れいむとおねえさん 27KB
虐待-普通 理不尽 都会 現代 anko871修正 ゆっくりとしたお食事のお話。変わり種
・ほぼ一人対一匹で構成されています
・回想分多目
・言い回しがHENTAI臭いかもしれません
・改行多い希ガス
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土曜日、朝9時。
休日にしてはやけに早い時間に外出した家の主が、胸元に大きな箱を抱えながら帰宅した。
幸せそうな顔をして家の扉を開けた主の、その胸に抱えられている箱は持ち主の細身に似合わず、
バースデーケーキを一回り大きくした程度のサイズを誇っている。
そして家の主は扉から中に入り、鍵を閉めて小さな部屋へと移動する。
日陰に当たるその部屋は薄暗く、どこか鬱屈とした空気を抱えている様にも感じられた。
部屋着なのか、黒のスウェットに着替えた家の主はそっと、
緑のごく薄いカーペットが敷かれた部屋の中央に箱を置く。
ごそり、と入れ違いになっているボール箱の蓋を開くと、そこには
一匹のゆっくりれいむが入っていた。
真っ暗な視界が解かれた、亜成体サイズの赤いリボンを纏ったゆっくりは、
薄暗い部屋にも関わらず眩しそうな顔をして周囲を見渡し、
目の前に人物を見つけるとお決まりの挨拶をした。
「──ゆ。 おねえさん、ゆっくりしていってね!!!」
「ふふ、ゆっくりしていってね」
れいむにお姉さんと呼ばれた人物は、セミロングの柔らかな黒髪を揺らしながら
ゆっくりれいむの挨拶に実に優しげな笑顔で返答をした。
「…おねえさんはゆっくりできるひと?」
女性は、見上げて質問をしたれいむの目線に合わせる様に屈んで
その顔をれいむの前に出し、腕を組んでその上に頭を置いた。
「ねえ、あなたにはどう見える?」
「…ゆゆっ、とってもゆっくりしてる!」
「ふふ、そう言って貰えて嬉しいわ」
そっと視線を元に戻すと、お姉さんは組んだ腕を解いてれいむの頭を優しく包む様に撫でる。
頭を撫でられるれいむは、本当に本当に嬉しそうな表情で目の前のお姉さんに撫でられるがままに体を任せた。
「れいむ、ずっとおねえさんといっしょにゆっくりできる?」
とても明るい笑顔で、ゆっくりれいむはお姉さんに尋ねる。
「ええ、ずっと一緒よ」
とても優しげな表情で女性はれいむの問いに答える。
れいむは、とても嬉しそうに女性の手にすりすりと頬を寄せた。
女性はそれを見るとにこやかな笑顔を浮かべてれいむを撫でる手をそっと右かられいむの体に回し、
左の手をその反対側に添えると優しく、それは優しくれいむを抱き上げた。
「ゆっ、おそらをとんでるみたい」
「幸せ?」
「うん、れいむしあわせ! とってもしあわせだよ!」
女性は抱き上げたれいむを頬に寄せ、幸せそうな表情のれいむにむにむにと
頬を寄せ、精一杯頬ずりをした。
「ゆゆっ、おねえさん、くすぐったいよー。
すーり、すーり…おねえさんのほっぺ、すっごくすべすべだね!
おかーさんみたい! …ゆ、おかーさん…
…れいむね、おかーさんのことわからないんだよ…」
女性の頬ずりを受けてくすぐったそうに身をよじったれいむだったが、ふと寂しそうな表情を浮かべる。
「れいむね、ひとりぼっちだったんだよ。 おねーちゃんも、おかーさんもいなかった。
たくさんたくさんひとりぼっちだったけど、だれもいなかったの。
たくさんたくさんさがしたけど、れいむひとりぼっち。
でもね、でもね! おねーさんがいるからさみしくないよ!
