れーみゅたちはつよくにゃるんだよ! 19KB
れーみゅたちはつよくにゃるんだよ!
※罪の無いゆっくりが虐められます。死ぬのもいれば生き残るのもいます。
※ありきたりな虐待、普通です
※長ったらしい上に、他の作者様のネタを使っております
「ゆっくち!ゆっくち!」
「がんばれ!れいむ!もう少しだぞ!」
夕焼けから夜に変わる紫の空。
その情緒を乱すような光に包まれた古いアパートの六畳一間の部屋に、まだ幼い少年がたった一人で佇んでいた。
「ゆ゛あ゛あ゛ああああぁぁぁっ!!!」
―――ゆっくりは匹と数えるから、問題あるまい。
あー、と。少年は目玉を蟻に喰われ瀕死になっている赤れいむを箱からとりだして呟く。
「こんなモンスターにも勝てないのかぁ」
トレーニングしないと、レベル上げも出来ないよ。手の中で絶叫したままの顔で死に絶えた赤れいむを、傍にある
「はかば」と書かれたバケツに投げ捨てる。
六畳一間。その広いとは言えない空間に、悠然と横たわるパチンコ台ほどのふたの無いダンボール箱。
少年はそれをダンジョンと呼んでいた。
がちゃり、と少年の背後で音がする。鍵の開く音だ。
それが意味するものを知っている少年は、パッと顔を綻ばせる。
「お兄ちゃん、お帰り」
「ただいま」
お兄ちゃんと呼ばれた男は作業着に買い物袋をさげた二十代半ばの男。
お兄ちゃんと呼ばれているが、血は繋がっていない。だが彼の家庭事情をここで語るのは、あまりにも複雑であり、脱線した話であるから割愛しよう。
「ダンジョンをクリアしたゆっくりはいたか?」
「うぅん、ダメだよ。やっぱりトレーニングさせないと」
ちなみに、これは防御力を上げるトレーニングなんだよ!嬉しそうにちゃぶ台の上で赤まりさにデコピンを喰らわせる弟を見て、男は苦笑する。
「ゆ゛!ゆっくぢ!ばりざば…ぶっべええええええ!!!」
何か言いかけたまりさにデコピンが直撃する。開いていた口に当たったものだから、前歯がほとんど折れてしまった。
「い゛い゛い゛いいい!!!ふぁりざの!ふぁりざぼ!ふぁばいいばざんがああぁぁぁぁ!!!」
「あー歯折れちゃったよ、何言ってるかわかんないや」
コイツはもう使えないっと。弟は宣言し掌をまりさに叩きつける。
「ふぁりざば いらないごひゃなプピッ!」
トレーニングさせると、大体死んじゃうんだよなぁ、と弟は呟き、ちゃぶ台についた餡子を濡れた布巾でふき取り、赤まりさをバケツに捨てる。
今日の晩飯はカレーだからな。男は汚れたニッカポッカを脱ぎながら言った。
やったぁ!と喜ぶ声と、新しい赤ゆの悲鳴が聞こえた。
夕食を終えて、ゆっくりとした時間が過ぎる。この時間が過ぎたら近くの銭湯に行くのだ。
ちゃぶ台の上には、食後すぐに”毒の耐性をつけるトレーニング”としてカレー粉を食わされた赤ゆ三匹が黒ずんで転がっている。
弟に合わせた甘口カレーだったがやはり無理だったようだ。
男は自分顔負けの弟の”虐待”を思い出す。
「ゆぅー!にんげんしゃんの たべものおしちしょうだったよぉー!」
「ゆー!ゆっくちー!」
「たびぇもにょ よこちぇー!」
三匹の赤ゆがちゃぶ台の上でゆっくりしていた。先ほど食べていたカレーがよほどおいしそうに見えたようで、しきりに弟に食べ物を要求している。
眉毛をキリリと上げた赤れいむが弟に詰め寄る。
「にんげんしゃん!れーみゅにもたべもにょ ちょうらいね!」
「まりしゃもー!」
笑顔でぴょんぴょん跳ねている赤まりさもそれに続いた。
「しゃっしゃとよこちぇー!」
ゲスの気質が見受けられる赤れいむもぷくーっと膨れながら要求する。
