老夫婦とまりさ2 12KB
虐待-普通 制裁 自業自得 実験・改造 飼いゆ 赤子・子供 透明な箱 現代 虐待人間 愛護人間 三作品目です
三作品目です。
感想ありがとうございました。
今回も子まりさは反旗を翻します。
前作品の続きです。
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老夫婦とまりさ2
1.
お爺さんは子まりさへの教育を続けていた。
子まりさのすでに顔はぼこぼこになっている。
「話しているように食事というものは簡単には用意できない。苦労があって手に入るものなんだ」
「そんなのしらないのぜ…おばあちゃんがもってきてくれるのぜ…」
これまで自分で食べ物を手に入れたことがない子まりさにとって、食べ物は持ってきて貰うものでしかなかった。
それをお父さんが狩りをしてとってきているとは聞いていたが、まだそれがどのようなことすら知らなかった。
「やれやれ。そんなことから教えないといけないのか…」
お爺さんは眉を潜めた。相手があまりにも物を知らないためである。
一つのことを教えるのに沢山のことを教えなくてはならない。
「じゃあまずはお前のお父さんがしていることについて話そう」
「お父さん…そうなのぜ!おとうさんとおかあさんはどこなのぜ!?」
子まりさは今までのぬるま湯生活ですっかり忘れていた両親のことを思い出した。
本来の目的を忘れてしまうのも餡子脳の成せる技だろう。
「…お前のお父さん、お母さんはどこに行ったんだ?」
「にんげんさんがひとりじめしているおやさいさんをとりにいったのぜ」
お爺さんはもしや、と思った。
妻から聞きたくもない子まりさのことを聞いていたがそれと合致する。
以前成体まりさが畑を荒らしていたので潰したことがあるのだ。
さらに言うとその翌日には成体れいむを潰していた。
「それはいつのことだ」
「まりさがここにくるまえのぜ。それがどうかしたのぜ」
お爺さんは確信した。
日にちを逆算するとぴたりと一致する。
お爺さんはこのまりさの親を殺していたのだ。
(これは機会かもしれんな)
事実は早く知った方がいい。
それに自分の両親がすでにこの世にいないということを知らなければ、一生探し続けることになる。
また、それ以外に大きな目的もあったのだ。
「お前の両親は俺が殺した」
「…ゆ?」
間ができる。
唐突な発言に子まりさは戸惑った。
「なにをいってるのぜ…いくらおまえでもおとうさんとおかあさんがころされるはずないのぜ…」
口では両親の強さを信頼しているようだが、その目は明らかに動揺している。
自分が蹴り飛ばされた時の衝撃や現在の自分の立場から考えるとお爺さんの言うことが正しいように思えてくる。
「お前の父親はまりさで母親はれいむだろ?」
「ゆ…なんでおとうさんとおかあさんのなまえをしってるのぜ…」
餡子脳が役に立った。
多くのゆっくりの番はまりさとれいむであり、名前もそのまままりさとれいむである。
子まりさはお爺さんが親とその名前を知っているということを聞き、疑惑が確信へと迫っていった。
(ゆっくりっていうのは本当に頭がアレだな…)
「そうだ。俺がお前の両親をしっているのh」
「ゆわぁぁぁぁ!ゆるさないのぜ!おまえをころしてやるからここからだすのぜ!」
子まりさは自分の立場さえもを忘れてケースの中で暴れ始めた。
目前の敵に両親を殺されたという事実のために痛みからくるものとは別の涙が流れ始めた。
(予想通りだな…予想通り過ぎて嫌になるが…)
「人間の作った物に手を出すからそうなったんだ。仕方のないことだ」
「…にんげんさん?」
人間という言葉を聞き子まりさは動きを止めた。
目の前の生き物が
「ゆっくりしていないおやさいさんをひとりじめにするばかなせいぶつ」
であることにここで初めて気がついたのである。ここに来て一週間経ってのことである。
「にんげんさんはばかでゆっくりしてないからよわいはずなのぜ!さっさとここからだすのぜ!」
子まりさは途端にまた不貞不貞しい態度になりゆっくり的な独自の理論を力説した。
だがそれが人間に通用するはずはなかった。
「俺がお前を蹴り飛ばしたのは覚えてないのか?」
「あれはぐうぜんなのぜ!にんげんさんはよわいからつぎにたたかえばかてるはずなのぜ!」
お爺さんは期待通りの言葉を聞き出せて満足をした。
