夏の終わりに 16KB
※注意
- 二作目です
- 俺設定あります
- ネタ被りあったらごめんなさい
「ゆんやぁあああ!! みょうかんにんしちぇえええ!!」
俺の目の前を一匹の子ゆっくりが逃げていく。
黒い帽子が特徴のまりさ種だ。
ここは郊外の住宅地の裏側にある小さな森。
俺はここで友達と一緒にゆっくりを探していた。
この森は昔はそこいらにゆっくりが巣を作っていた広大な森だったが、
宅地の造成で森が削られゆっくりたちも次第に姿を消していったらしい。
だが、注意深く探せば見つかることもある。
友達と一緒に森に入って三時間……。
ようやく目的のゆっくりに出会えたのだ。
「よーし、そっち行ったぞ! 捕まえろ!」
「えいっ!! くそっ、逃げられた!!」
「ゆんやぁあああ!! みゃみゃ~~~!!」
俺達は、森の湿った土に足を取られて子まりさを捕らえられないでいた。
そうこうしているうちに、子まりさは小さな穴倉に飛び込んでしまった。
「これが巣か?」
「う~ん、どうだろ? どっちにしてもこれじゃ手が出せないな」
巣と思しき穴倉は直径30cm程。
友達が中に手を入れてゴソゴソやってるが奥はかなり深いらしい。
「困ったなあ……今日が最後なのに」
「まぁ、いい加減諦めろよ。俺も疲れたしさ、もう帰るわ」
そう言うと友達は、あっさり森を引き返して行った。
俺もしぶしぶその後に続く。
こんな暑い中、無理に付き合わせたんだ……さすがにこれ以上困らせると友情に関わる。
「じゃあな、また明日」
「またな!」
森を出た途端、友達はそのまま帰って行った。
それじゃ俺も帰るとするか……といっても、俺の家は森と隣接する団地の一階。
森の入り口から徒歩三十秒だ。
「ただいま~~~」
一応、習慣で帰宅を知らせるが家には誰も居ない。
ふぁ、何だか眠くなってきたな。
森の中とはいえ暑い中を長時間駆け回って疲れちまった。
いいや、少し休もう。
俺は扇風機のスイッチを入れて布団にゴロンと転がるとそのまま眠ってしまった。
ガッシャーーーン!!
「ん!?」
どれくらい眠っていただろう。
唐突に響き渡った大きな音に目を覚ます。
何だ? 今の音!? 玄関の方から聞こえてきたような……。
耳を澄ますとガシャガシャ、ポムンポムンと妙な音が聞こえてくる。
とにかく様子を見に行かないと……。
「むっきゅーーーん!! でてきなさい!! げすにんげんがここににげこんだのはわかってるわ!!」
「でちぇきょーーい!!」
…………。
玄関には大小二匹の饅頭がプクー!とばかりに威嚇体勢を取っていた。
大きい方は確かぱちゅりーとかいうゆっくりだ、ゆっくりの中ではズバ抜けて頭が良いとか。
チビの方は黒い帽子が特徴のまりさ種。
見れば玄関横の窓が割られて拳大の石が転がり込んでいる。
きっと外から石で窓を破って入ってきたんだろう。
「ゆゆ!? あ、こいちゅだよ、みゃみゃ!! まりしゃをおしょったげしゅだよ!!」
「むきゅっ!! たしかにふてぶいてしいかおだわ!!
ぱちぇのかわいいおちびちゃんをゆっくりさせないなんてどういうつもりなの!?
とにかく、しゃざいとばいしょうをようきゅうするわ!! あまあまとおかねをよこしなさい!!」
「よこちぇえ♪」
「…………」
目を吊り上げたぱちゅりーが膨れながら要求してくる。
その影に隠れた子まりさは妙に誇らしげだ。
ああ、そっか。
このチビはさっきの子まりさか。
で、親のぱちゅりーをつれて俺に仕返ししに来たってわけか。
「むきゅ!? どうしたの、はやくしなさい!!
ぱちぇはもりのけんじゃなのよ!!
