ふたば系ゆっくりいじめ 771 餡動戦士ゆんだむⅣ 逆襲のゆっくり

餡動戦士ゆんだむⅣ 逆襲のゆっくり 22KB


虐待-凄惨 悲劇 理不尽 現代 虐待人間 人間さんのうんしー注意

ゆんだむ、第4部であります。
ほんとはここで終わらすつもりだったのに、また途中が長くなりすぎ、
つづくことになってしまった…。でも、次こそ最終回です。
という訳で、4部になっても、まだゆんだむは出て来ません…。
でも、虐待は結構やってるので、むっきゅり許してね!






 はじめ、誰一人としてぱちゅりーの言っている事が、さっぱり分からなかった。

 ぱちゅりーは尚も、重大な事態に瀕した群れの長として、
重大な決断を下したことの余韻に浸るかのように、深刻な顔で夜空を見上げたまま、
動かず、それ以上言葉を継ごうとも、しなかった。

 他の皆はと言えば、怪訝な表情をして、ぱちゅりーを見つめていることしか、できない。
そのうち、群れの間に、沈黙と共に、妙な空気が流れ始める。

 その気まずい沈黙に耐え切れなくなった一匹のれいむが、口を開こうとした。
が、同時にありすが、ハッと気が付いた。最初にぱちゅりーと同行していた、
あのありすである。

「まっ、まさか…おさ!アレをつかうの……?」

「ゆゆ?ありす、なにかしってるの…?しってるなら、ゆっくりしないで
さっさとれいむにおしえてね!」

 にわかに、皆の注目を浴びるありす。
群れのゆっくり達は、尚ももったいぶる様子のぱちゅりーに痺れを切らし、
ありすに詰め寄ろうとする。

 しかし、その時いよいよ、皆に全てを明かすべく、ぱちゅりーが前へ進み出た。

「むきゅっ!みんな、むっきゅりきいてね!…そうよ、ありす、そのとおりなのよ。
ぱちゅりーたちは、『きみつぶんしょ』をつかって『ゆんだむ』をつくり、そして…」

 その後にぱちゅりーの口から発せられた言葉は、群れの全員を、一匹残らず驚愕させるに、
十分だった。

「にんげんさんたちを…たおすのよ……!」

 ざわ…

     ざわ…

         ざわ…

「ゆゆうっ!?にんげんさんたちを、たおす…!?」

 たちまち、しわぶき一つない沈黙に支配されていた会議場は、
騒然となり、ゆっくり達はてんでに、勝手に取沙汰を始め、となりの者と、
「おさのいってることはほんとうなの?」「そんなばかな…」などと、
がやがやしゃべり始めた。

「むきゅっ!みんなしずかに!おちついて!むっきゅりきいてね!」

 ぱちゅりーは両おさげを上げて、皆を制した。てんでな取沙汰がやみ、
再び場が静かになったとみて、また話し始めた。

「みんな、すぐにはしんじられないのは、わかるわ。だけどね、これからぱちゅがはなすことは、
まぎれもない、むっきゅりしんじつなのよ」

「ぱちゅたちは、このあいだのおしごとでなんでもやまにいったとき、この『きみつぶんしょ』を、
みつけたのよ」

 そう言うと、ぱちゅりーは帽子の中から取り出した絵本を、皆に見えるように、掲げて持った。

「これは、ほんらいとてもむっきゅりできない、おそろしいものだから、みんなには
ないしょにしてたんだけど…。」

「こうなってしまっては、もうこのちからをつかうしかない…。
あるいは、これをつかうことで、ぱちゅりーたちは、みんなえいえんにむっきゅりすることに、
なってしまうかもしれない。だけど、にんげんさんをたおしてむっきゅりむらをもとどおりの
とてもむっきゅりしたむっきゅりぷれいすにもどすには、もう、これしかないのよ…!」

 そこまで聞いても、実際の所、全員に目に見えるような、かんばしい反応があった、
という訳ではなかった。むしろ、いきなりぱちゅりー種以外にはあまり馴染みも、興味も無い
『きみつぶんしょ』と称する本を見せられても、一体そんな物でなにがどうなって
人間さんを倒せるのか、全く分からなかったのである。

