飼いゆ無双 31KB
虐待-普通 制裁 愛で 差別・格差 同族殺し ツガイ 飼いゆ 野良ゆ ゲス 現代 愛護人間 M1氏1242489049084.pngも微妙にリスペクト
・飼いゆっくりがゲスを虐殺するお話だよ! ゆっくりしていってね!
私はゆっくりれいむ。 楽園の素敵なお饅頭。
お饅頭ってあまあま? ならさっさとよこしてね。 あとお茶も用意してね。
私は飼いゆっくりなのよ、それもバッジ付きの。
来歴のしっかりした餡統の生まれで証明書付。
名のあるブリーダーに育てられて、虐待お兄さんお断りの高級ゆっくりペットショップで愛でお兄さんに
数万円で購入されて、お兄さんの家に連れてこられて可愛がられ今に至る。
バッジ付きだから当然だけど、私はお兄さんにとても大事にされている。
おうちは「ゆっくりれいむ用ゆっくり神社(室内飼いタイプ)」だし
誕生日には「ゆっくりれいむ・素敵なお賽銭箱」も買ってもらった。
飼われはじめて10週間の記念日にはなんと、玉串も買ってもらった。
今のお気に入りは飼われはじめて20週間記念日に買ってもらった玉串だけど、本当は15週間記念日の玉串の方が好きだった。
残念ながら買ってもらったその日に「おはらいごっこ」をしていて壊してしまったときは年甲斐も無く赤ちゃんゆっくりみたいに
ゆんやぁー!!と泣きべそかいてしまったのはいい思い出。
お兄さんは泣いている私の頭を優しく撫でてくれた。 こんなに愛されている飼いゆっくりは私以外いないでしょうね。
「れいむぅー?、それじゃあお兄さんは出掛けてくるからな。 家で大人しくいい子にゆーっくりしててくれよ!
あぶない事しちゃダメだぞ!? 約束だぞ!! いい子にしてたらお土産かってくるからな!!」
はいはい、お仕事ゆっくりして行ってね。
私専用の座布団の上で横になりながら、もみあげをピコピコ振ってお兄さんを見送る。
はあ、と私はため息をつく。 お兄さんは何時までも私を子ゆっくり扱いする。
私もいい加減お年頃、もうすぐ大人になるのだ。 お留守番くらい普通に出来るようになって大分経つ。
「大人しくいい子にゆーっくり」も何も無いものね。
そろそろ落ち着きの出てくる頃なんだし、おうちの中ではしゃぎ回ったり探検したりなんてやるわけがない。
テーブルの上から「おそりゃをとんでりゅみちゃい!!」と飛び降りて怪我をしたのははるか昔の話。
まあ、お土産は期待しないで待ってるけど?
東京銘菓ひよ○か、仙台銘菓萩○月でいいよ。
あと毎回毎回「今日のお土産は何でしょう~」って勿体つけないで欲しいわ。 いい加減ちょっとウザい。
さて、お兄さんがお仕事(飲食店勤務・野良ゆっくりの入店にはビキビキ来る)に行っている間、家に一人で残される私はかなり退屈だ。
午前中はテレビもあまり見るものが無い。
ゆーえちけーの子ゆっくり向け番組はもう卒業したし、ニュース番組やワイドショーは年増くさい。
する事が無いので、しかたなくおうちの掃除・片付けでもする事にする。
といっても、所詮ゆっくりな私に出来ることなんて、私のおうちの神社の周りと、おうちの置いてあるお兄さんのリビングの床を箒で掃くことぐらいなのだけど。
どうでもいいけどこの箒、「ゆっくりまりさ用魔法使いの箒(室外遊び用)」じゃないのかしら?
だってほら、箒の先が抜けてオールになるし。 明らかにまりさ種が川渡りする時のオールだ。
まあ、細かい事は気にしないで掃き掃除をしていると、リビングの南に面したガラス戸越しに野良のゆっくりまりさがこちらを見つめているのに気が付いた。
ああ、またか……と私は思う。 その野良まりさは、ここ最近、庭にやってきてはガラス越しに私にちょっかい掛けてくる。
いい加減ウンザリしていたけど、放って置くといつまでもああやってガラスに張り付いているので適当に会話してあしらう事にしている。
私は箒を片付けると、ゆっくり跳ねてガラス戸の方に向かった。
あからさまに野良まりさの汚い顔がパアァ…と明るくなるのがウザムカツク。
「ゆ…れいみゅ! ゆっくりしていっ…」
なあに? 今日は何の用なの? 私は忙しいんだけど。
くだらない用事で来たんなら、さっさと済ませてくれない? あなたなんかに時間を取られたくないの。
開口一番冷たい表情と視線で突き放してやると、野良まりさは下を向いて半泣きの表情になる。
いつもの事だ。 最初のころは「どうしてまりしゃのあいさつさえぎりゅのおおおお!?」とか泣き喚いていたけど、今は随分大人しくなってくれた。
このまりさは私に何か用事があってやって来ているのだけど、毎回この野良まりさの用事というのはくだらないのだ。
薄汚い野良ゆっくりなんかに関わってる暇があるなら、お昼寝でもした方が有意義というもの。
ガラス越しで無かったら会話もしたくないのが正直なところね。
で、何?