「うーん。せっかく解凍したからトレーニングをしたいんだけど」
「しょんにゃのどうでもいいでしょ!きゃわいいれーみゅにたべもにょよこちぇー!」
「「よこちぇー!!」」
早速ゲスに感化され始めた赤れいむとまりさを見ながら、しばし弟は思案する。
「あっ!」
弟は何を思いついたか顔を輝かせ、ニコニコと三匹に話しかける。
「よし!じゃぁ今食べ物あげるからね!」
「さいしょからそうすればよきゃったんだよ!」
「ゆゆーん!はやくちょうらいね!」
「きゃわいくてごめんにぇ!」
三匹の声にも弟は顔色一つ変えず。台所へ向かう。
一石二鳥だっけ。ふふふ。覚えたての四字熟語を呟きながら、弟は嬉しそうにカレールーの容器を取ってきた。
ご飯もあげられて、トレーニングにもなるなんて。
「じゃぁあげるね」
弟はちゃぶ台にティッシュをひいて、その上に容器に残った微量のカレールーを落とした。
ゆっくちたべりゅよ!赤ゆたちは涎を垂らしながらティッシュの上のカレールーに殺到する。
「「「むーちゃ、むーちゃ!しあわ…ゆげえぇぇぇぇぇ!!!」」」
げぼっと餡子を吐き出して、三匹が痙攣する。
これ、毒はいっちぇる!ひりひりする舌を出しながら訴える赤ゆ。だが弟のトレーニングは幕を開けたばかりだ。
「知ってるよ。ほら、毒を食べても大丈夫な体にしないと!」
先ほどぷくーをしていた赤れいむを摘み上げる。
「ゆ゛…!はにゃしぇ!れーみゅにじゃわりゅなぁ!!」
涙を流しながらも必死に抵抗する赤れいむ。弟は意に介さず傍にある道具箱からピンセットを取り出す。
「にゃんで はにゃれにゃいにょぉ!れーみゅはとっても ちからもちにゃにょにぃぃぃぃ!!!」
次第に力の差が分かってきたのか怯えを見せ始めた赤れいむ。他の二匹はティッシュの上で口に残る痛みと恐怖に震える事しかできない。
「あんまりジタバタしちゃだめだよー。手元が狂っちゃうからー」
「ゆびぃ!ゆんやぁぁぁ!!あかぁしゃぁぁん!!!」
もみ上げを激しく動かし体を捻る赤れいむに、ピンセットで摘みあげられたカレールーが迫る。
「ゆひぃ!?いやぁ!それはゆっくちできにゃいぃぃぃ!!」
「あ!動いちゃダメっ!」
歯を食いしばり今まで以上の力で体を前後に動かし始めた赤れいむ。その勢いで間近に迫っていたピンセットの先端に前歯が直撃する。
「ゆぎぃぃぃぃ!!??」
赤れいむの脆く小さな歯はステンレス製のピンセットとの衝突に耐えられる筈もなく、粉々に砕け散る。
砕け散った前歯はれいむの口腔をズタズタに引き裂き、喉の奥に突き刺さった。
悲鳴を上げる赤れいむ。残念ながらその悲鳴はたいした音量でもなく、外を走るバイクの音にかき消される。
隣人に迷惑をかけない、という点でも赤ゆは便利だった。
「あー。仕方ないや。無理矢理飲み込んでね♪」
ピンセットを喉の奥まで突き刺す。刺さっていた前歯をさらに押し込まれ、赤れいむの体に激痛が走った。
赤ゆにとってはあまりにも太いピンセットを押し込まれ声を上げることも出来ない。
ひたすらにカレー粉が傷口に触れる時に生じる鋭い痛みと、背中を突き破らんばかりに押しているピンセットと折れた歯の鈍い痛みに耐えるのみ。
「ゆ゛…ぐ…!…!」
赤れいむの目から流れ出る涙はいよいよ滝のように溢れ、下あごを通り滴り落ちる。その水滴は全て敷かれたティッシュに吸われ
ちゃぶ台を濡らすことすら叶わなかった。
赤れいむはその後もぎゅっと目を瞑り堪えていたが、やがて限界が訪れ、びくりと大きく震えるとそのまま黒ずんで行った。
目の前で繰り広げられる惨劇に震え上がる二匹。魔の手は無論、二匹を逃がさない。