「おさ…。いったい、なにをいってるのぜ?ばかなのぜ?しぬのぜ?
そんなものでなぐったって、にんげんさんをたおせるわけが、ないにきまってるのぜ?」

 皆が当然思っているであろうことを、ぱちゅりーの近くにいたまりさが、口に出した。

「むきゅ…それは、もちろんそうね。だって、これは、ごほんであって、ぶきではないんだもの。
ただ、このごほんにかいてあるとおりに、つくれば…そのときこそ、
にんげんさんだってたおすことのできる、ぶきがむっきゅりかんっせいするのよ…!」

 再び、ゆっくり達が騒然となる。ぱちゅりーの言わんとする所は伝わったようだが、
それでも皆が口々に言い立てる言葉は、まだどれも、懐疑的なものばかりだった。

 そんな中で、先ほどありすに諌められてから、ずっとむっつりと黙っているままだった
棟梁まりさが、ずい、と一歩前に出た。皆思わずしゃべるのをやめ、そちらを注目する。
棟梁まりさが顔を上げ、口を開いた。その目には、何かの決意の光のようなものが見えた。

「まりささまは、えどっこだから……おさのいうむずかしいはなしは、まりささまには、
よくわからないんでぇい……。
だけど、ほんとうに……ほんとうに、そのおさのいうぶきってやろうをつくれば、
にんげんさんを…けったくそわりぃにんげんさんやろうどもを、ぶったおすことができるんでぇい……?」

「ええ…そのとおりよ、とうりょう。そしてそのためには、どうしても、
とうりょうのむっきゅりしたちからが、ひつようだわ。
いつもぱちゅたちの、むっきゅりしたおうちをつくってくれたように…。
とうりょうのちからがあれば、にんげんさんをたおすぶきを、つくることがむっきゅりできるわ」

「………」

 棟梁まりさは、無言で、帽子から金槌を取り出し、握り締めた。
その感触が、人間に受けた痛みを、潰された子供の無念を、あらためて甦らせるかのように、
まりさには感じられた。

「もし…ほんとうに、そのぶきで、にんげんさんをたおすことができて、
そのために、まりささまのちからがいる、ってえんなら…。
まりささまは、たとええいえんにゆっくりすることになっちまっても、
そいつをかんっせいさせてみせるんでぇい…!ぜってぇに………!」

 そう言って、一時は止まっていた悔し涙を再び流しながら、棟梁まりさは金槌を掲げた。

 棟梁のその姿が、最後の決め手となったか。

「そうだね…どっちにしろ、おやまにもいけない、むらにいてもにんげんさんがくる…
それならもう、おさのいうぶきにかけるしか、ないもんね…」

「ゆゆっ!それなら、まりさはおさにさんっせいするのぜ!」

「れいむもだよ!」

「ちぇんもわかったんだねーわかるよー」

「ちちちちちちーんぽ!」

 ついに、群れの取るべき道は、決まった。
皆、僅かながらも新たな希望を得て、にわかに沸き立ち、口々に勇ましい言葉や仕草で、
互いを鼓舞し始めた。

 ぱちゅりーは、満足げな笑顔を浮かべ、皆のその様子を、眺め回した。
しかし、すぐに厳しい表情に戻り、また声を張った。

「むきゅっ!みんな、ゆんはいそげ、よ!とにかくもう、じかんがないわ。
はやく、こうどうにうつらないと…。まずは、そうね…」

 しかし、皆が希望に沸き立っている中でも、例のありすだけは、浮かない顔をしていた。
幾分心配性であるらしく、ありすは思いついた心配事を、たまらずぱちゅりーに話していた。

「で、でも、おさ…。そんなにすごいものつくるには、すごくじかんがかかるんじゃないの?
あしたにんげんさんがくるまでに、かんっせいできるの…?」

「むきゅう…そうね…。さすがにひとばんでは、むずかしいかもしれないわね。
ぱちゅたちはゆっくりであって、じぇばんにではないんだし…。
だけど、もうこれしかほうほうはないのよ、ありす。ゆんだむがかんっせいするまでは、
どこかにかくしておいて……それまでは、なんとかたえるしか、ないわ……」