泣きべそかいてしゃくりあげてるままだと話が進まないし、促してやると野良まりさは自分のお帽子の中からこれまた薄汚い丸い小石を取り出して、言った。
「ゆ……こりぇ……れいみゅにあげるよ! まりしゃはいっしょうけんめいがんばって、キラキラしたこいししゃんをみつけてきたんだよ!
だいすきなれいみゅにあげりゅよ! たからものにしてね!」
……なんだろう、このアホゆっくり。 頬を赤らめて、プレゼントのつもりだろうか?
私よりちょっと小さい子供のゆっくりな癖に、色づいちゃって。
しかも、何これ。 外になら何処にでも転がっていそうな、ただの小石だ。
そりゃあ、表面はちょっとツルツルしてて、光ってて、宝物って言えば宝物?
子供のごっこ遊びぐらいにしか使えないけどね。
30秒くらい私はたっぷり野良まりさを小ばかにした視線で侮蔑してあげたんだけど、まりさは体をクネクネさせて頬を赤らめたままなので
仕方なく私は「現実」というものを見せ付けてやるために、一旦私のおうちに取って返して奥からお兄さんに買ってもらった数々の「宝物」を持ってきてまりさに披露してやった。
「ゆっ……! すごい……きれいな……いししゃん……」
一気に野良まりさが意気消沈する。
それはそうだ。 その辺の小石なんか比べ物になるわけないでしょ?
金ラメ付の陰陽玉の大小セット、ゆっくりれいむ用特大陰陽玉ゴムボール、半透明の陰陽玉スーパーボール、
プレミア限定版金銀(メッキ)の陰陽玉、水晶の陰陽玉、龍の刻印入り陰陽玉、あまあまの匂い付陰陽玉、
転がしたり跳ねたりすると電子音の鳴る「デラックス陰陽玉」、リモコン操作で転がる「ゆっくりおいかけてねおんみょーだま」
どれも高級な飼いゆっくり用品であり、野良ゆっくりには永遠に手が届く事はないだろう、とてもゆっくりした宝物たちだ。
野良まりさの目には、どれも輝いて見えるだろうし、自分が差し出そうとした小石が、どんなにつまらない物か見え方も変わった事でしょうね。
そう、これが野良と飼いゆっくりの差。
野良まりさなんかがどんなに背伸びしたって、人間さんに買ってもらうこららの品々にはかなわないし、
この宝物の前では小石なんて文字通りゴミ同然なのよ。
わかったら、さっさとそのゴミ拾って帰ってちょうだい。 要らないから。
「ゆっ……! ゆえぇぇぇぇぇん!! ゆんやぁ!! ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!」
子供みたいな喚き声を上げて、猛然と逃げ去ってゆく野良まりさ。
何を思ってあんなゴミなんか私にプレゼントしたいと思ったのか知らないけれど、これに懲りたらもう二度と来ないで欲しい。
次の日も退屈なので、おうちの前でお歌をくちずさんで暇つぶしをしていた。
得意のレパートリーは定番の「ゆっくりの日」、「ゆっくりさんきょーだい」、「ゆっくりしていってね~」
調子がよかったので新曲「ゆっくりっていいな」にも挑戦してみる。
某お笑い動画の「れいむが歌ってみた」系の飼いれいむのお歌にも負けてない、とてもゆっくりした上手な歌だって自負している。
もちろん、そこらの野良ゆっくりの音程取れてないただの「鳴き声」なんか比較にならないというか、問題外だ。
そう、今日もガラス戸の外に来ている野良なんかより。
…なあに? あんた今日も来たの? できれば二度と来ないで欲しかったんだけど。
まあいいわ、今日も何かガラクタを私にくれるつもりでやってきたんだけど、残念だけど素敵なお賽銭箱は
お兄さんから貰った玩具でいっぱいなの。
代わりに素敵なゴミ箱だったらあっちよ?
そういうと、まりさは昨日と同じように頬を赤らめて、お帽子の中から何かを取り出す。
毎回思うけど、まりさ種ってどうしてお帽子なんかに物を詰め込むのかしら?
ぱちゅりーもちぇんもお帽子を被っているけど、そんな事をしている所を見たことが無い。
ゆっくりの三大不思議に数えられるくらいの謎ね。 (残りの二つが何なのか知らないけど)
「ゆ…あの…まりしゃはあんまりかりがとくいじゃないけど…いっしょうけんめいがんばって、むししゃんとったよ!
れいむにたべてほしくて…とってもおいしいあおむししゃんだよ!」
へえ、あんたチビ助の癖に虫なんか捕まえられるんだ?
よくあんなちょこまかちょこまか動く虫なんか捕まえられるよね、凄いよね。
「まりさは狩が得意なんだよ!」って奴? でも別に青虫程度捕まえるなんて、別に誰でもできるよね。
そんなに早く動くわけじゃないんだし。 空も飛ばないし。 草や地面の上を這ってるだけだし。
まあ小さいクモさん程度なら、私でも捕まえられるけど? 気持ち悪いから別にそんな事したくないけどね。
で、そうだったわね、野良は虫を食べるんだったわね。 でもね、飼いゆっくりは野良と違ってそんなもの食べないの。
人間さんからゆっくり用の栄養を配合したフードとか、色んな味のするゆっくり用お菓子とか、飴玉とか、
そういう物を食べてるから、生の虫なんか食べないし、食べ物じゃないって思ってるから。
だから、別にそんな美味しそうでも無い青虫なんか要らないわ。 悪いけど持って帰ってくれる?