「もっじょ!…ゆっぐぢぢだがっがっがっがっがっ…」
「ゆぴぃぃぃぃぃ!!ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!」
目を血走らせ、ぼろぼろと涙を流しながら、じたばたと暴れまわる赤ゆを指で押さえつけ
ピンセットでルーの容器に残ったカレー粉を無理矢理飲ませる。
「あぎゃ…ぎ…」
これでもか、と舌を伸ばし、びくんびくんと痙攣する赤ゆ達。まもなくして赤ゆ達は口から目から、もりもりと餡子を流して死んだ。
あれは俺以上だったな。くすくすと男は笑う。
こうしている今もちゃぶ台の上では赤れいむ達が”攻撃力を上げるトレーニング”を行っている。
「ゆん…ぎ…ぎ…!」
赤れいむが口に頬張っているもの。それはバネだった。
しかしバネの力が強すぎるのか、口は半開きになっており、体中から体液が溢れ、目が飛び出している。
れーみゅのあごさんが痛いよ!ゆっきゅちしゃしぇちぇぇ…!
その思いは伝わらない。伝えられない。口を開けば死が待っている。
赤れいむの隣には体からバネが突き破っている姉妹達の姿があった。やわらかい饅頭で出来た体では硬いバネは抑え切れなかったのだ。
当然皆、死んでいる。
おかーしゃ…!ちゃすけちぇ…!
捕食種用の餌である冷凍赤ゆの親などは、大体死んでいるか、死んだ方がマシな状況にいるのだが
そんなことに赤ゆが気がつくはずも無い。
「おー。がんばってるね!」
他のゆっくりのトレーニングを見ていた弟が赤れいむに視線を向けた。
先ほどまで向けていた視線の先、ちゃぶ台の片隅には別の”攻撃力を上げる”メニューをこなしている赤まりさがいた。
”サンドバッグ”と呼んでいるそれはその名の通り、ひたすら体当たりを続ける訓練だった。
具体的には、調味料の入った硬いビンに弟の指示通り体当たりをし続けるというもの。
赤ゆっくりの体当たり程度ではビンは倒れない。休もうものならデコピンが待っている。弟が良しというまで訓練は終わらない。
「あぁ、まりさは休憩してていいからね」
「ゆ゛…」
弟は赤まりさに休憩の許可を出して、赤れいむに、今度はしっかりと体を向ける。
許可が出たとたん、赤まりさはこてん、と倒れ動かなくなった。恐らく、死んではいないだろう。
体中に走る激痛と、疲労で動けなくなってしまったのだ。
小さなもちもちした体は真っ赤に腫れあがり、激しく上下に動いていて、誰の目にもその呼吸が荒くなっていることが分かる。
その顔にまりさ種従来のふてぶてしさは無く、口をへの字に曲げ、ぎゅっと目をつぶり涙を流している。
そして、突如として激しく咳き込み、その拍子に口から、一本の歯が飛び出す。度重なる体当たりの衝撃に耐え切れなかったのだ。
「ゆ゛…ゆ…ゆ゛ぁぁ…まりしゃの…しろいはしゃんぎゃぁ…」
ぼろぼろと涙を流しぶるぶると震える赤まりさ。それからしばらくゆんゆん泣いていたが、やがて気絶したように眠ってしまった。
生き残ることはそこまで珍しいことではないが、この赤まりさはトレーニングを弟の気まぐれとはいえ完遂した。してしまった。
それにより延長される生き地獄に赤まりさが気がつくことはあるのだろうか。
そんな赤まりさを視界の隅で確認して、赤れいむに話しかける。
「れいむ、その調子だからね!」
「…!…!」
飛び出した目から涙を流す赤れいむに満面の笑顔で語りかける。
その笑顔に悪意は無い。その証拠であるといわんばかりに少年の双眸には純粋な光が満ちている。
だかられいむは分からない。どうしてこんなことするの?