「ゆ、ゆうぅ…そうね…。またぎせいがでちゃうかもしれないのは、ゆっくりできないけど…。
ありすたちには、もうそれしかないのよね……。」

 ありすを元気づけるように、その頭をぽんぽんと叩くと、ぱちゅりーは皆に向き直り、指示を飛ばした。

「さあ、まずは、ゆんだむをかくしておく『かくのうこ』さんをつくるのと、
ゆんだむをつくる『ぶっし』さんを、たくっさんあつめなくちゃならないわ!
れいむとみょんたちは、むらからすこしはなれたところに、ざっそうさんをとりのぞいて、
『かくのうこ』さんをつくってね!にんげんさんにみつからないように、つうろさんでつないじゃだめよ!
ちぇんとまりさたちは、これからなんでもやまにいって、つかえそうなものを、かたっぱしから
あつめてきてね!だんぼーるさん、てつのぶひんさん、なんでもいいわ。
もうくらいけど、よるでもよくみえる、ちぇんたちをせんとうにたてれば、むっきゅりだいじょうぶよ。
それじゃ、みんないそいでね!ぱちゅたちのめいうんは、じかんとのしょうぶよ…!むっきゅりしていかないでね!!!」






 ――翌日。

 昨日話していた通り、磯野と中島は、学校が終わり、家へ帰るとすぐ、
各々の準備をして、ゆっくり達がいるこの雑草空き地へ、再びやって来たのだった。

「うわっ…中島、なんだよそれ!すげー大荷物じゃんか」

 磯野が驚いた通り、中島はその背に、アルプス山脈でも縦断せんばかりの大きなバックパックを
背負い、しかも中には何やら、パンパンに荷物を詰め込んで来ていた。

「そーゆーお前は、バットだけか磯野?ゆ虐をナメるなよ!!ゆ虐ってのはな、こう、
様々な器具を用いて、厳かに行うもんなんだぜ?」

「いや、知らんけど……」

 二人はうきうきと、楽しげにそんなことを言い交わしながら、
深い雑草をかき分けて進んだ。広大な草の森とはいえ、道に迷う程ではない。
昨日で大体当たりをつけておいた方へ向かうと、容易く再び、
ゆっくり達の村へ出る事が出来た。

「あれ…」

 村の様子を見回し、磯野は少々間の抜けた声を出した。
そこには、期待していたゆっくり達の姿が、一匹も見えなかったからである。

「いねーじゃん、あいつら…。やっぱ、どっか逃げちまったんじゃ?」

 もしそうだったなら、せっかくの楽しみが、水の泡になる。
磯野は、不満そうに口をとがらせた。

「はっは、磯野、安心しろって…。ほれ、見えねぇのか?
そこらじゅうにあるだろ、連中の、『ゆっくりしたおうち』が…。
大方、そん中に閉じ篭って、ぶるぶる震えてやがんだろーさ」

 言われて見てみれば、村のそこかしこに、シートや毛布を被ったダンボールが
鎮座している。

「なるほど、そーゆーことか…。でも、ほんとにこん中に入ってやがんのかなぁ。
ちょっと見てみていいか?中島」

「ははは、なんでいちいち俺に許可取るんだよ?好きにしろって、磯野」

 中島は笑いながら言うと、背負ってきたリュックをよっこらせと降ろし、
中をゴソゴソやり始めた。既にゆ虐上級者の中島は、
まずはどの玩具で楽しんでやろうかと、至福の妄想に浸りつつ、
物色しようというのだろう。

 磯野は、手近にあったダンボールに近づくと、かけられてあったブルーシートを
がばっとめくり上げ、中を覗いてみた。そして、あまりにも容易く、
目的の『モノ』を見出した。

「ゆあああああああああああ!!!!」

「きたああああああ!にんげんさんだあああああ!」

「きょわいよおぉぉぉ!!」

「ゆっくちできにゃぃぃぃぃ!ゆっくちしたいぃぃ!ゆっくちさせちぇぇぇぇぇ!!」

 すかさず、まるで磯野を大歓迎するかのような、大騒ぎが始まる。
狭いダンボールの箱の中で、一瞬で確認出来たこの一家の家族構成は、
れいむとまりさの成体の両親に、これまたれいむとまりさが一匹ずつの小さな子供、
という、ゆっくりの一家としてごくごくポピュラーな、ありふれたパターンであった。