そういうの食べるのは野良ゆっくりだけにしてちょうだい。
そう言いながらおリボンの間に挟んでいた「ゆっくりチップス」を揉み上げで掴んで取り出してむーしゃむーしゃし始めたら
野良まりさは「ゆっぐ…ゆっぐ…」ってしゃくり上げながらトボトボ帰って行った。
多分、明日も来るんだろうな。 ウザい。
その次の日も、今日は遅いな、と思いながらあらかじめガラス戸の側で座布団に座ってお茶を啜りながら待っていた。
最近は、あの野良まりさが来るたびにガラス戸の方まで移動するのがおっくうだから、最初からこっちで過ごす事もある。
まあどうせ、いつも持ってくるのはどうしようもないガラクタとかゴミとか虫とかそんなもんだし、
はっきり言ってしつこいし、ウザいし、汚いし、馬鹿だし、嫌いなんだけど、お兄さんの留守中は退屈でしょうがない。
ボール遊びもしてくれない。 一人でゴムボールの陰陽玉を壁に蹴り続けてもつまらない。
おしゃべりもしてくれない。 独り言をしていると、時々自分で馬鹿みたいに思えてくる。 年寄りか。
おうたも聞いてくれない。 歌っても聞いてるのは壁ばかり。
胴付きさなえ人形に針を刺すのももう飽きた。 さなえの顔はゆっくりじゃなくてもはやハリネズミか剣山みたいになってる。
(ぜったいにゆるさなえ!! ゆるさなえええええ!!)
はいはい幻聴さんゆっくりしていってね。
まあ、あのウザ野良まりさでも、暇つぶしにはなるって事。
あれこれ考えていると、ようやくまりさがやって来た。 口に大事そうに何かを加えているけど?
なにそれ? 花? 小さい白い花。 どこの花壇から盗んできたんだろう?
それとも公園か空き地に生えていたのを引っこ抜いてきたのかしら。
どうでもいいけど、野良まりさは今日はいつにも増して薄汚れていた。
どこで何してたか知らないけど、昨日は無かった擦り傷まで付けて…まあ別に野良の汚れ方に大して違いはないけど。
「ゆっ! れいみゅ、まりしゃ、おはなしゃんとってきたよ! きれいでしょ! とってもゆっくりできるよ!
それに、おはなしゃんはあまくて、とってもおいしいごちそうなんだよ! めったにてにはいらないけど…
まりさ、いっぱいがんばって、さがして、おはなしゃんとってきたんだよ!!
むししゃんは、れいみゅのおくちにあわないかもしれないけど…おはなしゃんは、きっときにいってくれるよ!!
このおはなしゃんをだいすきなれいみゅにあげるね!!」
…ああそう。 へー。 お花って外では貴重なんだ?
私はそういう事は考えもしなかったわね。 まあ私も世間のことなんてテレビとかお兄さんのお話でしか知らないけど。
で、それ、食べるの? ふうーん…野良にはお花って食べ物だったんだ。
あのね、昨日も言ったと思うけれど、飼いゆっくりはゆっくり用のフードを食べるの。
虫とかお花とか、食べないの。 理解できる?
お花は食べるものじゃなくて飾ったり見たりするものだと、私は思ってるから。
それに、この間飼われ始めて40週間記念のお祝いに、お兄さんに花束をたくさんもらったの。
ここから見える? お部屋の中のあのテーブルの上の花瓶にいけてあるでしょ?
あれがあるから、別にそんなちっぽけな白いだけのお花の一輪なんて、別に要らない。
受けとってもいいけど、ゴミ箱行きね。 それでもいいなら、そこ置いてって。
「ゆっ……!! とってもきれいなおはなしゃん…あかいのとかきいろいのとかおれんじのとかあおいのもあるよ…!!
まりしゃ、あんなおはなしゃんみたことないよ…・・・!! たくさんあるよ!! あんなに……!!
ゆぅ…! まりしゃのおはなしゃんは……しろいのが、ひとつだけ……ゆぐっ!!
ゆぇ…ゆええええええええん!! ゆわああああーーーーーん!! ゆんやあ!! ゆんやああああああああ!!」
今日はいつにも増してウザく大きな泣き声を上げながら走り去った。
…これでもう二度と来ないでくれると、せいせいするんだけど。
「はは、それは面白いまりさだなあ」
帰宅したお兄さんに私は昼間の出来事を愚痴としてこぼす。
…お兄さん、何が面白いのか私にはさっぱりわからないのだけれど?
私はお兄さんの留守中、こんなウザい野良ゆっくりなんか相手にしなきゃいけないのよ?
迷惑もいいとこ。 毎回毎回つまんないものなんか持ってくるし、こっちに一方的に好意を寄せてくるし。
私は野良なんか興味が無いって事を理解できない餡子脳だし。
ほんと、野良って汚くて頭悪くて、ゆっくりできない。
お兄さんと一緒に居れて、こうしてお話してくれる時間の方がよっぽど楽しくてゆっくりできるわ!
「でも、れいむ。 そのまりさは本当にれいむの事が好きなんだろう。 恋は盲目という奴さ。
好きになって相手のためなら何でもしてあげたくなるし、気に入られたいと思って必死になるもんさ。
にしても、虫さんは食べないと言われてお花を、かあ…
まりさも相当頑張っただろうなあ、この辺でお花を見つけてくるなんて」
それどういうこと? お兄さん。
お花って本当にそんなに貴重なものだったの?
