久城学園の飼育 17KB
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音と共に、子供達の声がぴたりと止んだ。
此処は、遊栗町遊栗久城学園。
私は、総合理事長にして子供達を愛する者・・・久城枝葉と申します。
ささ、折角いらっしゃったのです、授業の見学へ行こうではないですか。
ヒャア・・・・・・授業だァ!
−久城学園の飼育−
「ゴホン・・・授業を始めます。
えーみなさん、『ゆっくり』という生物はご存じですね?」
教師の声に、当たり前だろ、知らないでか・・・等の答えが返ってくる。
その声に、中等部教師 逆多偉大(さかたグレート)は満足げに頷くと一度生徒達を見回して、言った。
「もちろん、知らない、という人の方が少数でしょうね。
しかしですよ?ゆっくりの生態について、はっきりとこういう物だ、なんて答えられる人は居ないんじゃあないでしょうか?」
今度の問いには、返事がなかった。
「皆さんがゆっくりについて知っていることは少ない・・・
ゆっくりは、野菜を食い散らかし、交通を邪魔し、あげくに自分たちはこの世の何よりも優れていると思い込み自然のバランスを破壊します。
もし皆さんが、久城学園の高等部に進学するのであれば、高等部ではゆっくりの駆除の仕方や、加工の仕方なんかを学ぶことになります。
そこで、この時間はゆっくりについて学ぶと共に、皆さんにゆっくりを育てて貰おうと思います!」
そうして、逆多は二匹のゆっくりを教室に運び入れたのであった。
「みなさん、ゆっくりという生き物は知っていますよね。」
中等部教師、芽出益代はそう言い、帰ってきた答えに満足げにうなずいた。
「はい、かわいいかわいいゆっくりちゃんです!皆さんも大人になったら、ゆっくりを飼いたいって思うと思うの。
でもね、ゆっくりについて知らない人たちが、育てるのに失敗して、うっかり事故で亡くなってしまうゆっくり達を先生大勢見てきたわ。
みんなやみんなが将来飼うゆっくりには、そんなつらい思いをして欲しくない・・・
だから、今日からこの時間はゆっくりのお勉強をしながら、みんなに実際にゆっくりを 育てて貰いまーす。」
そういい、目出は二人のゆっくりを教室に招き入れたのだった。
「お前ら、ゆっくりは知ってるな!」
中等部教師、鬼居三太郎は生徒達の返事に、満足げに頷き、授業を進めた。
「そうだ。だがな、こいつらについてお前らが知ってることなんて、精々が甘くする方法位だろう。
だが、こいつらにはなかなか面白い習性がある。それを知っているか知らないかで将来お前達の趣味の幅が広がる、なんてこともある。
だからな、先生はお前達の見聞を広めるために、だ。ゆっくりを買ってきた。
今日からゆっくりについて学びながらお前達にこいつらを育てて貰う。いいな!?」
そう言って、鬼居は二個の饅頭を教室に投げ入れた。
次の日
私、理事長の所にある要望書が出ていた。
一年生がゆっくりを飼育するための場所がほしい、とのこと。
もちろん、生徒達のためです、許可はすぐに出しましたとも。
さて・・・どんな飼育場所が出来たのか見に行ってみましょうか。
まずは、逆多先生のクラスですね。
ふむ、本体は木ですか。なかなか面白い形をしていますね。
右側は上に行くにつれ大きく、左側は逆に小さくなって行く・・・。
ふうむ、逆多組は美術の成績が良い子が多いみたいですねえ。
きちんと全面には金網を張って中が一目で分かるのも評価できますよ。
床は地面がそのまま、ああ、一部にはわらを敷く、と。
屋根はトタンを張るみたいですね。
ん、ホース?ああ、雨漏りがないか確かめているんですか。
ええ、みなさん、とっても上手に出来ましたね。
「ひそひそ・・・逆多先生・・・技術の授業にもっと力を入れるように。
あと、一応後で耐久性確かめておきましょう。」
「ひそひそ・・・分かりました、理事長・・・」
次は、芽出先生と。
これはなかなかの大作ですねえ、ちゃんと家になってるじゃないですか。
え、ほとんど鬼居先生が造った?