 一晩を経て再び見たゆっくりというナマモノは、思った以上に滑稽で、哀れで、また、
なんとも言えないイラツキとムカツキを誘うシロモノだった。

 磯野は思わず箱の中へ手を伸ばすと、少しでも奥へ、奥へと逃げ込もうとする
ゆっくりどもの恐怖の叫びを尻目に、まず両親のおさげともみあげをむんずと掴まえ、
箱の中から外へと引きずり出した。

「いだだだだだだだだだだ!!!」

「はなぜええええええ!でいぶのかわいいもみあげさんがぁぁぁぁぁ!!」

 そして、そのまま地面の上へ投げ転がす。二匹の成体ゆっくりは、無様な悲鳴を上げながら、
ぼいん、ぼいん、とゴムボールのように跳ねながら、転がった。

「おきゃあしゃあああん!おちょおしゃあああん!!ゆっくちぃ!ゆっくちいぃぃぃ!!」

「どぼぢでじょんなごちょじゅるにょおおお!?」

 その様子を見て、絶望的な悲鳴を上げる赤ゆっくり達。
磯野はそれを背中で聞き流しながら、まずは、中島に教えられた挨拶を試してみることにした。

「ゆっくりしていってね」

「ゆ…ゆっくりしていってね!!!」

「ゆっくりしていってね!!!」

 即座に同じ挨拶を返しておきながら、すぐに泣き喚きながら抗議して来た。

「ゆううう!?おまえみたいなクソジジイと、ゆっくりできるわけないでしょおおお!?
なにいっでるのおおお!!??」

「ゆううう!だ、だめだよれいむ!おさから、なるべくにんげんさんをしげきしたり、
ちょうはつしたりするようなことはいっちゃだめだって、いわれてるでしょおお…!?」

 磯野にしろ、昨日で虐待は経験したものの、ゆっくりにあしざまに罵られるのは、
これが初めてである。こんな無力で下等な存在にけなされた事に、
慣れているはずもない磯野は、すぐに心が怒りと暴力衝動に満たされ、ビキィと音を立てるのを聞いた。

「ああ~ん?おめー今何つったんだ?コラ」

 衝動的にれいむのもみ上げを掴み、持ち上げた。れいむの全餡重がもみあげの付け根にかかり、
するどい痛みに襲われ、れいむは掴まれていない方のもみ上げをピッコピッコと振り立て、
喚き散らした。

「いだいいいい!!れいむのかわいいもみあげさんちぎれぢゃううううう!!!
はなぜええ!はなじでえええ!!」

「かわいいもみあげさん、ねえ……」

 磯野は、もう一方のもみ上げも掴んだ。両方のもみ上げで支える形になり、痛みは多少和らいだものの、
相変わらず煩く喚く事をやめようとはしない。

「こんなうざったいもみ上げさんは…こうだな!」

 そして、ふん!とばかりに、磯野は両手に掴んだもみ上げを、左右に同時に引っ張った。

 ブチブチブチィッ!!!

「ゆっ…ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!!」

 あえなく、れいむのもみ上げは、片方根元から引き千切れ、握った磯野の手から、だらりと垂れ下がった。

「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」

 再び片もみでぶら下げられるれいむだったが、今度は喚き散らすこともなく、
白目を剥き、泡を吹いて「ゆ゛っ…ゆ゛っ…」と細く鳴くだけになった。

 磯野はそんなれいむを地面に放り出した。もみ上げの千切れ口から餡子を撒き散らしながら
ごろごろと転がり、仰向けになって倒れた。

「れいむううううう!ゆっくりいいい!なおってね!れいむのもみあげさんゆっくりはえてきてね!
かってにはえてきていいよ!!」

 まりさが間抜けな事をほざきながられいむに駆け寄り、れいむの傷口をぺーろぺーろと舐め立てていた。

「…」

 その姿に、すっきり発散したはずの、ビキィ感情がたちまち甦る。磯野は片足を振り被った。

 ドゴオォ!!!!