いうことをきかなければ、ゆっくりできなくするわよ!!」
「しょうだよ!! みゃみゃはつよいんだよ!! げしゅはゆっくちちないであみゃあみゃもっちぇきょい♪」
見れば、親ぱちゅりーは左右の髪の房に棒切れのようなものを持っている。
俺が要求に応じなければ容赦なく襲ってくるつもりか……だが。
「ていっ」
ゲシッ
「むぎゅ!!」
俺は躊躇いなく親ぱちゅりーの顔面にキックを放った。
一撃で沈む親ぱちゅりー。
弛緩したその髪の房から素早く凶器を奪い取る。
良く見るとそれは丸めた新聞紙とチラシだった、なんだこりゃ?
「みゃ、みゃみゃ~~~~~!!!!!」
突然の逆転劇に呆けていた子まりさが、我に返って親ぱちゅりーに縋り付いている。
さて……。
ひょい
「ゆんやぁああ!! はなしぇええ!! みゃみゃ、みゃみゃ~~~!!!!」
俺は子まりさを摘み上げた。
飛んで火に入る夏の虫、ならぬ夏のゆっくりとはこのこと。
あのまま大人しくしてれば良かったのに、わざわざ俺を尋ねて来てくれるなんてね。
「よっ、まりさ。 悪いな、わざわざソッチから来てくれて」
「ゆうう!! はなしちぇええええ!!」
「放すわけないだろ? お前にはこれから俺を助けて貰わないといけないんだからさ」
「まりしゃ、わりゅいきょとにゃんにもしちぇないよ!! だからはなしちぇねぇ!!」
「悪いこと? しただろ? ウチの窓ガラス割ってくれちゃってどうしてくれんの?
後で怒られるの俺なんだぜ? だからお前は俺の助けになって罪を償ってくれればいいんだよ」
「ゆんやぁああ!! にんげんしゃんがしゃきにまりしゃにひどいこちょしちゃんでしょ!?
まりしゃはわりゅくにゃいよ!! はやくはなしちぇねぇぇぇ!!」
子まりさは涙を流しながら下膨れを左右にプルンプルン振って懸命に抵抗している。
その必死さが何だかかわいい。
俺は子まりさを今は空になっている金魚鉢に放り込んだ。
「ゆべっ!!……ゆ? ちぇまいよ、きょきょはゆっくちできにゃいよ!! だしちぇねぇぇぇ!! 」
とりあえず子まりさはこれでいい。
口から薄く黄ばんだ生クリームを垂れ流して転がっている親ぱちゅりーは、
そのままだと不衛生なので市指定の透明なゴミ袋に入れて金魚鉢の傍に転がしておく。
まずは玄関を片付けるか、面倒だなぁ。
それから三十分。
片付けも粗方終わり、俺は先日ホームセンターで買っておいたある物を机の引き出しから引っ張り出した。
ゆっくりの微笑むイラストが描かれたチープな小箱だ。
さて、今日中に仕上げないと……。
「む……むきゅ~~~。 はっ!! ここは!? おちびちゃんは!?」
「おっ」
死体かと思っていた親ぱちゅりーが息を吹き返した。
ゴミ袋をガサガサさせている。
「生きてたのか、しぶといな。
まぁいいや、これからお前のちびちゃんに俺の工作に付き合って貰うから見学していけよ」
「みゃ、みゃみゃ!! まりしゃはきょきょだよぉ!! たしゅけちぇ~~~!!」
「お、おちびちゃん!! いまたすけ……むきゅ? ぱちぇのまどうしょがないわっ!!」
「魔道書って……まさかこれのことか?」
俺は円柱型のゴミ箱の中を親ぱちゅりーに向けて、さっきの丸めた新聞とチラシを見せてやった。
どちらも土と唾液に塗れていて汚かったので真っ先にヘシ折って捨てたのだ。
「むきゅーーー!! ぱちぇのだいじなまどうしょがあああ!!