お兄さんはあんなに沢山、両方の腕で抱えるくらい花束を持ってきてくれたじゃないの。
「まあ…そりゃあ人間の花屋には沢山売ってるし、そんな高すぎるもんじゃないさ。
最近は値段も上がってるとはいえ、あのくらいは別に無理じゃないよ。
でも、この地域で野良が手に入るような花は殆ど生えてないだろうなあ…
野良が増えてから、一般の家の庭の花壇は荒らされまくったし、庭のあるところはゆっくりが入れないように対策してる。
うちは花とか植えてないし、住み着くような小屋とかダンボールとか放置してないから特にそういうのはやってないけど…
公園も、野良がだいたい食べ物にしちゃうしなあ。
そのまりさ、まだ大人になったばかりで、しかも子供口調が抜けてないんだろう?
自分ひとり分のご飯すら手に入れるのは難しいだろうに…尋常じゃない努力をしたと思うよ。
他の野良に食べられる前に、花の咲いてる場所を探してあちこち歩き回って…それでやっと、この一輪。
本当に小さい花だ。 草の茂みの間に隠れて生えててもおかしくないようなのを、掻き分けて見つけてきたのかもね。
そのまりさの努力ぐらいは、評価してあげてもいいんじゃないかな?」
お兄さんはそう言いながら、まりさの置いて行った白い花を指先で摘んで眺める。
…何それ。
野良が、自分でご飯を見つけなきゃならないこととか、見つけたご飯が取り合いになる事や、
野良はその喧嘩で死んだり、ご飯が食べられなくて飢え死にする事もあるってことは私も知ってる。
テレビ番組で都会の野良ゆっくりのドキュメンタリーをやってた。
でも、こんなのは知らない。
好きだから、私を好きになったからって、自分が食べるご飯より、私へのプレゼントを優先する?
私にプレゼントするためだけに、貴重なご飯でもあるお花を見つけてくる?
馬鹿なの? 死ぬの? 飢え死にしたいの?
何がしたいの? あのウザバカ野良まりさは、自分よりも私が大事なの?
私の何がそんなに気に入ったって言うの。
私のバッジの等級も知らないくせに。
金バッジが野良からすればどのくらいの開きがある価値の証明なんか、理解できないくせに。
飼いゆっくりと野良が、貴族と平民くらいの差があるってわからなくて、身分違いの恋なんかするバカなまりさの癖に。
飼いゆっくりの生活なんか、想像もしたことないくせに…
飼いゆっくりからすれば、野良ゆっくりの宝物や食べ物なんて、ゴミみたいな価値でしかないって思い知らされたくせに。
あんなに泣いたくせに。 悔しいと思ったんでしょ? 惨めな目に逢わされたと思ったんでしょ?
なのに、何で?
何で毎日毎日私のところに来るの?
その日は、その日に限っては野良まりさはいくら待っても中々やって来なかった。
遅れてくるなんてことは今までも度々あった。
そういう時は決まって、野良には手に入れにくいような品物を大事そうに抱えて、大急ぎで跳ねて来て、
頬を赤らめて照れくさそうに笑って、得意げにいかに自分が頑張って「私のために」それを持ってきたのかを
ウザいくらい主張するのに。
別に来ないなら来ないでいい。
退屈なだけ。 お兄さんがお仕事で家に居ないから、退屈しのぎになるだけ。
…やっぱり気になる。
私は一旦おうちに戻って幾つかの物を選んで口の中やおリボンに差し込むと、またガラス戸の前まで戻ってきた。
頭上を見上げて、ガラス戸の鍵に向かって口の中に含んでいた陰陽玉スーパーボールを吐き出してぶつけると、
鍵に見事命中してロックを外すことに成功した。
そして、ガラス戸に体を押し付けて、少しずつ横開きの戸をずらしていく。
10分ばかり悪戦苦闘した後、どうにか私一人なら通り抜けられる程度の戸の隙間を開く事に成功し、
私は生まれてはじめての無断外出を開始した。
家を出ておいてからなんだけど、一人で歩く外の世界は少し怖い。
いつも外を散歩する時はお兄さんと一緒だったし、お兄さんの腕に抱かれていたもの。
色んな所に行ったし、お兄さんの友達の家にも遊びに行ったことがある。
家の周りの色んな道を、お兄さんにせがんで入ってもらい、一緒にくまなく探検した事もある。
だから、この周辺で私が「通った事の無い道」「知らない場所」というのは無い。
私の記憶が確かな限り、迷子になるなんて事は無いはず。
まあ、迷子になってもその辺の家のインターホンに陰陽玉をぶつけて人間さんを呼び出して、金バッジを見せて
お兄さんか警察さんに連絡を取ってもらえばいい。 あくまで非常措置だけど。
金バッジにはQRコードさんというものが付いてて、それを読み取れば飼いゆっくり登録の証明と
飼い主の連絡先がわかる、とお兄さんは言ってた。
それに、この辺はだいたいお兄さんのご近所さんか、お兄さんと私が散歩しているのを見たことがあるはずだから
私が野良ゆっくりに間違われる可能性はあんまりない、はず。
万が一の時にも何とかなる。
そう思いながら私は「たけしたさん」の家の前を通り過ぎ、「わださん」の家の前を右に曲がり、
「手芸教室をやってるスウェーデン人のオーラリーさん」の旦那さん(国際結婚・主夫)とご挨拶をしてすれ違った。