あの人も器用ですからねえ・・・で、その鬼居先生と芽出先生は?
「鬼居先生、どうもありがとうございます。(にっこり)」
「いやあ、芽出先生のためならこの位は、わはは(でれでれ)」
・・・減給しちゃいましょうかねえ・・・。
さて、中も見せて下さいね。
この丸い板は?テーブルですか。
あのクッションがベッド・・・ほうほう、なかなかのコーディネートですね。
あれは・・・本棚?
ああなるほど、芽出クラスはパチュリー種が居るんですね。
みなさん、がんばってくださいね。
(いきなりパチュリー種とは・・・芽出先生減点、と)
最後が鬼居先生・・・なんですこれ?
いや、犬小屋は見れば分かりますけどね。
これじゃ、ゆっくりが逃げてしまうでしょう?
・・・鎖でつなぐ?
なるほど、飾りを固定すれば逃げられない訳ですか。
考えましたねえ。飾りを傷つけててまで逃げようとするゆっくりは少ないでしょうしね。
ええ、皆さんがんばって育ててくださいね。
1日目
逆多クラス
れいむとまりさは居心地の良い職員室からこんなボロ小屋に入れられて不機嫌であった。
飾りには、銅バッチが付けてある。
「ゆゆ、なんなの?こんなぼろっちいばしょにこうきなれいむがすめるとおもってるの?」
「ゆ!このぼろごやさんはじじいたちにおにあいなんだぜ。
あのおおきいいえさんはまりさたちがもらってあげるからさっさとでていくんだぜ」
ぷくーっと膨らんで、自分たちは強いんだぜ、等と譫言をほざく二匹を置いて
生徒達は飼育グループを決めるためにさっさと教室に引き上げていったのだった。
芽出クラス
生徒達に、代わる代わるだっこされてありすとぱちゅりーは幸せだった。
頭の飾りには銀色のバッヂが輝いている。
「ゆゆう、なかなかとかいはなおうちね。でも、ありすがこーでぃねーとすればもっとと かいはになるわね」
「むきゅ、こんなにたくさんごほんがあるわ!ここがうわさにきくう゛わるとしょかんな のね!」
はしゃぐ二匹のゆっくりを生徒達はチャイムが鳴るまで眺めていたのだった。
鬼居クラス
「ゆああ!まりさにひどいことするくそじじいはおぼうしかえしてはやくしねぇぇぇ!」
まりさははらわたが煮えくりかえっていた。
やっと人間が独り占めしているお野菜を取り返せる!と思った矢先
お帽子を触手で奪うという人間の卑劣な作戦によって捕まってしまったためだ。
しかも、お帽子に鎖が取り付けられ、引っ張れば破けるなどと脅していった。
「じゃお!」
「ぐずめーりんはだまってろ!」
ぐずのめーりんが側にいるのも気に入らない。
攻撃しようとしても、鎖が短すぎてお帽子が脱げてしまうのだ。
もし、お帽子がなければ、ぐずのめーりんにでさえ負けるかもしれない・・・
いらいらしながらも、まりさは小屋に入る。
おうちは、くそじじいが用意したにしては寝心地が良かった。
めーりんは、ある使命を帯びているのだ!
