昔、お話、昔の話 23KB
虐待-普通 制裁 愛で ギャグ 小ネタ 理不尽 自業自得 差別・格差 調理 自滅 家族崩壊 家出 追放 同族殺し ツガイ 群れ 飼いゆ 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 捕食種 ドスまりさ 希少種 自然界 虐待人間 愛護人間 独自設定 うんしー 夏至の夜の改賊
話、お話、昔の話 昔、お話、昔の話
話、お話、多くの話 昔、お話、遠くの話
話、お話、昔の話 南アフリカ、昔の話
高い木一本立っていた そこに三匹住んでいた
住んでいるのはみすちー親子 母が一匹、子が二匹
今日も留まって鳴いていた 木の巣で留まって子守歌
「おちびちゃん 今日も元気でちんちんちー 大きく育ってちんちんちー」
そこへちぇんがやってきて 舌なめずりしてこう聞いた
「何しているの、みすちーさん その歌いったい何の歌?」
「一人前になるように 太く大きくなるように
歌っているのよ ちんちんちー」
「子供は何匹いるんだよー」
「ちーちーちーちー 二羽いるわー ちんちんちんちん 寝ているわー」
ちぇんはグルリと木を回り それからギロリとひとにらみ
「こっちは飢きんで空腹で そっちは二匹で幸福だ
だからさ、それを分けてよね 一匹寄こせとわかってね」
理不尽極まる要求に 母は慌ててこう叫ぶ
「そんなことはできないわー どこかに去ってくださいなー」
「わかんないのー、このお馬鹿 足らない脳は鳥頭
ただの一つでいいんだよー それとも二匹がいいのかよー」
「お願い静かにしてちょうだい おちびちゃんたち起きちゃうわ」
「お願いさっさとそれちょうだい 子供が全部死んじゃうよー」
ちぇんは走ってジャンプする 木登りしようと見せかける
ガウガウ、ガーガーほえかかり 襲う迫力見せつける
母みすちーはうろたえて とうとう一匹投げ落とす
ちぇんはペロリと呑み込むと 再び母に声掛けた
「子供は何匹いるんだよー」
「ちーちーちーちー 一羽だけー ちんちんちんちん 寝ているわー」
悲しみ嘆くは母みすちー それでもちぇんはさらに言う
「それじゃあそれも寄こしてね ちぇんは腹ぺこわかるよねー
わかることないお馬鹿なら お前も一緒に食っちゃうよ!」
ちぇんは走ってジャンプする 木登りしようと見せかける
ガウガウ、ガーガーほえかかり 襲う迫力見せつける
母みすちーはうろたえて 残りの一匹投げ落とす
ちぇんはペロリと呑み込むと さっさとそこから立ち去った
「ちんちんちー とても悲しい ちんちんちー」
悲しみ嘆くは母みすちー そこへ通るはきめぇ丸 胴付きゆっくりきめぇ丸
「どうしたのです、母みすちー」
「かくかくしかじか、ちんちんちー」
事情を聞いてうなずいた 理解、理解と首振った
「ちぇんは木には登れません そんな事例はございません
一杯食わされたのですね 二匹も食われたのですね
それなら今度はわたくしが ちぇんをだますとしましょうか」
ある日、ちぇんは走ってた 必死の思いで走ってた
舌をだらりと垂らしつつ 汗をかきかき急いでた
そこへ通るはきめぇ丸 飛びつつ、声掛け、身を案ず
「少し休めばいいのでは? そんなに急ぐと死にますよ」
「急がないと死んじゃうよー これから嵐が来るんだよー」
「それは大変 辛い、辛い 羽があったら楽なのに」
「確かにそうだよ、わかるよー うらやましいよ、飛びたいよー」
きめぇ丸はうなずいて 理解、理解と首振った
「それなら飛び方教えましょう 嵐の後に会いましょう」
約束通りまた会って きめぇ丸は念を押す
「それでは飛び方教えます 言うこと聞いてくださいね」
「わかっているよー、大丈夫 言うこと聞くよー、何でもね」
「ではまずそこの木のやにを 体の全部にお付けなさい」
