ふたば系ゆっくりいじめ 425 ゆレー射撃

ゆレー射撃 11KB


『ゆレー射撃』

「ゆ、ゆ、ゆわ~~~~~~」
れいむは最初、目の前に広がるものに餡子脳が付いていけなかった。
「これがうみさん?すごくゆっくりしてるよおおおお~~~~~~!」
一直線の水平線。見渡す限り何もない。
何てゆっくりしているんだろう。それが初めて見た海の感想だった。

何日か前まで、れいむは姉妹とともに森の中で暮らしていた。
そこへある日人間が現れ、れいむたちは姉妹ごと連れてこられた。
ここは大陸から大陸へと航海する、豪華客船の上である。

誘拐同然に連れてこられたものの、れいむは不満どころか大満足していた。
部屋は広々としていたし、食事は見たこともないような美味しいものがたっぷり。
姉妹以外にも同じように連れてこられたゆっくりが大勢いて、友達もたくさんできた。
そして何より、見かける人間すべてがゆっくりしている。
森近くの町で見たのは、無言のまま早足で歩く人間ばかり。彼らとは大違いだと思った。

そして今、れいむ達は船内から甲板へと出され、生まれて初めて「海」というものを見たのである。
世話をしてくれる人間から「海」とは池がとてつもなく大きくなったものだと聞かされていた。
ゆっくりは水を怖がる。れいむもその「巨大な池」に恐怖を感じていたが、想像もしなかった絶景にそれも吹き飛んだ。
出された場所が柵で囲われ、落ちる心配がなかったのも余裕を与えていた。

「し、しあわせぇぇぇぇぇ~~~~~!」
「むきゅ!これはゆっくりにとっていだいないっぽだわ!」
「ここからむこうまで、ぜ~~~~んぶまりさのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」
周りのゆっくり達も同様にひたすら感動している。

来てよかった。あのまま森にいたら、こんな夢のような景色は決して見ることができなかっただろう。
自分は何と運のいいゆっくりなのだろうか。
ふとれいむは、人間から聞いた別の話を思い出していた。
この船は、しばらくすると別の土地へ着くという。
そこではどんな物が、景色が待ち受けているのだろう。
れいむは早くも、この海の向こうにある目的地に思いをはせていた。


突然れいむは掴み上げられ、傾斜のついた透明な筒に入れられた。
れいむだけではない。甲板にいた他のゆっくり達も次々に入れられ、れいむの後ろに列を作る。
何が起きたのか理解する暇もなく、れいむは強い力で押し出され、
 スッポーン!
という音とともに空中へ放り上げられた。

「ゆゆーっ!おそらをとんでるみたい~~!」
実際飛んでいるのだが。
れいむは周りの光景に目を見張った。
これが、これが「海」というものか!
さっきは柵越しにしか見ていなかったが、今は視界を邪魔するものは何もない。
どちらを向いても横一直線の水平線しかない。
そして青い空、白い雲。
気が付くとれいむは涙を流していた。ああ、こんな世界があったなんて。

いきなりれいむは衝撃を受けた。心ではなく体に実際に。
ゆっくりとした世界から、極めてゆっくりできない現実に引き戻される。
体の一部が離れ、どこかへ行ってしまったような気がする。そこでれいむの意識は途切れた。


客船の上では、ひとりの男性が周りの人々から拍手を浴びていた。
手には散弾銃。すぐに構えなおし、次の的を待ち構える。拍手もすぐに止んだ。

これが「ゆレー射撃」。
クレー射撃の的をゆっくりに変えただけだが、さまざまな利点があった。
まず的の入手。そこらを探せば、町では野良の、山では野生のゆっくりがいくらでも手に入る。
次に環境問題。使った後はすぐ土に還り、海なら魚の餌になるだけだ。

さらに、今のように長期航海の船上で行われる場合は、さらにメリットが増す。
出発前に大量の的を積み込む必要がなく、最低つがいをひと組、または一匹と精子餡だけあれば航海中にいくらでも増やせる。
餌は乗客の食事の残りで十分。喜んで食べるので生ごみもほとんど出ない。
ゆレー射撃以外にも、孤独を楽しむ客にはたまの話し相手になるし、子供の遊び相手にもなる。
最悪、遭難時には非常食になるなど、挙げればきりがない。
残ったら港に着く前にまとめて海に捨ててしまえばいいので、後片付けも簡単だ。
ゆレー射撃はまたたくまに全世界でブームとなった。