それは、このこーまかんを守るというものだ。
中のVIPを守るように、との命令。
「じゃおお!」
めーりんは雄叫びをあげ、門のまえでしぇすたに付いた。
「・・・鬼居先生、何故めーりん種を?」
「あれは、話せば分かる上に、捕食種であるふらんやれみりゃからは攻撃されません。
ゆっくりの門番としては最適かと」
「なるほど、なかなか考えましたねえ。」
「ええ、教師ですから」
二日目 晴れ
逆多クラス
れいむとまりさはゆっくりしていた。
食べ物は、『きゅーしょく』とかいうのを人間が持ってきてくれる。
ペットショップよりは寒いけど、わらさんがあれば気にならなかった。
芽出クラス
ぱちゅりーはご本を読んでいた。
ゆっくりにも読めるように芽出先生の下生徒達が書いた物だ。
本に囲まれて、ぱちゅりーは幸せだった。
ありすはくやしかった。
窓から見える隣のまりさが、れいむとゆっくりしていたからだ。
いつか、こっちのおうちの方がゆっくりできる。
そう言って、まりさを誘おうと思っていた。
鬼居クラス
まりさは、苛立っていた。
馬鹿な人間は、まりさの偉大さをちっとも理解しない。
いくら、めーりんを殺せと命令しても、人間はまりさの言葉を理解していないのだ。
いくら言っても、「仲良くしろ、それがお前のためだ」としか言わない。
まりさは、『けいかく』を練っていた。
ぐずのめーりんを、馬鹿な人間にまりさが殺したと分からないようにする、完璧な計画を
めーりんは寝ていた
七日目 雨
逆多クラス
「おちびちゃんたち、きょうもおかーさんのおうたでゆっくりしようね!
ゆーっゆっゆっゆ~」
「ゆっくりー!」
「おかーさんのおうたはゆっくりできるにぇ」
「れいむはおうたがじょうずなんだぜ!」
二匹の間に、子供が生まれていた。まりさとれいむが一匹ずつ。
当然だろう。
狭い小屋の中では、走り回ることも、探検することも出来ないのだから。
することと言えば、おうたを歌うか、すっきりか・・・その二択。
そうして、今日ついに、ねんがんのおちびちゃんをてにいれたのだった。
芽出クラス
ぱちゅりーは幸せだった。
目の前には、ゆっ生かけても読み切れないであろう本の山(生徒+先生で43冊ただし、ぱちゅりーは同じ本を今日で三回読んでいるのに気づいていない)
ご飯は、1日分を飼い主さん達が置いていってくれる。
家の中にいれば、雨も気にならないのだ。
今日は、どのご本を読もうか・・・ぱちゅりーは本棚の前で真剣に悩み始めた。
ありすは、窓に張り付いていた。
窓の外では、れいむとまりさが、子供達と一緒にゆっくりしている・・・
それに比べて、ありすはどうだ?
おうちをとかいはにこーでぃねーとしても、人間が来ると元に戻してしまう。
すっきりしようとしても、ぱちゅりーは、
「むきゅ、いまごほんをよんでいるのよ。はなしかけないでね」
と、そればっかり・・・。
人間さんが来て遊んでくれる時はすごくゆっくりできるし、人間さんには元気よく挨拶しなさいと言われているから元気に振る舞った。
でも、人間さんはどんなにお願いしても、しばらくすると帰ってしまう。
ありすは、多分自分がこの世で一番不幸なゆっくりなんだろうなあ、と思っていた。
鬼居クラス
「じゃお、じゃおおおぉぉぉぉぉ!」
「ゆっくりしないで、しぬんだぜ!ぷくーっ」
雨が降ってきて、めーりんがおうちに入ろうとしたときに、まりさはひらめいた。
そうだ、このままめーりんをおうちにいれなければ、じゃまなめーりんは死に、
愚かな人間は事故としか思わないであろうと。
しかも、今日はもう人間は食べ物を持ってきたし大分前に群れが人間の家から出て行った。今日はもう人間が来ない!
まりさの計画は完璧だった。
「じゃおっ!」
「ぐずめーりんのこうげきなんて、きかないんだぜ!」
流石に、生命の危機を感じためーりんが、使命を破りまり差に攻撃を仕掛ける。
しかし、すでにめーりんの足はふやけており、まりさをはじき飛ばせるだけの力は出ない
小屋の入り口は、まりさがふさいでいる。
「じゃおぉぉぉ」
人間が、来てくれることを願うしかないのだ。
めーりんには、希望は残されていなかった。
8日目 曇り
逆多クラス
「どぼじでごはんがもうないのぉぉぉ!」
「「おにゃかしゅいたよー!」」
「くしょじじいははやくごはんをもってくるんだぜぇぇぇ!」
まりさとれいむは、お腹をすかせていた。
逆多クラスの子供達が給食の残りを持ってきていたのだが、食欲旺盛な子供達は昼食でそれを食べ尽くした。
夕食の時間になって、お腹が空いたものの、食べ物が来るはずはない。
しかも、親まりさとれいむは今まで二匹で食べるには多すぎる食料を貰っていたために、夜食まで食べ、それになれてしまっていた。
明日の朝、飼育係が朝食を持ってくるまで彼らは叫び続けるのだろう。
お腹が空いたといっても、命の危機を感じるほどではないのだ。
芽出クラス
「むきゅきゅー」
ぱちゅりーは、にこにこしながら本を読んでいた。
今日はどれにしよう?明日はどれを読もう?
