ふたば系ゆっくりいじめ 219 ゆっくりアップダウン

ゆっくりアップダウン 17KB


【注意】
  • 冗長です
  • ぬるいです
  • ネタかぶりはご容赦を





「ごでじゃでんでんだでぃだいよ! がばいいでいぶにぼっどごばんぼぢょうだいで!」
「ごでだげでばでぃだがばんぞぐずどぅどおぼっでどぅど? ばがだど? じづど?」

嘆かわしいことに、これは我が家で飼っているゆっくりの台詞だ。
『これじゃ全然足りないよ! 可愛いれいむにもっとご飯をちょうだいね!』
『これだけでまりさが満足すると思ってるの? 馬鹿なの? 死ぬの?』
と言っているのだろう。
水森亜土もびっくりの舌足らずである。

何故、これほど滑舌が悪いのか。
2匹をご覧になっていただければわかるだろう。
バスケットボール大は成ゆっくりとしては標準サイズ?

いやいや、2匹はまだ子ゆっくりなのだ。





【ゆっくりアップダウン】





れいむとまりさは、赤ゆっくりの頃にショップで買ってきた。
2匹で500円の格安品だったが、初めて飼うゆっくりに、あまり思い切った金額は使えなかった。
それが失敗の始まりだったと気付いた頃には、もう遅かった。

基本の躾をされていなかった2匹は、何かにつけて食べ物を要求した。
そして、ゆっくりの躾け方を知らなかった俺は、2匹を甘やかしてしまった。
餌をやればやるだけ喜んで食べる2匹に、ついつい餌を与え過ぎたのだ。

最初は成長が早いことを喜んだ。
だんだん、顔と体の比率がおかしくなってきた。
肥満だと気付いた頃には、2匹は食欲のコントロールを失い、後はアメリカナイズの一途を辿っていった。



相談した友人のお兄さんも、丸々と肥えた2匹を見て呆れている。

「ゆっくりは元々、欲求を抑えることが苦手なんだ。
 本来は赤ゆっくりのうちから量を管理して、かつ適量を教え込んでいくものなんだが…。
 今更知ってもどうにもならないよな、これ」
「無茶は承知で頼んでんだよ…。何とかなんないか、こいつら?」

頭を抱える俺の言葉に、お兄さんは腕を組んで考え始めた。

「…最近の加工所の下取り価格は」
「オイイイィィィィ!? こんなデブだけど可愛がってんだよ! 餡子にするわけないでしょおおおお!?」
「でいぶばでぶじゃだいよ!! ぶんぶん!!」

お前、俺に絡むよりも痩せること考えてくれよ。
お前メスなんだから女心くらいあるんじゃねーのかよ。
ていうかまりさはどうした?

「…ゆぶう…ゆぶう……ぞればばでぃだどあばあばざんだんだで……」

夢の中でまで食ってるのかよ。



そんなことを思っている俺をおいて、お兄さんがれいむをいじり始める。

「そう言われましてもね、でいぶさん」
「でいぶばでいぶじゃだいいいいいいいい!!」
「おおっ、なんか哲学的なデブだな」
「でぶっでいうぼうがでぶだんだぼ!! ゆっぐでぃあやばっでべ!!」
「いや、どう見てもデブはお前だし。な、デーブデーブ」
「ぶぎいいいいいいいいいい!!」
「お? でいぶは豚なの? ゆっくりやめちゃったの? ぶーぶー鳴くの? ほれほれ」
「ぶっぎゃあああああああああああ!!!」

お兄さんの笑顔がまぶしいです。
はい、ご想像のとおり、こいつ虐待お兄さんです。
こんなのに愛での相談持ちかけるな?
仕方ないだろ、近所でゆっくりに詳しいのこいつだけなんだから。