もうれいむ、ひとりぼっちじゃないの! ゆっくりできるの、ゆっくり!」
暗い表情で話すが、途中から興奮気味になってれいむは涙を浮かべた。
「そう…ずっと独りだったのね。 寂しかったでしょう。
これからはずっと一緒ね、れいむ」
「…しあわせー!」
ぎゅむ、とれいむを抱きしめるお姉さん。
れいむは、ぼろぼろと涙を流して喜んでいた。
お姉さんは、その顔を見つめる様に目の前にれいむの顔を持ってくる。
「あのね、あなたに会う為に、私ひとつのことをしているの」
…それはね、れいむ」
目を閉じると、その唇をそっとれいむのおくちに寄せるお姉さん。
「…ゆ、ゆゆっ? おねえさん、れいむ…れいむ、まだふぁーすとちゅっちゅ…っ」
女性の吐息がかかるほどに近づくと、れいむは赤面してぎゅっと目を閉じる。
おねえさん、もしかしてれいむのためにふぁーすとちゅっちゅとっておいたのかな。
おねえさんだったられいむ、ふぁーすとちゅっちゅをしてもいいな
そんなことを考えながら。
それは、音もなく。
れいむは、たっぷり5秒近くをかけて、何があったのかを理解しようとした。
できなかった。
その代わりに、
痛かった。
とても痛かった。
おくちが。
うえのおくちさんが。
とても、とても。
「ひぃ………ひぃだぃ?! ぃだぃ…い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!!!!
おね、ざん………? ひぇいむ、いだいよ?!!ど、じで…どう"じで!!!」
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ただ、少し。
ほんの少し、他の人と違うだけ。
モノを食むのが好きだった。
子供の頃、よく犬の耳を軽く食んでは汚いと怒られた。
解剖の授業が好きだった。
鼠の解剖の際、他の女子が皆顔を逸らす中で、
彼女だけは、抑えようのない高まりを覚えていた。
観察が好きだった。
一日中蟻の行列を眺めていることも、それを邪魔することも楽しかった。
最初にゆっくりを見た時は、奇妙なモノだと思った。
人間の顔にそっくりで、人間の言葉を喋る。
次にゆっくりを知った時、今までにない好奇心を覚えた。
総て食べられる素材。それでいて、野生に生きることもできる。
彼女が普通に生きる中で秘めていた何かが、覚醒したのを感じた。
──────────────────────────────────
目の前のれいむが、目を丸くして、驚愕の表情を浮かべて。
ゆっくりと、己の失った部分と、私の顔を交互に見詰めた。
上唇の一部と共に、ごっそりと失った、
右上の歯の並んでいた場所を。
齧った、餡子と飴の混じったモノを がりごり と音を立てて噛む。
まるで甘みのない餡子は、どう頑張ってもお世辞の言葉を言えない程に味気が無かった。
"幸せ"な状態のゆっくりは、甘くない。
ふと思い出した言葉を反芻しながら、白くて硬めの飴を舐め、噛み砕く。
ほんのりとした甘みは、飴としては少々さっぱりしている物だろう。
「…どうして? どうしてなのかしらね。 …ごめんなさい、わからないわ。
でも、大丈夫。あなたはずっと私と一緒に居られるから。
私の中で、私の身体と混じり合って」
れいむは、痛いのだろう。
その底部、"あんよ"と呼ばれる部分をぐねぐねとひっきりなしに蠢かせながらしかし、
目線を私に合わせながら、数秒間、涙を出さなかった。
「や"っ、や"っ…や"だよ"ぉ"…ひぇいむば、ゆ"っ ぐり、じだい"よ"
おで、ざんど、い"っじょに" い"、っじょに」
「なりましょう? 一緒に。 私と」
「ぢがう、ぢがうよぉぉぉ! ぢがう! ひぇいむば、 ゆ"っぐぢ、おでえざんど!
い"っじょに"、い"ぎだいよ"ぉ"!!!」
「ごめんなさいね、れいむ。 私はあなたを吸収して生きるから。
あなたに会う為に、昨日のお昼から何も食べないで我慢しているの
残すことなく、あなたは私と一緒になれるから」
「いやだぁぁぁ!!! おがあざんんんん!!! おでえぢゃんんん!!!」
とうとう、大粒の涙を流して大声で泣きだすれいむ。
その体を掴む手の指に力を入れ、そのもちもちの饅頭肌に突き立てていく。
ぷつりと、鷲掴みにする様に立てた指が肌色の中へと吸い込まれる。
「や"だぁ"ぁ"ぁ"!!! ひぇい"ヴ、ひぇいぶは! ごれ"がら"! ゆっぐりいぎdぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
ずるり。
二度目のキス。
大きく舌を出しながら泣くれいむの、その舌を包む様に口に入れていく。
そして、ギリギリまで引っ張ると歯を立てる。
千切らない様に、しかし舌を引き戻せない様に。
れいむの眼を上目に見ると、元々大きい瞳を更に溢れんばかりに大きく見開き、ぶるぶると震えている。
これから何をするかがわかっているのだろう。
これから、自分がどうなるかがわかったのだろう。
瞳は絶望に凍りついて、先程までのれいむと同一ゆっくりだとは思えない程に苦痛に歪みきっている。
これが、ゆっくり。
友人に見せて貰った同じ種類のゆっくり。
あれとは違う。
私の、私だけの。私の為だけにこのゆっくりは居る。
この瞬間の為に。
これから、私に食べられる為だけに。
背筋を、ぞっと冷たい何かが走った。
初めての感覚。
どんな快感とも違う、熱くて冷たい感情。
絶望に凍りついたれいむの瞳には、口を三日月形に歪ませた、得体の知れない表情をした何かが映っていた。
ぶちり。
「──~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!
