選ばれしゆっくり 9KB
※ゆっくりちるのの生態(後編)につまったので、その前に短編をひとつ書いてみました。
※駄文、稚拙な表現注意。
※舞台が研究所ですが文系なんで研究所なんてよくわかりません。いろいろ間違ってるかもしれません。
※人間視点とゆっくり視点がいったりきたりするので読みにくいかもしれません。
ちくしょう。なぜ。なぜなのだ。
なぜあんな低脳どもが、もてはやされているのだ。
自分のほうが知能、品性、運動能力、すべてにおいて上なのに。
なぜこんなクズどもと生活を共にせねばならないのだ。
なぜ。 なぜ。
選ばれしゆっくり
「んー。もう8時かようぅ」
夜勤中、壁にかかった時計をみながら僕はそうつぶやいた。
なんとなくつけているテレビでは「セレブのゆっくり大特集」なんて番組をやっている。
やあはじめまして。ぼくは研究お兄さん。
このゆっくり企業「ゆとり」の建てた研究所で働いている。
僕の専門はゆっくりの品種改良、あと僕の仕事ではないけれど希少種の生態研究、投薬実験なんかもここではしている。
ゆっくりを実験動物にって言うと眉をひそめる愛で派の人もいるけど、ここでは基本的に躾はしても、虐待まがいの実験はしてないし、僕自身どちらかというと愛で派だ。
「ゆっくりしていってね。」
おっ、起きたみたいだな。こいつが僕らのチームが今度品種改良した品種のゆっくり。
その名も「のーぶるゆっくり」
見た目はどこにでもいるれいむ種でしかない。
しかし侮るなかれ、赤ゆっくりの頃から金バッジクラスの知能を持ち、運動能力も他の通常種より高いというデータがでている。
加えてもちもちの素肌に、品評会などで見栄えする大きなりぼん。
もうすでに店頭では発売されており、3万から10万するにもかかわらず、コンテストで優勝できるゆっくりがほしいブリーダーや富裕層を中心に売れ行きは好調である。
現在は希少種チームが第2弾の希少種版のーぶるゆっくりの研究にとりかかっている。
自分たちの今の仕事はサンプルであるこいつを含む通常種ゆっくりの世話と観察だ。
現在わが社は不況のあおりを受け倒産の危機に瀕している。
のーぶるゆっくりは、わが社を救う救世主となるはずだと僕も含めて社員全員がそう信じていた。
しかしそれらの期待は最悪の形で裏切られることになる。
一ヵ月後
「どーでもいいでしょぉぉぉぉ!あんなくずなんてぇぇぇ!えりーとのれいむがいるんだからぁぁぁ」
まるで別ゆっくりのようにさけぶのーぶるれいむ。
端的に結果だけを言おう。のーぶるゆっくりはとんでもない欠陥商品だった。
のーぶるれいむは表向き善良なゆっくりだった。そう表向きは。
しかしこの1ヶ月間で3匹のゆっくりが不審な死に方をした。全員のーぶるれいむと同じ檻のゆっくりだったである。
ゆっくりは死にやすい生ものである。 最初は事故としてほとんど気にすらされてなかった。
しかし、1ヶ月に3件、しかも同じ檻となるとさすがに異常だとしか言えない。
ゆっくりが死んだ時間が夜勤者も仮眠している時間帯だというのも不自然だ。
事故なら普通ゆっくりが活動する昼間に集中するはずなのだから。
そこで普段は使わないゆっくりの檻につけた監視カメラの映像をみてみることにしたのだ。
そこには驚くべき光景が映っていた。
ころされたゆっくりたちを言葉巧みに外へ誘い出すのーぶるれいむ。
そして研究員がいないことを確認すると隙をついていっきに潰す。
相手のゆっくりは隙をつかれたうえ、元々の身体能力が高いれいむに声もあげられずつぶされてしまった。
その後、れいむは何事も無かったように自分の寝床へと帰っていく。
あまりのことに言葉を失う研究員たち。
あの品性方向で飼いゆっくりの鏡と言えるれいむが・・・。
当然れいむは研究員から尋問された。
最初はしらをきっていたが、証拠となる監視カメラの映像をみせるとやっと認めた。
やったのは自分だと。
その上での主張が先ほどのセリフだ。もはや疑う余地なしのゲスだ。
後で先輩に聞いたのだがのーぶるゆっくりでゲス化しているのはここのれいむだけではないらしい。
かげで一緒に飼っているゆっくりに危害を加え、それが見つかりとがめられると、れいむのように逆切れしゲス化する。
そんな例が全国で相次ぎ、「お値段異常じゃねいか」と今本社のほうは苦情と返品で大変だそうだ。
「最後の希望であるのーぶるゆっくりが駄目となると、もうゆとりは終わりだな。お前も次の職考えたほうがいいぞ。」
ふーっと肩を落とす先輩。
「ああ、それとあのれいむ。適当に安楽死させといてくれや。ゲス化した以上そういうきまりだからな。」
そう言うととぼとぼと去っていった。
数時間後、僕はあののーぶるれいむの前にいた。職員は全員帰り、夜勤者の僕以外だれもいない。
れいむはあまあまよこせだのじじいだのやかましいがどうでもいい。
僕は考えていた。どうする。どうすればいい。
先輩は安楽死させろといったけど、とんでもない。
自分たち研究員を欺き続け、同族を殺したこいつはもっと悲惨な最期を迎えるべきだ。
自分の心が虐待お兄さんと化すのを感じた。
しかしどうすればいい。
目を抉り出すか?