野良まりさが普段どこに住んでいるのかはわからなかったし、当ても無かったけど、
私は私が知っている行ける範囲にまりさも住んでいるんだろう、と当たりを付けている。
どうせ、ゆっくりの行動半径なんてそんな広くは無いんだもの、もしその範囲にまりさが居ない時は、諦めて帰ればいいし。
「おおきさん」の家のお姉さんとジョン(ゴールデンレトリーバー・♂ 3歳)と揉み上げを振って別れ、
私は早くも行き詰ってしまった。
お姉さんの話だと、今日は野良ゆっくりの姿をあんまり見ていないらしい。
ジョンも、庭に入ってきたゆっくりは一昨日の親子連れだけで、噛み殺し損ねた親ゆっくりの片方が
逃げて行った以降はずっとゆっくりを見ていないとの事だった。
そして、お姉さんと出合った辺りは私の知ってる「近所」のほぼ端っこに位置していた。
これ以上行ける所はないし、歩ける範囲は既に探してしまった事になる。
もしかしたら、この近所は元々野良ゆっくりが住んでいないのかもしれない…と私は考える。
それはありえる話で、あの野良まりさは随分遠くから私のところにあしげしく通っていたという事になるんでしょうね。
そうなると、もうお手上げだ。 金バッジの私は行ったことが無い場所を勝手に歩くような事はしない。
確実に迷子になるってわかってるんだもの。 冒険と無謀の区別はついている。
しょうがないから、諦めて帰ることにする。
帰り道、ふと、まだ通ってない道路が一つ見落としているのに気が付いた私は、ついでだからそこを経由してみる事にした。
そこはこの区域のごみ回収場なのだけれど、捨てたゴミなんか誰も興味はないし、誰も居ないだろうと思ったいたのだ。
何より臭いし汚いしゆっくりできない。
できれば通りたくは無いけど、まあついでだし、万が一って事もあるでしょ?
…そしたら、居た。
確かに見覚えのある、ちょっと小さい大人になりたての野良まりさを、複数のやや大きな野良ゆっくりが取り囲んでいた。
そして、何か叫んでいた。 その内容は、近づいていく内にはっきりと私の耳にもわかるようになる。
大きな声でうるさく喚いてる割に、語彙が貧弱な割りに、口汚い罵倒用語ばっかしは巧みな野良ゆっくりの鳴き声だ。
「ちびのまりさのくせに、おかしなんかひろってるなんてなまいきなのぜ!!
これはまりささまたちがもらってやるからありがたくおもうのぜ!! げらげらげら!!」
「れいむたちのなわばりからごはんさんをコソコソぬすもうなんて、ゲスだよ!!
ゲスはせいっさいするよ!! れいむはおちびちゃんたちとどれいをいぬっころにころされて、きがたってるんだよ!!
かわいそうなれいむは、ゲスをぜったいにゆるさないよ!!」
「まったく、おかしをひとりじめしようだなんて、とんだいなかもののゲスまりさだわ!!
これはおしおきがひつようね!! とかいはなありすが、たっぷりとあいのむちをあたえてあげるわ!!
むほぉっ!! ひさしぶりにすっきりできるわあ…!!」
キモい。 ウザい。 汚らしい。
なにこいつら。 典型的な、汚物饅頭、野良ゆっくりじゃないの。
そんな野良ゆっくりが三匹でよってたかって、自分たちより小さな野良まりさを取り囲んで痛めつけている。
体当たりされ、踏んづけられ、髪の毛を引っ張られている。
「やめ…てね… れいみゅの…それはまりしゃがみつけた、れいみゅのための、ぷれぜん…と…」
汚い野良ありすに圧し掛かられながら、涙をこぼしながらまりさが見上げているのは、汚い野良まりさが口に加えている
小さな一枚のポテトチップスだった。
あんなもの…私はお兄さんにおねだりすればいくらでも買ってもらえる。
大袋で増量したのを、何十個だって。 好きなだけ食べられる。
別に、ゴミ捨て場に落ちてたのなんか食べなくたって、お腹一杯食べられる。
そんなもののために、そんなくだらない一切れのために、一日必死で探して、取り合いをして、喧嘩して、痛めつけられているの?
バカじゃないの? 死ぬの? 餡子脳なの?
全然理解できない。 そんなもの、飼いゆっくりには何の価値もないって言ったでしょ? 思い知らせたでしょ?
なのに何で? そんな意地を張ってまで、ボロボロにされてまで、取り返そうとするの?
命が惜しくないの? 死んでもいいの? そんなものが、そこまで大事?
自分の命を引き換えにしてまで大事? そんなもの…
私は、金バッジの私は、あんたが命より大事なものだって思われるような程、価値のあるものじゃない。
「…そのまりさをはなしてね!」
私は、その場に飛び込んでいた。
野良ゆっくりたちがいっせいにほぼ同じ動きで私に振り返り、キョトンとした顔をする。
野良まりさも、私を見て驚いたような顔をしている。
なに? そんなに私がここに居るのが不思議?
「れい…みゅ…?」
「ゆ? しらないれいむなんだぜ! このまりさのしりあいかぜ?
いままりささまたちは、このコソドロまりさのせいっさいでいそがしいのぜ!!
なにかもんくあるのぜ!?」
「いのちがおしいなら、さっさとおうちにかえることね! なわばりをあらすゲスゆっくりは、
せいっさいするのがここのおきてなのよ?