「うちのペットで遊ばないでくれ」
「ゆっくりでゆっくりして何が悪い」
「…お前さ、俺の相談覚えてる?」
「覚えてるけどめどい。手軽なのでよければ手伝ってもいい」
「それはどんなのよ?」
「1、腹を割って適度に中身をほじりだす。
 2、頭に穴を開けて適度に中身をほじりだす。
 3、口をこじ開けて適度に中身をほじりだす」

お前が楽しみたいだけだろ、それ。

「…全部却下」
「簡単に体積減るぞ? どうせこいつらオレンジジュースで全快するし。
 ほじりながら言い聞かせれば、多分こいつらにもお前の愛が通じるぞ」
「頼むからもっとまともな方法を…」
「あーあ、腹減ったなー」
「…れみり屋の特上肉まん3個」
「5個」
「…4個」
「OK、乗った」
「にぐばんざん!! でいぶでぃぼにぐばんざんぢょうだいで!!」
「「うっさい黙れデブ」」
「どぼじでぞんだごどいぶどおおおおおおおおおおお!?」





仕組みを考えるのに時間をくれというので、その日は肉まんを食われただけで終わった。
それから一週間。

「…また一段と大きくなったな」

お兄さんの呆れきった声がする。
先週はバスケットボール大だった2匹は、さらにふた周りほど大きくなっていた。
代わりに俺は2キロ痩せた。

「どうしたらここまでデブをこじらせられるんだよ。
 もうこれは、ゆっくりに良く似た何かだろ。ゆっくりに失礼だ。
 この俺がゆっくりに同情する日が来るとは思わなかったぞ。
 ていうかお前、なに調子に乗ってデブに餌やってんの。
 馬鹿なの? 死ぬの?」
「餌やらなかったときのこいつらのうるささを知ってから言え…」

2キロ痩せた主な原因は寝不足だ。
これでも努力したんだ。
ムダだったけどな!

「耳栓も知らない馬鹿は死んでね!」

…盲点だった。



打ちひしがれる俺を尻目に、お兄さんが大きな何かを組み上げていく。
例えるなら…何だろう…シーソーが乗った木箱に透明な箱をかぶせたもの?

「正解です」
「そのまんまかよ」
「まあ聞け。これには夢と希望と全俺の技術の粋を集めた素敵メカニズムが詰まっている」
「悪い予感しかしないのは何故なんだぜ?」
「いいからデブ持ってこい」
「デブ言うな」
「そこのふくよかども持ってこい」
「へいへい」

育ちすぎた2匹はさすがに1人では持てず、結局2人で1匹ずつ運んでケースに入れて蓋をした。
シーソーの大きさは透明な箱とほぼ同じで、2匹ともそれに乗ることになる。
中央には仕切りがあり、シーソーの両端に置かれた2匹は、互いに行き来することは出来ない。

「ま、基本的な仕組みは簡単だ。
 ここにゆっくりフードをセットすると、箱の上のほうに餌が適量出る。
 そうすると、軽いほうだけシーソーが上がって餌を食べらるわけだ」
「ぶーじゃ、ぶーじゃ、じあばでええええええええ!!」
「ばでぃざどごばんざんがあああああああ!!!」
「餌を食べたければ、相手より痩せなければならないという仕組みだな」
「それはわかるんだが…」
「何だ?」
「…一週間もかかってこれか?」

他力本願で済まんが、この日を待っていた俺の期待に比べて、仕組みがあまりにチープすぎる。
正直、肉まんの食われ損の気がしてならない。

「もちろんこれだけじゃない」
「じゃあその辺の説明を早く」
「ここを見ろ」

お兄さんが指差したのは、箱の下のほう。
そこには何やら色々スイッチがある。
仕切りを境に右と左に、同じ数だけ並んでいる。

「まりさの側の、どれでもいいから押してみ?」
「どれどれ、ぽちっとな」

ボウッ! と音がして、目の前が赤くなった。

「あ゛ぢゅい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」

続いて、まりさの悲鳴が響き渡る。

「古いネタ使いますね先生」
「いやいやいやちょっと待てなんだ今のは!?」
「火ぐらい見たことあるだろ。進化の途上かお前。早く人間になりたい?」
「そうじゃねーよ! 何でまりさが火あぶりになってんだよ!」
「俺の趣味」
「オイイイイイイィィィィィィ!!?」