人間という存在を学ばせるためのきっかけ作りとなったからだ。
「ほう、じゃあ一つ戦ってみるか。もしも俺が負けたらなんでも好きにしていいぞ」
「やっぱりにんげんはばかなのぜ!まりささまにかなうはずがないのぜ!」
目の前の生き物に両親を殺され、蹴り飛ばされ、鉛筆を刺されているのに相手が人間と知るとこの態度である。
今までのことは全て偶然もしくは運が悪かったと思いこむのは餡子脳ゆえだろう。
「じゃあ出してやる。どこからでもかかってこい」
お爺さんはケースから子まりさを出し置いてやった。
「まりささまをにがしたことをこうかいさせてやるんだぜ!」
鉛筆が刺さったまま偉そうに宣言する子まりさ。
痛みなどすでに忘れているのだろうか。
子まりさにとって最初の授業は人間についてとなった。
2.
「そろーりそろーり」
あぐらをかいて座っているお爺さんの周りを子まりさはぐるぐると這いずり始めた。
お爺さんが逃げられないように包囲しているということを主張したいらしい。
だが結果が見えているお爺さんからすれば無駄なことにしか見えない。
「さっさとしろ。夕飯までに終わらせたいんだ」
「まりささまにかてるとおもってるのぜ?おもいあがりもはなはだしいのぜ!」
(人を苛つかせる言葉だけはよく知っているんだな…)
「しぬのぜー!」
子まりさは火花のような勢いでお爺さんに飛びかかりお爺さんを痛めつけた、つもりのようであった。
お爺さんは実際はなんともなっていないのだが、それに気がつかず何度も体当たりをする。
「ゆはははは!もうしんだのぜ?ひめいがきこえないのぜー!」
いわゆるどや顔で子まりさは攻撃をやめた。
もう勝ったつもりでいる。
「…もういいか?」
「ゆ!?」
信じられない。そういった顔で子まりさはお爺さんの顔を見上げた。
まさか人間がこんなにも打たれ強いとは思っていなかったのだ。
「じゃあ次は俺の番だな…」
子まりさは考えられない事態に戸惑い動くことができなかった。
ガタガタと震え、その目はこの世の物でないものを見ているかのようである。
「二本目だ」
二本目の鉛筆が左右対称になるように突き刺さった。
ただ適当に刺すのではなく左右対称に刺すのはお爺さんの整然さを好むところから来ている。
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「どうだ人間の強さが分かったか?」
「わからないのぜぇぇぇぇ!なんでかなわないのぜぇぇぇぇ!」
お爺さん子まりさが本気で分かっていないということが見て取れた。
こっぴどくやられても人間に適わないということが信じられないらしい。
「じゃあお婆さんと戦ってこい。それで分かるだろう」
「…ゆ!?おばあちゃんなららくしょうなのぜ!ちょろいもんなのぜ!」
今まで暴力を振るわれたことのないお婆さんに対しては余裕で勝てると思ったらしい。
気の持ちようなのだろうか、痛みどころか鉛筆が刺さっていることさえ忘れているようである。
この点は餡子脳の凄いところであると言えよう。
「じゃあ行こうか。現実を知らしめてやろう」
お爺さんは子まりさを台所へ連れて行った。
お婆さんは夕飯の準備をしていた。
「おい、こいつと戦ってやってくれ。力関係を学ばないと教育が進まないんでな」
「なんで鉛筆が刺さってるんだね!それに顔が腫れてる…なんて酷いことを…」
「所詮ゆっくりだ。すぐに治る」
「しぬのぜぇぇぇぇ!」
老夫婦が話している内に卑怯にも子まりさはいきなり飛びかかった。
が、結果は予想の通りのものでありお婆さんに傷一つつかない。
「あぁっ!」
とは言え不意打ちかつ腰の弱い老体であるお婆さんの体は揺れた。
それと同時に持っていた包丁が落ちる。
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
定められた運命かのように包丁が帽子をも貫き子まりさに突き刺さる。
かなり深く刺さり、刃は見えている部分の方が少ない。
「あぁ、これは死ぬな」
「あぁぁぁ、どうしましょう!」
「もっ…ゆ……り…し……」
子まりさは死を覚悟して最期の言葉を残そうとしていた。
餡子が漏れだしている上に黒ずみ始めている。このままでは死ぬのは確実だろう。
包丁と鉛筆を抜いたもののそれは餡子が漏れるのを早めるだけであった。
3.