それとも、このまりさがぬすもうとしたおかしのおとしまえをつけてくれるのかしら?」
「あまあまでいいよ! れいむはたくさんもらってあげるよ!!」
なるほど、ルールというわけね。 野良ゆっくりのルール。
このゴミ捨て場はあなたたちの縄張りで、それを荒らしたから、そのまりさを制裁している。
でも、そんな事、この私には関係無いことよ?
「あまあまもおかしも、れいむはあげないよ! さっさとそのまりさをこっちにひきわたしたら、
かんだいなれいむはゆるしてあげるよ!!」
「ゆっがあああああああ!! よそもののくせになまいきなんだぜ!!」
三匹のうちではリーダー各らしい野良まりさが苛立っている。
口喧嘩は私もそこそこ得意だ。 野良のゆっくりは相手にしないというのが決まりだけど、
何か要求されても取り合わず突き放すというのも、試験ではこの場合のセオリーだ。
野良相手には何か譲ったらダメ。 言う事を聞くつもりは無いという事をはっきり示す。
逆に話を適当に合わせてその場を切り上げ、さっさと逃げるという方法もあって、こっちの方が試験での点数は多い回答だけど
今は私はそれを選んであげるつもりはない。
私は、こいつらを許すつもりは無い。
「あまあまよこさないなんて、ばかなの? しぬの?
かわいいれいむとちがって、れいぎしらずのゲスなれいむだね!!
れいむがせいっさいしてあげるよ!!」
「やってみれば? そっちこそばかなの? しぬの?
れいむはおまえたちなんか、かえりうちだよ!! てをだせるものなら、やってみればいいよ!!」
言うに事欠いて、飼いゆっくりの私をゲス呼ばわり…この野良ゲスれいむ、否、でいぶは特に許さない。
逆に挑発してやる。 こいつらは私に、絶対に手を出せないのはわかってる。
そう、絶対に。 楽園の素敵なお饅頭である私に手を出す事は、禁じられているのよ。
例え、相手が野良であろうと。
「ゆうううううう!! れいむおこったよ!! もうぜったいにゆるいてあげないよ!!
せいっさいするよ!!」
「まつのぜれいむ!! こいつ…このれいむ……!!」
「どうしたの、まりさ…!? ま、まさか……!?」
そう、今頃気付いたのね。 本当に餡子脳で白玉目なの? 馬鹿なの? 死ぬの?
低能な野良なの? 私のおリボンに燦然と輝く、私が私である証。
「か……かいゆっくりなのぜええええええええええ!!
このれいむ、にんげんさんのかいゆっくりなのぜえええええええええ!!」
「「ゆわああああああああああああああああ!?」」
「そうだよ! れいむはかいゆっくりだよ! きんばっじさんなんだよ!! いまごろきづいたの? ばかなの?
れいむにてをだしたら、にんげんさんが『ほーふく』するんだよ! のらは『くじょ』されるんだよ!!
おまえたち、れいむにさからうきなの? しぬの? しにたいの?
どうしたの? れいむをせいっさいするんじゃなかったの? してもいいよ?
したら、あしたからおまえたちは、にんげんさんの『くじょ』がはじまって、ひとりのこらず
つかまって『かこうじょ』いきだよ!!
れいむにさからったら、じごくいきなんだよ!? わかってるの?
おまえたちはれいむにさからったらいけないんだよ!!」
そう、私は金バッジ付きの飼いゆっくり。 野良は絶対に手が出せない。
人間さんでいうなら貴族と平民。 もし野良が金バッジに手を出したら、そんな危険な野良ゆっくりは駆除される。
人間さんの物に手を出したゆっくりは駆除される。
だから。 絶対に。 こいつらは私に手を出せない。
例え殺される事になっても。
「わああああああ!! ゆるじでぐだざい!! れいむがきんばっじさんだなんて、しらながっだんでず!!
おかじはあげまず、このまりさもあげまず、だからまりざだけはゆるじでぐだざいいいいい!!
ごべんなざい! ごべんなざい! こんなにあやばっでるんだがら、ゆるじでぐだざいいいい!?」
「ごべんなざい、ありずがいながものでしだあああああ!!
かいゆっくりさんにさからうつもりなんて、ないのおおおお!!
ゆるじでええええええ!! くじょはとがいはじゃないいいいい!!」
「ゆえーんゆえーん!! かこうじょはいやだよおおおおお!!
でいぶはぞんあどごろにいぎだくないいいいい!! がわいいれいむはみのがじでねええええ!?
ゆっぐりざぜであげるがらあああああ!!」
私が飼いゆっくりだと理解した途端、態度を豹変させて泣き喚きながら命乞いをする野良ゲスたち。
何言ってるの? お前たちの「ごめんなさい」鳴き声でしょ?
ごめんなさいする意味も理由もわからない、頭の悪い野良の癖に。
謝れば赦してもらえると思ってるの?