言われた通りにちぇんはした ベタベタベトベトやに付けた
「空を飛ぶのって気持ち悪いー 帽子と頭がくっついたー」
「それは大変 不快、不快 それでもちょっとの辛抱です」
「わからないのがわかるよー これして何の意味あるのー?」
「ほらほら、こうしてわたくしが あなたに羽を付けるのです」
背中の羽を抜き取って ちぇんに付けるはきめぇ丸
ネコ饅頭のあちこちに カラスの黒羽貼りついた
「やったよ、やった、羽生えた! ちぇんも鳥の仲間だよー」
ちぇんは喜びその場を駆ける 尻尾や耳を上下する
けれども空飛ぶ気配なく やがてプンプン怒り出す
「どういうことなの、飛んでない これじゃサギだよ、とんでもない」
「サギではなくてカラスです 飛ぶのはこれから覚えましょう」
ちぇんを抱えるきめぇ丸 強く羽ばたき急上昇
あんまり高く飛んだので 木はアリみたいに見えていた
「ここから飛び降り羽振って 飛ぶのを覚えてみるのです」
恐る恐る下を見て ちぇんは言葉が出なかった
「気が向きませんか? 怖い、怖い やめましょうかね、Fly high」
「何言ってんの、怖くない ちぇんはやるよ、飛んじゃうよー」
「じゃあ健闘を祈ります 飛んできなさい、どこまでも」
きめぇ丸は手を離す ちぇんは飛ぼうと身悶えた
尻尾を振って耳上下 体を揺らし尻回す
けれでも飛ばず、ただ落ちる はがれる羽を尾に引いて
わからないよ、の叫び声 おおおおおおお、と伸びていく
そして地面に激突し 見るも無惨に四散した
これを見届けきめぇ丸 愉快、愉快と首振って
事の次第をみすちーに 伝えに飛んでいったとさ
話、お話、昔の話 アイルランドの昔の話
昔、母親れいむいた お料理大好きれいむいた
しんぐるまざーで頑張って 今日もお鍋を煮込んでた
その時小人がやってきて 母親れいむにこう言った
「その鍋しっかり煮込んでる、あんたを見込んでお願いだ」
「できればやってあげるけど れいむに何の用事なの?」
「ちょっと家が欲しいんで おいらに作ってくれないか」
れいむのお家はそこらの洞穴 れいむは思った、そんな無茶な
「できればやってあげたいよ だけどれいむは作れない」
「それじゃあおいらに貸してくれ その鍋ちょっと貸してくれ」
小人は草と木の枝と たっぷり泥を取ってきて
放り入れたは鍋の中 たまげたことにぶち込んだ
「ちちんぷいぷい ちちんぷい」
あっという間に現れる 鍋の中から一軒家
小人は大きな家出すと 何と担いで立ち去った
れいむは思った、なるほどと ああしてお家を作るのか
真似して集める草・木・泥 放り入れるは鍋の中
「ゆゆんゆぅゆぅ ゆゆんゆ~」
だけどもお家は飛び出ずに できたは悪夢のシチューだけ
「ゆゆーん、変だよ おかしいよ」
それから数日経った後 れいむはお鍋を煮込んでた
またも小人がやってきて 母親れいむにこう言った
「その鍋しっかり煮込んでる、あんたを見込んでお願いだ」
「できればやってあげるけど れいむに何の用事なの?」
小人は連れの少年二人 れいむに見せてこう言った
「こいつら二人を一人にまとめ 一人前にしておくれ」
もちろんれいむは思った、無茶だ 当然すぐさま断った
「できればやってあげたいよ だけどれいむはできないよ」
「それじゃあおいらに貸してくれ その鍋ちょっと貸してくれ」
小人は二人の坊ちゃんを お鍋にぼちゃんとぶち込んだ
「ちちんぷいぷい ちちんぷい」
あっという間に現れる 鍋の中から美青年
小人は青年錬成すると そのままどこかに立ち去った
れいむは思った、なるほどと ああして成長させるのか
うちにも二匹おちびちゃん いるけどちょっと行儀が悪い
せっかくだから一人前に 育ててみよう、作ってみよう
そこで二匹を呼んできて 放り入れるは鍋の中
「ゆゆんゆぅゆぅ ゆゆんゆ~」
