マダム・ゴリグリてんこド・ヤコペッティの優雅な生活 8KB
ゆっくりの足を焼く。
ジュウウウゥゥゥゥ!
「ゆぎぎいぃぃぃぃぃい!!」
室内に響く悲鳴。
そして、
「ぃぃぃぃいいいいいんんっぎぼぢいぃぃぃぃい!!」
嬌声。
マダム・ゴリグリてんこド・ヤコペッティの優雅な生活
『ゆカビ』で飼いゆっくりが全滅したら、なんか知らんがゆっくりてんこをもらった。
なんでも『ゆカビ』はペットショップで感染していた疑いが高く?
できればこの事はご内密に、えぇ、もちろん、そこのところは、こちらの希少種なんていかが…えぇそちらもオススメでして。
と言った会話の後、店内で一番値段の高いてんこをもらった。
死んだゆっくり700円×3(1匹は事前につぶしていた)が、40万円×1になった。
これはこれで「アリ」かもしれない。
……そう思っていた時が私にもありました。
ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
「ゆふぅ…ゆひぃ…おにぃさぁん。てんこしんじゃうー」
てんこに声をかけられ、我に返る。
急いで火を止めてフライパンから取り上げた。
「ゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」
あぁ、痙攣してる。
弱火とはいえじっくり15分も焼いてしまった。
物思いにふけっていたせいだが、いつもの2倍近い時間焼いていたことになる。
「ゆ゙っゆ゙っゆ゙っ…もっと…もっとゆっくり…」
あぁ、こりゃいよいよ死んでくれるかなぁ。
「もっと…もっとゆっくりやいてぇぇぇえぇ!」
ダメでした。
このてんこは問題児だった。
引き取って1日目でいきなり『おうち宣言』をぶちかました。
知能は高く、それなりに教育もされてるのにおかしいと思いつつ、上下関係を教えるためにお仕置きをした。
それはもう、ハエ叩きでマイルドに叩き続けた。
結果、
「ゆぎぃぃぃぃぃ!もっとぉ!もっとたたいてぇぇぇぇぇ!いやしいてんこにおしおきしてねぇぇぇぇぇ!!」
こいつの本性に気づいた。
こいつはマゾだ。てんこ種はいじめられて喜ぶそうだが、その中でもこいつはひどすぎた。
お仕置きを受けるためにわざわざイタズラを繰り返すのだ。
皿を割っては叩いてと叫び、足に纏わり付いて転ばせようとしては踏まれて喜び、お気に入りの蔵書をビリビリに破いて足を焼かれた。
どうやら足焼きがお気に入りらしく、その後も何度か本を無茶苦茶にされた。
そのたびに足を焼くのだが、弱火でジリジリ焼いた程度では全く問題にならないらしい。
てんこ種はめいりん種と同じく皮が厚い。
つまりツラの皮が厚いわけだが、そのせいで普通種のゆっくりに行うような体罰では致命的なダメージを受けるには至らないのである。
さすがに高級なゆっくりなので死なせるほどの虐待をするわけにもいかず、というかもう交換してもらないだろうし、仕方なく数日前てんこに提案した。
「明日から毎日、足を焼いてやるからな!」
「ゆぴぃぃぃぃぃ!ゆっくりぃぃぃ!ゆぐりぃぃぃぃ!へぶんじょうたぁぁぁい!!」
涎を撒き散らして大喜び。てんこさん、ホンマ変態やでぇ。
引き取ってから気づいたのだが、通常てんこを買うとなると100万から150万はするらしい。
それが40万に値引きされていた。
こういったケースは『出戻り』のゆっくりにあるケースらしい。
『出戻り』とは。
希少種や金バッジなどのゆっくりの中には、飼い主の都合やちょっとした問題などで店側に戻って来るケースがある。
店側としても、そういったゆっくりを半値ほどで買い取るサービスが存在しているのだ。
飼い主の都合ならばゆっくり側に特に落ち度はなく、そのまま売れる。
また、ちょっとした問題を起こしたゆっくりでも、環境が変わるだけで意外と解決する問題だったりする。
なのでそういったゆっくりを『出戻り』と呼び、中古価格で販売するのである。
希少種や貴重なバッジ持ちなどは、いちいち調達し直すことが難しいのでこういった方法が取られている。
しかしその中でも、”この”てんこは異常だったようだ。
足を焼きながら聞いた話なのだが、
「ゆぎぃぃぃ!まえのぉぉおでぃざんはぁぁぁぁ!あづいぃぃぃ!ぺんぺんしがぁぁぁしてぐれながっだぁぁおぉぉおおお!」
だの、
