ふたば系ゆっくりいじめ 773 ソレ

ソレ 4KB


虐待-普通 ギャグ パロディ 小ネタ 飾り 実験・改造 都会 現代 虐待人間 うんしー 短く一本



彼女がパソコンを買った時にマウスパットが付いていたのを思い出した
半日取扱説明書を黙読して、今もそのまま放置されている段ボールの中から
目的のソレを引きずり出す。
既に新聞紙を敷いた作業台の上
何かに使えるかと思って放置していたアレがうってつけな感じだ

「やめてね ゆっくりできないことはしないでねっ」

哀れを誘う子ゆっくりサイズのれいむの訴え
あぁ、いいなぁ…火でも点けてあげたいなぁ…

「はい一本目」

ずしゅっと思い切り突き刺す

「ゆッ………!?」

マチ針が刺さった眉間を、寄り目で凝視しながら
ちーちーを漏らしている。

「痛くないだろう?」

「い、たくないげど…なんかゆっくりできないぃぃぃ!!」

「がんばれば家族に会えるよ」

「も゛う゛い゛い゛よ゛ぉ゛ぉぉ!!!お゛うちかえるぅぅぅ!!」

「はい二本目」

「ぴぃぃぃぃぃぃ!!!やめちぇぇぇぇぇ!!!!」

「でも痛くないだろ?」

「い゛た゛く゛な゛いけどぉぉぉぉぉ!!!」

「ゆっくりできる~ゆっくりできる~」

「ゆ゛……ゆわあぁぁぁぁ!!!」

 ・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・

 ・・・

 ・

「で、できたのがコレ?」

「うん、ゆっくりって加工すると結構伸びるし」

殆ど厚みがなくなるまで均等に伸ばされたれいむを
同じ方法で伸ばしたまりさと縫い合わせた蠕動する何か

「結局なんなのソレ?」

「生きたブックカバーかな?ほんとうは歌ってほしかったんだけど」

「…へぇ」

素敵に悪趣味な創作物にピストルで値札を打ち込む姿を見て
「あぁ、アレも売り物なんだ」と嘆息する

「なめしてる時は楽しいんだけどニスを塗ると声が出なくなるのがなぁ…
塗らないと腐っちゃうし読んでる時に破れちゃうし」

「そうなの」

正直どうでもいいのだけれど
彼は品質に難があると思っているらしいコレも、きっとあっという間に売れてしまうんだろう
彼の作る物は、私に理解できる物もそうでない物もあっという間に買い手が付いてしまう

理解不理解は価格設定にも同じことが言える

私は結構読む方だからブックカバーも数種類持っている
本革のちゃんとしたヤツが一番高くて、ちょっとしたオーディオと同じくらいの価格

対してこれはちゃんとしたデジタルカメラくらいの価格設定にされている。

そういえば丁度、新しいカメラを買おうと思って降ろしてきた
まとまったお金が財布の中にあった気がする。

「それ、欲しい」

「?…いいけど、それじゃぁ2割引きで」

それでも普段ならちょっと考える程の額を直接支払って

私は、二匹のゆっくりを買った。


  *   *   *


翌日、講義の間久しぶりにずっとおきにいりの一冊にのめり込んでいた。

「おつかれー!」

「うん、おつかれ」

聞こえてくる定型文に反応して、離席していた意識が引き戻される。

ソレに半瞬遅れて自分以外が講堂の出口を目指して歩き出す。

人の掃ける気配と言うのは何にしても心地よい
私が講堂から最後まで離れがたく思うのは、
こうして人が消えてしまうのを見ていたいというのが大きいと思う。

「……ふぅ」

慣れない手触りを感じながら、私もその気配を追って講堂から流れ出る
静かなトコロを、と昨日はこのまま図書館に向かった

今日は少し騒がしく、街で食事でもしよう

思い立って文庫本を読みながら進路を修正する。

デイヴが母親と繰り広げる陰鬱なスラップスティックは
繰返し読むたびにおかしくておもしろい

運ばれてきたマキアートは、香り比して少し苦い
臭いに反応しているのか指を置くのにちょうどいい眼窩が狂ったように動くのが、少し気になる

飲み干すころに、小さく風が吹いて
和紙の様な質感の分厚い栞が風で飛んで行ったらしい
カバーの裏面が激しく蠕動する、黒い栞だった。

そのまま日が沈むまでカフェで過して、肌寒さに気づくまで繰り返していた。

今日はシチューでも作ろう
会計を済ませて、私はカフェを後にした。


  *   *   *


「…どういうことなのさ?」

「べつに?」

ブックカバーの使用感を尋ねられて、私は特に答える事がなかった。
彼にはそれが痛く不満だったらしく

「もっとこう、悪夢的なー!とか正気度がー!とか」

「?」

「…あーうー」

食事しながらずっと尋ねて来る
正直少し行儀が悪いように思う

子供の様に拗ねた態度の彼に、私は一つだけ尋ねる

「『ソレ』は、生きているのよね?」

「えー?うん、そだけど?」

「食事はどうするの?」

「あぁ…」

きまり悪そうに、苦いものでも口にしたような顔で(私の名誉にかけてシチューは美味しかった)彼は

「考えてなかったや」

と白状する。
「持って明後日くらいまでじゃない?」とつづける

「…そう」

テーブルの上の文庫本と、そのカバーをひと撫ぜする。
私は少し愉快になって

「そうだといいな、って思ってたから」

少しだけ笑った。



【おわり】
何故か久しぶりにゆ虐SS
あいかわらず虐待薄いですが
SS書くのって楽しいですね

何か続き物があった気がしたけど、何カ月放置してるだろう

餡庫も様変わりしてちょっとびっくりです

【追伸】
「でいぶ」+「しんぐるまざー」という組み合わせを初めて見た時から
「デイヴ・ペルザー」ネタはやりたかったです。
もっと何か遊べないかな?

by古本屋



トップページに戻る
このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

すべてのコメントを見る
最終更新:2010年02月05日 18:35
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。