話を船上に戻そう。
次に打ち出されたれいむは、運よく弾は外れた。しかし当然、海にまっさかさまに吸い込まれていった。
透明な筒の中にいたゆっくりたちは、ようやく何が起きているか理解し、一気にパニックになった。
「やべでえええええ!でいぶじにだぐないいいいい!」
「どくんだぜ!まりさはにげるんだぜええええええ!」
「むきゅうううううう!おさないでえええええええ!」

この透明な筒は、ゆっくり発射装置に繋がっている。
ゆっくり達は我先にと逃げ出そうとするが、傾斜が付いてツルツルしているので戻れない。
筒に閉じ込められているので跳ねて飛び出すこともできないし、第一後ろは他のゆっくりでつかえていてどうしようもない。

そうしているうちに今度はまりさの番が来た。
 スッポーン!
「ゆゆーっ!おそらをとんでるみたい~~!」
本能ゆえどうしてもこのせりふを叫んでしまう。
「ゆああ!おぼうしがあ!」
空中でまりさの帽子が外れた。
必死で体をねじって帽子をつかもうとしている目の前で、それは突然粉々にされた。
「まりさのおぼうしいいいいい…!ゆべ!」
嘆く間もなくまりさもすぐに帽子の後を追った。

甲板ではひときわ大きな拍手が起きていた。
さっきの男性は、二匹目のれいむを外した代わりとばかりに、今度はまりさの帽子とまりさ本体を連続で撃ち抜いたのである。

余談だが、このような場合の扱いについては、世界ゆレー射撃協会内でも意見が一致していない。
なにせお飾りは必ず外れるとは限らないため、運によって得点が上下してはまずいからである。
とはいえ、相当な技術を持っていなければできない芸当なのもまた事実。
今のところ、公式競技では特別扱いせず、アマチュアの世界ではちょっとした特別賞を付ける、というあたりで落ち着いている。


「おちつくんだぜ…まりさならできるんだぜ…」
何匹ものゆっくりが粉々にされ、あるいは海に消えていった。
そんななか、一匹のまりさが必死で自分を落ち着かせようとしていた。
この筒からは逃げ出せない。あと少しでまりさも打ち出される。
しかし逆に考えれば、それはここから出られるということではないか?
そうだ。海だってしょせんは水。まりさなら帽子を使って浮くことができるはずだ。
まりさは覚悟を決めた。あとは弾が当たらないことを祈るだけだ。

 スッポーン!
「ゆゆーっ!おそらをとんでるみたい~~!」
お決まりのセリフを叫んだあと、ギュッと眼を閉じ、歯をくいしばった。
まりさの祈りが通じたのか、弾は頬をかすめただけで済んだ。
ほっとしている暇はない。すぐに考えていた事を実行に移す。
頂点に達し、一瞬勢いが弱まったのを見計らって、まりさは帽子を脱いだ。
飛ばされないようにしっかり咥えつつ、体の下に持って行って帽子を「履く」
あとはあんよを下にして、帽子から着水するだけだ。まりさは棒を咥え、その時を待った。

 ボッチャーン!
このまりさは本当に頭が良かった。運も勇気もあった。
しかし忘れていなかっただろうか?自分がどんな勢いで、どんな高さまで打ち出されるかを。


何人目かの男性の番になった時、甲板はどよめきに包まれた。
「『彼』だ…」
「『彼』の番だ…」
人々は口々にそう言っていた。
『彼』が散弾銃を構えると、周囲は水を打ったように静まり返った。

 スッポーン!
「ゆゆーっ!おそらをとんでるみたい~~!」ダーン!「ゆびゃっ!」
一匹目をきれいにクリアー。
それだけ見れば、今までの客と何ら変わりなく、別に珍しい事でもない。
ただ一点『彼』が最初から「目を閉じたまま」なことを除いては。

『彼』は生まれつき全盲だった。
しかし、そのことについて特に不満を言うわけでもなく、初老と言われる歳にさしかかるまで静かに暮らしてきた。
そんな『彼』が突然注目を集めたのは、ゆレー射撃を始めてからである。