「そのまえのおでぇさんのとこはぁぁぁ!あじす(ありすか?)がぉぉぉむりやりぃぃぃなんどもっ!ゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」
とか、そういう話が出るわ出るわ。
てんこ自体は何人といった数が数えられないのだが、話の限りでは10人以上に飼われていたらしい。
特に欠損がないところを見ると、基本、高級志向のゆっくり愛好家に買われていったのだろう。
そうした人間にしてみれば、このてんこの性癖は問題がありすぎる。
何度も『出戻り』していたことにも納得がいく。
…
……
………
飼育して1ヶ月。
「ゆびぃぃぃぃぃぃぃ!あじゅぃぃぃぃぃ!」
沸騰したオレンジジュースを、半ばまで満たした鍋の中でてんこが悶える。
「んっ!きもぢい゛ぃーーっ!!」
彼是30分ほど煮ております。
火傷を負いながら再生するため、てんこはずっと「へぶんじょうたい!」だ。
オレンジジュースだと水のようにふやけて死ぬことはないらしい。
たぶん再生し続けてるからなのだろう。
しかしね、流石に疲れてきたよ。
毎日毎日、やれ足焼きだ、地獄のピラミッドだ、チェックメイトだ!、間接をはずして殴ってこいだの、うるさい事この上ない。
そもそもなんでこいつが喜ぶことをせにゃぁならんのですか。
「ゆげぇぇぇぇ!あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!じぬぅぅぅぅぅぅぅ♪」
つまらん。
虐待が好きなわけではないが、こうも喜ばれると腹立たしい。
しかし、泣かせようにも痛みを与えると喜んでしまう。
やっかいだなぁ、こいつ。
何かいい方法はないかと、蔵書の一つである『20世紀拷問~痛すぎて昇天す・ん・ぜ・ん♪~』を読む。
……ふむ。
えーっと、つまり…?
「おーい、てんこー」
「なぁぁぁぁにぃぃぃぃ!おでぃいざぁぁぁぁん」
鍋の中から死にそうなほど元気な声が響いてくる。
「いじめられるの、好き?」
「ゆっくりぃぃぃだいすきぃぃぃぃぃ!!」
はい、決定。
早速、台所にあるもので準備する。
ビニール、サランラップ、タオル、ストロー、クッキングシート。
ダンボールと新聞紙を大量に。
あとは…綿花なんかいいかなぁ。持ってこよう。
「おい、てんこ」
名前を呼びながら頭を鷲づかみ。
「ゆふっ!なぁに!おにっ!さんっ!いいっ!とこっ!ろっ!なのっ!!」
40分は煮られてまだ余裕ですか、そうですか。
オレンジジュースで煮てるとはいえ、タフすぎる。
「喜べ!新しいいじめを考えたぞ!」
「ゆゆ!ほんと!もっとてんこをいじめてくれるの?」
「あぁ、今から準備するからそこでじっとしてろ」
「ゆっくりりかいしたよ!」
てんこはオレンジジュースに漬かっていたせいで、なんかベトベトしてる。
丁度いい、てんこの皮に綿花を貼り付けていく。
「ゆ?」
「じっとしてろ」
目的はまんべんなく綿花で包むこと。
そのために肌がベトついているのはやりやすかった。
そうして全身満遍なく綿花で包み、口の部分だけわずかに綿花がない状態になった。
それから口にストローを差し込んだ。
「しゃぶれよ」
「ゆ?」
てんこがストローを咥えたら、ゆっくりと奥に奥に押し込んでいく。
「ゆ゙ゅ!ゆ゙っ!」
人間でいう喉のあたりにストローが差し込まれているわけだ。
てんこも嘔吐感を感じているのだろう。
「ゆふっ♪」
…喜んでるんすか。
それからラップを下に敷き、オレンジジュースをゆっくりとかけて行く。
オレンジシュースは徐々に綿花に染み込んでいく。
ゆっくりと綿花全体に染み渡らせたら、綿花まみれのてんこをラップできつめに包んでいく。
口から伸びているストローだけは除いて、だ。
しかしこれで口を大きく開けることはできない。
さらにタオルで包み、そこからさらにビニールで包んだ。
「……」
いまのてんこは何も喋れないし、動けない、ただの塊だ。
これを、ビリビリに破いた新聞紙で一杯になっているダンボールの中にそっと置く。
そして蓋をしめた。
蓋からわずかにストローが飛び出している。
そこに漏斗変わりにクッキングシートを丸めたものをつけ、その中にオレンジジュースをゼラチンで固めたのキューブ(自分のおやつ)を置いておく。
「ふっ…完成だ」
名づけて!