それを考えるだけで、もう、何もいらなかった。
「ゆっ・・・ありすは・・・ゆっくり・・・すっきり・・・おちびちゃん、ありすのおちびちゃん・・・」
ありすは、窓の外を見る気にはなれなかった。
まりさ一家の声が聞こえている・・・。
このおうちは音が余りしないのに、聞こえてくるのは、よっぽどはしゃいでるに違いない
そう思うと、いつまでたっても本しか見ていないぱちゅりーが疎ましく思える。
この小屋を造った鬼居先生は、声が漏れないようにとしっかり内側に防音材を取り付けていた。無駄な凝りようである。
ありすは、子供の声を聞くたび、心が沈んでいくのを感じたのだ。
鬼居クラス
小屋の前には、ぐずぐずに溶けて元の形が分からなくなった帽子。
小屋の中には、中身を吸われてぺらぺらになった饅頭が一つ残っているだけだった。
9日目
逆多クラス
「ねえ、れいむぅ・・・」
「なあに?まりさ・・・」
「くそじじいたちはごはんをあんまりくれないよ。
まりさきめたよ、ここからでていこうね」
「ほんきなの!?まりさあ」
「ほんきだよ!このままじゃ、おちびちゃんたちはうえじにしちゃうよ!」
「でも、どうするの?」
「にんげんがごはんをもってきたときに、みんなでやっつけて、にげるよ!」
「おとーしゃん、にんげんさんをやっつけたら、どれいにしてごはんをもってこさせればいいんだじぇ!」
「だめだよおちびちゃん、まりさだって、にんげんさんのひとりぐらいはやっつけられるんだぜ!
でも、にんげんさんはいっぱいいるから、ひとりどれいにしてもしかえしにきてゆっくりできなくさせられるんだぜ!」
「しゃしゅが、おとうしゃんはゆっくりできるにぇ!」
「そうときまれば、たたかいのまえにはおうたをうたってみんなでゆっくりするんだぜ!」
「ゆーっゆっゆっゆ~ゆゆゆゆゆ~ゆゆー」×4
まりさとれいむは逃亡計画を立てていた。
これが成功するか否か・・・神のみぞ知るのだろう・・・ゆっくりに神がいれば。
芽出クラス
「んほおぉぉぉぉ!ぱちゅりーったら、ごほんばかりよんでほうちぷれいだったのねぇぇ
きづかなくてごめんねぇぇぇぇ!!」
ありすは、キレた。
限界に来ていた精神に、今日の一家の楽しそうな歌がトドメを刺したのだ。
「むきゅーっありすやめてぇぇぇ!かってにこどもをつくったらだめだってしけんでいわれたでしょぉぉぉ!?」
「となりだってこどもがいるんですもの、じごしょうだくんほぉぉぉぉ!すっきりー!」
「むきゅ・・・むきゅう・・・やべで、やべでぇぇぇぇ・・・すっきりー!」
ぱちゅりーの頭から、5,6,7・・・どんどんと茎が伸び始める。
それでも、止める気配のないありす・・・。
「すっきりー!すっきりー!」
最早、パチュリーのことなぞ考えず、すっきりを続けるありす・・・。
「むきゅ・・・むきゅ・・・ぱちゅりーの・・・ごほん・・・」
クリームを吐き、否定の言葉も出なくなったぱちゅりー・・・。
最早、ぱちゅりーの死は避けられないであろう事が明らかになったそのとき
バタン!