「ぶぐっ…」

 磯野の全力タイガーショットがれいむの横腹を抉り、れいむは大量の餡子を吐き出し、
それは放物線を描きながら、雑草の壁を遥かに越え、彼方へと吹き飛ばされていった。

「れいむうう!!れいむうううううううううう!!!」

「おがあぢゃああああああああ!!」

「ゆんやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 残された3匹の家族はそれを為す術もなく、ただ見送るしかなく、れいむが吹き飛ばされていった
方向へ向かって、涙を流し、小便を漏らして、いつまでも泣き叫んでいる事しか出来なかった。

「ありゃっ、ちょっと力入りすぎちゃった…もうちょっと遊びたかったのに…
飛ばしすぎちまったなあ…………。ま、いいか。いちいち探しに行くのもめんどくせーし」

 そして今度こそすっきりすると、まりさ達がぎゃーぎゃーとうるさいのに眉をしかめながら、
周りを見回した。

「あれ?中島どこ行ったのかな…」

 中島が背負ってきた巨大なリュックはそこにあったが、持ち主の姿が見えなかった。

「ゆぶぅ!!」

 磯野は戯れに、泣き喚いていたまりさを蹴飛ばすと、ぶらぶらとゆっくり村を散策しながら
中島の姿を探し始めた。

 とはいえ、人間にとっては大して広くもない、ゆっくりの村である。
中島はすぐに見つかった。中島は手に何かを持ち、しきりとゆっくりハウスのブルーシートを
めくり上げて中を覗いて、中のゆっくり達に悲鳴を上げさせては、またシートを下げ、
別のハウスで同じようにシートをめくる、ということを繰り返していた。

「中島ー、なにやってんだー?遊ばねーのかー?」

「おー、磯野ー。いやー、なかなか、条件に合うのがみっかんなくてよぉ…」

 見れば中島は、右手に錐のような物を持ち、尻ポケットにチャッカマンを差し込んでいた。

「どれどれ、今度はどうかな…おっ!」

 中島の表情が輝いた。磯野も釣られて、ダンボールの中を覗き込む。

「ゆううううううううう!!やべでええええええ!ごっぢごないでねええええ!」

「ぷっくうううう…!」

 中にいたのは、相も変わらず芸の無い、れいむとまりさの番である。
しかし少々特殊だったのは、れいむの額のあたりからは、植物の茎のようなものが生え出し、
その茎には、これまた植物が付ける実のように、小さなゆっくりが実り、ぶら下がっていたのである。
その実ゆっくり達は、どうやら生まれる寸前まで成長しているらしく、
しきりに自分から体を揺らして動きながら、恐慌をきたしている親達をよそに、
何の不安も警戒も感じていない、ただ希望と、これから始まる自分達の最高にゆっくりした人生への
期待だけが輝く、つぶらな瞳を二人の初めて見る人間に向け、
「ゆっ?おにいしゃんだあれ?」「ゆっくちできりゅ?」「ゆっくちちちぇっちぇにぇ!」
などと、か細い声をかけてくるのだった。

「うわっ…気持ち悪っ。なんだよこれ!?」

「ま、ゆっくりの妊娠状態の一種、ってとこかな…2体のゆっくりが、交尾…
ま、ゆっくり用語だと、『すっきりー』っていうんだけどな。それやると、
デコからこんな風に、子供が生えてくんだよ。ま、繁殖方法は、もうひとつあるんだけどな…
俺のお目当ては、こっちってことで」

 中島は簡単に説明すると、尻ポッケからチャッカマンを抜き出して点火し、
手に持っていた錐の先端を、炎で炙り始めた。

「なるほど…その熱した錐で、この実みてーなちびゆっくりどもを、
たっぷり喜ばせてやろうっていう趣向かね?」

「まーな…この虐待には、古来からの歴史と伝統があってなぁ。ゆ虐四天神の一柱が考案したと言われる、
伝説のゆ虐技なんだぜ!!」

「はァ…いや、それは知らんけどな…」

「よし…こんなもんかな?」

 程よく熱くなったとみて、中島は、細く煙を立てる錐の先端を、実ゆっくりへ近づけていった。

「ゆっ!ゆっくちちちぇっちぇね!」

 お友達が来たとでも思ったのか、まだ世界で何一つ学習してはいない餡子脳を持つ実ゆっくりは、
見慣れない不吉で鋭利な金属を見ても、きゃっきゃっと騒ぎながらはしゃぐだけである。