れいぱーありすをけしかけるか?
それともあんよを焼いて鳥の餌にでもするか?
だめだ。それじゃ意味が無い。こいつには自分のやったことを悔いて死ぬべきだ。
それならこの方法しかない。
僕はこの日のーぶるれいむを研究所の外へ離した。
れいむは思った。
このれいむを捨てるとは本当に頭の悪いじじいだ。餌をくれるから今まで下手にでてやっていたのに。
ただゆっくりできない低脳のくずどもを潰しただけではないか。むしろ感謝すべきなのだ。
しかしこれはチャンスでもある。こののーぶるれいむにふさわしいゆっくりぷれいすを見つけるチャンスだ。
テレビさんという箱でやっていた。
自分と同じはずなのに、そのれいむはすべてを持っていた。
おおきな自分専用のゆっくりぷれいす。
見るだけでよだれが出そうなあまあまたち。
美ゆっくりだらけのゆっくりはーれむ。
ゆっくりぷれいすにはとてもゆっくりできそうなすべりだいさんやしーそーさん、じゃんぐるじむさんもあり、寝床のクッションもふわふわしていてゆっくりできそうだ。あまあまたちも研究所のじじいたちがおやつに食べるものよりずっとしあわせーできそうである。
そんなにすごい待遇なら、さぞかしすごいゆっくりかと思えば、できるのは「ゆっくりしてってね」のごあいさつだけ。
そんなの赤ゆっくりでもできる。
それに比べて自分はひらがなさんはもちろん、漢字さんだって読める。
九九だって7の段まで言えるし、かけっこだって誰にも負けたことが無い。
肌や髪も他の誰よりもうつくしいし、おりぼんだって大きい。
そう自分こそがあのゆっくりぷれいすにふさわしいゆっくりなのだ。
きっとわかってくれる人間さんも現れるに違いない。そんな人間さんに飼われるのだ。
大丈夫だ。自分は選ばれしゆっくり。のーぶるゆっくりなのだから。
れいむはきっと向き直ると、とりあえず人のいそうな街中にぽいんぽいんとはねていった。
僕はあえてなにもしなかった。
りぼんを燃やしたり、髪をぜんぶそってはげ饅頭にしたり、あんよを焼いて動けなくしたり、そんなことはいくらでもできた。
しかしあえてしなかった。言い訳を一切させないために。
あれからどれだけたっただろうか。もう思い出すのもおっくうだ。
「ゆぅぅぅ・・・」
れいむは路地裏のゴミ捨て場で目が覚めた。ここ数日れいむはこの場所を寝床にしている。
ゴミ捨て場で寝ているせいか生ごみのにおいが体に染み付いていたがもうれいむきにする気力も無かった。
結局れいむの思うような飼い主は現れなかった。
あのあとれいむは商店街や大通りなど人通りの多い場所で必死に自分をアピールした。
九九の暗誦やひらがな、漢字の読み書きで自分がいかに有能なゆっくりかを示したのである。
しかし、道行く人の反応は皆どれも冷たかった。
正直ブリーダーでもない普通の人間にとってゆっくりの知能などどうでもいいという人が大半だからだ。
むしろたいしたことも無い知識をひけらかし、したり顔をするれいむに嫌悪感をしめすものも多かった。
それでも始めのうちは「りぼんが大きくてかわいい」「九九ができるなんてめずらしい」という理由で飼おうする人間もいた。
しかしれいむが「もっとおいしいあまあまもってきてね」などとわがままを言うので、どれもその日のうちに追い出された。
その後は絵に描いたような転落ゆん生。
生きる為に生ごみをあさる日々。れいぱーありすやげすまりさがこわくて路地裏で隠れ住む生活。
ある日野良猫に襲われ、命からがら逃げ出したものの自慢のりぼんを食いちぎられてしまった。
それからはいままで見下していた野良ゆっくりたちにも「ゆっくりできないれいむ」として馬鹿にされる日々。
なぜこうなったんだろう。
ぼんやりと物思いにふけるれいむは自分のうしろの影にきづかなかった。
「やれやれ。またのらゆっくりか。」
「ゆっ!?」
やっと気づいたがもう遅い。れいむは男に捕まってしまった。
「つぶしてゆっくりごみの日に捨てなきゃな。次はいつだったかな?」
「ゆっ、やべでね。れいむはのーぶるゆっくりなんだよ!えらいんだよ!!つよいんだよ!!ほかのゆっくりとはちがうんだよ!」