~っ!!! ~~~~~ッッッ!!!」
瞳が、一層大きく見開かれた。
思い切り、上下の歯を降ろしたのだ。
れいむの舌が、本来の持ち主から私の口へ移った。
まるで、柔らかなガムを噛みちぎった様な感覚だった。
髪の毛に餡子が付くことも厭わず、餡子が噴き出す口を閉じた唇ごと、顔の下方を使って封じ込む。
喉の奥まで詰まった舌。器用に奥の方のみを千切り飲み干すと、ざらざらとした感触の袋の中に
甘い甘い、とても甘い餡子が詰まっている。
ぶつ、ぶつり。
舌という大きな餡子袋を噛む度にれいむの瞳が見開かれ、そして砂糖水が私の頬を伝って落ちてゆく。
ざらりとした皮の感触、そして甘い餡子の味を舌に刻みつけながらひとくちひとくちそれを飲んでゆく。
そしてその総てを喉の奥に流すと、顔をれいむから離して口を開けて見せつける様に舌を出す。
れいむは、舌を失いただただ餡子の海と化した口を大きく開いて泣いていた。
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「ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ!!!」
れいむが生まれたのは、薄暗いところだった。
うとうととした幸せな眠りから覚め、何度も何度も眠りの中で練習した挨拶を、
大きな声で最大限の幸せを込めて言ったのだ。
きっと嬉しそうな顔をした、おかあさんとおとうさんに聴いてもらうために。
誰の返事も返ってこない。
ずーっところころ転がって自分が落ちた場所も、何の変哲もない床だった。
周りを見渡しても誰もいない。
一番先っぽに居たれいむと同じ茎に居たおねえちゃんも、
にっこり笑って挨拶してくれるおとうさんも、
愛しい娘を生み落し、泣いて喜んでくれているおかあさんも。
れいむは精一杯泣いた。
泣いても誰も来なかった。
泣き疲れて、お腹が空いたことに気が付いた。
幸い部屋の中は温かく動きやすいため、ぴょこぴょこ跳ねてご飯を探すと、
すぐに柔らかくすり潰された何かを見つけた。
緑色をしたそれは甘苦く、美味しかったが同時に寂しい気持ちを誘った。
誰もいない。美味しいのに、幸せじゃない。
「むーちゃ、むーちゃ…おきゃーしゃん…おちょーしゃん…」
れいむはぼろぼろ泣いて、いつの間にか眠っていた。
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れいむは、ずっと同じ場所にいた。
誰も話しかけてくれるものはなく、話をする相手もなく。
やることと言えば、部屋にあるチューブから水を飲むかぼーっとしているか、
お腹が減る時間に定期的に落ちてくる黒いあまあまを食べるかだった。
そんな毎日の中で、れいむはふと画期的なことを思いついた。
「れーみゅにおとーしゃんとおきゃーしゃんがいにゃいにょはれーみゅがおちびちゃんだきゃら
きゃもしれにゃいよっ!!! ゆっきゅりれーみゅはおとにゃのゆっくちににゃるよ!!!」
れいむは知らないだろう。
れいむが毎日食べているあまあまはゆっくりの知恵の塊だと。
れいむが、大人と子供の違いを知ることができたのは、ゆっくりの知識を喰っているからだと。
その中に、生殖能力が衰えた自分の父親だったものが入っていたということも。
「ゆっくちちていってね!」
「ゆっくし!ゆっくち、ゆっくてぃ、ゆっく…」
「ゆっくり! ゆわぁぁぁい!!! ゆっくり! ゆっくりちていってね!!! …ゆ?」
「ゆっくりちていってね、…ゆっくりしていってね!
ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってねぇぇぇ!!!」
答えるモノがいないにも関わらず、れいむは練習を続けた。
いつか誰かが気づいてくれるかもしれないと。
きっと、誰かと一緒にゆっくりできるかもしれないと。
れいむが「ゆっくりしていってね」と言えるようになってからたくさんの時間が経ったあと、
れいむのご飯がいつもと違うものになった。
しっとりしていて真っ黒だったいつものご飯ではなく、つぶつぶで丸いものだった。
いつもよりも甘くて、酸っぱくて、とてもおいしかった。
「むーしゃ、むーしゃ、ししし…しあわせーーーー!!!!!」
目が覚めると、れいむは凄く狭い所に居た。上の方を見ると小さな穴から光が見えた。
今までの環境と比べて、圧倒的にうるさい環境だった。
色々な声が、音が、曲が聞こえてくる。
世界を知らないれいむにとって、小さな箱への不安感よりも広がる世界への期待感の方が遥かに大きかった。
小さな穴から箱に詰め込まれる緑の葉っぱは、最初に食べたあのペーストを思い出させたが
甘み、そして瑞々しさがあってとても美味しかった。
その日から数日後、れいむはまた落ちてきた真っ白さんを食べた。
眼が覚めると、がたがたと揺れる箱の中だった。
そして、一緒にゆっくりしてくれる人と出会った。
れいむの努力が実り、夢が叶ったのだ。
そう思っていた。
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れいむは泣いていた。
何が何だか、わからなかった。
ただ、お姉さんがれいむを食べようとしているということはわかったのだ。
広々とした草原を跳ねて、美味しいご飯を食べて。
綺麗な花を見て、滑り台さんで遊んで。
たくさんたくさんお話をして、時々たっぷり怒られて。
…れいむは、生きてお姉さんと一緒にゆっくりしたいのに。
そう訴える為の舌は、もうない。
「せめて、痛くない様にしてほしい」
そう伝える為の言葉さえ、もうれいむの口から二度と出ることはないと嫌でも気が付いた。
もう、喉の奥からは餡子と唸るような音しか出ない。
喉の奥の方の舌の付け根だった場所から溢れる餡子は、
れいむが頑張って手に入れた大人の声が溢れて消えていく様で、体の痛みに狂う思考の中で
更に、強い精神的な痛みを与えていった。
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大きく口を開け、餡子をぽろぽろと流しながら泣くれいむ。
そっと、再度顔を近づけていくと、流石にそれが危険信号だと覚えたのだろう。
ぐりゅんぐりゅんと指の刺さったあんよが大きくうねる。
ふう、と小さく溜息を吐くと、お姉さんはその両脇にてれいむを抱えている腕を捻り、
れいむの肌に突き刺した指を捩ってれいむの暴れるあんよが顔と向き合う様に傾けた。
そのまま、カーペットにれいむを背を下にして置くと両手の指をれいむの肌から抜く。
ぶちゅり、と音をたててれいむから指が離れる。
べっとりと顔に付けた餡子を拭うこともなく、ぺろりと指を舐めると、
お姉さんはれいむが起き上がれない様に足でリボンの辺りを抑えると
あんよに手を当て、例えれば白玉を作る様にOKマークの形に丸める。
ぷっくりと、団子の形に膨れるれいむの底部。
その周囲が皺を作りながらぐにぐに動く中で動きを封じられたその部分を、
そのまま捻って千切り取った。
「~~~~~~~!!!! っ!!! ~!!!」
びくん、とれいむの全身が大きく痙攣する。
お姉さんも驚いて同時にびくり、と体を強張らせたが直ぐに戻ると、
「駄目じゃない、人を驚かせちゃ。 悪い子にはおしおきをしないといけないわ」
歪な笑顔で皮ごとれいむの口の中にあんよ団子をねじ込んで口を閉じた。
更に数回、れいむの底部が不器用な水玉模様になるまで千切ってはれいむの口に入れ、
千切っては入れを繰り返した。
「しっかり食べ物は噛まないと」
お姉さんは太腿でれいむの体全体と底部を抑え、
最後のあんよ団子と共に右手をれいむの口の中へと突っ込んだ。
「はい、もーぐ、もーぐ」
声に合わせて右手をれいむの口の中でぐるぐると動かしていく。
最早、口と言うには広い範囲、れいむの下半分をぐるぐるとかき回す。
れいむは眼を飛び出さん限りに見開き、充餡で真っ赤にしながら
びくびくと体を震わせている。
少々力加減が強い様で、お姉さんが腕を何度も回している内に
れいむの歯は総て抜けきって、体の餡子と混ざってしまっていた。
「もーぐ、もーぐ、はいおしまい」
ぐるぐると回していた腕を最後は強く押しつけ、
皮を破って髪へと腕を貫通させてから引き抜いた。
お姉さんが抑えていた為、出餡量は未だ致死量に達してはいないが、