火は一瞬で消えたので、幸いまりさに目立った怪我はない。
髪の先のほうが少し縮れているが。

「まあそれは冗談として。躾には飴と鞭が基本だろ」
「鞭っつっても激しすぎでしょおおおおお!?」
「仕方ないだろ、こいつら飴だけじゃ絶対に覚えないし。
 これは必要悪だ。愛の鞭だ。激しいのはここまで甘やかしたお前の責任だ」
「ぬう、そう言われると返す言葉に困る…」
「それに、多少派手じゃないと俺が面白くない」
「いい加減にしろコラ!! こんなのにれいむとまりさを閉じ込めておけるか!!」

ちくしょう、やっぱりこいつただの虐待お兄さんだよ!
たまらず箱の蓋に手をかけるが、びくともしない。

「…あれ、開かない?」
「鍵かけてあるから当然だな」
「ちょ、おま! さっさと開けろ!!」
「イヤですー」
「オイふざけんな! 虐待ならうちのでやる必要ないだろ!」
「俺これ真面目にこいつら痩せさせるために作ったんだけど」
「こんなのがかよ!!」
「だってこいつらがデブった原因はお前じゃん」
「はあ!?」
「ゆっくりに我慢させるとか無理。飼い主がコントロールしないとな。
 でもお前はこいつら野放し状態。お前を教育しないとダメってこったな」
「だからってお前こんな…!」
「あ、そうそう。
 餌を食べられなかったほうのスイッチを押さないと、次の餌が出ないようになってるから。
 餌が出るのは朝晩2回。お前がスイッチ押さなかったらこいつら飯抜きな。
 飢え死にさせたくなかったら、毎回ちゃんとお仕置きをしろよ。
 そのうちまた見に来るからじゃーなー」
「どぼじで帰っちゃうのおおおおおおおお!!」





腹立たしいことに、お兄さん謹製ダイエット箱はよく出来ていた。

「すまん、まりさ…」

スイッチ、オン!
シャキィィン!!

「ゆぎゃああああああああああああああああああ!!」

次に押したスイッチは、針の仕掛けだった。
シーソーの床全体から、広いが避けようのない間隔で、短い針が一斉に飛び出した。
それも、火のときと同じで一瞬で元通りになる。
痛みは与えるが大きな傷は残さない、絶妙な塩梅だ。

しかも、スイッチを押すと同時にまりさの分の餌はボッシュートされる。
やがて上下が入れ替わっても、今までの分をまとめ食いできるわけではないのだ。
一度出してからわざわざ回収するとか、嫌がらせも隅々にまで行き届いている。

「でんでんだりだいげでど、ぶーじゃぶーじゃじだがだうんうんずどぅど!!」

加えて、シーソーにはトイレ用の穴も開いている。
重量バランスのための配慮だとは思うが、おかげで2匹がうんうんまみれになることもない。
もちろん掃除するのは俺なんだが。

というか、ここまで細々と配慮されているなら、俺にスイッチを押させないで自動化することも出来たはずだ。
俺への教育もあるとお兄さんは言っていたが、余計なお世話で本当に腹立たしい。

「じじいいいいいい!! あばあばよごぜえええええええ!!」
「ばでぃざにびどいごどぼずどぅじじいばじべええええええええ!!」

食べ物をよこせと大騒ぎする2匹に、箱の仕組みを説明した。
騒ぎは収まらなかった。
理解できなかったらしい。
もう疲れた。

その日は耳栓をして無理やり寝た。





2日目、朝。

「ゆっぐじごじぞうざば!!」

またも餌はれいむの番だった。

「だんでばでぃざにごばんがだいんだぜええええええええ!?」
「俺のせいじゃない…俺のせいじゃないんだ…」

スイッチ、オン!
バチィッ!!!!

「びっぎいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

スイッチを押すと、まりさの巨体が跳ね上がった。
涙とよだれを垂れ流し、白目をむいて痙攣している。
…電気ショックか、これは?
まりさの足に、店のような小さな焦げ目がいくつか付いている。
お兄さんの仕事だ、例によって加減は絶妙なのだろう。

と、ここで動きがあった。

「ゆゆ?」

シーソーが傾き、れいむとまりさが入れ替わった。
どうもこのシーソーは機械式で、重量が入れ替わってもスイッチを押すまで動かないようだ。
ホントに…どこまで手が込んでるんだこれ。

「ごばん……ごばん…」

回収済みでかけら一つ残っていない餌皿を、まりさが未練がましく舐めている。
あまりの哀れさに涙を誘うが、頑丈すぎる透明な箱は、俺には壊せそうもない。
無事にダイエットを成功させ、出来るだけ早く出してもらえればいいんだが。





2日目、夜。

「じあばぜええええええええええええええええ!!!」

丸2日振りに餌にありつけたまりさが、歓喜の涙を流していた。
量は全く足りないだろうが、久々の食事の喜びで、実にゆっくりした顔をしている。

対して。

「どぼじででいぶぼごばんがだいどおおおおおお!?」

初めて食事抜きとなるれいむが、状況を把握できずに喚き散らしていた。
まりさの餌に気付いたれいむは横取りしようとしたが、中央の仕切りにへばりついて変な顔になっただけだった。

「じゃあ、今日はれいむの番だな」
「ゆ?」

自分の餌にしか興味がなかったれいむは、これから何をされるか全くわかっていない。
その呑気な顔に、ここまでのまりさの不憫さを思い出し、ちょっとイラッとした。

スイッチ、オン!
ビシビシビシビシビシビシビシビシ!!

「ゆばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!!!」

シーソーの板の一部が跳ね上がったかと思うと、ものすごい勢いでれいむを張りはじめた。
一発一発は軽そうだが、何しろ回数が半端ではなく、瞬く間にれいむにミミズ腫れが浮き上がっていく。

「いぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! やべでえええええええええええ!!」

おかしい、いつものお仕置きはすぐに終わるのに、長くないかこれ?
ここままじゃ皮が破けちまわないか?

と、心配し始めた頃にお仕置きはぴたりと終わった。
何だこの見ているかのような絶妙加減は。

そして。

「ゆゆゆゆ!?」
「…なん…だと?」

シーソーの上下がまた入れ替わった。

考えてみれば当然の話だ。
今朝の1食分の餌の重みで上下が入れ替わったんだから、食べるゆっくりが逆になればまた入れ替わるだろう。

「どぼじでええええええええええええええ!!?」

下に回った側の悲惨さを思い知らされているまりさが絶叫していた。





3日目、朝。

スイッチ、オン!
ガチィン!! ゴンゴンゴンゴン……

「ゆぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ………!!」

昨夜のお仕置きのように、シーソーの板が一部跳ね上がった。
違うのはそこからで、今朝のは万力のようにまりさを締め上げていた。

「…ぐどぅじ……だず…」

すっかり変形しきったまりさは、破裂寸前の風船のようになっている。
が、俺は平静です。
だってまた、ぎりぎりのところで終わるんだろこれ?

「…ぶぐ……べ…げで…」

とか思ってたらまりさが餡子を吐き出した!!
おいコラ何で今日はほどほどじゃないんだよ!!

