ユグルイ その8 12KB
※俺設定
※ユグルイシリーズだよ。
※第2部 完だよ!!!
※ゆっくり理解してね!!!
それでもいい人は読んでください。
第2部 ゆっくり殺シアム編
ユグルイ その8
ゆっくり道は死狂ひなり。一匹の殺害を数十人して仕かぬるもの。
(ゆっくり道は死に狂いである。一匹を殺すのに数十人がかりでかなわないこともある。)
ゆっくり殺シアム。
それは、人間とゆっくりの一対一の闘いを繰り広げる闘技場。
どこにあるのかは、ゆっくりとそれに携わる虐待鬼意山たちにしかわからない、
夢のステージである。
人間たちにとって、人間に戦いを挑んでくるゆっくりを肉体的、精神的に追い詰めて、
ゆ虐の限りを尽くす夢のゆっくりプレイスであり、
ゆっくりたちにとって、いつも虐げられるゆっくりたちが、今までの恨みを晴らすべく、
ゆっくり出来ない人間たちを制裁する夢のゆっくりプレイスである。
だが、実際は、人間・・・虐待鬼意山の一方的なゆ虐である。
片殺しの世界。予定調和の出来事。それを知らぬはゆっくりたちだけである。
そんなゆっくり殺シアムに、ゆっくり道の戦士たちが出場することになったのは、
3日前のことである・・・。
「ユックリコロシアム・・・ニンゲンヲミナゴロセ・・・」
ハゲ饅頭で、曖昧な状態であるゆっくりしていないゆっくり、
ゆっくり道の開祖、ゆがんの何気ない一言。
それが発端であった。
『ほぅ・・・ゆっくり殺シアムですか・・・』
相変わらずニヤニヤと笑う師範代。
「それでは、誰を出場させますか?」
高弟ありすが、ゆがんに問う。
「スキニセイ・・・」
ゆがんは、そういい残すと、目玉をグルグルと回し始めた。
『それでは・・・相当な実力者を選ばなくてはな。』
あの修羅場を運だけで乗り切ったゆっくりである。
そもそも、運というパラメータが完全に無意味なゆ虐地獄を、
運よく生き残った強ゆっくりたち。
師範代や高弟ありすの直々の指導により、
ゆっくりらしからぬ攻撃力を秘めた戦闘集団・・・と言っても過言ではない。
恐らく、並みの虐待鬼意山なら・・・対等であろう。
信じられない事実だが、現実である。
ここにいるゆっくりたちは、まさに、嘘みたいな存在であった。
そして、飾りのないれいむとて、例外ではない。
ツチモグラを受けた後、恐怖のあまり、髪の毛が全部抜け落ちてしまったが、
しばらくすると、元通りに生えていた。
ズサッ!!!!
れいむの得意とする攻撃は、カッターナイフを使った居合い斬り。
練習用の竹林に毎日篭っては、日々、竹相手に、神速の領域を目指して、稽古している。
『お~、しばらく見ぬ間にまた腕を上げたな。』
パチパチパチ・・・
師範代が、拍手をしながら、れいむに近づく。
「しはんだい・・・」
れいむは、不安そうな顔をして、師範代を見つめる。
大抵、師範代がれいむに会う時には、ゆっくり出来ないことが待っている。
『喜べ!!!今度のゆっくり殺シアムにお前を出す。』
にこやかな笑顔で師範代が微笑む。
「ゆっくりころしあむ・・・」
れいむは思い出した。
ゆっくり道の門下生の中でも、あの有名なゆっくり殺シアム。
またまたゆ虐か・・・いつまで苦しめばいいのだろう。
もう・・・ゆっくりしたい・・・
強くなる理由はゆっくりしたいから・・・
そのためには、ゆっくり出来ないことをたくさんする。
もう・・・数えられないほどの日々をゆっくり出来ないことに費やしてきた。
そして、また、虐待される・・・
いつまで続くのだろう。
「ゆぅ」
れいむは深いため息をついた。
『れいむ・・・お前、勘違いしていないか?』
師範代は、れいむに問いかける。
「かんちがいってなに?」
れいむは、諦めた表情で師範代を見つめる。
『今回は・・・勝ちに行く・・・そのメンバーにお前が選ばれたんだぞ!!!』
「ゆっ!?」
れいむは驚いた。
一方的な虐待を受けるのではなく、
今までれいむが会得した技を人間にぶつけることが出来る。
闘いとは・・・ゆっくりとは程遠いが、れいむの心の中で芽生えた感情。
試したいっ!!!