体中の餡子をかき回されて己の歯とは言え異物を混入されたれいむは時折痙攣をする程度まで弱っていた。
しかし、お姉さんはその様子を気にすることさえなく、餡子塗れの脚を立て、
れいむの前で膝立ちになる様な格好で座りこむ。
体を締め付けていた脚から解放されても、れいむは微痙攣を続けるばかりで
大きな動きをして餡子を多く零す様なことは最早不可能な状態まで消耗している様子。
お姉さんは、それを見てふと思い出した様に零れ落ちた餡子をできるだけ
れいむの口に突っ込んでから、急いで部屋のドアからキッチンへと駆けていった。
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そんな隠れた嗜好とは裏腹に、彼女は普通の人生を歩んでいた。
普通の中学校に進学して、入った部活の陸上に打ち込んで。
高校ではお洒落を覚え、彼氏が出来た時期もあった。
今は専門学校へと進んで、色々な知識を身につけつつ、バイトをしながら一人で生活している。
そんなある日、ゆっくりが現れた。
日常の中に突然入り込んできた幻想の存在。
人語を喋り、動く饅頭。
無数の生物学者がそれに挑んで華々しく散って行った。
最初は腫れものの様な扱いを受けていたゆっくりだったが、その中身が暴かれて
圧倒的な繁殖力を見せつけると、あっという間に人間の暮らしに溶け込んでいった。
食品であるそれを利用したビジネスを行う団体。
それを反対する愛護団体。
ペットとして育てる人。
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様々な人が居るということを知ったのは、
ゆっくりが世に知れ渡ってからしばらく経った日のことだった。
人の頭に似ているというそれをなんとなく気味悪がって、私はそれに興味を持っていなかった。
そんな私にゆっくりを紹介してきたのは、大学のさほど仲の良い訳でもない普通の友人だった。
「…ゆっくり? それってあの生首みたいな奴だっけ」
「それそれ。 気持ち悪いって言う人も居るけど、結構可愛いんだ」
パック・ドル・バーガーというハンバーガーショップ、大学の近くにある、
学生に優しい値段がウリのファーストフード店。
その中で興奮気味にそう言った金髪の友人は、ゆっくりの簡単な説明が載っている本を鞄から取り出して
私に向かってぱらぱらとカラーのページを捲って見せた。
その本には、ゆっくりの種類の説明やペット・野生種の生態等が描かれていた。
その中でも、巣穴を掘って生活するゆっくりの姿が今でも印象に強く残っている。
その日、私は初めてゆっくりのことをもう少し知りたいと思った。
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急いで冷蔵庫へと向かうと、私はゆっくりを買う前に用意しておいたオレンジジュースのパックを
手に取って再度れいむの元へと向かった。
れいむの元へと戻ると、れいむは口を上にした体勢のまま、濁った眼を半開きにして震えていた。
その濁った瞳が動いて私の姿を捉えると、餡子が盛られた口を動かしてなにごとかを伝えようとしたが、
それが何だったのかは理解できない──しかし、その濁った眼が作る表情が、
それを心…と呼ぶべきなのかはわからないが、その底から伝えようとしていることを感じさせた。
私は、その必死な瞳に応えるため、れいむに近づいて持ってきた2リットル入りパックに入った
オレンジジュースを、まずはその穴だらけのあんよ全体に撒き、うっすらと膜が張るのを見届けると
餡子塗れの口の中へとパックの口を傾けていった。
れいむに舌があったなら、その甘みを感じて幸福感に包まれるのだろう。
だが、れいむには味を感じる舌はない。追い打ちをかける様に、
その舌があった部分の奥にはぽっかりとそれがあった証拠である穴が開いている。
オレンジジュースの酸味が、その大きな傷穴に染み込んで痛みとなる。
体力を回復する為の甘味は、痛みの緩和の前に追加の痛みを与えていった。
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私が、その世界を知るに至るまでにはそう時間はかからなかった。
最初は、ゆっくりの生態や飼い方といった一般的なものを。
オレンジジュースで回復し、その需要が一気に増えたということ。
その次は、それらの社会に与えた影響等を。
そして、ゆっくりを愛する人間を──その中のちょっとした会話の中から。
"あいつらの行動は信じられない。同じ人間などではなく、あれは地獄の鬼ではないか"
地獄の鬼、人間ではない。
そう呼ばれた者が、その理由が知りたかった。
どんな所業をすれば、どんな行動をすれば。
そんな風に、呼ばれるのだろうかと。
────────────
それは、張り手の様だった。