「あと、一分頑張ったら、ご褒美を上げるからね」
上あごから中枢餡を通り脳天にかけて、バネが貫通して死んでいる姉妹たちの死体からバネを回収し、死体をバケツに放り込みながら、弟は言う。
「そうだなぁ、バケツの中も溜まってきたし。ご褒美はあまあまにしようかな!」
「ゆ゛っ…!…あまあ…ア゛ア゛ア゛アアアアアアアアアアア!!!」
赤れいむが凄まじい悲鳴を上げる。とはいえ赤ゆっくりの悲鳴などテレビの音声の半分に満たないものであるが。
”あまあま”などと、大きく口を開ける動きを連発する言葉を発したらどうなるか、わかっていただろうに。
それでも本能に逆らえないのは、まだ赤ゆっくりであるからか、それともゆっくり全体の性なのか。
赤れいむの口はバネで限界まで開かれていた。否、限界を超え、口の両脇がメリメリと裂けている。
「あー!何やってんだよぉ!馬鹿ぁ!」
せっかくここまで来たのにぃ。弟が口を尖らせる。
「あ゛…!あ゛…!あふふぇへ!あふへへへ!あふへ…あ゛あ゛あ゛あああああ!!!」
赤れいむはそれどころではない。懸命に助けを求める。しかし。
「あひゅぅっ!!!」
ピィン、とバネが伸びきった音がして赤れいむは千切れ飛んだ。上あごから上の部分がバネに押し上げられ宙を舞う。
ぺちょり、情けない音とともにれいむの上半身とでも呼ぶべきものがちゃぶ台に落ちる。
わ、すっごい!弟は叫ぶ。”イイ線行ってる”赤れいむの間抜けな死に機嫌を損ねていた弟に、再び笑顔が戻った。
新しい遊びを見つけたとき、子供の目はどんな宝石よりも輝くものだ。
☆☆☆しばらく虐待の無いシーンが続きます、嫌な方は飛ばしてお読みいただいて問題ありません☆☆☆
食後の時間も終わり、銭湯で疲れと汚れを落として、再びアパートに帰る二人。
ここから先はまたゆっくりとした時間が始まる。
「宿題はないのか?」
「お兄ちゃんが帰ってくる前に終わらせたよ!」
そうか。男は嬉しそうに頷き、随分前に貯金して2、3万で買った、19型の小さな液晶テレビに視線を戻す。
画面には今大人気のゲームソフトのコマーシャルが映し出されていた。
男は少し顔を曇らせて、弟の方を向く。弟は相変わらず、ゆっくりのトレーニングに励んでいる。
金があれば、買ってやれるのに。
だけど、買えない。自分がふがいないせいで。
弟の”ゆっくりダンジョン”はこのゲームの代理なのだ。
それが毎月お買い得用の冷凍赤ゆを買う理由であり、六畳の狭い部屋に馬鹿でかい”ダンジョン”を置くのを認めた理由だった。
弟にこのゲームが欲しいか、と聞いたところで、きっと弟はいらないよと答えるに違いないが
テレビからゲームのテーマソングが流れるたびに弟の手が止まるのを男は知っていた。
今は、ひょっとすると本当に”ゆっくりダンジョン”の方が楽しいのかもしれない。
だが、良く虫で遊んでいた子供が、時が経つにつれ虫に触るのも嫌がるように、小学校の高学年にもなれば誰もゆっくり等では遊ばなくなる。
ごく一部を除いて。
男は弟にそんな”ごく一部”にはなって欲しくなかった。
そう、自分のように。
―――金さえあれば…。
男は自分の無力さにある種の寒気すら覚えて、チャンネルを回す。
回したチャンネルには、今、飼いゆたちの間で流行っているという、ゆっくりエステの特集をやっていた。
男はますます苛立たしくなって、テレビの電源を切る。
テレビに映っていた、いかにも趣味の悪い成金風の中年女性と、行儀のよさそうな金バッジまりさの顔が脳裏によぎる。