ここまで極めた技術を人間さんに試したい!!!
ゆっくりではなく、戦士として芽生えた感情。
闘争心。
れいむの心に、ゆっくりらしからぬ感性が、その時生まれたのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『お待たせしました!!!れいむ選手の入場ですっ!!!!』
会場に鳴り響くアナウンサーの絶叫。
れいむは、目を閉じると、両方のお下げにカッターナイフを持ち、
まるで二刀流のように構えた・・・。
「れいむは・・・まけないよっ!!!!!」
れいむの目は、痛みに怯えるゆっくりの目ではなかった。
無知ゆえに、人間や動物を威嚇するぷくーの目でもなかった。
一匹の武餡(もののゆ)がそこにいた。
瞳の奥には、真っ赤に燃える炎が見えた。
れいむの視線の先に・・・一人の人間がいた。
『続きましてっ!!!空道鬼意山の登場ですっ!!!!』
アナウンサーが叫ぶ。
人間たちからは割れんばかりの歓声が起こる。
ドバァァァン!!!
闘いの開始を教える銅鑼の音が聞こえた。
人間は構えなかった。
ただ、棒立ちだった。
それに比べて、れいむは、お下げに2本のカッターナイフを持ち、
左のお下げを真横一文字、右のお下げを上段の構えを取った。
しばらくの間、両者、ともに動かなかった。
否っ!!!れいむは動けなかった。
何も構えない人間に不安を覚えていた。
そもそも、このれいむ。
ゆっくり道に来て、師範代やありすから、技を教えてもらうだけで、
一度も組み手らしい組み手をしたことがなかった。
ゆん生最初の闘いといっても過言ではなかった。
そんな緊張からか、自分から仕掛ける勇気が、れいむにはなかった。
しばらくすると、人間は、右手の手袋を取った。
不思議なことに人間の手は真っ赤に染まっていた。
れいむは、本能で感じた。
あの手は絶対にゆっくり出来ないっ!!!
ゆらぁ~
人間はゆっくりと、れいむに近づいていく。
れいむに電流が走る!!!
来るっ!!!
次の瞬間、人間はれいむの頭上に飛んでいた。
そして、真っ赤な右手でれいむの頭を触った。
「ゆあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁああああ!!!!」
れいむは叫んだ。
そして、れいむの髪の毛は抜け落ち、剥げた部分は真っ赤に染まっていた。
「かりゃいいいぃいいぃいいぃいいい!!!!!」
滝のような涙を流すれいむ。
『あれの使い手がまだこの世に存在したとはな・・・恐ろしい・・・』
師範代は笑顔であった。
「辛手・・・この目で見るのは初めてだわ・・・」
高弟ありす、額から汗を一滴だけ垂らしていた。
「からしゅ・・・なんだそれは?」
まりさは問いかける。
『あれは・・・言わば、触るものすべて、辛いものにする毒。』
辛手・・・
ハバロネやわさびなど、香辛料を混ぜた液体の中に一晩、手を漬ける。
その後、特殊な洗液で、また一晩漬ける。
それを交互に繰り返し、1ヶ月間懸けてできる、最凶のゆ虐法。
触るものすべてを香辛料に変化させるその真っ赤な手は、
触るだけでゆっくりたちを死の寸前まで追いやることが出来る。
何が一番すごいかと言うと・・・用法を間違えなければ、
死の寸前まであり、決して殺すことはない最高のゆ虐法。
そもそも、ゆっくりとは、
中枢餡の破壊、餡子の大量流出しか死亡する要因がない。
それ以外に死亡理由があるかのように思われるが、本当にそれ以外の死因はない。
レイパーありすにすっきりされて、黒ずんで死んでしまうのは、
体内の餡子を消費しすぎたり、ストレスにより中枢餡が破壊されてしまうからである。
冬篭りに失敗して、飢え死にするのは、
生命維持に必要な餡子を消費したり、上によるストレスで中枢餡が破壊される。
寿命により死んでしまう場合、
中枢餡が壊れてしまうからである。
つまり、どんな死因も直接的ではないにしろ、
このどちらかなのである。
では、辛手で体の餡子が、香辛料に変化した場合、
辛いものを摂取した時の拒絶反応で、ストレスで中枢餡が破壊されるのでは?