だけども何にも飛び出ずに できたはグロいスプラッタ
「ゆっゆっ? ゆげぇ?! ゆぅうぇええ!!」
れいむはとっても恐怖して 気持ちのままに走り出す
走って走って走って走る 逃げて逃げて逃げて逃げる
山のてっぺん着いたとき とうとう疲れてへたり込む
そしたら後から登ってきたのは くだんの小人 なぜだか裸足
「やあこんにちは ところであんた、旅のお供はいらないかい?」
れいむは混乱してたので とんでもないと断った
「何していいのかわからない 何にも考えられないよ」
「気にしなさんな おいらはいつかきっとあんたの役に立つ」
こうして旅立つ二人の旅団 そうして繰り出す小人の提案
「近くの国の王様が 病気になって困ってる
不治の病で大変で 誰にも治せないんだと
それで治せば褒美をやると 募集掛けてるとこなのさ
さっそくあんたが医者やって いっちょ治してもうけよう」
「そんなの無理だよ、できないよ れいむはお医者じゃないんだよ」
「どうでもいいのさ、そんなこと 無用の心配、損の元
あんたは医者のふりしてりゃ 仕事はおいらがやってやる」
小人は勧める熱心に それじゃとれいむは承知した
その城着くと門番が 「なんぞ用か」と、とどめ聞く
小人は言ったご丁寧 恭しくもご紹介
「ここにおわすは稀代の名医 鍋を使って何でも治す
たとえいかなる難病だって 何秒かからず完治する」
「ヤブ医者ならば通しはせぬが ナベ医者ならばよろしかろう
何か要することあらば 遠慮などせず申されよ」
「王様現在どこにいる?」
「今は寝室、病に伏せる」
「それならそこに案内してさ お付きの人たちゃ出してくれ
それから鍋に水入れて 火をかけ沸かしておいてくれ」
言われた通りに人払い 小人ごほんとせきばらい
ぐつぐつ煮える鍋の横 ぐっすり眠る王様の
首をざっくりちょん切って 鍋にぼちゃんとぶち込んだ
「ちちんぷいぷい ちちんぷい」
そして取り出す王の首 見てるれいむはおっかなびっくり
元の通りに首載せた 途端に王様歌い出す
「すっかり全快 これは爽快 頭のつかえが取れたよう」
国中みんな大喜びで れいむと小人は大金持ち
金貨を背負った馬連れて れいむと小人は帰路に就く
しばらくすると小人が言った 裸足の足出し痛がった
「歩って遅れる、ちと苦痛 買っておくれよ、一つ靴
おいらが欲しいはそれだけさ あとはあんたに全部やる」
れいむはとってもお金持ち だけどだからかケチになる
ほんの銅貨の一枚きりも あげるのとっても惜しくなる
れいむは言った 「だめだよ!」と
そしたら消えた 皆全部
金貨も馬も小人さえ 消え去りみんないなくなる
あとにはれいむが残るだけ 無一文のれいむだけ
れいむは一匹とぼとぼと 家を目指して帰りゆく
すると途中でうわさ聞く 別の国のうわさ聞く
さっきの国の王様が なってた病と同じのに
別の国の王様も かかっているとのことだった
やっぱり治せばたくさんの ご褒美もらえるのだそうだ
(それじゃあれいむが治せるよ やり方見てて覚えたし)
れいむはそちらのお城へと 目指す方向変えていく
れいむのうわさは伝えられ 別の国でも有名で
名医のれいむはあっさりと 王様の命預かった
人払いした寝室で れいむは治療に取りかかる
ぐつぐつ煮える鍋の横 ぐっすり眠る王様の
首をざっくりちょん切って 鍋にぼちゃんとぶち込んだ
「ゆゆんゆぅゆぅ ゆゆんゆ~」
だけど何にも起こらない 王様の首煮えるだけ
煮えた首を載せたけど 何にも起こる気配なし
「ゆゆーん、変だよ おかしいよ」
途方に暮れてるれいむの耳に トントン叩くドアの音
れいむ驚き慌てて叫ぶ 召使いに違いない!
「ちょっと待ってね! ゆっくりしてね!」
「何だ、どうにもつれないね 助けはさっぱりいらないかい?