「ゆううう!?お、おちびちゃんたち!あれは、なんだかへんだよ!ゆっくりできないよ!
なかよくしちゃだめえええ!!」

 頭から子供の茎を生やしたれいむは、間近に迫った人間の恐怖に震えつつも、
必死に警告を伝える。父まりさは少しでも人間をビビらせよう、追い払おうと、
体をぷくーと膨らませて健気に威嚇を試みていたが、効果など皆無なのは言わずもがな、
しかし近づいてくるいかにもゆっくり出来ない物体にあえて飛び掛ったり、
子供達の身代わりになろうという気にはなれないらしく、泣きながら膨らみ続けているだけであった。

 錐の先端が、同じく茎の先端になっていた実ゆのすぐ目の前まで達した。
実ゆは、じゃれ合いでもしようとしたのか、あるいは美味しそうな食べ物にでも見えたのか、
全く無警戒に、無邪気に、目の前の煙を立てる金属に、ぱくり、とかみついてしまった。

 ジュッ…

「ゆ゛っ…!?」

 たちまち、実ゆっくりの、脆く柔らかい唇が、熱された金属に焼き付き、張り付いた。
かと思うと、唇はすぐにどろりと溶けだし、実ゆっくりの、生えかけの白い小さい歯を露出させた。

「っ…!!!っ…!!!」

 全く、予想などしていようはずもなかった激甚な痛みと苦しみに襲い掛かられ、
実ゆの未熟な精神は混乱に支配され、ただ反射的に痛みから逃れようと、体を錐から離そうとした。

 ベリィッ…と、実ゆの口は錐の先端から剥がれたが、それで更なる激しい痛みが、
実ゆの小さく未成熟な餡子脳を切り刻むように苛み、実ゆは先程の希望に満ちた、
愛らしくもあった表情を、グロテスクな苦悶の表情にひき歪め、苦しみにのた打ち回った。
のた打ち回ったと言っても、頭頂部を茎に繋がれた、実ゆっくりである。
地面を転げ回って痛みを紛らわす事も出来ず、ただ不恰好で滑稽な振り子のように、
上を繋がれたまま、ぷるんぷるんと右に左に揺れていただけだったのだが。

 やがて、その運動が茎と頭の繋ぎ目を徐々に傷つけ、脆くしてゆき、
実ゆっくりはぺちゃっ、と下に落ち、餡子を飛び散らせて絶命した。

「おちびちゃああああああん!!ゆっくりしてええ!!ゆっくりいいいいい!!
ゆあああああああああ!!!れいむのゆっくりしたおちびぢゃんがあああああああ!!!!」

 当然の如く、親れいむの悲痛な絶叫が響いたが、これまた当然の如く、中島は容赦などしなかった。

 さすがに、目の前で起きた惨劇、さらに茎を通じて姉妹の恐怖と苦しみが伝達したか、
「えぴぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」「ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」などと、
別の実ゆ達も、恐怖の涙と小便を漏らしながら騒ぎ始めたが、
中島はその様子を満足げに眺めながらも、再び錐を繰り出し、実ゆの小さな目玉をアマギり、
その脆い皮に幾度となく尖った熱い先端を突き刺し、えぐった。

「ゆふっ…ゆふふふふ…おちびちゃん…れいむのかわいいおちびちゃん……ゆっくりしていってね…………」

 数分後。

 そこには、最愛の、もうすぐ生まれてきて一緒にゆっくりした時間を過ごすはずだった
おちびちゃん達への、度重なる殺戮を見せ付けられ、
精神を崩壊させ、現実から逃避して幻想の子供達にぶつぶつと話しかけるだけになったれいむと、
既にぷくーすることもやめ、全ての希望も活力も喪ってしまったかのように、
帽子に顔を隠すようにうなだれ、何も言わず、全く動かなくなってしまったまりさ、そして、
穴だらけの、小さな饅頭の残骸が、転がっているだけだった。

「なるほど…そーゆー遊び方も、あるって訳か~。勉強になるよ、中島~」

「ふっ、まあ、これくらいは、基本中の基本ってとこだけどな。
ゆ虐はイマジネーションの世界だぜ、磯野。自らのイメージを増大出来る者だけが、
真に楽しむことができるのさ」