クソっ、クソっ、クソっ。
ブルジョアめ。金の使い方が間違ってやがる。
男はしばらく俯いた後、手元の転職情報誌を手に取った。
少しでも多く、金を―――。
背後から聞こえる赤ゆっくりの悲鳴もどこか遠くに聞こえた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆以上までが虐待の無いシーンです、以下、虐待が始まります☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
弟は”体力とすばやさを上げるトレーニング”の準備を始めていた。
「ゆゆーん!とってもひろいにぇ!」
「ここを まりしゃしゃまの ゆっくちぷれいしゅにしゅるのじぇ!」
「れーみゅ とってもゆっくちできりゅよ♪ゆっくちー!」
ちゃぶ台の上でぴょんぴょん跳ねてご満悦の赤ゆ三匹。れいむ二匹にまりさ一匹。
この笑顔がいつまで持つだろうか。消えかけた線香花火よりは持つと良いのだが。
ちゃぶ台にヒモで作った輪を置く。この輪の外周を走るのが、三匹のトレーニング。
「さぁ!みんなトレーニングをしようね!」
宣言。質問。説明。反抗。制裁。お約束の、弟にとってはすっかり慣れたやり取りを終えて。訓練が始まる。
「ゆ゛ぅぅ!ゆ゛ぅぅ!ゆっくぢぃぃぃ!!!」
「まりしゃ もうつかれちゃよぉぉぉ!おうちかえりゅぅぅぅ!!!」
「ゆふぅ…ゆふぅ…!ぽんぽんしゃんがいちゃいよぉ…!あんよしゃんがいちゃいよぉ…!」
三匹の赤ゆっくりたちは自身にとってはあまりにも広大なちゃぶ台の上を走らされていた。
「ほらー。走れー。走れー」
他より圧倒的に遅れているもの、あるいは休み始めた赤ゆには、爪楊枝によるあにゃるカンチョーが待っている。
「ゆぅ…ゆぅ…まりしゃさまはゆっくちやすむのじぇ…」
ぐさり
「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛うううううううううううう!!!!!」
あにゃるどころか内部の餡子まで抉るその激痛に赤まりさは絶叫し、転げまわる。
ひくひくとあにゃるをひくつかせ、白目を剥き痙攣する赤まりさに再び爪楊枝が迫る。
「ゆぅぅ!?は…!はちりましゅぅぅぅぅ!!ぐさぐさはゆっくちできにゃいいぃぃぃ!!!」
再び集団に混じり走り始める。決められたノルマはちゃぶ台5週。まだ2週半。
たいしたことの無い距離と思うかもしれないが、そもそも赤ゆは巣で親ゆっくりの餌を待ち、ゆっくりするだけの存在。
狭い巣のなかでじゃれ合うのがせいぜいの赤ゆ達にとってこれは明らかなオーバーワーク。死への駆足行進。
「ゆぅ…!やめちぇね!…くるちいよぉ!ゆっくちしちゃいよぉ…!」
先頭を走っていた赤れいむが涙を流しながら、ぴょんぴょんと跳ねる。
その動きに合わせて、涙が散り、ちゃぶ台を湿らせる。
次第に口からはヒューヒューと甲高い呼吸音を鳴らし、顔色が青く染まり始める。
案の定、赤れいむは途中で転倒した。体の構造上、慣性でごろごろと転がり、顔面を何度も打ちつけ、止まった。
「ゆこっ…かっ…かっ…!」
真っ青な顔をしてびくりびくりと脈打つ赤れいむ。
「ゆ゛うぅぅぅぅぅぅ!れいみゅうぅぅぅぅ!…ゆ゛ぅ…ゆ゛ぅ…ちっかり…ちちぇぇぇ…!」
愚かなことにもう一匹の赤れいむが足を止め、転がっている赤れいむに息も絶え絶えに激励を送る。
「れい…みゅ!はしるんだじぇ!ゆっく…ゆぅ!…ゆぅ!…ゆっくちできにゃく…にゃるんだじぇっ!!」