な、なんてことするの!? それはとってもきちょうなまどうしょなのよ!! それを……」
「いやまあ、こんなゴミどうでもいいよ。 それよりお前はそこでゆっくりちびちゃんの活躍を見てりゃいい。
さぁ、まりさ。 さっそくだけど始めよっか♪」
「ゆうう!! きょきょからだしちぇねぇ、ゆっくちさせちぇねぇ!!」
俺は子まりさを入れた金魚鉢を卓上に置くとチープな小箱を開けた。
その中身を見せた途端、子まりさの体がビクッと跳ねる。
「や、や、や、やじゃ~~~~~!! きょわいよ!! みゃみゃ、みゃみゃ~~~~!!」
「ど、どうしたの!? おちびちゃんっ!! ゆっくりっ!! ゆっくりしてねっ!!」
小箱の中には毒々しい液体の詰まった二つの小瓶、円錐のコルク栓、そして大きく歪な器具が入っていた。
どうして野生育ちの子まりさがそれを一瞥しただけで怖がるのかは不明だが、
確かに俺達人間にとってもイヤな器具の一つである。
それは注射器だった。
『かんったん♪ ゆっくり標本作成キット♪』
これは、ゆっくりの標本を作る為のキットだ。
赤ゆっくり~子ゆっくりサイズのゆっくりさえ用意できれば、
誰でも簡単に標本化できるというフレコミで\480円というお手軽価格も良心的。
俺は小箱に同梱されていた説明書を広げる。
「えーと、なになに……。 まず手頃なサイズのゆっくりを用意しましょう……うん用意したぞ。
付属の注射器の安全キャップを取り外し青い薬液を注ぎましょう……よーし」
俺は注射針の安全キャップを外すと青い液体の詰まった小瓶の蓋に突き刺した。
中身を一気に全部吸い上げる。
「これでよし、と……。 お次はえーと、なになに……。
針先をゆっくりに刺して薬液を少しずつ注入していきましょう。
注射する位置は口内かまむまむにすると綺麗な仕上がりになります。
針で怪我をしないよう気をつけましょう……ふーん」
俺は金魚鉢から子まりさを摘み上げて注射針の先端を近づけた。
「ゆ、ゆんやぁあああ!!! やべぢぇぇぇ!! はりしゃんはゆっぐぢできにゃいいいい!!」
「むきゅうううう!! こわがってるわっ!! やめてあげてえええ!!」
親子ともどもうるさいなぁ。
「おい、まりさ。 お口開けてみ? この青いのはあまあまだからさ」
「ゆ゛? あみゃあみゃ?」
「そ、あまあまだぞ」
「むきゅう!! おちびちゃん、だまされちゃだめよ!!」
「ゆう♪ あみゃあみゃなりゃゆっくちできりゅよ、ゆーん♪」
親ぱちゅりーの注意も空しく、泣き叫んでた子まりさは一転して上機嫌に大口を開けた。
さすがは餡子脳。
親ぱちゅりーの頭は遺伝しなかったらしい、合掌。
プスリ
「ゆぴゃああああああああああああ!!!!!」
大きく伸ばされた舌の根元辺りに注射針を思いっきり深く突き立てる。
叫んでももう遅い、少しずつ薬液を注入していく。
子まりさはプルンプルン下膨れを振って激しく抵抗しているが全く意味を為さない。
「ゆやぁ!! やえひぇ、やえひぇぇぇぇ!! 」
「むっきゅうううう!! おぢびぢゃーーーーん!!」
プルンプルン……ピクピク
薬液を注入するにつれて子まりさの下膨れが張って痙攣してきた。
こりゃ破裂するかと心配になったところでちょうど注射器が空になった。
「ゆぶううう!! ゆぎゅううううううう!!!!」
子まりさはダクダクと涙を流してとても苦しそうだ。
それに体が膨らんだせいか発音もまともにできなくなっているようだ。
ええと、次はどうすればいい?