あんたのお供の小人がここに 登場したっていうのにさ」
れいむはドア開け、小人を入れる
「来てくれたんだね、うれしいよ」
「参上したてでさっそく聞くが どうしたんだい、この惨状」
れいむがこれまでのことを 説明するとうなずいた
王様の首をまた鍋へ 入れると呪文を唱え出す
「ちちんぷいぷい ちちんぷい」
元の通りに首載せた 途端に王様歌い出す
「すっかり全快 これは爽快 頭のつかえが取れたよう」
国中みんな大喜びで れいむと小人は大金持ち
金貨を背負った馬連れて れいむと小人は帰路に就く
それほどせぬうち小人が言った 裸足の足出し痛がった
「歩って遅れる、ちと苦痛 買っておくれよ、一つ靴」
れいむは答える、「もちろんいいよ」 何も悩まずこう述べる
「お金だったら問題ないよ 欲しい分だけ持ってって
全部あげても全然いいよ れいむは何にもしてないし」
「あんたが前にもそれならさ 途中で見捨てなかったぜ
それじゃあいよいよお別れだ 二度と会うこたないだろう
馬も金貨も持ってきな 全部あんたのものだしな」
さらりと消える小人の姿 煙のように消え去って
代わりに出てくる馬一頭 金貨を背負った馬一頭
二頭の馬を引き連れて れいむは家に帰り着く
「おかえりなさい!」と出迎える 二匹は自分の子供たち
ことことぐつぐつ音するは いつもの煮込んだ鍋だとさ
話、お話、昔の話 昔、昔のドイツの話
ゆっくり村のゆっくりたちは みんな金持ちばっかりで
けれども唯一貧乏な ゆっくりてゐがいたそうだ
誰もが牛を飼っていて てゐだけ何にも飼ってない
あるときてゐは木を組んで 牛を作って呼び込むは 牛飼いやってるのうかりん
「ようやく子牛を買えたウサ だけどこいつは生まれた直後
まだ満足に歩けない だからちょっと牧場まで 抱いて運んでほしいウサ」
牛飼い了承、運んでみると その牛ずっと食べている
日が暮れ、帰るときになり それでも頭を垂れたまま
(こんなに食うなら一人でも 帰れるくらいにゃなるっぺな)
そんなことを考えて 牛飼い、子牛をそのままに 他の牛連れ立ち去った
てゐは戸口に立っていて 自分の子牛を待っていた
すると牛飼いやってきて 村を通るが子牛無し
「てゐの子牛はどうしたの? どこにも姿が見えないよ」
「あれならいまだに食ってるべ ほっといた方がいんじゃねか」
「何言ってんの、そりゃないよ ちゃんと連れて帰ってよ」
それで二人で牧場へと 行ってはみたけど 子牛無し
「ああほら言わないことじゃない 子牛が盗まれちゃったウサ」
それでてゐはのうかりん 村長のとこへ連れてった
村長ぱちゅりーこっぴどく 牛飼いしかって言い渡す
「子牛の代わりに牛一頭 あげてむっきゅり解決よ!」
てゐはようやく念願の 牛を手に入れご満悦
だけど飼い葉がないもので 結局始末するしかない
かわいい牛はいなくなり 皮売りに行くしかなくなった
町へ向かったその最中 雨がポツポツ降ってきて やがてザーザー強くなる
たまたま見かけた水車小屋 「一晩泊めて」と戸を叩く
粉ひきやってるすわこ種が 出迎え、寝床を指し示す
お礼を言ってゆっくりてゐは ワラの上にて寝転がる
そうこうするうち訪れた 新たな客人、戸を叩く
すわこはやたらと歓迎し 招き入れるは巫女饅頭 緑の髪したさなえ種だ
「今日はだんなが留守なんで 二人でごちそう食べようね」
「それはちょっと悪いです でも常識にはアンチェイン」
どうやら浮気の相手らしい 仲むつまじく触れあった
あれこれ並べる食べ物は 肉やら菓子やらワインやら
(そんなに食べ物あるんなら ちょっとはくれてもいいウサに)
てゐは腹ぺこだったので ちょっと腹が立ってきた
そこへトントン戸を叩く 音が食事の邪魔をした
どうやらだんなが帰宅の様子 「戸を開けとくれ」と声がした