『彼』は盲目にもかかわらず、常にほぼ百発百中の成績を叩き出す。
その秘密はゆっくりが必ず口にする「おそらをとんでるみたい」という言葉。
それを頼りにゆっくりの位置をつかみ、正確にヒットさせているのである。

 ススッッポポーーンン!!
「ゆゆーっ!おそらを」ダーン!「ゆぴぃ!」
「むきゅー!おそらをとんでるみたい~~!」ダーン!「ゆぶ!」
2台の装置によるゆっくりの同時発射。
それを一匹ずつ確実に仕留める。これは目が見えていてもかなり難しい。
にもかかわらず、観客は拍手もしなければ歓声も上げない。
これは『彼』がすべてを耳に頼っており、プレー中は余計な音を出すのは御法度であると知っているからだ。

 スッポーン!スッポーン!スッポーン!
「ゆゆ」ダーン!「ゆぼぉ!」
「ゆゆーっ!おそらをとんでるみたい~~!」ダーン!「ゆびぃ!」
「ゆゆーっ!おそらをとんでるんだよ~~!わかるよ~~~~~~~!」ダーン!「ゆぎぃ!」
今度は連続して三匹のゆっくりが発射された。
『彼』はそれを、一匹は発射直後に、一匹は頂点付近で、最後の一匹は海面すれすれで仕留めた。
『彼』のこのようなプレーを「競技ではなく曲芸だ」とけなすものもいるにはいた。
しかし「じゃあ目を開けててもいいから同じことができるのか」と言われると、全員が黙ってしまうのだった。

 ススッッポポーーンン!!
「「ゆゆーっ!おそらをとんでるみたい~~!」」ダーン!「「ゆぎゅ!」」
最後はさっきと同じく二匹の同時発射だが、今度は二匹が重なる点で、一発で両方仕留めた。
極限まで研ぎ澄まされた耳と感覚であった。

『彼』が銃を隣にいた助手に渡すと、観客はそれによって『彼』のプレーが終わったことを知る。
すぐさまその場は、割れんばかりの拍手と船さえ揺るがしそうな歓声に包まれた。
誰もが『彼』の手をとり肩をたたき、惜しみない賞賛の声をかける。

『彼』はゆレー射撃界に彗星のごとく現れたスーパープレイヤーだった。
今回の航海に『彼』は特別ゲストとして招待されていたのである。
乗客の中には『彼』のプレーを見るためだけに乗り込んだ者さえいた。


残されたゆっくり達は、発射装置の筒の中でがたがたと震えていた。
彼女らはもう船内に戻されることもない。
戻せば彼女らの口から、残っているゆっくりに連れ出されたらどうなるか知られてしまうからである。
もうこのゆっくり達には、空中で粉々になるか、海で溺れ死ぬかの運命しか残されていなかった。

−−−−−

所変わって遠く離れたある山の中。
ゆレー射撃は子供たちの間でもはやっていた。
といっても、適当に捕まえた子ゆっくりを放り投げ、エアガンで撃つというごっこ遊びだが。

ところがここではちょっと違った。
「ゆあああ!おちびちゃんゆっくりうまれてこないでねええええ!」
「れいむをはなすんだぜくそじじいいいいいい!」
一人の少年が動物型にんっしんっ!したれいむを抱え、腹を空に向けていた。
足元ではつがいであろうまりさが必死で体当たりをしている。

離れた所にはスーパー9を構えた別の少年。
残りの数人はかたずをのんで見守っていた。

「ゆっ!ゆぐうっ!う…ば…れ…る…」
親れいむの必死のがんばりも空しく、赤ゆっくりはいよいよ撃ち出されようとしていた。
そう、彼らは生まれるときに飛び出す赤ゆっくりを、ゆレー射撃の的にしようとしているのだ。
山に入ってから、子ゆっくりを見つけては投げ上げて撃ってきた彼らだったが、一人がたまたまこの親れいむを見つけて思いついたのである。

そしてついにその時が来た。
親れいむがカッ!と目を見開くと同時に、スッポン!と音がして赤れいむが撃ち出された。
「ゆっ!おちょらを」ボスッ「ゆぴ!」
ツヅミ弾が貫き、赤れいむのゆん生は一秒で終わった。

