あまあまプレイス 12KB
虐待-普通 調理 現代 ゆっくりは美味しい!
『あまあまプレイス』
「お……、お……おいしく……ゆぐっ……えぅ……」
入念にあんよを焼かれた一匹のれいむが透明な箱の中に閉じ込められ、嗚咽混じりに何か言おうとしている。
「オラァ!! べそべそ泣いてねーでちゃんと客引きやれや!! このクソ饅頭がぁ!!!!!」
「ゆひぃぃぃっ!!!!」
そのれいむに対して罵声を浴びせるのは、白い前掛けに三角巾を頭に巻いた職人風の男。
れいむが怯えた表情でその男を見上げる。
まるでナイフのような鋭い視線がれいむを射抜く。
今すぐこの場所から逃げ出したい……いや、せめて箱の反対側の壁に顔を押し付けて少しでもこの男から離れたい。
そうは思っていても、その場から動くことは叶わない。
「ゆぐっ……おい……おいしく……おいしくたべていってね!!!」
ようやく男の望んだセリフをれいむが口にすると、箱の中のれいむに一瞥しながら、
「チッ……手間かけさせんじゃねーよ」
それだけ言い残して店の中に戻っていく。
「ゆぅぅぅ……ゆっぐり……ゆっぐりしたい゛……したいよぉぉぉぉ…………」
炭化したあんよ、涙の痕、悲痛な表情で泣き続けるれいむ。
こんな有様でも、れいむはこの店の客引きを担当しているのだ。
れいむの閉じ込められている透明な箱のすぐ脇に、大き目の看板が立っている。
【回転ゆっくり:あまあまプレイス】
なんとも怪しい響きの店名だが、それなりには繁盛している。
“回転寿司のゆっくり版”。
それが、この店の事を最も簡潔に説明する言葉になるだろう。
普通なら、まず客は寄り付かない。
涙ながらに人語を用いて助けを求める生き物が客引きをやっている店など、どう考えても常軌を逸している。
それでも、このやり方で店が運営できているのにはちゃんと理由があるのだ。
一つ。
店の運営は近隣の加工所と提携しており、安い元手で商売を行うことが可能である。
二つ。
ストレス社会の渦中に放り出された人々は泣き叫ぶゆっくりを見ているだけでも癒される。
三つ。
苦痛を与えられたゆっくりは、単純に“食べ物”として美味しい。
中には、「ゆっくりがかわいそう」と言って毛嫌いする人もいるのだが、この世界においては少数派である。
これまで散々、社会問題になってきたゆっくりたちだ。
それらを駆除しようとは思っても、保護しようと考える者は少ない。
食べて美味しいのなら、どんどん食べよう。
そういうコンセプトで、この店はつい最近オープンした。
あまり詳しいことは知られていないが、加工所ではおびただしい数の“食用ゆっくり”が量産されている。
その数は一万や二万程度のものではない。
その量産方法については割愛させていただくが、無限に、しかも手軽に増殖可能なゆっくりを利用しない手はなかった。
統計学的に見て、加工所産のゆっくりは基本的に人間に対して友好的ではない。
親ゆっくりの餡子に刻まれた負の記憶が如実に受け継がれているからであろう。
こういう理由から、ペット用としてのゆっくりは野生で暮らしているゆっくり家族を拉致してくるのがベストだとされている。
一時期、ゆっくりの品種改良なども考案されたが、存在そのものが謎であるゆっくりに対して現代の科学では不可能とされた。
「ゆんやあああああああああああああ!!!!!!!!」
店内から、赤ゆの叫び声が聞こえてくる。
職人たちが、下ごしらえを始めたのだろう。
客が多い日であれば、一日で千匹近くのゆっくりが“調理”されて、そのゆん生を終える。
開店と同時に、既に数名の客が店内に足を踏み入れていた。
「お……おいしくたべていってね……!!」
力なく、それでも笑顔を絶やさないように自分の前を素通りしていく人間に声をかけるれいむ。
意思と無関係とは言え、同族を「美味しく食べてね」などというれいむの姿。
その様子は、れいむの情けない泣き顔の効果も上乗せされて、あまりにも滑稽なものであった。
「ぷっ」
「馬鹿じゃねーの」
通りすがりの人間に、笑われて馬鹿にされるれいむは、悔しくて悲しくて下を向いたまま、ずっと涙を流していた。
「へい、らっしゃいっ!!!」
内装は、時代劇に出てくる茶屋をイメージして作られている。
店の中央には回転寿司屋でよく見かけるベルトコンベア。