目覚まし時計の音の様だった。
あの本で、満面の笑みを浮かべていた赤リボンのゆっくりが。
金色のバッジを付けて、恥ずかしそうな表情を浮かべていた黒帽子のゆっくりが。
ぼろぼろになっていた。
大きな口を開いて泣いていた。
そんな大層なことではない。
その世界を知った後ならば、毎日見ていてもおかしくはない様なものだ。
その底部を真っ黒にして、上半身を伸ばして動こうとしている写真だった。
それは、私の瞳に焼きついた。
がん、と大きな音を鳴らして、私の中でその世界をもっと見たいという気持ちを
強く、強く湧き起こした。
…それが、たった1週間前。
2日の休日は、資料や動画を見ることで消えていった。
不眠不休。
ただただ、心の奥底から湧いたその感情を燃やしていた。
──その次の日、学校へと向かった私の顔はくまが酷くて見られたものではなかった、
と友人には言われてしまった。
その日の授業は、眠気に勝てずに総て睡眠時間として消化された。
その日、私は帰路の総合スーパーでゆっくりがどう売られているのかを見に行った。
ゆっくりの入手の手段としては、ペットとして購入するか食品として購入するかの
どちらかが最適な様子だった。…野生のゆっくりも居るには居るが、
都心にはまだあまり増えていないという所と、清潔感に欠けるという理由から避けることにした。
──ゆっくりの売り場は、食品売り場の隅の方に大きく取られていた。
袋売りの小さなゆっくり…子ゆっくり、赤ゆっくりと呼ばれるものだ。
それらは量に対して割高な上、今回の予定に当てるには小さすぎてすぐに終わってしまうだろう。
対して、大きなゆっくりは箱売りで売られていた。
"純粋養殖"
生まれてから今まで、ずっと大地や他の個体などに触れることなく育てられた。
徹底的に汚れを排除し、食用を主として消費されるためのゆっくり。
私は、最初に連れ帰るゆっくりをどう扱うかを心に決めていた。
それに叶うゆっくり。これならば、私の思う通りにできるだろう。
私は、そのハンドボールサイズよりも一回り小さい箱を見つめ、決意を強めた。
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れいむはかなり弱ったままではいるものの、体力は大きく回復した様子である。
体の震えはなくなり、口を閉じたまま──人間で例えるなら肩で息をするように、大きく顔を揺らしていた。
その瞳は濁ったままだが、確実に目の前のお姉さんを見つめ続けている。
まるで助けを乞う様に、そのままこの凶行を止めて欲しいと願う様に。
お姉さんは、先程と同じ様にれいむの前に座り込むと、れいむを抱き上げる。
目線は合わせずに、天井の方を向けたままで目を瞑る。
「~~~~~~、~~~~~"~"~"~"!!」
れいむは、お姉さんに抱き上げられると、怪我を治される前よりも遥かに大きく
ガクガクと震えて口をぱくぱくと開けたり閉じたりして唸り声を上げている。
嫌だ、嫌だ、止めてくれ、とでもいう様に。
れいむの頭に付けている赤のリボンがお姉さんの目線と重なった。
お姉さんはそこで手を止めると、目を開いた。
今度は、とめどなく涙をこぼしているれいむの瞳を上から見下ろす様に。
優しくも、氷よりも遥かに冷たい目線をたっぷりと焼き付ける。
れいむは、その瞳を大きく開ききった目で見つめる。
お姉さんの顔とれいむの顔が近付くと悪夢が起きる。
れいむの小さな小さな知識の中に、それだけは強く植え付けられていた。
れいむが、大きく口を開く。
三度目のキスは、その大きく見開かれた瞳に向かって。
その瞳に唇が触れる一瞬前に、間一髪でれいむは瞳をぎゅっと閉じることに成功した。
その唇が優しく瞳に触れてすぐに離れた。
皺を寄せて閉じられた目の周りに、ぺろぺろと舌を這わせる。
その皺を撫でる様に、時折伸ばす様に。
動物の親が子を舐める様な、優しい舌遣いで。
何度も、何度も。
そして、その瞼をこじ開けた。
例えそれが柔らかい舌とは言え、人間の力に饅頭の力が叶う筈もない。
れいむの、左を司る瞳が真っ暗になり、その白玉に歯が突き刺さった。
溢れる涙はまるでシロップの様。白玉を通してお姉さんの口に移り、ごくりと喉を鳴らす。
成す術もなくその瞳を蹂躙されるれいむの耳に、変な音が聞こえた。
くつくつと。
小さく続くその音は、目の前の──そう、本当に"目の前"の唇から洩れていた。
ごくり、ごくりと鳴る喉の、その間隔の間を縫う様に。
くつくつ、くく ふふふふ…
れいむは、ふるふると顔を横に揺らした。
その瞳が痛むことも厭わずに。
目の前にあるものはお姉さんなんかではないと、れいむはようやく気付いた。
もっと別の、狂った何かだった。
痛みよりも、恐ろしかった。
目の前の何かが。その瞳が。その行動が。