先ほど爪楊枝を喰らった赤まりさが涙を滝のように流しながら叫ぶ。
走るのこそやめていないが、やはり赤れいむが気になるのか速度は先ほどよりも落ちている。
「いやだよ!れーみゅは…れーみゅをだじゅげるもんっ!」
ぴょん、ぴょんと転がった赤れいむに駆け寄る。弟は動かない。その純粋無垢な目をきらきら輝かせ事の成り行きを見守っている。
「れーみゅ!れーみゅだよ!ちっかりちちぇ!」
「ゆっこっ!こっ!…が…ぎ…ぎ…!!」
うつ伏せに倒れている赤れいむは酷い有様であった。両目とも白目を剥いて血走り、顔は真っ青。体中から体液を流して、先ほどから
聞こえるヒューヒューという音も頻度が上がっている。
体が痙攣していて、駆け寄ってすーりすーりをした赤れいむにもその振動が伝わるほどだった。
「ゆこっ!がっ!ヒュー、ヒュー」
「れーみゅ!れーみゅだよ!ぺーろ!ぺーろ!」
赤れいむの様態は一向に良くならない。
突如として、倒れた赤れいむが激しく咳き込む。それに合わせて口から霧吹きのように砂糖水を吐き流す。
「れ…れーみゅううぅぅ!ちっかりちてにぇ!」
「ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…」
しばらく痙攣が続いたあと、倒れた赤れいむは派手に餡子を吐き出して、死んだ。
「ゆ…れーみゅ…?…ゆわ…あああああああああああああ!!!」
赤れいむは悲鳴を上げる。餡子も繋がっていないゆっくりだったが、始めてみた時からとってもゆっくりして見えたれいむ。
それが目の前で死んだ。
赤まりさも走るのをやめ、ただボロボロと涙を流す。
弟はそんな二匹を興味深そうに見ていたが、ぱんぱんと手を叩く。
「はい。この訓練はここまでで良いよ。お疲れ様」
まだノルマは達成していない。だが、仲間意識の強い赤れいむと判断力がありながらも仲間を思いやる気持ちのある赤まりさ。
捕食種の餌にしては高尚な精神を持っている二匹。弟に言わせれば”かしこさ”の高い二匹。”ダンジョン”攻略にうってつけのような気がしたのだ。
ここで無理にトレーニングをさせて死んじゃったら嫌だなぁ。
それが理由。その気まぐれによって二匹の死の駆足行進は幕を下ろした。
体当たり訓練の歯欠けまりさとこの二匹。
この三匹がダンジョンに挑むのはもう少し後のお話。
「駄目だ」
やはりこのご時世では碌な仕事が無い。
転職情報誌を投げ捨て。寝転がる男。
「ゆ゛ぅぅぅぅ!!れーみゅのあんよさんうごいてにぇぇぇぇ!!!」
何の訓練をしているんだろう。赤れいむの悲鳴が聞こえる。
「ゆっくりねぇ…」
ゆっくりにも千差万別、金持ちにに飼われ、そこいらの人間より良い生活をしているものから、路上でみじめに息絶えるものまで。
人生の格差まで人間をマネてやがるのか、男は気分が悪くなって、ため息をつく。
「こにゃいでにぇ!こにゃいでっ!…ゆ゛ううううぅぅぅぅ!!」
赤れいむの断末魔が聞こえる。大方蟻と”模擬戦”でもやっていたんだろう。
「うーん、輪ゴムの鎧じゃ駄目だなぁ」
なんだソレは、気になって男が視線を向けると、輪ゴムで締め付けられ砂時計のような形になった赤れいむが頭頂部を
蟻に食われて痙攣していた。
「やっぱり動きやすい服じゃないと防御力を上げられないなぁ」
弟が呟く。
そういえば、最近弟の服も買っていないなぁ、と男は弟の少し丈の短くなったズボンを見て、思う。
服。
服。
服?