…名づけてなんだろう?
ゆっくりダンボール?
ゆっくりミイラ?
ザ・マミー?
そういやハムナプ●ラ3見てないや。ちょっと借りてくるか。
リー・リ●チェかっこいいよなぁ。
でも東方不敗やってた頃の方が好きなんだよなぁ。
…
……
………
そんなことを考えてたら忘れてました。
てんこのこと。
あれからすでに2週間が経過しております。
まぁ丁度いいかもしれない。
部屋の片隅の絨毯の上でホコリをかぶっているダンボールから、ゆっくりとてんこを取り出す。
ビニールから出し、タオルをはがし、ラップを取り除く。
そうして現れた綿花の塊は、まだ僅かに湿っている。
最後に綿花を取り除くと、目を開いたままのてんこが現れた。
ストローは咥えたまま、視点は宙を彷徨っている。
試しに頬を叩いてみた。
「……」
無反応。
…成功だ。
要は逆のことをしてみただけだ。
刺激で喜ぶのなら、刺激が無い状態にしてやればいい。
(おにいさん!ほうちぷれい?ほうちぷれいなのね!ゆっくりできるわ!)
ラップとタオルとビニール、さらに新聞紙の中にいたてんこには光も音も届かない。
(おにいさん?おにいさぁぁぁぁん!そろそろだして!もうおつきさまがでてるころのはずよ!)
時間の感覚も当然なくなっているだろう。
(だしてえぇぇぇぇぇ!てんこをだしてぇぇぇぇぇ!おにぃさぁぁぁぁぁん!)
皮膚からは綿花に染み込ませたオレンジジュースがじわじわと染み込み乾燥を防ぎ、昼間の気温の上昇により溶けたゼラチンがストローを通しててんこに栄養を補給する。
味もしない。ストローはオレンジジュースを直接喉まで届けるからだ。
(………………………………………………………………………)
「………………」
「どうだ、てんこ?今度のいじめは?」
口からストローを取り外してやる。
「………………………………………………………………………………」
あ、あれ?
「おーい、てんこー?」
…
……
………
結局、てんこは元に戻らないまま、永遠にゆっくりした。
食事をすることもできず、オレンジジュースを喉に流し込んでやっていたのだが、それでも3日ほどで限界がきた。
最後には喉に流し込んだオレンジジュースが吸収されずに溢れてきて、それで死んだのだとわかった。
まぁ、ちょっと…うん、やりすぎたか。
40万円分が…
最後に。
てんこの中身はものすごく甘かった。
甘すぎてむせ返るほどに。
2回目
水上まりさいじめをしたいのに。
てんこなんてどうでもいいのに…
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- てんこーもどってこーい
-- 2010-11-04 21:34:56
- てんこを真に虐待できるとは…すげぇwww -- 2010-10-03 13:29:49
- てんこかわいそう・・・ -- 2010-09-07 00:29:13
- てんこちゃんが…… -- 2010-08-06 20:26:57
最終更新:2009年10月23日 21:48