あわててすわこはごちそうを あちらこちらへ隠しおき さなえを突っ込む置戸棚
全部を全部隠し終え すわこはだんなをお出迎え 息を落ち着け戸を開ける
「やあただいま」とかなこ種が びしょぬれのままで中入り
「よっこらしょっ」と背に負った 柱を下ろしてくつろいだ
ふっと目にしたワラの上 てゐ見てすわこに聞いてみる
「可哀想だしいいかなと 泊めてあげよう、ねえかなこ」
「何度も来られちゃ敵わんが 一晩だけならまあいいさ」
快くも了承し そしたらクゥとお腹鳴る
「飯にするかい 何がある?」
「パンしかないけどそれでいい?」
「この際何でも構わんさ ついでにそいつも呼んでやれ」
かなこはてゐに呼びかけた
「あんたも一緒に食べないかい」
すわこに言葉を挟ませず てゐはぴょんと跳びお相伴
一緒にパンを食い終えて 腹パンパンとはいかないが
一応空腹落ち着けて かなこはてゐに聞いてみる
「こういうときにはあんたがさ 何か話をするもんだけど
あんたは何か知ってるかい? 楽しい話をしとくれよ」
「特に話はできないけれど 変わった特技があるんウサ」
「そりゃあ一体何なんだい?」
「てゐは占いできるウサ」
さっそくかなこがやらせてみると てゐはお耳をパタパタさせて そして一言つぶやいた
「ベッドの下に一瓶の 赤いワインがあるウサよ」
「何言ってんだい、そんなこと あったりなんかするもんか」
そう言い、そこを見てみると 言われた通りに酒あった
そうして肉やら菓子やらと 次々てゐは占いを 続けてごちそう引き出した
てゐとかなこは舌つづみ 鳴らしていたが一方で すわこは全く気が気じゃない
家じゅうのカギを一人持ち 布団の下でじっとする
「まだ占いはできるのかい?」 かなこの言葉に占い師 「大事なので占えない」
「そこを何とか占っとくれ」 そう言いせっつくかなこ種へ
「そんならどれだけ出すウサ」と てゐは吹っかけ金請求
大金の約束取り付けて てゐは再び耳振った
「ここには悪魔がいるウサね 場所はどうやら置戸棚」
「悪魔だなんてそりゃ大変 さっさと追いださないとねえ」
かなこは大戸を開け放つ すわこはカギをすぐ渡す
てゐは戸棚を開けてやる さなえはさっさと飛び出した
「ありゃりゃまあまあ驚いた 確かに悪魔が飛んでった」
そうしててゐは大金を 手に入れ村へ帰宅した
さて貧乏のはずのゆっくりが 大金持っていることに
村人みんな不審がり 村長はてゐを呼び出した
「どこでそんなに大金を 得たのかむっきゅり話しなさい」
「てゐは牛の生皮を 売ったらこんなになったウサ」
みんなそれ聞き、それならと 我も我もと牛殺し 皮をはぎ取り売りに行く
村長ぱちゅりー張り切って 鼻息荒くこう言った
「ぱちぇが先に売るからね みんなはむっきゅり後にして」
けれども期待は裏切られ 二束三文しかならない
後からやって来た者は 買い取りでさえ拒否された
村長・村人激怒して 即座に決定、てゐ死刑
穴だらけのタル用意され てゐはその中入れられる
このまま川にぶち込んで ほんわかぱっぱ、ほんわかぱっぱ、土左衛門
最後のお祈り済ませよと 巫女が呼ばれてやってくる
村長・村人その場から お祈り時だけ立ち去った
「許されないのは誰ですか 神は全てを許します」
見ればその巫女見覚えあった いつかのなまぐさ巫女さなえ
「てゐが助けた、覚えてた? いつか開いた置戸棚」
借りと秘密を印籠に 黄門よろしく巫女脅す
そこへ通るは羊飼い 羊の群れ追うまりさ種だ
てゐはまりさが野心家で 村長志望と知っていた
ニヤリと笑ったすぐ後で 必死の叫びを振りしぼる
「嫌だよ、嫌だ! 御免ウサ!」
「何が嫌だというんだぜ?」
計画通りにまりさ来る てゐは嘘泣きして言った
「このタルの中に入ったら 村長にすると言われたよ
だけどてゐはそんなこと やりたくないから御免ウサ」