「ゆるさないよ!! きんばっじのれいむにしつれいなくちをきいたゲスなのらゆっくりは、
れいむがせいっさいしてあげるよ!! ありがたくおもってね!!」
そう宣言すると、私は口に含んでいた針をプッと野良ゲスまりさの顔に向かって吹き出す。
針は狙い通りに野良ゲスの左目に突き刺さり、「ゆぎゃああああああああ!!」と叫んでそいつは地面をゴロゴロ転がった。
「まりざああああああ!?」
「つぎはおまえだよ!!」
間髪入れず、おリボンに差し込んでいた玉串を揉み上げで抜き取って口に咥え、野良ゲスまりさに駆け寄ろうとした
野良ゲスありすに吶喊する。
玉串の先端はありすの口の下、まむまむに深々と突き刺さり、ありすは豚のような耳障りな悲鳴を上げた。
「ゆぎゃああああああああ!? あ、ありずのとかいはなびっぐまぐなむがああああ!!」
さらに付きこんだ玉串をグリグリと捻ってやると、ありすは体の中をかき回される激痛にさらに哀れな悲鳴をあげ、
悶え苦しみながら逃れようとするけど、深く刺さった玉串は容易には抜けない。
穴からはクリームが漏れ出し、ありすはそのうち「ゆっゆっゆっ…」と呻きながら痙攣するだけになった。
「そこまでだよ! れいむのおんみょーだまさんをくらってもだえるといいよ!!
くらええええええええ!!」
大声を上げ、わざわざ宣言しながら野良ゲスれいむが逆キレしたのか、それとも相手が飼いゆっくりでも関係無いと
開き直ったのか、私に反撃しようと試みる。
大方口の中に含んで隠し持っていたのだろうか、どこからか取り出したのは、薄汚れた陰陽玉ボールだった。
野良には不釣合いな代物だけど、型やデザインが古いし数年前に流行った物ね。
拾ったのか、この野良れいむが元は飼いゆっくりだったのかは知らないけど、野良には過ぎた代物だ。
蹴り飛ばしてぶつけてきたそれを、私はあんよの片方を持ち上げてパシっと受け止める。
普通に。 ごく普通に。 何でもないくらい普通に。
「ゆがあああああーーーーーーん!? でいぶのすーぱーひっさつわざなのにいいいいい!?
どおじでうげどめぢゃうのおおおおお!? やせがまんじないでたおれでねえええええ!!」
「…たおれるとおもったの? ばかなの? しぬの?
おんみょうだまのつかいかたが、ぜんぜんなってないよ。 へたくそだね!
れいむがおてほんみせてあげるよ!!」
そう言って私はあんよを使って受け取った陰陽玉を野良れいむの10倍くらいの差がある勢いで蹴り込む。
勢いの付いた陰陽玉は見事に野良ゲスれいむの汚い顔面に命中し、跳ね返ってまた私の足元に戻ってきた。
「ゆぐわあああああ!! れいむのかわいいかわいいおがおがああああああ!?
いだいよおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「やすんでるひまはないよ! まだまだいくよ!!」
「ゆひぃっ!? ゆぎっ! ゆぎゃっ! ゆぶっ!! ゆべっ!? ゆぐぅっ!! れいむのすできなまえばさんがゆごおっ!!」
顔といわず頭といわず揉み上げといわずお腹と言わずまむまむと言わず、私は陰陽玉を蹴り付けては跳ね返ってくる、
の無限コンボを野良れいむに雨あられと浴びせてやった。
全身を打ちのめされた野良れいむの体は赤く腫れあがり、打撲の傷跡だらけでだんだん何がなんだか判らなくなって行く。
やがて、野良れいむの悲鳴も野良ありす同様「ゆっゆっゆっゆっゆっ…」と呻くだけに変わった頃、
そこにあったのは饅頭らしきシルエットとした原型を留めない何かに変わっていた。
辛うじて、口らしき辺りから餡子をブクブクと吐きつづけている。
「ゆぎぃ…ゆぎぃ…いまのうちにまりさはにげるんだぜえ…ずーりずーり…」
いつの間にか、野良ありすと野良れいむを〆ている間に回復していたらしい野良ゲスまりさが
こそこそ逃げようとしていたので、勢い良く背中から圧し掛かってやると「ゆげえっ!?」と叫んで少し餡子を吐いた。
ついでに野良ゲスまりさのお帽子が外れて前に転がる。
「にがすとおもったの? ばかなの?」
「ゆびいいいいいいい!! だすげでぐだざい!! まりざにはおうぢに30にんのあかぢゃんがああああああ!!」
ああそう、ふーん。 30匹も赤ちゃんがいるなんて、子育て大変ね。
ところで、あんたたちって数を3つ以上数えられたっけ? まあどうでもいいけど。
おリボンから小さい一枚のカードを取りだす。 ゆっくり用ミニサイズ花火「スペカ・むそうふういん」だ。
本当は、お兄さんが一緒にいないと使ったらいけないし火事の元なんだけど、このさい目を瞑ってもらおう。
揉み上げで掴んだカードの端を地面にこすり付けると、マッチの用にカードに火が付いて、火花を放射し始めた。
それを、野良ゲスまりさの目の前に転がっているお帽子に放り投げてやる。
見る間に引火して、お帽子は燃え上がった。
「ゆわああああああああ!! まりざのだいじなおぼうじざんがああああああああ!?
どおじでごんなごどずるのおおおおおおおお!! おぼうじざんがもえぢゃう、もえぢゃうよおおおおおおお!!
やべでええええええええええ!! おぼうじざんもやざないでえええええええ!!!