「またゆっくり特有の妄想か。ほんとにどうしようもないな。こいつら。」
男は無視して、れいむを潰そうとその辺にあったレンガを振りかぶった。
「せいぜいあの世でゆっくりしてってね。」
「ゆうぅぅぅぅぅっぅうぅぅぅぅぅっぅうぅ!!!」
れいむの断末魔にもにた声があたりに響いた。
僕がれいむが殺さず逃がしたのは知ってほしかったからだ。
おのれの無力に。おのれの愚かさに。
確かにのーぶるゆっくりは他のゆっくりに比べて能力が格段に高い。
それは研究データが示している。
だが逆を言えばそれだけだ。
空を飛べるわけでもなければ
死なないわけでもなく
知能が人間より高いわけでもない
所詮はゆっくり。目くそ、鼻くその差でしかない。
ゲス化したゆっくりなどよほどの物好きでなければ飼おうとしない。
野良として生きようにもあの他のゆっくりを馬鹿にした態度ではつがいや仲間を作るのは無理だろう。
九九も漢字も野良世界では何の役にも立たない。大きいりぼんなんて標的にされやすいだけだ。
身体能力が高いと言っても人間にかなうわけじゃない。
苦しんで苦しんで苦しみぬいて。そしてやっとわかるのだろう。
自分は自分が殺したゆっくりと同じ存在で神になど選ばれてはいないことに。
今日の希少種
のーぶるゆっくり
希少度 不明
にとりで品種改良されたゆっくり。れいむの他にまりさ、ありす等いる。
身体能力、知能等は高いが、それゆえに他のゆっくりを馬鹿にする傾向があり、それをとがめるとゲス化してしまう。
結局不良品として回収された。
by 長月
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- マジでゲスだな。 -- 2022-12-08 19:12:55
- ↓つむりがゲスとは限らないぞ?作品によっては違うし -- 2017-01-15 22:35:03
- やっぱりれいむはバカじゃないと純粋なゆっくりになれないのか…… -- 2015-01-31 13:44:45
- つむりよりげすやな! -- 2014-05-29 01:13:40
- えーき様のほうがまだいい -- 2014-05-15 18:38:06
- コイツもアホだな。どうせゲスなら他のゆっくりを利用するぐらいの考えを持てばいいのに
まあ、そのうち潰されるだろうがね -- 2012-10-24 17:10:43
- ↓↓↓愛でって自覚してるお兄さんだからいいだろ 優しいから虐待には向いてないんだよ -- 2012-03-08 19:52:18
- 頭が良いと言っても生きていく知恵がないからダメだなwwww -- 2011-11-17 00:45:20
- ↓虐待されるだけならどんなゆっくりにもできることだからのーぶるれいむの選民的プライドをへし折るには至らない。
世界で生きていく能力において、自分が野良ゆっくりにすら劣る存在だと理解し打ちのめされて死ね、とお兄さんは考えてたんだろ。
君こそまだまだ甘いな…。 -- 2011-01-10 18:21:01
- のーぶるゆっくりに己の無力さを解らせるなんて簡単な事
思う存分虐待してやればいいだけ、敢えて外に放して悟らせようとする辺り、まだ甘さが抜けてないお兄さんだなと思った -- 2010-08-16 23:27:22
- ペットに求められる素質は、飼い主に忠実であること、可愛いこと、手間のかからないことetc。
高い知能も、特殊能力も別に要らない。そう思う。
某SSに登場する接客業や配送業で人間並みに働ける胴付きのふらん・きめぇ丸みたいなやつは例外として、
只々ペットとしての存在価値しか求められてない通常種が知能を自慢して何になるんだか。
あと、ゴミを捨ててはいけません。 -- 2010-08-16 08:37:41
- 街に放つ必要無かったんじゃね?ゴミの不法投棄と同じだよ、おにいさん -- 2010-08-16 06:31:32
- どれだけ知能その他が良くても所詮はゆっくり、生きた生ゴミなんだよ。 -- 2010-08-04 13:55:35
最終更新:2009年10月19日 19:38