「それじゃあまりさが代わるのぜ 村長になってあげるのぜ」
そうしてまりさはタル入り てゐは羊と立ち去って
さなえは祈りの終了を 村人に告げて帰路につく
村人行くとタル一つ フタ打ち付けてそこにある
そんじゃま、やるかとゴロゴロと 転がし川にぶち込んだ
みんなが村に帰ってみると ゆっくりてゐは何食わぬ 顔して羊の群れ連れる
みんな驚き、わけ聞くと てゐはのんびりこう言った
「タルが沈んで川の底 着いたら草原広がって
そこにたくさん羊いて いくらか連れて来たウサよ」
これ聞き、みんな喜々として 危機など感じず川へ行き
のぞいた川面に映ったは モコモコ散った空の雲 それらを羊と思い込む
村長ぱちゅりー張り切って 鼻息荒くこう言った
「ぱちぇが先に行くからね みんなはむっきゅり後にして」
ドボンと飛び込む真っ先に それからみんなも後続く
ドボンドボンと飛び込んで 一人残らず土左衛門
一人残ったゆっくりてゐは みんなの遺産を独り占め
村一番の貧乏は 大金持ちになったとさ
話、お話、昔の話 昔、昔のロシアの話
とある野原の真ん中に 転がってるのは首の骨 大きな馬の首の骨
そこへ来たのはちびれいむ ぽいんぽいんと跳ねてきた
骨を目にして立ち止まり 骨に言葉を掛けてみた
「お家よ、お家 だりぇかお家に住んでりゅの?」
答えはまったく返らない どうやら誰もいないよう
ゆっくりぷれいす見つけたと れいむはそこに住みついた
次に来たのはゆっくりちぇん ちょこんちょこんと跳ねてきた
骨を目にして立ち止まり 骨に言葉を掛けてみた
「お家よ、お家 誰かお家に住んでるのー?」
「れいみゅがゆっくり住んでりゅよ そっちはだりぇだか教えてね」
「ちぇんは子猫のちぇんだよー」
「そりぇじゃ一緒にくりゃそうね!」
ちぇんは家の中入り 二匹で暮らすことにした
次に来たのはゆっくりみょん ひょいんひょいんと跳ねてきた
骨を目にして立ち止まり 骨に言葉を掛けてみた
「お家よ、お家 誰かお家に住んでるみょん?」
「れいみゅと子猫のちぇんいりゅよ そっちはだりぇだか教えてね」
「みょんは辻斬りみょんだみょん」
「そりぇじゃ一緒にくりゃそうね!」
みょんは家の中入り 三匹暮らすことにした
次に来たのはゆっくりありす ぴょこんぴょこんと跳ねてきた
骨を目にして立ち止まり 骨に言葉を掛けてみた
「お家よ、お家 誰かお家に住んでるの?」
「れいみゅと子猫のちぇんいるよ それから辻斬りみょんいるよ
そっちはだりぇだか教えてね」
「ありすは都会派ありすなの」
「そりぇじゃ一緒にくりゃそうね!」
ありすは家の中入り 四匹暮らすことにした
次に来たのはゆっくりれみりゃ ぱたぱたぱたと羽で来た
骨を目にして立ち止まり 骨に言葉を掛けてみた
「お家よ、お家 誰かお家にいるのかど~?」
「れいみゅと子猫のちぇんいるよ 辻斬りみょんと都会派ありす
併せて四匹住んでりゅよ そっちはだりぇだか教えてね」
「れみりゃはお嬢様だどー」
「そりぇじゃ一緒にくりゃそうね!」
れみりゃは家の中入り 五匹で暮らすことにした
次に来たのはドスまりさ どすんどすんと跳ねてきた
骨を目にして立ち止まり 骨に言葉を掛けてみた
「お家よ、お家 誰かお家に住んでるの?」
「れいみゅと子猫のちぇんいるよ 辻斬りみょんと都会派ありす
お嬢のれみりゃで五匹だよ そっちはだりぇだか教えてね」
「ドスはドスだよ こんにちは」
そうしてどすんと座った家は ぺちゃんとつぶれましたとさ
話、お話、昔の話 昔の韓国、昔の話
胴付きれみりゃが結婚し お婿に入っていったのは
柿の木生えたお菓子屋さん めーりんとさくやのお菓子屋さん
そこで出されたシロップに れみりゃはとても驚いた
イチゴの香りがとてもよく とろけるように甘かった
さくやと初夜を迎えても 頭はそれでいっぱいで