「注射が終わったら薬液が体内を巡るまで十分ほど待ちましょう。
その間にあにゃるをヒクヒクさせるようなら付属のコルク栓を挿してください。
しーしーは好きにさせて構いませんがうんうんをさせてはいけません……なるほど、って!!」
子まりさはピクピク痙攣しながら既にしーしーを垂れ流していた。
それは良いが、よくみればこちらに向けた下膨れの先から黒い餡子が覗いている。
うんうんだ! まずい!!
ズボッ
「ゆびびびびび!!」
「いやーーー!! やめてぇえええええええーーー!! おぢびぢゃーーーーん!!」
ふぅ、間に合ったか。
俺は円錐のコルク栓を子まりさのあにゃるに突き立てた。
慌てたせいか勢いでちょっと奥に挿し込み過ぎた気もするがまぁいいだろう。
あとは、このまま体内の餡流動に任せて薬液が全身に回るのを待てばいいわけだな。
…………十分後。
「ゆぅゆぅ……ゆっくちさせちぇね、まりしゃをはなしちぇね」
子まりさは余分な水分をしーしーとして排出したのか、
その下膨れは元のサイズに戻っていた。
表情はやや苦しそうだが発音も元に戻っている。
「よし、次は……と。
ゆっくりが落ち着いたら今度は赤い薬液を注射しましょう。
手順は青い薬液と同じです……おっけー♪」
「ゆんやぁああああ!! もうやぢゃあ!! まりしゃ、おうちかえりゅぅぅぅぅ!!」
俺は赤い薬液を入れた注射器を子まりさに近づけた。
「じゃ、もっぺんお口開けてみようか。 あまあまだぞ~~~♪」
「う、うじょだぁぁぁぁ!! そりぇはいちゃいよ、ゆっくちできにゃいよぉぉぉぉ!!!!!」
「そ、そこまでにして、いやがってるわ!! おねがい、にんげんさんっ!! りかいしてえええ!!!」
ズブリ
「ゆっきゃあああああああああああ!!!!!」
「いやぁああああああああああああ!!!!!」
さすがの子まりさも今度は騙されてくれなかったので、
仕方なくまむまむに注射針を突き刺した。
ちょうど針の先端が子まりさの体の中心に至るまで挿し込んで
少しずつ薬液を注入していく。
「ゆびゃびゃびゃびゃびゃ!!」
どんどん子ありさの下膨れが膨らんでいくのは先程と同じだ。
だが子まりさの表情は先程とは比較にならないほど苦しそうだった。
狂ったように体全体を揺さぶって悶絶している。
きっと薬液の成分が関係しているんだろう。
「よし、注入終わりっと。
ええと、それで次は……そのまま十分ほど待ちましょう。
ゆっくりの体内で二種類の薬液の成分が交じり合って餡子を変質させます。
ゆっくりは穴という穴から汁を垂れ流すので衣服が汚れないよう注意してください?
って、うわぁ!! 反応はやっ!!」
見れば、子まりさの両目と口、しーしーの穴から泡立った黒い汁が垂れてきている。
俺は急いで子まりさの顔面を金魚鉢の底に向けた。
子まりさは全身をビクビク震わせながらボタボタと汁を垂れ流している。
はっきり言って気持ち悪い、そして汚い。
やけに静かだと思ってゴミ袋に目を向けると、親ぱちゅりーは気絶していた。
…………十分後。
金魚鉢の底には黒い液体が貯まっている。
子まりさはピクピクと小刻みに痙攣しているが汁の流出は止まったようだ。
「ええと、それで、っと。
……ゆっくりが汁を出し切って細かい痙攣を始めたらポーズを決めて固定してください。
あにゃるをコルク栓で塞いでいる場合はこの段階で必ず取り外してください。
十分ほどで完全に硬化します、ポーズはなるべくあらかじめ決めておきましょう。
…………やべ、ポーズ考えてないや!」
俺はとりあえず子まりさのあにゃるからコルク栓を引き抜いて、
あーでもないこーでもないと考えながら適当にポーズを取らせてみた。
だが、子まりさの自然な様子をうまく再現したポーズがなかなか思い浮かばない。
拙いな、そうこうしているうちに硬化が始まってきたのか、少しずつ思うように稼動しなくなってきている。
「……ゆ……まりしゃ……ぽんぽん……いちゃいよ……くりゅちぃよ……」
おや、子まりさが何か喋っている……もうとっくに意識はないと思っていたのでこれは驚きだ。
あ、そうだ!
