ふたば系ゆっくりいじめ 766 まりさがまりさだよ!

まりさがまりさだよ! 10KB


制裁 飼いゆ 現代 うんしー まりさが可愛くて生きるのが辛い

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「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」

休日の昼下がり、自宅の居間で私は考え込んでいた。
目前には、眩いばかりの笑顔が二つ。

一つは、まりさ。
もう一つも、まりさだ。

「まりさ……。いつの間に双子になったんだい?」

まずは、思ったままに疑問をぶつけてみた。
まりさ達の前にあぐらをかいて座り込む。

「まりさはふたごじゃないよ!」
「まりさはひとりっこだよ! かわいくてごめんね!」
「それじゃ双子が可愛くないみたいじゃないか。滅多なことを言ってはいけないよ」
「ごめんね!」
「ごめんね!」
「よしよし、まりさは素直だなぁ」

さすがは、私のまりさだ。

まりさに出合ったのは、ある日の買い物帰り。
もうすぐ帰宅かというところで、道端から声をかけられた。
買い物袋の中にあった『あんまん』に興味津々だったらしい。
せっかくなので自宅まで来てもらい、一緒に食べることになった。

気がつけば、まりさは家族の一員となっていた。

「しかし、今度は家族が増えるとはなぁ」
「ふえてないよ!」
「まりさはまりさだけだよ!」
「じゃあ、本物のまりさはどっちなんだい?」
「まりさがまりさだよ!」
「ちがうよ! まりさがまりさだよ!」

このままでは、らちがあかない。

「まりさのくせに、まりさのふりをしないでね!」
「まりさこそまりさのくせに、まりさぶらないでね!」

私のまりさには、飼いゆっくりの証といわれるバッジを付けていない。
バッジなんて無くても、まりさはまりさだ。
そう考えていたのだが、今では少し後悔している。

「なぁ、まりさ」
「なぁにおにいさん!」
「おにいさんよんだ?」
「……呼びにくいな」

私は、向かって右のまりさを指差す。

「とりあえず、君が『右まりさ』」

今度は左のまりさを指差す。

「君は『左まりさ』。本物が分かるまで、それで良いかい?」
「ゆっくりりかいしたよ!」
「したよ!」

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「しかし、本当にそっくりだなぁ」

右まりさと左まりさが、向かい合ってにらみ合う。

「まりさににてるからって、ちょうしにのらないでね!」
「まりさこそ、のらゆっくりのくせにまねしないでね!」

普段から自由に外で遊ばせているせいか、まりさはいつも薄汚れていた。
毎晩の風呂に入るまでは、正直なところ野良と区別がつかない。

「まりさのまねして、かいゆっくりになるつもりなんだね!」
「そうはいかないよ! まりさはまりさだけなんだからね!」

そうか、なりすましか。
ゆっくりの世界にもあるんだなぁ。

「しかし、どうやって確かめたものか……」
「おにいさん、まりさがまりさだよ! あんまん、いっしょにたべたまりさだよ!」
「ちがうよ、まりさがまりさだよ! あんまん、おいしかったよ!」

あんまんの事を知っている?
今、最初にそう言ったのは右まりさだ。
左まりさも言ったが、真似しただけなのかもしれない。

「うーん……」

途方にくれた私は、おもむろに立ち上がる。

「おにいさん、どこいくの?」
「とりあえずご飯にしよう。あんまん持ってくるよ」
「ゆわーい!」
「ゆわーい!」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

台所で、まりさの食事の用意をする。
冷蔵庫から冷凍あんまんを取り出し、調理を始める。

「はやくあんまんちょうだいね!」
「ああ、少し待ってろよ……って」

突然の声に振り向くと、足元にまりさが居た。

「まりさ、どうしてここに?」

台所のドアは閉めてきた。
居間のまりさが入って来られるわけはない。

「まりさのおうちだから、まりさがいるのはあたりまえだよ!
ゆっくりりかいしてね!」

まりさはふんぞり返って、得意満面の笑みを浮かべる。
そのうち、ふんぞり返りすぎて帽子が後ろに落ちてしまった。

「ゆああ! まりさのすてきなおぼうしさんが!」

慌てて帽子を被り直す。

「ゆふー! あぶなかったよ!」

じっとまりさを見続けるが、外見も性格も本物のまりさっぽい。
ということは、まさか……。

「なぁ、まりさ。ちょっと来てくれるかい」
「ゆっくりいくよ!」

頭を整理するために、このまりさは『台所まりさ』と呼ぶことにする。脳内で。
台所まりさを誘導して、居間へのドアにそっと身を寄せる。

「ちょっとこいつを見てくれ」

居間へのドアを少しだけ開ける。
隙間から、なにやら言い合いをしている右まりさと左まりさが見える。

「まりさがいるね!」
「ああ、あのまりさ達は、自分がまりさ……えっと、この家のまりさだと言っているんだが」
「なにいってるの? まりさがまりさだよ! ばかなの? しぬの?」
そんなことより、はやくあんまんちょうだいね!」
「口調も、いつものまりさっぽいな……」