だから、突き立てた歯と一緒にその目が引き抜かれても、
れいむは何も言うことができなかった。
…尤も、何を言おうとしたとてまともな声にさえならなかったのだが。
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シロップに満たされた白玉は、まるで蕩けるような食感だった。
ひとくち齧ると外側の少し硬い部分がぷちゅっと潰れ、中からどろっとした液体が流れ出す。
小麦粉だとか、そういったものを溶かしたような流動体。
あまりに溢れるものだから、少し零してしまったけれど──とても美味だった。
もうひとつの瞳に口を近づける。
れいむは、もう反抗をしてくることはなかった。
ただ瞳を強く瞑り、口を閉じるのみ。
その強く瞑られた瞼に歯を当てた。
びくんと一度、腕の中のれいむが跳ねる。
どこにそんな力を残していたのか。
思わず落としてしまいそうになったが、なんとか一瞬バランスを崩す程度で済んだ。
瞼ごと半分に噛み千切った目だったもののれいむに残った側から、
大量のシロップと共に先程の白く濁った流動体が流れる。
本来の涙であるシロップよりもリアルな涙の様に、ゆっくりと下へと流れていく流動体。
それはまるでれいむの諦めを示す様に、どろりどろりと流れて
白い線と陥没した半球体を残して、総て床へと滴り落ちた。
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れいむの瞳から流動体が尽きるのを確認すると、お姉さんはれいむを床に置き、
不器用な白玉模様の膜が張ったあんよをお姉さんの側に、そして顔が横にくる様に寝かせた。
そして自分も、れいむのあんよに顔を向けて寝転がった。
「さあ、れいむ。 これで最後。 もう楽になれるから、ゆっくりしてね」
もう残っていない瞳と、役目を成さない瞳から大量のシロップを流すのみの反応となったれいむに
お姉さんは優しく、まるで聖母のような声で語りかけた。
そして、れいむのあんよに大きく口を開いて齧りついた。
何度目かわからない大きな痙攣。
特にそれを気にすることもなく、手でれいむを抑えつけてどんどん齧りついていく。
れいむのあんよの中心から、まるで掘り進む様に。
餡子の海に、その顔を沈ませてゆく。
餡子と一緒に歯だったものを一緒に飲んでも、そのまま、れいむの中へと齧り進んでゆく。
時折、埋まりかけた顔をれいむから離してぷはぁ、と大きく息を吸うと再度れいむの中心の穴を広げてゆく。
その顔が餡子で濡れても、髪に餡子がたっぷりついても。
頭までたっぷり入りこんだ頃、特に粘度も甘みも、旨みも強い部分に辿り着いた。
舌を出してそこを軽く突くと、永遠にゆっくりしかけているれいむの体が強く弾かれた。
それを確認すると、大きく口を開いて、
中枢餡を大きく齧り抜いた。
大きくばん、とれいむの体が跳ねるとお姉さんの頬に、強く打たれた様な刺激が襲った。
それきり、れいむが動くことは二度となかった。
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そこからは早かった。
中枢餡を食べ尽くすと一旦顔を外に出して手で顔に付いた餡子を軽く拭って、
ぶつぶつと音を鳴らしながら髪の毛ごと頭皮を喰らい、結んであるリボンを外して
後ろ半分を全部平らげて奇妙な餡子皿の様な形となったれいむだったものを見ながら、
布を食用にした様な食感のリボンを一口で食べる。…正直、これはあまり美味とは言い難かった。
そうして後ろ側を全部平らげると餡子皿を裏返し、穴の開いたデスマスクを下から食べきった。
頭や体、服に付いた餡子も指で掬い取って口へと運び、
そうして最後はこのために敷いた新品のプラ製のカーペットの上にこびりついた、
餡子と砂糖水を丁寧に舐めとると、放心したような表情でその上に寝転がった。
奇妙な達成感の様なものが、体中を支配していた。
しばらくの間、その感覚に体を任せてぼんやりと寝っ転がっていた。
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そのまま直行でシャワーを浴び、部屋を掃除して餡子塗れの服を洗濯にかけた所で漸く時間を確認した。
既に、午後1時を回っていた。
──4時間。
たっぷりと待ちに待っただけあって、言いようのない満足感に包まれながらドライヤーをかけた。
──────────────
ドライヤーを終わらせて携帯電話を開くと、10時頃に幼馴染の親友からのメールがあった。
"京華、今日の午後開いてる? バイトなくなったから、ゆうかの散歩がてら
ついでに新しいプランターが欲しいから付き合って貰えたら凄い嬉しいんだけど…"
かちかちかち、と片手で返信を打つ。
"いいよ。 ちょっと今日は寝坊しちゃったけど…何処で待ち合わせる?"