 そして、少年達はその言葉通りに、中島が持ち込んだ様々な器具、道具も用い、
工夫と趣向を凝らして、ゆっくり達への虐待を楽しんだ。

 足をガスバーナーで焼き、動けなくしたゆっくりに小便をぶちまけた。
成体まりさの大きな帽子の中に、持ち主のまりさの目の前で、うんこをした。
(これをしたのは中島だったが、その時はさすがに磯野も引いた)
胎生出産間近のゆっくりを見つければ、一人がそのゆっくりを固定し、もう一人が
バットを構え、勢い良く産まれ出てきた赤ゆっくりを盛大にジャストミートして餡子の花火を散らせた。
エアガンのアサルトライフルで、逃げ回るゆっくりの群れを撃ちまくり、蜂の巣にして殺した。
飾りを奪い、燃やし、髪の毛を全て引き抜き、ハゲ饅頭と化したゆっくりを大いに嘲笑った。
家ごと燃やし、一家を丸ごと焼き殺した。






「は~、今日も殺ったな~。殺った殺った。大満足♪」

 前日の宴が終わった後と同じように、満ち足りた仕草で伸びをする中島。

「でもちょっと、殺りすぎちまったかもな?半分くらいまで減っちまったんじゃね?こいつら」

 そう言いながら、辺りに散乱する、様々な死因のゆっくりどもの死骸を眺め回す磯野。

「いやいや、そんなには逝ってないって。せいぜい、3分の1ってとこだろ。
まだ、手ぇつけてない家も沢山あるしな…。それにどーせ、ちょっと減りすぎちまったら、
2,3ヶ月ほっときゃいーんだ。こいつら、結構簡単に増えるからな。
そんくらい経ちゃ、すっかり元通りさ」

「そうなのか。う~ん、便利なやつら」

「さ~て、んじゃ、今日はそろそろ帰っかぁ。俺は明日も来るけど、磯野はどうする?」

「ああ、来る来る」

「クックック、お前もすっかり目覚めちまったな。まあ、無理もねーけど」

「あれ?中島、荷物は?」

「ああ、置いてくわー。どーせこんなとこゆっくりしかいねーし、いちいち持って帰んのめんどいし」

 辺りは、またとっぷりと日が暮れかかり、薄暗くなり始めていた。

 人間達が、どうやら完全にいなくなった、とみるや、無事に生き残った家々のゆっくり達が、
恐る恐る、のそのそと這い出て来る。

 そして、目の前に広がる惨劇の現場に息を呑み、そのまま立ち尽くした。
あらゆる手段で痛めつけられ、虐殺された、仲間達の死体、死体、死体…。

 こんな状況にぶつかってのゆっくりの反応など、ぎゃーぎゃーとうるさく泣き喚いて、
辺りを駆け回るのが相場と決まっているが、さすがにこの光景はあまりにもショッキング過ぎたのか、
喚き声などは聞こえず、弱々しい、すすり泣くようなうめき声に混じって、時々
「ゆっくりできないぃ…」と、小さく情けない声が聞こえてくるだけだった。

 長ぱちゅりーは、全く傷を負う事もなく、生きていた。
しかしその顔には、大勢の仲間を苦しめられ、失った痛みと、群れそのものへの存亡に対する
焦慮の色が濃く、到底むっきゅりするどころではなかった。

(もう、じかんがないわ…。あしたまでに…あしたまでに、なんとかゆんだむをかんっせいさせないと、
ぱちゅたちは…)

 しかし、群れのゆっくり達は、怒りと悲しみを復讐心に変え、人間さんを倒す武器を作る前に、
もっと陰鬱で、残酷な作業を、こなさねばならなかった。即ち、殺された仲間達…
それに、お飾りや髪の毛などを失い、ゆっくりできないゆっくりになってしまった仲間達をも、
心を鬼にして、処分しなければならないのである。
それが、いくらのんきな饅頭生物といえど、群れを存続させて行く為に果たされねばならない
義務であり、その責は、長であるぱちゅりーにあった。

 ぱちゅりーは、目を閉じた。そして、ゆっくりにしては驚くべき決断力と切り替えの早さでもって、
決然とした表情で声を張り、群れ全体へ、激を飛ばした。

(にんげんさんたち…むっきゅり…むっきゅりおぼえててね…!
あした、ゆんだむがかんっせいしたら…そしたら…………!)






つづく



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  • ゆんだむマダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン -- 2011-07-28 23:34:51
最終更新:2010年02月05日 18:28
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