と焦り始めた途端にお仕置きは終わった。
…俺の反応を見てるんじゃないだろうな、これ。

そしてまた上下が入れ替わる。
まりさはめそめそ泣きながら吐いた餡子を舐め、れいむは歌をゆんゆん歌っていた。





3日目、夜。

まりさ待望のすーぱーむーしゃむーしゃたいむ。
の、はずなんだが。

「…ゆっぐでぃごぢぞうざば」
「おい、もういいのか、まりさ?」
「ぼういいどぜ……」

盛られた餌の半分ほどで、まりさは食べるのをやめてしまった。
ストレスで食が細ってきたんだろうか?
いずれにせよ、死なない程度に痩せてくれるなら歓迎だ。

では、恒例行事を。

スイッチ、オン!
ヒュンヒュンヒュン!

「ゆごっ!?」

れいむの前後からフックのついた紐が飛び出して、口を上向きで全開にするように、板に磔にした。

ガキョン!
コンキンカンキンコンコンカンコンキン!!

「あがががががががががががが!!」

何が始まるのかと思ったら、関節のある棒が飛び出て、れいむの歯を木琴のように叩き始めた。
どこまで高機能なんだこの箱は。

でたらめなメロディをひとしきり鳴らしてお仕置き終了。

「…ん?」

そしてシーソーの上下入れ替え…と思っていたら、何も起きなかった。
ああ、そうか! このためにまりさは餌を全部食べなかったんだな!
ゆっくりより頭悪くてどうするよ俺!





4日目、朝。

「おだがずいだああああああああああ!!」

初めて2回連続食事抜きとなったれいむが大騒ぎしている。
対してまりさは、今朝は4分の1だけで食事を終わりにした。

「おいまりさ、あんまり食べないでいると体に悪いぞ?」
「…おじおぎざんばぼういやだどぜ」
「そうは言ってもだな…」

ま、仕方ない。
さっさとお仕置きを終わらせよう。

スイッチ、オン!
シャキーン!

「ゆ?」

ズドム!

「ゆぼおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

太い棒が飛び出したかと思ったら、れいむのあにゃるに突き刺さった。

「おごごごごごごごごごごごご!!?」

しかも、そのままウィンウィンと動いている。
これは…お仕置きというか開発なんじゃないのか?

「ゆびぃっ!!」

ポン!と音を立てて棒が抜ける。
かき混ぜられたあにゃるを強烈な便意が襲っているのか、れいむは般若のような顔をしてこらえていた。
れいむには悪いが、その顔はちょっとうける。
我慢しないでうんうんを出してしまえば上下が入れ替わりそうな気もするが、まりさの頑張りに免じて黙っておくことにする。





こうして、まりさが餌を我慢することを覚えてから、シーソーの上下をめぐる駆け引きは加速していった。
すでにお互いの体重は拮抗しているので、食べ過ぎればその分長くお仕置きを受ける羽目になる。
何度目かのあにゃる棒で、うんうんで体重調整することも2匹は覚えた。

より少なく食べ、より多く出し、可能な限り体重を軽くすることでゆっくり出来る。

そう理解した2匹は、食事のチャンスにも舐める程度にしか餌を摂らなくなっていた。
しかもヒマさえあればトイレ穴の上でいきむようになり、あにゃる崩壊振りに磨きがかかっていった。

「がばいいでいぶがうんうんずどぅよ!! いっばいずどぅよ!!」
「ばでぃざばでいぶよでぃぼいっばいずどぅんだぜ!!」





そして、2匹の駆け引きをよそに、俺は淡々とスイッチを押さなければならない。





スイッチ、オン!
ブーン…

低い音がしただけで何も変わらない。
と思ったら、中央の仕切りの色が変わって不透明になっていた。
何が始まるんだ一体?

ババババババババババババ!