ゆっくり、服、金持ち、飼いゆ。
ガバッと男は跳ね起きて、弟を見つめる。
弟は少しびっくりした様子で、男を見つめた。
「…お兄ちゃん?」
「それだ」
え、と少し怯えた様子の弟を、男はぎゅっと抱き寄せる。
「ありがとう…!お前のおかげだよ!…ありがとう…!」
「お兄ちゃん苦しいよっ!…兄ちゃん?」
男はしばらく嗚咽を漏らし、弟もそれには触れず、ただ黙って兄の抱擁を受け入れた。
男が”ゆっくりの服”で一財産築くのも、やはりもう少し後のお話。
あとがき
お久しぶりです。あるいは始めまして。
前作、「
ふたば系ゆっくりいじめ 288 ゆっへん!まりさはとってもつよいのぜ!」の作者でございます。
最近何気なく前作、「ゆっへん!~」のコメントを(それまでSSを上げたこと自体忘れておりました…)拝見しましたところ
まさかの大反響で正直驚きを隠しきれないでいます。コメント数50超えって…!
あのズボン、ニッカポッカって言うんですね。教えてくださった方、有難うございます。完全に覚えましたよ!ニッカポッカ!ニッカポッカ!
そのほかにも、コメントを下さった方々にもお礼を!
さて、今回のお話。
ここまで読んで、かつ前作をお読みになった方はお分かりかと思いますが、今作の”男”は「ゆっへん!~」の”作業服の男”と同一人物です。
家庭を持つお兄さんってあまり見ないなぁと思って書いた次第です。
今回は大量のコメントに浮かれてルンルンしながら殴り書いたものなのでクオリティは低いと思いますが(文章とか描写とか構成とか全部)
いかがでしたでしょうか。ストーリーが無い分、数でこなしたのですが、これはこれで大変ですね…。
あと、小学生の時って結構平気で残酷なことしますよね。日常にあるゆ虐を上手く描けて…ないですね。すいません。
ゆっくりの服の件は某絵を見たときから「これネタにするしかねぇな」と思っていたので、無理矢理詰め込みました。ごめんなさい…。
高いんだろうなぁ、子ゆっくり用で一着3千円とかするんだろうなぁ。
余談ですが、ゆっくりエステの設定は好きに使ってください。燃料にしかなりそうにありませんが…。
さて、次回ですが。やっぱり書くかは分かりません。
書くとしたら、前作のコメントにあった、れいむ虐待差分か、今回のゆっくりダンジョンの続き(ダンジョン編)か。
また制裁ものを書いてもいいかもなーなんて思ったりもしています。
それでは、最後まで読んでくださって有難うございました!
最後に:弟は男の娘です。オトコノムスメじゃなくてオトコノコです。日本語ってややこしいね。
挿絵 byAVあき
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- 血縁関係のない男の娘と同棲ってどういうこと~!?
最近そういう系ばっかり読んでいるから、反応しちった♪ -- 2018-01-17 10:36:21
- 絵wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- 2012-07-10 19:29:47
- 絵が怖い。
絵があるやつは先に絵を見るんだけど・・・・「のわっ!?」って言っちまった -- 2011-11-12 07:41:44
- 弟が男の娘・・・だと・・・ -- 2010-11-26 02:01:14
- これめっちゃおもしれえ!!
やっぱり赤ゆ虐待は最高だね!
ゆっくりダンジョンが楽しみだw
血の繋がらない男の娘とひとつ屋根の下かあ・・・
金は無くとも実に羨ましい状況ではあるなw -- 2010-10-11 01:42:32
- 苦しみ泣き叫び無様に死んでいく赤ゆ共はとてもゆっくりできますね。 -- 2010-09-03 16:00:32
- この弟思いの鬼意惨が一財産築く話も気になる!
馬鹿な飼い主共からボッタクリに近い値段の服を売るのを想像したら我慢できぬぅ!!
-- 2010-07-30 01:13:03
- 現実にゆっくりがいたとして、下手に死なせればこんな姿になってしまうと思ったら…
虐待なんてできねぇ…はずもないか
所詮ゆっくりだしな -- 2010-07-30 00:37:34
- おもしろかった。
そして絵の迫力がwww -- 2010-07-20 01:28:17
- たしかに怖いけどこの絵はとてもすっきりできるね
とくに顔を晴らしたまりさとかざまぁって思うね
赤ゆいじめはゆっくりできるよ -- 2010-07-18 00:44:38
- 絵がこわい。 -- 2010-07-05 02:08:30
最終更新:2009年10月26日 17:59