そこを流れていく皿の上には、様々な種類の“お菓子”が載せられていた。
「ゆっゆっゆっゆっ……」
一様に、がくがくと震えながら目だけを動かして席に座っている客に視線を向ける。
客引きのれいむ同様、あんよを焼かれているのだ。
逃げ出すことはできない。
「ゆぁぁぁぁ……っ!!! やめちぇにぇ!! やめちぇにぇっ!!!」
禿饅頭になっている赤れいむだか、赤まりさだかはわからない赤ゆっくりの載っていた皿に客の一人が手をかけた。
コンベアの上を流れている間中、そこから降ろされた仲間がどうやって死んでいったかは、鮮明に餡子脳に焼き付いている。
「ゆ……ゆわぁぁぁぁ!!!!」
禿赤ゆの眼前には、少し大きめの爪楊枝のようなものが迫っている。
「い゛ち゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぃ゛ぃ゛!!!!」
目と目の間に、思いっきり爪楊枝を突き立てる。
叫び声を上げる禿赤ゆは、ちょろちょろとしーしーを垂らしている。
客も狙ってやっているのかは知らないが、一口サイズなのに、一口で食べようとはしない。
禿赤ゆの顔の三分の一程を、噛みちぎって咀嚼する。
「ゆ゛ぎゃああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
甲高い悲鳴が店内に響く。
恐ろしいのはその悲鳴を聞いて、店内にいる人間全てが不気味な笑みを浮かべている事だろう。
ちなみに張り紙には、「他のお客様の迷惑になりますので、店内で“ヒャッハーー!!”と叫ぶのはご遠慮ください」とある。
「まりじゃの……まりじゃの……きゃわいいおきゃおがあぁぁぁぁぁ!!!!!」
誰もわからなかったが、禿赤ゆの正体は赤まりさだったらしい。
「おにぇがいしましゅぅぅぅぅぅ!!! たちゅけちぇぇぇぇ!!!!」
「やぁぁぁぁ!!! れいみゅ、おいちくにゃいよぉぉぉぉぉ!!!」
「ときゃいはじゃにゃいわぁぁぁ!!!」
「わきゃらにゃいよぉぉぉぉぉ!!!!!」
「むきゅぅぅぅぅ!!!! むっきゅぅぅぅん!!!!」
泣き叫ぶ仲間の声に呼応するかのように、喚きだす他の赤ゆたち。
客に出される商品は、全て赤ゆである。
そうでなければ皿の上には載らないし、何より新鮮な赤ゆは非常に美味しい。
「大将!!」
「へい!!」
「れいむの炙り」
「あいよっ!!!!」
「「「ゆんやああああああ!!!!!」」」
「「「「やじゃやじゃぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」」」」
客から“れいむ”という単語が口に出された時点で、大きな箱の中に詰め込まれた赤れいむたちが途端に騒ぎ出す。
そこに、大将が手を延ばすと、その叫び声は一層大きくなった。
「おしゃらをとんじぇるみちゃいっ!!!!」
ぐしゃぐしゃの泣き顔でも、本能に抗うことはできないのか、一瞬だけ笑顔で叫ぶ。
大将は、リボンをつまんでおり、そのままの状態で赤れいむをまな板に打ち付けた。
「びゅぎゅっ??!!!」
打ち付けた瞬間、手首のスナップを利かせて赤れいむのリボンと髪の毛を引きちぎる。
「い゛ぎゃあ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ッ??!!!!」
まな板の上にぐったりと横たわる赤れいむは既に禿饅頭となってしまった。
赤れいむに与えた苦痛は、餡子に濃厚な味を染み込ませたことだろう。
わずか数秒で赤れいむを瀕死に追い込みながらも、皮には傷一つついておらず、餡子を漏らしてしまっている事もない。
まさに匠の技である。
「いちゃい……れーみゅの……きれいにゃ……きゃみのけ……ぴこぴこしゃん……」
泣き崩れている赤れいむの目の前には、竹串と小型のバーナーを手にした大将がいる。
「ゆっ……?」
気付いた時にはもう遅い。
「ゆ゛ん゛っ、や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!」
赤れいむの動きを固定するために竹串を必要最低限の長さ分、皮に突き立てる。
その場から必死に逃げ出そうとするが、思うようにあんよを動かすことができない。
そこに、バーナーの炎が赤れいむの顔面に放たれる。