「ありすちゃんっ!なにやってるの!?」
唐突に、一人の生徒が入ってきた。
昨日、鬼居クラスのゆっくりが死んだため、心配になって様子を見に来た女子生徒だった。
昼間、元気が無かったので、心配してオレンジジュースを買ってきたのに、
今ではこんなに元気よく・・・じゃなかった。
このような醜態を見せられ、思わず尻餅をついた。
「ありす・・・ちゃん?」
「もっと・・・ゆっくりしたかった・・・」
ぱちゅりーは、元気がなくなてしまった。
もっと、もっとすっきりがしたい!
赤ちゃんは、何故か生まれる前に黒くなって死んでしまった。
もっと、すっきり、すっきり・・・。
すっきりのことしか考えられなくなったありすが目にしたのは、女子生徒。
それも、昼間いちばんありすに良くしてくれるお姉さんだった。
そうだ!おねえさんとのあかちゃんなら、もっとゆっくりできる!
「おねえさんほぉぉぉぉぉぉ!」
女子生徒めがけ、飛びかかるありす。
女子生徒は、あまりの事態に呆けていたが、目の前に飛びかかってくるありすを見て、
思わず
「何をするだァーッ」
両手を突き出した。
「ずっきり・・・」
突き出した両手は、ありすを直撃。
ありすが、レイパー状態で飛びかかっていたのも災いした。
レイパーとは、防御を捨てた攻めの型。
普通のゆっくりに対して、一撃必殺の最強の型。
しかし、人間に対しては。
「もっど・・・ずっぎり・・・じだが・・・」
ありすの体を、腕が、貫通した。
10日目
逆多クラス
「いまだよっ!」
「ゆっおちびちゃん、ゆっくりしないでにげるよっ!」
果たして、まりさの計画は成功した。
餌を運んできたのが、
体育の時間に足をひねったものの、餌やりくらい大丈夫だって!
と言って、ゆっくりとふれあいに来た少年だったのが幸いしたのだ。
怪我をしていた上、先ほどのまりさの後ろからの体当たりで更に痛みが酷くなった。
追いかけることも、他の生徒を呼びに行くことも出来ずに、少年はただただゆっくりの遠ざかる後ろ姿を眺めていた。
芽出クラス
放課後、ぱちゅりーとありすのお葬式がしめやかに執り行われた。
襲われた女子生徒は、今日は学校を休んでいる・・・。
泣きじゃくる芽出先生を、鬼居先生が「良くあることです」と慰め、
グーパンチを喰らった。
鬼居クラス
小屋と、鎖が付いた棒だけがそこには残されていた・・・。
13日目
「まったく、まりさがあんなにぐずだなんておもわなかったよ!
きゅーしょくさんもみつけられないなんて!
おちびちゃんたちはあんなふうになっちゃだめだからね!」
「ゆっわかったよおかーさん」
「でも、おとうさんのあんこ、おいしかったんだじぇ!」
小屋から逃げ出したれいむたちは、再び学校に戻ってきた。
まりさが、町の中で食べ物を見つけることが出来なかったためだ。
その上、町のゆっくり達が守ってきた狩り場の縄張りを知っているはずもなく、
町ゆっくりから追い出され、ついにまりさは子供を守るため『お食べなさい』をした。
まりさが居なくなったことで、食料を得ることが出来なくなったれいむは、再び学校へ戻ってきたというわけだ。
「ゆっ!おかーさん、おやさいさんがあるよ!」
「ほんとだね!ばかなにんげんさんも、ちょっとはきがきくんだね!