ということは、まさか……。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「お待たせ、まりさ」
「あんまんだー!」
「はやくちょうだいね! たくさんでいいよ!」

私が居間に戻ると、まりさ達が物凄い勢いで飛び跳ねてきた。
まぁ物凄いといっても、ゆっくりのジャンプなので大したことはないのだが。

「むーしゃ、むーしゃ、しししししあわせぇぇぇ!」
「うめっ、これめっちゃうめっ!」

持ってきたあんまんは、あっという間に無くなってしまった。
台所まりさにも大量に食べられたので、また買出しに行かなければならなそうだ。

気がつけば、口元を食べカスだらけにし、まりさ達がこちらを見つめていた。
大きく膨らんだお腹のせいで、外見はまるで茄子のようだ。

「もっと、ちょうだいね!」
「あんっまんっ! あんっまんっ!」

頬を染めながら、幸せそうに笑うまりさ達。
じりじりと這うように、私の足元へ近づいてくる。

「そうか、美味しかったか。もっと欲しいか」
「もちろんだよ! はやくあんまん……」
「残念ながら、それで最後だ」
「ゆゆ? なにいってるの? ばかなの? しぬの?」
「あんまんさんは、かってにはえてくるんだよ?」
「ああ、最後ってのはそういう意味じゃない」
「いまのまりさには、りかいできないよ!」

ゆっくりと、まりさ達へ手を伸ばす。

「人生……いや、ゆん生?
とにかくこれが、ゆん生最後の食事だってことだよ」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

私は、右まりさの帽子を取り上げた。

「ゆゆっ!? まりさのすてきなおぼうしさん!?」
「お前、偽者だな」
「まりさのおぼうし、かえしてね!」
「どうして嘘をついた?」
「そんなことより、まりさのおぼうしかえしてね!」

帽子に舌を伸ばそうと、右まりさがその場でピョンピョン跳ねる。
膨らんだお腹が、ブルンブルンと波打っている。

「聞く耳も持たないか……」
「ゆふふ! まりさはゆっくりしてないね! げらげらげらげら!」

左まりさが、勝ち誇った顔で大笑いを始める。
すっかり重くなったお腹を軸に、グラグラと身体を揺らしている。
まるで起き上がり小法師のようだ。
そのうち、揺れる勢いで帽子が床に落ちてしまった。

「ゆあぁ! まりさのすてきなおぼうしさんが!」

左まりさは、慌てて帽子を回収しようとする。
私は素早く手を伸ばし、左まりさの帽子も掴み上げた。

「ゆんやー! まりさのおぼうしかえしてね!」

右まりさと同じ反応を始める、左まりさ。

「お前も偽者なんだろう」
「まりさのおぼうし、かえしてね!」
「台所に居たよ。本物のまりさは」

居間には入らないように伝えてきたが、おそらく今頃は食後の昼寝中だろう。

「よくもだましてくれたな、偽者まりさ達」
「そんなことより、まりさのおぼうしかえしてね!」
「かえしてね!」
「あくまで、とぼけるか……まぁいい」

二つの帽子を両手でまとめ、力をこめる。

「お前達の運命は、もう決まっているんだからな」

ビリビリ!
バリバリ!

「やめて!」
「おぼうしさんがー!?」

バラバラになった帽子の欠片が、まりさ達の間の前にヒラヒラと舞い降りる。

「どぼじでごんなごとずるのー!?」

まりさ達から、物凄い勢いで涙が溢れ出す。
よく見ると右まりさはしーしーを漏らし、左まりさはうんうんまで漏らしていた。

「よし、もうお前は右まりさじゃない。しーしーまりさだ」
「どぼじで!」
「お前は左まりさ改め、うんうんまりさな」
「ゆんやぁー!」

汚物まみれになったまりさ達は、正直あまり触りたくない。
仕方なく、おさげ部分に手をかける。

「まりさのなやましいおさげに、きやすくさわらないでね!」
「よく考えれば、まりさには毎日あんまん食わしてやってたんだ。
たまたま野良がそれを見て、なりすましたんだろうな」

おさげを引っ張り、まりさ達を空中に持ち上げる。

「おそらをとんでるみたい!」
「でもいたい! おさげいたい!」
「いたいぃぃぃ! おそらー! ゆわーい! いたいぃぃ!」

おさげをひとまとめにし、アメリカンクラッカーの要領で手を振る。
さすがに指先では重くて辛いので、両手で掴み上げてはいるが。
ボヨンボヨンと、奇妙な効果音を鳴らしながら、二つの茄子が宙を舞う。

「おそら! いたい! おそら! いたい!」

歪に跳ね返るので、既にどちらかしーしーまりさで、うんうんまりさか分からなくなっていた。

「……仕方ない、お前達は両方とも、うんしーまりさな」
「どぼじでっ! おそら! いたい!」

更に、両手の動きを加速させる。
何度目かのボヨン音とともに、うんしーまりさから餡子が飛び散り始めた。
どうやら、口元とあにゃるから餡子が溢れ始めているようだ。

「まりさのとくべつなあんこさんがー!」
「あんこさん、ゆっくりしてね!」

まだ喋ることができるのか……。
思ったより余裕なんだな。

「じゃあ、これでどうだ?」

両手の動きを最大限まで加速させる。
うんしーまりさが、ついに水平線を越え、円を描くように振られ始めた。

「ゆぎゃあー! ばでぃさ、おぞらをどんで」

上でボヨン!