あ…ああ…まりざのおぼうじざんがあああああああ!! ゆんやあああああああああああああ!!」
私の足の下でグネグネと悶える野良ゲス饅頭だったけど、しっかり押さえつけてるから逃げる事も
お帽子の火を消すことも出来ない。
目の前でお帽子さんが灰になるまでをまざまざと見せ付けられ、お帽子なしの野良饅頭は両目から
滝の様に涙を溢れさせて、やがて呆然としたまま反応を示さなくなった。
動かなくなったので、心が死んだんだろう。 私は死んだお饅頭には興味が無い。
さっさと、さっきまで野良饅頭たちに踏みつけられていた野良まりさの元に駆け寄る。
結構痛めつけられたようだけど、まだ生きていた。
「れいみゅ……まりしゃ…は…れい…みゅに…」
「しゃべらなくていいよ。 れいむがおにいさんのおうちにはこぶからね」
何か言おうとする野良まりさを頭の上に乗せて、私はお兄さんの家に急いで帰る事にする。
太陽さんが随分と傾いてきているから、早く帰らないと私が無断で外出した事がバレてしまうだろう。
金バッジ付きの飼いゆっくりが飼い主に無断で外に出るなんて、あるまじき事だもの。
それはそうと、どうしよう、この野良まりさ。
…お兄さんに、なんて説明したらいいのかしら。
私はゆっくりれいむ。 楽園の素敵なお饅頭。
お饅頭ってあまあま? ならさっさとよこしてね。 あとお茶も用意してね。
私は飼いゆっくりなのよ、それもバッジ付きの。
来歴のしっかりした餡統の生まれで証明書付。
名のあるブリーダーに育てられて、虐待お兄さんお断りの高級ゆっくりペットショップで愛でお兄さんに
数万円で購入されて、お兄さんの家に連れてこられて可愛がられ今に至る。
隣にいるのは、ゆっくりまりさ。 普通の元野良な大福。
大福とお饅頭の違いって何? 結局あまあま?
元野良だったまりさはお兄さんに手当てしてもらった後、銅バッジを貰って今に至る。
今は来週の銀バッジ取得試験に向けて、猛勉強中だそうよ。
ほんとは別に、元野良のまりさなんて金バッジの私には似つかわしくないし身分違いなんだけど、
お兄さんがまりさも飼って見たいし、私にもそろそろ番が居てもいいって言うから、仕方なく一緒に居てあげてる。
「れいむ、そういうのを何ていうか知ってる? ツンデレって言うんだよ」
…何それ。 ツンデレ饅頭はありすでしょ。 私はれいむなの。
どこも少しもツンデレじゃないじゃないの。
「れいみゅ、まりしゃはがんばってぎんばっじさんにごうかくするからね! いっしょにずっと、ゆっくりしようね!!」
何を頬を赤く染めて、嬉しそうな顔をしてるのよ。
相変わらずデレデレデレデレ、ウザい。 クネクネしないで、キモい。
何よ、別にお兄さんに体を洗ってもらって綺麗になったら見違えたとか思ってないし、
あんたがウザムカツクのは変わらないんだからね。
わかったらさっさと勉強の続きに戻りなさい。 野良のあんたには、銀バッジの取得試験でさえ大難関なんだから。
合格しなかったら私は承知しないわよ。
私は専用の座布団に座り、湯飲みに口をつけ、おせんべいをボリボリ食べながらほぼ定位置になった
日当たりのいいガラス戸の前で、試験勉強をしているまりさとお兄さんを見ている。
「まりさはかいゆっくりのれいむと、ゆっくりしていってね」
終わり
微妙にリスペクト元絵 byM1
挿絵 by儚いあき
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ↓×11博多ガチ勢居たwww -- 2023-04-23 07:15:48
- ↓×3美しい愛情を穢すな!お前が潰れろ! -- 2023-03-08 07:27:34
- ゆゆっ -- 2021-09-09 23:07:20
- 茶 -- 2019-03-31 01:59:57
- 原作に似せるのは良いけど所詮ゆっくりなんだからこれはゲスだろ。野良に潰されてまりちゃ共々死ね -- 2018-05-16 13:12:29
- 初めてれいむをかわいいと思った -- 2017-07-07 21:15:57
- 何こいつら可愛い -- 2016-12-24 11:41:40
- 癒された
ありがとう -- 2016-09-27 17:27:44
- なんか読んでてゆっくりできました。 -- 2016-09-20 05:21:22
- この飼いレイム稀少種
?????!!!!!?????
-- 2016-08-18 22:37:49
- あの霊夢潰したい -- 2016-07-11 12:38:24
- ひよこは東京のお菓子ではなく博多のお菓子です!!!!!!!!!!泣 -- 2015-12-27 13:52:37
- なんてハイスペックなれいむなんだ……。
きっと中身は希少種に違いない。 -- 2015-12-21 23:05:38
- こんなのれいむじゃないわ!ただの博麗霊夢よ! -- 2015-10-28 17:09:25
- れいむのイメージがガラッと変わるよね。
というか、ゆっくりも人間のように個性があるって
思うと何か 安心するね。 -- 2015-08-14 06:32:58
- 可愛い!ゆっくりかいたいなぁ。 -- 2015-03-21 21:29:37
- 内容的にはとてもいいと思う
-- 2014-12-19 23:35:28
- 頭の中で胴付きれいむと胴付きまりさに補完されてしまう -- 2013-06-19 12:16:01
- 楽園の素敵なお饅頭wwwwww -- 2013-03-05 03:43:01
- オリジナル霊夢と似ているなw
でもまりさはキモいから潰したい -- 2012-07-11 12:27:42
最終更新:2010年05月15日 10:34