「ゆびゃああああああああああああああああああああ!?」
「うおっ、まぶしっ!!」

これはあれだ、ポケモンフラッシュ。
青と赤の強烈な光が、交互に高速で点滅している。

「ゆっ? ゆっ!? ゆっゆっゆっゆっ…」

…ゆっくりにも効くんだな、これ。
れいむは力なく緩んだ口の端から餡子をこぼして痙攣していた。





スイッチ、オン!
プシュー…

なにか煙みたいなのが噴き出してきた。

「ゆげえええええええええええ!! がだいいいいいいいいいいいいい!!」

固い?…いや、辛いか。
ガスみたいなものなんだろう。
まりさは滝のような目の幅涙を流しつつ嘔吐いている。

「ゆべっ、ゆべえええええええええええ…」
「おいおい、結構吐いてるな。大丈夫か?
 ……って、辛えええええええ!! うぉほっ!! ゲホッゲホッ!!」

うんうん掃除用の窓からガスが漏れていた。
痴漢撃退用のわさびスプレーだろ、これ!
ちょ、これ人間でもマジやばい!!

「ゆげえぇぇ、ゆげええぇぇぇぇぇ!!」
「目…目が、目があああああああ!!」










「よ、久し振り」
「……………」

2匹をダイエット箱に閉じ込めてから2週間後、お兄さんが家にやって来た。

「お、きっちりやってるみたいだな」

お兄さんが言うように、れいむとまりさはハンドボール大にまで縮んでいた。
その代償として、2匹の仲とあにゃるの締まりは最悪の状態だが。

「これなら、もう出してやってもいいかもな。どうする?」
「「ゆゆ!?」」

お兄さんの言葉に2匹が色めき立つ。

「だしてね!! かわいいれいむをここからだしてね!!」
「さっさとまりさをだすんだぜえええええええええ!?」

減量の効果で、2匹は普通に喋れるようになっていた。
それをしばらく眺めてから、俺は2匹に話しかけた。



「なあ、お前ら」
「「ゆ?」」
「もうちょっと痩せてみないか?」
「「ゆ゛!!?」」



確かに2匹は、2週間前に比べれば十分に痩せることが出来た。
が。

「ふざけないでね! じじいはれいむがかわいくないの!? ばかなの!? しぬの!?」
「くそじじいはここからまりささまをだしてしね!! あとあまあまよこせ!!」

このとおり、俺と2匹の仲も最悪になっていた。
まあ当然だろうな、餌はやらんし、お仕置きはするし。
俺もことあるごとにこいつらに罵られるのにうんざりしていた。

「こんなこともあろうかと」
「ん?」
「ここを開けると…何と魅惑のスイッチがさらに倍!」
「おお!!」

ちくしょう、結局全部お兄さんの手の平の上かよ。
だがもうそれはどうでもいい。

「このスイッチは……で、こっちは……」
「ふむふむ…いいな、ワクワクしてきたぞ」
「「ゆわあああぁぁぁぁぁぁぁ……」」

俺たちのテンションが上がっていく代わりに、2匹のテンションが下がっていく。
こいつが入れ替わることはないだろう。



「「お前たち!!」」
「「ゆゆ!?」」
「「シーソーでゆっくりしていってね!!」」
「「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいいいいいい!!!」」










(完)





作者:虐め成分が足りないと言われた。自覚は十分にある。
   書き始める前の意気込み→「一心不乱の虐待を!!」
   …出来上がったこれは何なのぜ?


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感想

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  • 実際にゆっくりが居てもゲスにはしないな、普通のゆっくり以上になるかゲスになる前にシミにしちゃうだろう
    虐待兄さんの技術力が半端ない -- 2012-12-19 11:57:33
  • 「ごでじゃでんでんだでぃだい」ってだれかと思ったw -- 2012-04-30 22:44:54
  • すっげー笑った -- 2011-10-15 20:58:11
  • 愛ゆえに…だ! -- 2010-09-22 23:55:17
  • 愛でお兄さんが虐待お兄さんになってるじゃないかw -- 2010-09-09 03:21:40
  • 第一声がいきなり通訳が必要なレベルなのにはびっくりした。
    ゲス化してるのに愛で続けるお兄さんがステキです。 -- 2010-08-26 23:10:35
最終更新:2009年10月20日 19:09
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