「ぎゅぶっ!」

「ばでぃさの、あんござんがぁ」

下でボヨン!

「がふうっ!」

上でボヨン!

「おぞらをっ!」

下でボヨン!

「あんごっ!」

上でボヨン!

「もっどっ!」

下でボヨン!

「ゆっぐりっ!」

上で……。

「しだがっ!」

グシャアッ!

「あ……」

何度目かの衝撃で、うんしーまりさは見事弾け飛んでしまった。

「こりゃ掃除が大変だな……」

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居間の掃除を終え、台所に戻る。

案の定、台所まりさ……本物のまりさは絶賛昼寝中だった。
あんまんの食べすぎで膨らんだお腹を、おさげでさするような体勢で横たわっている。

「むにゃ……もうたべられないよ……だから、あんまんちょうだいね」

私はまりさのお腹に手をあて、身体を揺らす。

「まりさ、起きなさい」
「……ゆふ? あんまん?」
「ある意味お前があんまんだろ。そんなことより話がある」
「おはよう、おにいさん……おはなしって?」
「今度のことで考えを改めた。やっぱりバッジを取ろうと思う」

バッジさえ取れば、IDで間違うことは無くなるだろう。
善は急げ、すぐにでも取りにいくつもりだった。

「そうだね! ばっじさんがあればもうばれないもんね!」
「ああ、そうだ……え?」

一瞬、まりさの言葉に違和感を覚え、聞き返してしまう。

「ばれない、って?」
「ばっじさんがあればほんものだから、まりさはずっとほんものになれるよ!」

まさか……。
いや、まさか。

「ど、どういう意味なんだい?」
「ゆふふ! おにいさんはばかだね! しぬね!
まりさみたいなにせものが、こまるんだよ!」
「……偽者が困るのか」
「そうだよ! そんなことより、あんまんちょうだいね!」
「本物にバッジが無かったから、うまく騙せたんだね」
「ゆぷぷ! おにいさんをだますのはかんたんだったよ!

居間には、二匹のまりさが居た。

「じゃあ、本物のまりさは、今どこに居るんだろうね?」
「さぁ? さっきのどっちかだとおもうよ!」

居間のどちらかが本物だったのか……。

「そんなことより、あんまんちょうだいね!
ばかなおにいさんは、ゆっくりりかいしてね!」

グシャッ!

「すまん、理解できない」

台所に、餡子の染みが広がってゆく。

「もっど、ゆっぐりしだがっだ……」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

なんて事だ……。

私は結局、本物のまりさまで亡き者にしてしまったのか。
短い間だったとはいえ、寝食を共にしたまりさを……。

本物は、どちらだったんだろう。
右まりさだったのだろうか。
左まりさだったのだろうか。

「……でもまぁ、いいか」

私は考えるのを止めた。
ゆっくりなんてどれも同じようなもんだし。

ああ、そうだ。
今度はゆうかにゃんでも買いに行こう。そうしよう。
ゆうかにゃん楽しみだなー!


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感想

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  • どうせ野良なんだから、ストレス解消に全部潰せばok
    ※バッジ申請しない時点で、それほど興味無いんだろ? -- 2018-01-16 22:04:21
  • んぺぺくはやかたかにまなこまはやかとてやなやかやなまかやなまはゆなはゆなやはゆやなやなに
    ねさやさやさやはなかこやかしこやむしむこぬさまかむなたかたなまかたなまはかち -- 2016-05-18 01:56:23
  • きめぇまるが一番怒 -- 2016-05-18 01:55:27
  • ↓↓↓↓↓↓つまり、希少種は可愛く、通常種はゴミということだな!
    -- 2015-05-13 20:19:21
  • ゆうかより霊夢買え笑 -- 2013-06-15 17:57:33
  • 正しい! -- 2012-11-28 00:12:54
  • まさかの本物まで下衆化とは、
    オチは最高だった。 -- 2012-07-26 07:44:30
  • 家族とか言っておきながらお兄さんのまりさへの興味の無さにワロタw
    まあバッジ無しで外に遊びに行かせる時点で本当にどうでもよかったんだろうなw -- 2011-07-26 02:38:19
  • はぁ…ゆうかにゃん -- 2010-11-10 12:48:37
  • ゆうかにゃんも可愛いがめーりんやきめぇ丸、ふらんやれみりゃも可愛いぞ -- 2010-11-04 13:29:40
  • やれやれゲスゆっくり共がきたせいで本物のまりさは災難だったなー
    飼い主さんも混乱して大変だったな(苦笑 -- 2010-11-01 23:11:05
  • まりさまりさまりさまりさまりさまりさまりさまりさまりさまr…
    もういいよ。全部殺すよ。 -- 2010-08-05 14:07:12
  • そうだよ!ぜんぶころしてりせっとすればいいんだよ!! -- 2010-06-27 00:25:35
最終更新:2010年01月27日 17:46
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