母が亡くなった。


昨晩、妹からの電信で聞かされた。
一年前に「あと半年持つか」と言われたのだから、よく持った方なのだろう。
母の死を告げる妹の声もそれほど悲しんでいなかった。
遺体はすぐにエリア内の病院に送られたらしい。
この学校は全寮の生産校のため、気軽な帰省は許されていない。ふたなりなら尚更。
家に一人になった妹が心配なので、とその日の内に交渉してみたが当然却下された。
当然だ。旧世界とは勝手が違う。
旧世界から5分の1にまで減った人口は、社会保障制度の拡充も促したわけで。
今では13歳の女の子の一人暮らしには何の問題もない。
それに……わたしのお陰で向こうは生活には一切困っていないはずだった。

え?父親?そんな生き物はハナから頭にない。
この惑星からニンゲンの男性という生物が消滅して、かれこれ1000年にもなるし。



恋した惑星 その2



母の死から二日経った。
どうにか戻れないものか、と友人の深雪とサキに相談してみることにした。
「わたしらふたなりがここを出るのは難しいかね、やっぱ」

ふたなりは人類総人口の1%、日本国内の比率でも2%しかいない。
よって、日本では全国に七つ「生産校」と呼ばれる全寮制の学校を用意。
十歳になったふたなりは全てこの学校に割り振られる。
ふたなりではないニンゲンは、選抜で子供を産みやすい者が生産校にブチ込まれる。
どちらにも拒否権は、ない。

「なんならあたしがママに頼み込んでみる?」
そう言ったのは我が校唯一の天然ものの金髪碧眼のニンゲン、サキだ。
「サキちゃんのお母さん、生殖専門の博士だもんねー」
そう返すのは我が校最優秀のふたなり、深雪。
こんなふわふわした雰囲気の子が、100人以上を孕ませている。怖いものだ。
「えっと・・・生殖専攻の博士ってエライの?」
「葵はホント、その辺の常識に疎いわね。あたしと同じ"イリーガル"だから?」
「ぐっ・・・」
「サキちゃん、言いすぎだって・・・。私とサキちゃんが同室になれたのも、
 サキちゃんのお母さんのお陰なの」
「元々、あたしは深雪以外とはできない身体だったし。
 まあ、そういうのも含めていろいろ口出しできるってわけ」

イリーガル。
わたしやサキみたいなニンゲンやふたなりをそう呼ぶ。
ウイルスが遺伝した際のバグで発生したらしいけど、よくわからん。
ニンゲンであるはずのサキは、深雪以外のふたなりのフェロモンが効かない。
要するに深雪以外と交尾ができない。
わたしの場合、ふたなりとしてのフェロモンに不全を抱えていた。
誰にも効かないのだ。
本来ふたなりのフェロモンが効かないのは近親者のみ。
つまるところわたしは「落ちこぼれ」なわけ。
ふたなりとその家族に基本的に与えられる補助金で実家を支えるだけ。

スコアは六人。
「フェロモン効かなくても気持ち良くなれるんだね。……テクニシャン?」
とか言われたけど、深雪みたいなほわほわ淫獣と比べると・・・。
(わたしの発言力は低い、よね)
わたしはサキの提案に乗ることにした。
「じゃあ・・・お願いできる?」
「もう六年も会ってないことになるから、そりゃあ心配よね」
意地悪そうな声音のサキだが、表情は笑顔だ。
「ありがとう・・・」


「明後日から一週間、そっちに戻れることになったから」
その日の内に帰省の許可が出て、わたしは妹に電信でそのことを伝えた。
腕につけている端末から妹の声が聞こえる。
『昨日までは平気だったけ、ど、んぅっ…愛華一人じゃさびしいって思ってたところなの』
愛華(まなか)の声は上擦っていた…泣いているのかな。
「一週間だけだけど、お姉ちゃんが傍にいてやるから、もう泣かないこと。いい?」
『ありがと、6年ぶりだもんね。お姉ちゃんに会えるの、楽しみだよ』
それから1時間ほど話し込んだけど、明日も早いから、と電話を切った。


◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆


(全部・・・・・・って、なんだ?)
次の日、授業は上の空でサキとの会話を思い出していた。
妹と電話した直後のことだ。

「ママってば、葵のことよーくご存じだったわ」
「よく?」
「当然、あんたの妹ちゃんの事も。イリーガルに関する研究もママの分野だから」
「・・・・・・」
愛華の話が出て、わたしは不機嫌な顔をした。妹だけはそっとしておいてほしい。。
「実家に帰ったらフェロモンが効く相手が見つかる、だってさ」
「・・・・・・なんで分かるの?」
「ママからあんたのこと『全部』聞いたから。あんた自身が知らないことも含めて、ね」
「全部?効かないフェロモンを持つ中途半端なふたなり、それだけでしょう?」
サキは立ちあがった。そろそろ初等科の子と盛ってる深雪が終わったのだろう。
「ま、帰ればわかるって。妹ちゃんによろしくねー」