と思われるのであろう。
口から香辛料を摂取した場合、味覚を通じて、辛いという信号が中枢餡に届き、
ストレスを感じるが、辛手のようの口以外の場所から摂取した場合、
痛みのみが通じてしまうのである。
口以外の場所の場合、塩キャラメルと同じ原理で、
甘いもの=餡子に、辛いもの=辛手を塗すことで、余計甘さを感じてしまうのである。
そのため、中枢餡にはストレスは一切感じない。
しかし、辛いものを摂取したという事実だけが残る。
れいむの体の中には、今、耐えられない程の辛さがのた打ち回っている。
そんなれいむであったが、まだ心は折れていなかった。
まだだ・・・
チャンスはまだある・・・
れいむは諦めていなかった。
しかし、髪の毛が抜けるほどのダメージを受け、
全身真っ赤でヒリヒリと痛みを感じているれいむは、
その場から、一歩も動くことができなかったのだ。
人間はそんなれいむを見ると、だらしのない顔になった。
体の力を抜き、ボォーした表情で、どこかを空の方を眺めていた。
れいむは、今がチャンスと思った。
しかし、れいむのあんよは全く動かなかった。
それもそのはずである。
れいむのあんよはもう、餡子ではなく、香辛料であった。
痛いっ!!!
どうして動かないっ!!!
れいむのあんよさんんん!!!
動いてっ!!!動いてっ!!!動いてよぉおぉおお!!!!
ヒュン!!!
れんむの右頬に風を切るような音が聞こえた。
バジィイイィイィイイン!!!!!
空気を裂く音が鳴り響く。
れいむの頬が真っ赤に染め上がる。
「ゆっ・・・・ゆひいぃいいいいぃいい!!!!!」
れいむは体中から体液をバラ撒いていた。
汗、涙、涎、うんうん、しーしー、そして、得体も知れない赤い液体。
お下げで持っていたカッターナイフを投げ捨て、
痛みのあまり、転げまわるれいむ。
『ふぅ・・・勝負あったな・・・』
師範代は、これまでかという顔をした。
「鞭打ね・・・・あれ出されると・・・」
ありすもまた諦めた表情であった。
「ゆんっ!!!れいむのくせにでしゃばるからだよ!!!」
でいぶ体型のれいむがほくそ笑む。
「やべぇ・・やべぇ・・・やべでっぇっぇええええ!!!!」
れいむは、ピコピコとお下げを振り、拒絶を示している。
そんなことはお構いなしの人間。
再び、だらしない表情になる。
ヒュン!!!!!
バジィイイインン!!!!
「ゆぴいいぃいいいぃいいいぃいいい!!!!」
苦悶の表情を浮かべるれいむ。
もう、そこには武餡(もののゆ)はいなかった。
ただの虐待されるクソ袋がそこにいた。
「ぱぴぷぺぽぉぉおぉおぉおぉ!!!ぱぴぷぺぽぉぉぉおっぉぉぉ!!!!」
れいむは目玉をグルグルと回し、辺りにしーしーを撒き散らしていた。
今のれいむは、しーしー拡散機以外のなんでもなかった。
『コォォォホォオォオオオ!!!!』
人間は腹の底から出すような声を出し・・・
ヒュン!!!