「ん゛っびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ピンポン玉ほどのサイズしかない赤れいむは、一瞬で全身に火傷を負い苦痛に身を捩らせている。
竹串に突き刺したまま赤れいむを持ち上げ裏返すと、あんよだけは少し長めに炎を浴びせる。
赤れいむのあんよが、ひくひくとしか動かなくかった事を確認すると、大将はようやく竹串を引き抜いた。
「へい!! “れいむの炙り”お待ち!!」
皿の上に載せられ、凄まじい形相のまま固まってしまっている赤れいむが客に出される。
「やべ……ちぇ……」
この期に及んで、まだ命乞いを続ける“れいむの炙り”を一思いに口の中に放り込んで噛みつぶす。
「うめぇ!! やっぱ饅頭はちょっと火で炙ったくらいが一番美味いぜ」
歓喜の声を上げる客の口の中からは、小さな小さなか細い声で、
「もっちょ……ゆっくち……しちゃかっちゃ……」
その後も次々に惨殺されていく無数の赤ゆたち。
大き目の水槽の中に入れられている少しだけ大きくなった赤ゆたちも、声も上げることができずに四隅で震えている。
このぐらいのサイズになると、たまに箱を飛び越えて脱走するゆっくりがいるので、隔離しているのだ。
最も、客にとっては恐怖で顔を歪める赤ゆを見るのは楽しかった。
客の中には水槽の中の赤ゆを指名して調理して欲しいという者もいたので、案外無駄にはなっていないのだ。
「大将! チョコパフェ一つ!!」
「あいよっ!!!」
「その端っこのちぇんと、中身吐いてないそこのぱちゅりーで頼むわ」
「へいっ!!!」
「わ……わきゃらないぃぃぃぃぃ!!!!」
「むぎゅぅぅぅぅ!!! やめちぇちょうらいっ!!!」
水槽の裏側に、従業員が回ると蜘蛛の子を散らしたように赤ゆたちが逃げ回る。
「こっちこにゃいじぇぇぇぇぇ!!!!」
「ゆんやああああああああああ!!!!!!!」
「やぁぁぁぁ!!!!」
「ゆひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
その様子を見て、客は満面の笑みを浮かべていた。
今さらだが、この店に来る客は、“あちら側”の人間が多い。
中には、
「フフン。 水槽の中で逃げ惑う赤ゆを見ると、すぐ勃ちやがる……」
などと言っている者もいた。
先端に、鋭いフックのついた柄の長い棒が水槽の中に侵入し、正確に赤ちぇんの顔面を貫いた。
「に……ぎに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!
深々と体内にフックが突き刺さったまま宙に浮かされる。
「おしょ……りゃを…………っ!!!」
二本の短い尻尾をふるふると左右に振って、抵抗を試みるが無駄なことこの上ない。
ちなみに、注文されたのは“チョコパフェ”。
ちぇんの顔や皮がどうなろうと知ったことではない為、多少乱暴に扱われる。
わざわざ手荒な真似をする必要はないのだが、その方が客受けがいいのだ。
「やめちぇぇぇぇ!!! いちゃぃぃぃ!!! わきゃらにゃいぃぃぃ!!!!」
二本の尻尾をそれぞれ指でつままれた状態のまま、タッパーの上に持って来られる。
そして、尻尾を左右に強く引っ張る。
ぶちぶち……ッ、という音と共に赤ちぇんの顔が真っ二つに引きちぎられた。
「がひっ……っ!!!」
その中からチョコレートがぼとぼとと落ちてくる。
「お客さん! こいつ一匹じゃ足りないんで、他のちぇんも使いますよ?」
「お願いします」
同じように、赤ちぇんと赤ぱちゅりーが数匹ずつ顔を引き裂かれ、その中身をタッパーに垂らす。
その後、数分でチョコパフェを完成させてそれぞれの中身が客の腹の中に収まった。
「ありすのぺにぺにの輪切り!!!」
「へいっ!!!」
「「「「ときゃいはじゃにゃいわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」」
今度は、赤ありすたちが絶叫する。
しかし、大将が箱から取り出したのは成体のありす種だった。
ピンポン玉のぺにぺにの大きさなどたかが知れている。
商品にはならない。
「ゆ……ゆっくりしていってねっ!!!」
既に恐怖で思考が麻痺しているのだろう。
ありすは、大量の冷や汗をかきながら歯をカチカチと鳴らしていた。