「何か甘い物で治さないと…!」
お婆さんは砂糖のある棚を見たが砂糖が無い。
お爺さんが砂糖水作りに使ってしまったからだ。
「砂糖はさっき砂糖水を作るのに全部使ってしまったよ」
「じゃあそれを持ってきて!」
「分かった分かった…」
お爺さんは砂糖水を持ってきて子まりさにかけた。
意識は戻ったのか言葉が漏れる。
「……ゆっ…ぐ……りぃ…」
「…足りないみたいだな」
「もう砂糖はないのに…」
延命措置はできたがそれも長くは続かないようである。
また少しずつ黒ずみ始めている。
「砂糖以外じゃ駄目なのか。冷蔵庫に何かないか?」
「多少砂糖が入ってるものもあるけど、砂糖以外にも色々入ってるし…」
「まあ試してみるか」
お爺さんは冷蔵庫から使えそうなものを探し出した。
まず目にとまったのは甘酢である。
「酢が入ってるがまあ大丈夫だろう。これを使うぞ」
お爺さんは甘酢を取り出すと子まりさの裂け目に流し込んだ。
「…ゅ…ゆぐ…がぁぁ…ぁあ……」
どうやら痛みを感じるらしい。
だが声には元気がついてきている。
「適当なものでも結構なんとかなりそうだな」
「頑張ってね!死んじゃいけないよ!」
このように冷蔵庫の様々なものを子まりさに少しずつ足していった。
その内容は割愛するが、それらを注ぎ込む度に悲鳴は元気なものとなり、傷口はふさがっていった。
「…ゆ…しぬかとおもったのぜ…」
子まりさは意識を取り戻した。
「どうだ?人間の強さが分かったか?」
「もうじゅうぶんなのぜ…」
「良かった。死んじゃうのかと思った」
「ゆ…ゆ…おばあちゃんこわいのぜぇぇぇぇ!!」
子まりさは号泣した。
意図的ではないにしろ死の寸前まで至らしめたお婆さんが恐かったのである。
「あら…」
子まりさの中で一番恐ろしい存在となったのはお爺さんではなくお婆さんであった。
4.