さくやに壺のある場所を 聞き出し即座に行ってみる
裸んぼうで向かう先 イチゴのシロップ、壺の中
見つけてすぐに両手を入れて むんずとつかむ多くのイチゴ
取り出し食おうとしたけれど つかえて出せない壺の口
振ったり蹴ったりしたけれど やっぱり出せない壺の口
片手でやれば取れるのに 二、三個ずつなら出せるのに
れみりゃはそれには気づかない うんこらよっこら気張ってる
とうとう疲れて諦めて シロップ飲もうと計画変更
お玉かスプーンを探したが シロップすくうはないらしい
頭がポカンの性してる れみりゃを救うはないらしい
壺は重くて持ち上げ不可で 抱えてあおるはありえぬ負荷だ
そこで頭を突っ込んで 直接飲もうとやってみた
柔らか頭は中入り 成功するかに見えたけど
シロップに届くその直前 誰かが近づく音がした
ガタゴトする音聞きつけて やってきたのは母さくや
「誰かいるの?」と声掛けて どんどん近づきやってくる
慌ててれみりゃは逃げようと したけど頭が外れない
すっぽりはまった壺頭 もがけどあがけどそのまんま
どうにもならずに無理矢理に 重たい頭を被りつつ
すっぽんぽんの壺頭 ふらふらよたつき逃げていく ぼたぼたシロップこぼしてく
少し遅れて母さくや 来たけど何にも起こってない
気のせいだったとほっとして くわえた棒を置こうとし
まあ来たついでと、婿にやる 柿でも取ろうと庭に出た
当の婿たるれみりゃ氏は 追っ手の足音耳にして 慌てふためき木に登る
裸で登る壺頭 おぼろ月夜に浮かぶ様 奇妙奇天烈まか不思議
母のさくやが庭に行き 薄明かりの下、見上げれば
何とも大きな熟れた柿 重たく甘そうに生っている
さっそくくわえた棒切れで 何度も何度も突くけれど
いくらやっても落ちもせず しぶとくねばってしがみつく
れみりゃ歯食いしばって耐えたけど やっぱり痛くてたまらない
声は漏らさずこらえたが 思わず漏らした生うんうん
それ見て棒持つ母さくや 「あらあら、まあまあ」つぶやいた
「熟柿が裂けてしまったわ」 そうして家に入ったとさ
話、お話、昔の話 昔、昔の日本の話
昔、のんべのまりさいた お酒大好きまりさいた
ご主人様のお使いの 途中でいつも飲んでいた
飲んではいつもグウグウいびき 注意されては飛び起きる
「これはいかんぜ、しくじったのぜ」
「早く行かんとしかられますよ」
おかみさんはせきたて送り出す いつものようにせきたてる
「急ぐぜ、速いぜ、遅いと死ぬぜ ご主人様は鬼なのぜ」
いつもそうして疾走まりさ いつもそうした粗相の連鎖
ある日いつもののんべのまりさ 飲んでグースカ昼寝した
そこへ通るは四人の悪がき 食べているのは熟柿の甘柿
種を含んだ悪がき四人 酔って寝ているまりさを視認
「こいつは生意気、一斉射撃」
含んだ種を口から吹いた
種は頭に貼りついた まりさの頭にペトペトついた
気づかずまりさはグウグウ眠る
やがておかみがせきたてて まりさは慌てて飛び起きた
「早く行かんとしかられますよ」
「これはいかんぜ、しくじったのぜ」
まりさは気づかず急いで跳ねる 頭の種に気づかず跳ねる
やがて芽を出す柿の種
芽は出て、背が伸び、大きくなって 花咲き、実がなり、たわわになった
何がどうしてこうなったのか 何とも大変一大事
けれどもまりさは困らずに むしろ得意にこう言った
「おかみよ、おかみ、とくと見るのぜ この柿ゃ赤い、甘い柿のぜ
欲しい分だけあげるから あげた分だけ飲ますのぜ」
「はいはい、了解 それじゃちょうだい」
まりさはたっぷり飲んで眠った いつものように酔って眠った
そこへ通るは四人の悪がき 甘柿食べてた例の悪がき
「何だこいつはふてぶてしい 頭に太い木 大いばり」
「切れ切れ、きれいにさっぱり切れよ」
「のこぎり、一切り、これっきり」