ベジンンンンン!!!!
れいむの両頬に、両手で叩いた。
「ぷぺぱぷぺぷぴぱぷぺぷぴぱぴぱぁぁぁぁっぁあぁああ!!!!」
『ヒャァハァァッァア!!!!虐待だぁぁぁぁ!!!!』
『死ねぇぇっぇえええ!!!!苦しんで死ねぇぇっぇええ!!!』
『すげぇぜぇぇ!!!空道鬼意山!!!そこに痺れるぅうぅ!!!憧れるぅうぅ!!!』
観客の人間たちは、空道鬼意山を称える。
「ゆんやぁぁぁっぁぁぁああ!!!ゆっぐりでないぃいい!!!」
「もういやだぁぁぁぁあ!!!おうちかえるぅううぅ!!!」
「どぼぢでごんなごどずるのぉおぉおぉおぉおおおお!!!」
れいむ同様、汚らしく何かをブチ撒きながら、ケツをブルンブルンと振りながら、
泣き暴れる観客のゆっくりたち。
『もう・・・終わりにするか・・・』
空道鬼意山は、れいむに向けて、渾身の右ストレートを放つ。
辛手付きの正拳突き。食らってしまえば・・・。
「ぴぴぺぺぽぽぱぱぷぺぷぽぱぴぺぽぉぉぉぉぉおおお!!!」
その時であった。
れいむは、左のお下げで、右のお下げを抑えるような構えを取っていた。
ぱちぃ
空道鬼意山の拳が当たる前に、れいむの右のお下げが空道鬼意山の顎に軽く当たった。
が、何も起きなかった・・・。
ドブッ!!!!!
鈍い音がれいむの顔から発せられた。
「ぱひふへぱぽうえぽあぺぱえぽぺぇっぇぇぇぇっぇぇぇぇええっぇええ!!!!」
体中から真っ赤に染まり上がった餡子を撒き散らしながら、宙を舞うれいむ。
その光景は、時間がゆっくり進むかのように、緩やかであった。
れいむの体はゆっくりと、餡子をバラ撒きながら、空を飛ぶ。
れいむの顔は虐待鬼意山たちからすれば、
その顔だけで、一生分の飯と引き換えにしてもいいくらいの非常にゆっくりした表情であった。
もちろん、観客のゆっくりたちからすれば・・・
今まで見たこともないようなゆっくり出来ない表情。
今まで人間に顔を殴られたゆっくりの表情をたくさん見てきた人間とゆっくりたちであったが、
その表情はまさに、双方ともに、未体験であった。
醜く歪んだ哀れなれいむ・・・いや、れいむであったっぽいボロ雑巾は、
宙を舞いながら、涙を流した・・・
おしょら・・・を・・・とんじぇ・・・る・・・みちゃ・・・
能天気な声とは裏腹に、
悲壮感漂う汚物が、生まれてきたことを悔いているかのようだった。
地面に叩きつけられたと同時に、れいむの体に白いタオルが覆い被さった。
ドバァァァン!!!
『勝者!!!空道鬼意山!!!!!』
アナウンサーの絶叫とともに、人間の観客たちから、
一斉に叫び声がざわめき出した。
師範代が、れいむの体に白いタオルを投げ入れて、リタイアをしたのだ。
れいむは完全に負けた。
ボロ負けであった。
無惨にも戦士として臨んだ戦いは、いつも通りのゆ虐で終わってしまった。
空道鬼意山はれいむの体を持ち上げて、師範代に預けた。
『試合には勝ちましたが・・・・』
空道鬼意山は、師範代にそう告げると・・・
静かに去っていった。
暗い部屋の一角・・・
「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」
れいむは意識を取り戻した。
そこには、オレンジジュースをれいむの頭からかけている師範代がいた。
『れいむ・・・』
師範代はれいむの名を静かに呼んだ。
つづく
あとがき
次回は、人間さんがゆっくり出来ないです。
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
最終更新:2009年11月01日 17:02