──断っておくと、私には普段から悶々とゆっくりをこんな目に遭わせたいという気持ちがある訳じゃない。
たまに、ほんのたまに現れる欲求を満たしてくれるだけで良いのだ。
その為に準備するもの以外には、こんな感情を持つことはきっとない。
もしかしたら、ペットにする為に飼うことだってあるかもしれない。
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親友のゆうかは可愛かったな、だとか、どんな服を着て行こう、だとか。
すぐにそんな普通の思考へと考え事はシフトされていった。
◆いろいろ
・お姉さんの名前は亜根 京華
・狂気+お姉さん からもじってみたりしています。
・ゆっくり普及直後位なので都会ゆっくりは未だほぼ目につかないレベルです
実は餡庫の方ではぬえの方で2点程SSをうpしておりますが、狩りろだ初投稿です。
お腹が減った状態でバスに乗っていたらふとゆっくり喰いたいという方向で
アイデアが浮かび、いつの間にやらこんなHENTAIちっくなSSになっていました。
複数を虐待すると普通に15KB前後にはなるんですが、1匹相手でやると滅茶苦茶大変でした。
改行多い等、改善点が多いかもしれませんが、色々教えて頂けたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ゆっくりよんだらかんそうさんをきかせてね!!! あまあまでもいいよ!!!」
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ヤンデレお姉さんww -- 2018-01-04 12:15:41
- 霊夢は黙ってれば可愛いのになあ…と言うか早苗さん虐も見たい(切実) -- 2017-11-12 12:39:40
- なんか饅頭食ってるSS読んでるだけなのにカニバリズムの小説読んでる時と同じ感覚が… -- 2012-07-02 14:56:04
- このお姉さん全体的になんかエロぅい -- 2011-08-20 06:30:16
- これめっちゃおもしれえ!!最高にQNQN出来たよ!!
生きながらにジワジワ食いちぎるとかゾクゾクしますねw
私だったらゆっくりの悲鳴を楽しみたいので舌は最後の方までとっておくかなw -- 2011-07-20 13:11:17
- ↓禿同
「おねえさん、もしかしてれいむのためにふぁーすとちゅっちゅとっておいたのかな?おねえさんとなられいむ、ふぁーすとちゅっちゅしてもいいな…」
………………………………………………………キモすぎる死ね! -- 2011-01-16 15:50:37
- 最初にいきなり媚びはじめたれいむに生理的嫌悪をおぼえた -- 2010-10-29 17:14:40
- お、おいしそう -- 2010-08-13 22:52:59
- 無残に潰されずに、饅頭本来の役目を果たせたんだ、もっと自分を誇れば良いよ、れいむw -- 2010-08-05 02:47:17
- 踊り食い見たいなもんか? -- 2010-08-05 02:08:45
- このお姉さん…なんだか私と似たような匂いがするな…
敢えて言うならゆっくり捕食フェチ? -- 2010-07-29 01:41:44
- 歪んだ愛なんだねー!分かるよー! -- 2010-07-19 14:12:43
- 虐待お姉さんの亜種ってことじゃね。 -- 2010-07-13 10:04:28
- わけがわからん。 -- 2010-06-12 14:50:50
最終更新:2010年01月27日 17:16