ギコギコ、ゴシゴシ切られる柿の木 グウグウ、スウスウ眠れる酔客
やがておかみがせきたてて まりさは慌てて飛び起きた
「早く行かんとしかられますよ」
「これはいかんぜ、しくじったのぜ」
まりさは気づかず急いで跳ねる 頭の切り株、気づかず跳ねる
やがて切り株、成長株 そのままなどでは終わらない
生えるはキノコ、立派なキノコ 山ほど生えたヒラタケだ
まりさはさっぱり困らずに 胸をそらしてこう言った
「おかみよ、おかみ、とくと見るのぜ このタケ、美味い、高いタケのぜ
欲しい分だけあげるから あげた分だけ飲ますのぜ」
「はいはい、了解 それじゃちょうだい」
まりさはたっぷり飲んで眠った いつものように酔って眠った
そこへ通るは四人の悪がき 柿の木切った例の悪がき
「何だこいつはあきれたもんだ キノコ生やして眠ってやがら」
「饅頭なんかにゃもったいない 切り株掘って取っちまえ」
うんこら、よっこら、掘ってく作業
グースカ、グースカ、ほっとく気性
やがておかみがせきたてて まりさは慌てて飛び起きた
「早く行かんとしかられますよ」
「これはいかんぜ、しくじったのぜ」
まりさは気づかず急いで跳ねる 頭の穴に気づかず跳ねる
やがて穴には雨が降る そして穴には水たまる
さらになぜだかドジョウがわいた 何十何百ドジョウがわいた
ジャブジャブ、ピチャピチャ水面跳ねて 活きがいいのを大表現
まりさはやっぱり困らずに 得意満面こう言った
「おかみよ、おかみ、とくと見るのぜ ドジョウがたくさん、売るだけあるのぜ
欲しい分だけあげるから あげた分だけ飲ますのぜ」
「はいはい、了解 それじゃちょうだい」
まりさはたっぷり飲んで眠った いつものように酔って眠った
そこへ通るは四人の悪がき 頭を掘った例の悪がき
「何だこいつはどうにもならねえ」
「ほっておくしか、しかたがねえや」
そう言い、捨て置き立ち去った それこっきりでお終いだ
こうしてまりさはいつものように お使い途中にいつも酔う
ドジョウを売って、酔って、眠って 慌てて起きて、跳ねたとさ
話、お話、昔の話 昔、お話、昔の話
話、お話、多くの話 昔、お話、近くの話
これでおしまい どっとはらい!
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- 日本の話の元ネタはしってるなあ…確か最後は頭に池ができて、釣り騒ぎで五月蝿くて生活出来ないから、自分の頭の池に身を投げたんだっけw
まあ、楽しめました(´>ω<`) -- 2016-07-15 21:43:22
- 元ネタしらんけど面白かったわ -- 2011-10-19 23:52:35
- 一番↓
黙読するより音読したほうが読みやすいぞ -- 2011-09-19 16:21:02
- 内容は勿論、テンポの良さに楽しく読めた。
こういうのって面白いなぁ。 -- 2011-07-13 13:25:10
- きちんと韻を踏んであるから、読み難いのは読み手が悪い -- 2010-09-18 04:14:51
- うん。面白いよ。 -- 2010-07-12 09:23:05
- 声に出して読んだ時、ふしをつけてテンポ良く読めるように書かれてるね。 -- 2010-06-16 14:02:00
- 元ネタわからないけど楽しかったよ!! -- 2010-06-12 07:37:43
- 元ネタは一番したしかわからんかったけど、パロってて違和感なくて面白かった
↓昔話は大体こんな調子の書き方だよ -- 2010-04-19 12:38:48
- よ、読みにくい…設定とかよりも、ただひたすら読みにくい。
誤字なのかわざとなのか判らない個所も多くて最初の方で力尽きた -- 2010-04-03 15:12:00
最終更新:2010年03月19日 18:10