「おい、まりさ。 俺がわかるか? まりさ?」
「……ゆ……ゆっくち、できにゃい、にんげんしゃん、だよ」
「おお! さすがは神秘の饅頭! すごい生命力だな」
「……ゆ……ゆ……まりしゃ、くりゅち、い……たしゅ、けて……みゃ、みゃ」
「よーし、それじゃあママに会わせてあげようなぁ♪ おーい、ぱちゅりー!」
「…………むきゅ……?」
気絶していた親ぱちゅりーが目を覚ます。
その眼前に、いよいよ硬化目前の子まりさの体を置いてやる……親ぱちゅりーに背を向けさせる形で。
「む、むきゅっ!! おちびちゃん!! だいじょうぶなの!? こ、こっちをむいておかおをみせて!!」
「……ゆ……ゆ……みゃみゃ?……どきょにゃの?」
「ままはここよ!! こっちよ、おちびちゃん!!!」
「……ゆ……みゃ、みゃ……みゃみゃ……まりしゃ……ゆっくち……ふりむきゅよ……」
負傷しゴミ袋に入れられてた親ぱちゅりーは自分では動けない。
親子が顔を合わせるには子まりさが体を捻って振り向くしかないのだ。
そして状況をよく飲み込めていない親ぱちゅりーは我が子に振り向くよう命じ、
子まりさは必死に最後の力を振り絞って硬化直前の体をよじっている。
「お、おちびちゃん!! むりしないで!! ゆっくり、ゆっくりでいいのよ!!」
「……ゆっ、くち……まり、しゃ……ゆっ、くち……」
「もうすこしよ!! ゆっくり、ゆっくり!!」
「……ゆ……まり……しゃ……ゆっ、くち……ふ、り、みゅ……い……ちゃ、よ……。
ま、り、しゃ……も、も……ちょ……ゆ、くち……ちた……かっちゃ…………」
「お、おちびちゃん!?」
「…………………………」
子まりさは体をよじったポーズのまま完全に固まっている。
実に躍動的なポーズだ、どこか諦めたような表情も素晴らしい。
「むきゅ? に、にんげんさん! おちびちゃんがうごかないわ! たすけてあげてね!」
「助ける? 無理。 お前のちびちゃんは永遠にゆっくりしたんだよ」
「むきゅ?」
「わかんないか? ほら、固まってるだろ?」
俺は体をよじったまま固まっている子まりさに軽くデコピンを食らわせた。
子まりさ……もとい子まりさだったモノはポーズを保ったままコテンと横倒しになった。
柔軟なゆっくりの体では本来ありえない現象だ。
「お前のちびちゃんの体はカチカチに固まって標本になったんだよ。
つまり永遠にゆっくりしたの。 森の賢者ならわかるだろ?」
「む……む……む……むぎゅうううううううううう!!!!!!」
エロエロ……
親ぱちゅりーはゴミ袋の中で盛大に生クリームを吐いてそれきり動かなくなった。
ピクピク痙攣しているから生きてはいるだろうけど、
どっちにしろ邪魔なんでゴミ袋ごと玄関に置いておくことにした。
何はともあれ、これで俺の夏休みの宿題は全部終わった。
あとは他の宿題と一緒にこの臨場感溢れる子まりさの標本を提出するだけだ。
その後、俺は帰宅した両親から玄関の窓が壊れていることをこっぴどく責められそうになったが、
ゴミ袋に入れたぱちゅりーを見せたら納得してくれた。
最近減ったとはいえ野良ゆっくりが悪さをするなんて日常茶飯事だからな。
翌日、朝食を終えた俺は玄関に向かった。
「行ってきまーす!」
両親に挨拶していざ学校へ。
今日から新学期だ、夏休み最終日に宿題が全部終わって良かった。
あの先公うるさいからなぁ。
おや?