「よっ!」
ありすを持ち上げてゆする。
「ゆっ?? ゆゆゆゆ…………っ、お……おにぃさ……へんなこと……しないで……ね?」
ゆする。
まだゆする。
「ん……んぅっ……!!!」
見る見るうちの頬を紅潮させ、息を荒げ始めるありす。
顎の辺りから十センチほどのぺにぺにが出現していた。
「んっほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ……!!!!!」
十分に興奮したところで、一思いに出刃包丁でぺにぺにを切り落とす。
「ッ??!!!!!」
目を見開き、口を引き裂けんばかりに大きく開く。
顔面蒼白になっており、切り口からはぽとぽとと中身のカスタードが漏れ出している。
「ゆ……? ゆゆ……?」
余りにも突然の出来事でフリーズしてしまっているのだろう。
「あ……ありすの……とかいはなぺにぺにがあああああああああああああ!!!!!」
まな板の上に無造作に転がるぺにぺにを見ながら泣き叫ぶ。
それに淡々と包丁が落とされ、切り分けられていく。
「ゆああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「へいっ!! ぺにぺにの輪切り、一丁!!!」
「美味ぇ!! 芳醇なカスタードを包む、ちょっとコリッとした外側の皮がたまんねぇ!!!!!」
まだ何か叫ぼうとしているありすを包丁で叩き切り、袋の中に捨てる。
ぺにぺにの為だけに、取りだされたありすの末路は大抵こんなものだ。
ちなみに、目の前で調理されるゆっくりを見るのが目的という客の方が圧倒的に多いので、コンベアの上の赤ゆは基本無視される。
ぐるぐる、ぐるぐる。
ずっと回り続けて、売れ残る。
いつ客に自分が載っている皿を取られるか分からない状況で、仲間の惨たらしい最期を見るしかないのだ。
閉店後。
客引きのれいむが入った箱に、甘い香りのする何かが投げ込まれた。
(ゆぅ…………みんな……ゆっくり……ゆっくりしていってね……っ)
れいむには、“それ”が何かわかっているのだろう。
今日、売れ残った同族の中身。
これが、れいむに与えられる食事だった。
店の外にいても、ずっとゆっくりたちの叫び声は聞こえてくる。
従業員が看板を片付け終える。
いつまで経っても、与えられた“餌”を食べようとしないれいむ。
従業員はその様子を見ても、特に何も言わない。
どうせ、翌朝には綺麗にたいらげているのだ。
箱をノックする。
れいむが従業員を振り返った。
「美味しく食べていってね」
おわり
by余白
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ( ´∀`) -- 2017-10-14 08:47:57
- うまそうジュルリ -- 2016-09-04 09:21:01
- こんなのがあったら食べに行きたいな。 -- 2014-10-27 14:37:50
- おいしいのか・・・食べたいね。
このSSはいいものを題材にしてくれた。食料になるものがどんな気持ちなのか・・
だから、残さず食べようぜ!!! -- 2012-08-03 22:28:13
- ↓原料2円原価30円定価80円 -- 2012-07-27 13:15:10
- 最高です!!
一皿いくらなんだろ -- 2012-01-26 18:32:04
- これは良作!
ありがたい! -- 2011-08-04 21:18:34
- 毎日通いたいぜ! -- 2010-12-23 01:46:40
- しかしゆ虐趣味の人は全員糖尿病を患ってそうだ -- 2010-12-12 16:20:07
- 9cmの某朝国民涙目だなw -- 2010-08-20 04:36:51
- ありすのぺにぺには10cmもあるのか・・・ -- 2010-08-19 19:26:46
- 行きたいなここ -- 2010-07-09 22:40:06
- ちぇん・ありす・ぱちゅりーは洋菓子好きとしては三大食べたいゆっくり -- 2010-07-01 00:29:30
- 良い店だ。 -- 2010-06-28 16:18:12
- 面白かった -- 2010-06-19 12:06:00
最終更新:2010年04月12日 13:05