あれは、にんげんさんがれいむたちによういしてくれたものだよ、
みんなでむーしゃむーしゃしようね!」
「やったあ!おやさいさんいっぱいむーしゃむーしゃするんだじぇ」
この、遊栗久城学校、高等部に。
ずぼっ
「いだああああ!?」
「先生、ゆっくりがかかったみたいです!!」
「ようし、この様に畑を襲うゆっくりに対し、落とし穴は非常に効果があるものだ。
ただし、ゆっくりは数が多い。数が来るとゆっくりの死骸で穴が埋まる事も多いからな
普通は落とし穴の他に二、三個の罠を用意しておく。ここ、テストに出すぞ~」
教師の言葉に、生徒達が一斉にメモを取り始めた。
「ゆ゛っ・・・でいぶの・・・おぢびぢゃ・・・」
親れいむが、子供を探して目をぎょろぎょろと動かす。
体は落とし穴にすっぽりと嵌ってしまい、動かすことが出来ない。
「おきゃーしゃん!」
「まりしゃたちはだいじょうぶなんだじぇ!」
「おぢびぢゃ・・・」
「おにぇーちゃん、はやくおやさいむーしゃむーしゃしようね!」
「はやくいくんだじぇ!」
「どぼじでぇぇぇぇ!?」
親れいむを踏んづけて、落とし穴を越え、二匹はまっすぐ畑に向かって行った。
れいむを振り返ることもなく・・・。
「ゆううみたことないおやさいだにぇ」
「せっかくだからまりしゃはこのあかいみをえらぶんだじぇ」
「じゃあ、れいむはこのきいろいのにするにぇ」
「「むーしゃむーしゃ」」
「「ゆげえぇぇぇぇぇぇぇ!」」
「見たか?今のように落とし穴を越えると、ゆっくりは安心する。
畑の中に入ってしまうわけだからな。
だが、油断したときが一番危険なものでな、このように周囲に唐辛子を植えておけば大 抵は自滅する。ただ、たまには見破る個体が出てくるから、赤唐辛子だけじゃなく黄色 唐辛子や指上なんかも植えておくといいぞ!」
キーンコーンカーンコーン
「ん、チャイムか。今日はここまでっ!」
「・・・10日ですか、まあ、持ったほうだと思いますよ?」
「そうでしょうか?」
「ええ、ねえ、鬼居先生?」
「いや・・・まあ・・・」
「私たちが中等部だった時は入ってきたとたんに鬼居君が潰しましたからねえ・・・」
「ははは、照れますなあ。良い思い出ですよ、ねえ、芽出先生?」
「褒めてません」
「あ、逆多先生、」
「はい?なんでしょう」
「高等部の落とし穴で、うちの校章が入った銅バッチが見つかったそうですが」
「え・・・あー・・・」
「さて、子供達のアフターケアはしっかりお願いしますよ?
高等部に入ったら、しっかり駆除の仕方を勉強して貰わないといけないんですからねぇ
あとがき
逆多先生達は、初等部のお兄さん、お姉さん達です。
前よりは頑張ったけど・・・まだなんかあっさり?
あと、何か酷い誤字あったので直しました。
連投ゴメン。
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- めーりんは後のSSで無事生きてるみたい -- 2016-01-27 00:42:24
- cbsghhr
-- 2012-05-18 20:20:40
- めーりんと良いゆっちゅりーとれいむとゆうかは俺としては愛で(うどんげも)
その他のゲスゲロとかゲスれーまりはしね -- 2012-04-24 16:31:21
- めーりんの中身は辛いんじゃなかったっけ?
ゆっくりは口に入れるだけでも死ぬ、クズの帽子は外れない
めーりんは餡子食って逃げたか、保護されてるんじゃね?
-- 2011-10-07 00:48:56
- 匹とか人とか個とか使い分けてていいな -- 2011-04-05 13:20:43
- まぁ一般的には希少種虐めはゆっくりできないよな、ムカつく要素を持ってないから
でいぶとかゲスとかレイパーとか森賢はそこにいるだけで潰したくなるほどムカつく -- 2011-03-20 23:30:33
- 別にめーりん虐待してもよくね?、いやなら愛でWikiいけよ -- 2011-02-23 06:58:17
- 作者は馬鹿 -- 2010-11-20 13:40:19
- めーりんは犠牲になったのだ… -- 2010-10-18 14:07:57
- めーりんェ… -- 2010-10-06 22:35:28
- めーりんが可哀想でゆっくり出来ない・・・ -- 2010-09-25 05:24:22
- めーりんの仇はふらんがとってくれたよ…多分。 -- 2010-07-09 12:40:24
- めーりん… -- 2010-06-16 15:37:40
最終更新:2009年10月25日 07:22