夕食の時間となり座敷机を二人と一匹が囲む。
「「いただきます」」
老夫婦は食事を始めた。
しかしそこには子まりさの分はない。
「ゆぅ…おなかすいたのぜ…」
「そうか。それがどうした」
「あなた、この子が可哀想ですよ…」
「お前は甘やかしが過ぎる。これも教育の内だ」
「ごはんさんがほしいのぜ…」
子まりさは空腹を訴えたがお爺さんは耳を傾けない。
すでに新しい授業が始まっていたのだ。食についてである。
「ご飯が欲しいなら自分の力で手に入れろ」
「ゆっ!?そんなのむりなのぜ!じぶんでごはんさんをてにいれたことはないのぜ!」
「…教えてやるからそこで待ってろ」
お爺さんは面倒くさそうに返事をすると、ご飯をやや早く食べ始めた。
子まりさは不安そうにお爺さんを見つめていた。
ご飯が済むとお爺さんは子まりさを連れて近くの原っぱへと向かった。
実践をさせるつもりであった。
「…さて、お前が今までお父さんにとってきて貰った物を言ってみろ」
「ゆ…くささんにむしさんにおはなさんに…きのみさんややさいさんなのぜ」
「野菜は人間が育てているものだぞ」
「やさいさんはかってn」
強力なデコピンが子まりさに打ち出された。
お爺さんも力加減も分かってきたようで、少し吹っ飛ぶだけですませることができた。
「野菜に関してはまた今度教えるが、野菜が勝手に生えてくるだとか二度と言うな」
「わかりましたぁぁぁぁぁぁ!」
ゆっくりの持つ概念は人間の持つそれとは異なる。
それを打ち破り上書きしなくてはならないのは面倒なことである。
「で、お前がその中で好きなものは何だ?」
「おやさいさんとかきのみさんとか虫さんなのぜ」
「草や花は?」
「あんまり美味しくないのぜ…」
どうやら入手に苦労するものほど好きらしい。
食べ物の価値を教えるにはちょうど良い価値観だろう。
「草や花はそこらにあるからそれを食べればいいだろ」
「美味しいものが食べたいのぜ…」
「じゃあ取り方を学ばないといけないぞ」
お爺さんは虫がいる場所、木の実が落ちている場所についてその生態から教え始めた。
なかなか分からないだろうと思っていたが不思議と学習は円滑に進んでいった。
「…つまり虫さんは見つからないように隠れているのぜ?」
「そうだ。…やけに物わかりが良くなったな」
「何故か頭の中がすっきりしているのぜ。まりさにもよく分からないのぜ」
お爺さんには心当たりがあった。それは子まりさの中に色々と入れたことである。
中に入れたそれらの内の何かが、子まりさ知能に影響を与えたのかもしれないのだ。
他に心当たりがない以上、それが原因であるとしか考えられない。
「まあいいか…じゃあ次に野菜についてだが…」
驚くべき事に子まりさは野菜についても理解を示した。
今までであったら話を途中で忘れるほどの餡子脳であったことが信じられないぐらいである。
「野菜さんはそうやってできるのぜ…知らなかったのぜ…」
「あぁ、だから畑を荒らすゆっくりは嫌われるんだ。それでお前の両親も殺すことになった」
「ゆ…それは悪かったのぜ…でも殺さないで欲しかったのぜ…」
子まりさは両親を殺されたということを再認識し顔に影を落とした。
両親が悪いといえども人間の法を知らないゆっくりにとっては理不尽に思えることであった。
「…すまんな。人間にも人間の生活があるんだ」
「…人間さんには悪いゆっくりだったかもしれないけど、まりさには掛け替えのないお父さんとお母さんだったのぜ…」
その言葉を聞いてお爺さんは少し考えを巡らした。
自分の息子のことである。しかしそれはすぐにやめることにした。
「…今日はもう勉強は終わりだ。家に帰ってご飯を食べようか」
「ゆ?…ご飯さんをまだとってないのぜ?」
「いや、今日はもういい。お婆さんに残り物を用意してもらおう」
「?」
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- まりさの治療に何を入れた!?
それが分かれば、ゆ虐バリエーションが!!!
・・・いえ、ゆっくり共存の夢が広がるかもしれない!! -- 2018-03-09 06:15:54
- お爺さん神 -- 2014-06-15 13:35:28
- ゆっくりの阿保な考えを覆したおじいさん凄い -- 2013-07-12 05:30:27
- イイハナシダナー(;∀;) -- 2011-09-14 17:53:33
- すげえいい -- 2010-08-19 19:48:33
最終更新:2010年04月06日 17:08