「もう一匹いくぞー」
抱えている少年には、親れいむの胎内にもう一匹赤ゆっくりがいるのがわかった。
親れいむは今度は生んでなるものかと、必死で力をこめて産道を閉じようとしたり、体をひねったりしていたが、それも無駄に終わった。
その間にさっきの少年はコッキングし次弾装填を終えていた。
スッポン!「ゆっ!おちょらを」ボスッ「ゆぴ!」
一匹目とまったく同じだった。

「すげえなあ…」
「レベルが違うぜ…」
親れいむを放った少年をはじめ、彼らは口々につぶやいた。
どんな世界にも天才というのはいるものだ。
子供の腕では、投げ上げたゆっくりに対してフルオートでも浴びせないとなかなか当たらない。
しかしこの少年は、単発のライフルで確実に当ててしまうのである。

「ゆびいいいいいい!おじびじゃんがあああああ!」
放り出された親れいむが泣き叫んでいた。
彼女らにとって、これが初めての子供だったのである。
冬の間につがいのまりさとよく話し合い、最初は動物型で生もうと決めた。
子供の数は少なくなるが、ある程度育った状態で生まれるので丈夫だし、数が少ないということは目が届きやすいので、
最初の子育てにはそのほうがいい。

春になるまで一所懸命すっきりをがまんし、ようやく授かった子供達だったのに。
今日からすりすりし、おうたを教え、家族でゆっくりとした日々を過ごすはずだったのに。
それが文字どおり一瞬で奪われた。自分たちは何か悪い事をしただろうか。

「あっちにもゆっくりがいるぞー」
一人が木々の向こうに別のゆっくりを見つけた。彼らはもうこの親たちに興味を失っていた。
「ゆがあああ!おじびじゃんをがえぜえええええ!」
怒り狂ったまりさが少年たちに飛びかかる。
「うっぜ」
しかしFA−MASを持った少年にフルオートを叩き込まれ、あっという間にボロ屑にされた。

いっぽう、泣いていた親れいむが顔を上げると、目の前にはスーパー9の銃口。
「ゆぐっ…どぼじで…ごんなごどずるのお…」
天才少年は答えず、無言のまま引き金を引いた。

−終−

※筆者はクレー射撃をよく知らないまま書いてます。


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感想

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  • 豪華客船ってくらいだから相当高さあるだろうな~
    落下時はコンクリ硬度の水面とキスをする「自称・運の良いまりさ」www
    ※そもそも潮風は?なにそれおいしいの? -- 2018-01-07 01:25:04
  • Q「ゆぐっ・・・どぼじで・・・ごんなごどずるのお・・・
    」Aお前ら(ゆっくり)が射界(社会)の汚物であり的だから -- 2017-08-05 22:48:38
  •  Q 「ゆぐっ…どぼじで…ごんなごどずるのお…」
    A そこにゆっくりがいるから
    -- 2014-08-04 15:08:24
  • ↓お前のせいでデューク東郷が渋い顔でゆっくりをかじっているシーンが頭に浮かんだんだがw
    どうしてくれるw
    -- 2014-06-13 07:18:39
  • スーパー9を持っていた男の子は、後にゴルゴ13と呼ばれる事となる・・・・w -- 2012-01-04 04:19:01
  • ↓おお、差別発言差別発言 -- 2011-02-11 12:27:06
  • れいむ、まりさが殆どだったのは良かった。 -- 2011-02-11 11:15:19
  • FA-FAMASとかwww
    良いヤツ持ってんじゃないの。俺もやりてー、エアガンでゆっくり虐殺。
    -- 2011-01-27 00:33:17
  • やっぱり上げて落とすはゆっくりできるね! -- 2010-10-30 03:28:05
  • れいむ「ゆふふ。れいむはあすとろんができるからきかないよっ!…ゆっ?…どぼぢでおみずさんにしずんでるのおぉぉぉ!!!」 -- 2010-07-09 12:29:42
  • クソゴミも天才少年の役に立ててよかったんじゃない? -- 2010-06-23 22:58:07
  • 天才少年テラクールw -- 2010-05-18 00:57:37
最終更新:2009年10月27日 16:16
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