「……むきゅうぅぅぅ……ぱちぇのおちびちゃんがぁ……」
玄関では放置していたゴミ袋がサメザメと泣いている。
そうだ、今日はゴミの日だ。
「俺、ゴミ捨てとくよーーー!」
ゴミ袋を掴んで両親にそう叫ぶと俺は表に出た。
これくらいの手伝いはやんないとね。
「むきゅ? に、にんげんさん。 ごみをすてるって……?」
ゴミ袋が何か言ってるけど無視無視。
俺はそのまま団地のゴミ捨て場に向かった。
「えーと。 ゆっくり回収の日は……げっ! 金曜日かよ!」
「むきゅ! ぱちぇはごみじゃないわ、はやくここからだしてね!」
残念ながら今日は生ゴミ回収の日らしい。
どうしたもんかな……。
俺は周囲を見渡した……よーし、誰もいない。
「おちびちゃんをころしたことは、とくべつにゆるしてあげるわ。
だからここからだして、ぱちぇをもりへかえしてね。
おうちには、ぱちぇのかえりをまってるまりさがいるのよ。
まりさとゆっくりくらしていれば、そのうちまたおちびちゃんはうまれてくるわ。
だから……む、むきゅ!!」
ペチャクチャうるさいゴミ袋を大きく振りかぶる。
「な、なにしてるの!? はやくぱちぇをもりに……」
「うるせぇ、どりゃあ!!」
グシャ!!
「む゛ぎゅ!!」
俺は振りかぶったゴミ袋をアスファルトに力一杯叩き付けた。
ぱちゅりーの口から黄ばんだ生クリームがほとばしる。
…………まだだ、もう一度ゴミ袋を振りかぶる。
「おらっ!!」
ズシャ!!
「む゛ぐ!!」
透明なゴミ袋の内側に白い飛沫が飛び散る。
…………まだまだ、さらにゴミ袋を振りかぶる。
「おらぁ!!」
ドシャ!!
「む゛!!」
ぱちゅりーの饅頭皮が裂けて、そこから真っ白な生クリームが漏れ出した。
…………あと一歩、改めて力を込めながらゴミ袋を振りかぶる。
「どりゃあ!!」
ベシャ!!
「…………」
ぱちゅりーの中身が、その大きな裂け目からまるで裏返るかのように姿を現す。
今や袋の中にあるのはビクビクと不気味に蠢く白い生クリーム塊でしかなかった。
俺は痙攣するゴミ袋をそのままゴミ捨て場に投げ入れた。
ちょっとグロいけどこれなら誰がどう見たって生ゴミだ。
あとはカラス除けのネットを被せて終わり。
やべ、下らないことに時間をとり過ぎた……始業時間に間に合わなくなっちまう。
俺はダッシュで学校へと向かった。
こうして俺の夏は終わりを告げた。
余談だが、俺の提出した夏休みの工作課題……子まりさの標本は、
後日努力賞に入選したことを付け加えておきたい。
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- 俺だったら、ぱちゅりーを生かす→逃がす→追跡→まりさ&他を回収→毎日ヒャッハー!!!
って出来るのにwww(友釣り) -- 2018-01-05 00:08:45
- 俺も標本欲しい -- 2016-03-01 21:45:34
- ゆっちゅりーは好きだがゲスゲロは虐待されるべき -- 2012-04-20 17:06:30
- いいなあ。俺は絶望させた顔の標本がほしい -- 2011-09-15 04:47:35
- 人間に襲われたけど逃げ切るって奇跡に近い幸運を得たのに
わざわざ近づいて死ににくるとか・・・ -- 2010-10-06 20:07:49
- >とにかく、しゃざいとばいしょうをようきゅうするわ!! あまあまとおかねをよこしなさい!!」
・・・キムチ臭いゲロ袋だ -- 2010-08-16 21:41:09
- 人間に逆らったらどうなるかも分らないなんて、所詮もりのけんじゃ(笑)だな -- 2010-08-11 08:06:49
最終更新:2009年10月21日 08:48