚まし、えづきそうになるところへ、
「ぷくーっ!」
息を吹き込んだ。
「ゆ、ゆうううううっ!?」
赤れいむは吐き出そうとしているようだが、所詮赤れいむの小さな身体。一息で既に口い
っぱいに大きくなった風船は、もう吐き出すのは不可能だ。
風船に内側から押され、赤れいむの大きさは既に先ほどの自力での「ぷくー」より大きく
なっている。
風船の口を指で押さえて空気の流出を防ぎ、口を離す。
「どうだ? これぐらい『ぷくー』しないとな」
「やぢゃああああ! いぢゃいよぉぉぉ!」
口の中に風船が詰まっているのだ。声など出せないと思ったが、赤れいむは叫んだ。やや
くぐもってはいるものの、内容を聞き取れる程度にはクリアな音声。まるで風船がスピー
カーになっているみたいだった。ゆっくりの発声器官ってどうなってるんだろう。
そして、ふと疑問が湧いた。
こいつ、どのくらい膨らんだら喋れなくなるだろうか。
ちょっと息を吹き込んでみる。
「やべちぇぇぇぇ! もうおくちいっぱいだよぉぉぉ!」
ばたばたとモミアゲをぴこぴこと上下に振り、苦しげに震える。
なんかまだ余裕がありそうだ。
更に吹き込んでみる。
「やぢゃ、やぢゃ、やぢゃああ! れーみゅ、もうぷきゅうしちゃくにゃいいいい!
更に吹き込むと、赤れいむはうんうんを漏らしだした。皮は限界まで拡がっているようだ
から、身体が餡子を減らして負担を減らそうと言うのだろう。
そんな適応ができるくらいならまだ大丈夫だな。
更に吹き込む。
「ぷきゅう、ぷきゅうう! ぷきゅうもうやぢゃああああ……ぷきゅらべっぽっ!?」
ぽん、と。間抜けな音を立てて、赤れいむの目玉が飛び出した。尾を引くように餡子も吹
き出る。
なかなか愉快な眺めだった。
「ぷぎゅう、ぷぎゅう、ぷぎゅうやぢゃあああ! もうぢだぐないぃぃ!」
かなり膨らんでいるというのに、まだまだ叫ぶ。死ぬまで喋り続けるんだろうか、こいつ。
それにしても随分と耐えるものだ。もう既に赤ゆっくりは本来の三倍近くの大きさに膨ら
んでいる。赤ゆっくりの肌はやわらかく柔軟性があると言うが、伸縮性も大したものだ。
「ぷっぎゅう! ぷっぎゅう! ぷぎゅげぇやべぢぇぇぇぇ!」
ふと。
赤ゆっくりの口の中の風船へ息を吹き込むこの状況。端から見たら赤ゆっくりとちゅっち
ゅしているように見えるんではないだろうか。
そんな間抜けなことを思いついたときだった。
「もっぢょゆっくぢ……ぷぎぇらぶばあああああああ!?」
そして、遂に。
赤れいむは破裂した。
風船の方はまだまだ余裕があったが、赤れいむの皮の方は限界を超えてしまったようだ。
赤れいむは飛び散った。それはもう豪快に。
お飾りもモミアゲもリボンも、どこがどこだかわからないくらいバラバラに飛び散った。
床に落ちた破片も親れいむの亡骸と混ざって区別がつかない。
「すっきりー……」
余韻に浸る。溜めたモノが弾けるというのは生理的に気持ちがいいものだ。
それがゆっくりを永遠にゆっくりするのならなおさらというものだ。
晴れやかな気分で伸びをし、
「さーて、どうしよう……」
沈んだ気分で餡子に汚しつくされた部屋を見回した。
床はもとより、壁にも家具にも餡子がこびりついている。
これを掃除するのは大変そうだ。
ゆっくりの侵入など許さないよう、縁側でひなたぼっこするときも網戸なりなんなり対策
をしよう。ゆっくりのおうち宣言は、実在する。できればもう二度と聞きたくないものだ。
でも、赤ゆっくりの強制ぷくーはなかなか楽しかった。次からは掃除が楽な風呂場ででも
やろう。
とりとめもなくそんなことを考えながら、俺は掃除に取りかかるのだった。
了
by触発あき
挿絵 by嘆きあき
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このSSへの感想
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- ぷっきゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!! -- 2016-11-02 19:10:27
- 「うーん、うんうんしちゃいよ!でもおちょいりぇしゃんまでいくのはみぇんぢょくしゃいよ……そうじゃ!みゃみゃのおくちしゅりぇばいいんじゃね!?」
こうじゃね? -- 2016-05-18 11:05:19
- さすがれいむ、存在がヤクルトスワローズと同等なだけはある。 -- 2016-02-29 01:09:33
- ティウンたww -- 2014-03-25 00:33:01
- ×んこ!? -- 2014-02-11 14:45:16
- 親の口にう☆こするとか...
親の口にう☆こするとか...
-- 2013-08-18 01:20:17
- 「ふざけるなあああああ!」でデスノートの夜神月を思い浮かべたのは、オレだけ? -- 2013-08-12 01:36:43
- この子ゆかなり性格悪いな
-- 2012-12-13 20:17:49
- 母口内泥便 -- 2012-10-31 23:26:09
- この赤ゆお母さん嫌いなのか -- 2012-08-17 17:44:04
- 口の中うんうんが故意だとしたらとんでもないゲスだなw
人間で例えると・・・おえ -- 2011-12-27 01:51:56
- この赤ゆある意味すごいわw -- 2011-12-26 20:02:01
- 母口中便 -- 2011-12-06 20:00:17
- 口の中うんうんは ゲスの証拠なのかただのアホなのかなんなのかwww -- 2011-09-15 01:25:45
- 親の口にうんうんで噴いた -- 2011-03-22 10:18:20
- 松岡修造で脳内再生余裕でした -- 2010-09-24 06:24:25
- 赤ゆに「ぷくーをもうしたくない」と言わせたのは凄い事なんじゃね? -- 2010-09-12 04:54:34
- お兄さんが楽しそうでなによりw -- 2010-08-12 19:32:54
- ディグダグ -- 2010-07-20 08:44:16
- ぷくーーーーーーーーーーーー!!!……グチャッ -- 2010-07-16 21:03:20
最終更新:2010年01月23日 06:12