結局サキの言葉の意味を理解できぬまま、夜を迎えた。
(サキの話は気にしててもしょうがない。愛華を慰めてやんなきゃ)
寝台フロートライン(浮遊電車の意)のシングルベッドでそう誓った。
この時からわたしの判断は間違っていたのだと思う。
サキの言葉を頭の中から追い出したわたしは・・・



帰省7日目

かくして、愛華は、姉であるわたしの子を孕むことになる。

愛華の腕についている端末がブザーを鳴らした。
仰向けに眠っていたわたしは目を覚ました。
腰が痛い……起きれそうもないなあ…。

愛華は眠っている。さすがに疲れたのだろう。
一糸まとわぬ愛華の身体。その幾度も膣や身体に出された精液が彼女のお化粧だ。
全部、わたしの精液。
端末のブザーがうるさい。その音は生産校にいるわたしには馴染みのあるものだった。
画面を見なくたってその意味は分かる。

「んぅ・・・」
愛華が目を覚ました。
ブザーの音源である端末の画面を見やり、淫蕩な笑みを浮かべた。
「みてみておねえちゃん。愛華、妊娠しちゃった」
その顔を見ただけで、わたしの棒が確かな反応を示す。
愛華はわたしの上に跨り、未だ精液の残る膣にペニスを受け入れた。
くちゅぷ・・・
もう三日前から聞きなれてしまった音。
「はあぁっ!」
精液やら愛液やら混ざって変な感触だなあ……慣れたけど。
「ま、愛華・・・」
「もっともっと、愛華の中に出したいでしょ?んっ、いいよ、っあ…」
じゅぷ、ちゅぷ、ずぶん。
愛華がわたしを高めるために必死に腰を動かしている。
とりあえず、これが終わったら帰省延長の許可をもらおう。
この状況なら、学校側も了解するはずだった。

帰省1日目

ぴんぽーん、というブザーが鳴った。自宅の呼び鈴を押したのだ。

寮の部屋にも呼び鈴はある。
ふたなりはそのドアに端末をかざすと、誰の部屋にも自由に出入りできる。
就寝時間を過ぎていてもその行動は咎められない。

つまり、わたしにとっては馴染みのない音だ。
なんで鳴らしたかって?六年もこの家には帰っていない。
その間に愛華や母を一人ぼっちにした……情けない気持ちでいっぱいになるから。

『どなたです、か…?』
愛華の声が聞こえる。その声音は暗い。
「わたしだよ、愛華。あお」「おねえちゃあん!」
言いかけたところでドアが開く。愛華は泣いていた。
愛華はスリップ一枚だった。ここ数日外には出ていないのだろう。
居間に通されたわたしは、まず最初に愛華を抱き寄せた。
「えぅ、はっ、おねえ、ちゃ、あ」
「お姉ちゃん居なくて、寂しかった?」
愛華は言葉ではなく態度で返してきた。
ぎゅっ・・・と抱き返される感触になんだかドキドキする。
嗚咽が止んだと思ったら、今度はスーハー、と大きな呼吸音。
「ごめん、息苦しかった?」
慌てて腕をほどこうとしたら
「だいじょうぶ!・・・おねえちゃんの匂い、前と変わらない」
と言いながらもう一度わたしの匂いを嗅ぐのだった。


「愛華、勉強はどう?」
夕食時、わたしはなにげなくそんなことを聞いた。
「どう、って…普通だよ。そんなに難しくはない」
愛華はふたなりじゃない、ニンゲンだ。
違いがあるとすれば、彼女もイリーガルということ。
サキと似てはいる。要するにふたなりのフェロモンが効かない、らしい。
近親者はハナから問題外なので、わたしを使った検査はされなかった。
他のフェロモンを使った検査で、全て陰性だったらしい。
そのため生産校にも、普通校にも入れずに自宅で学習している。
「おねえちゃんと、愛華、どっちもどっちだね」
愛華は自嘲気味に笑った。
死んだ母には恨むことなんて何もない。
でも、どうして寄りによって両方ともイリーガルなのか。
結局、そのまま会話は途絶えてしまった。

母の仏壇に線香あげ、その夜は寝ることになった。
わたしの部屋は・・・愛華が掃除してくれたのだろう。
ほこり一つなかった。

帰省2日目

病院の前では、救急車のサイレンが鳴っていた。
学校でケガ人が出たとき、時々聞く音。
否応なく死を連想させる音。わたしは嫌いだ。

今日は病院に行き、母の亡骸に手を合わせた。
愛華が横にいる手前、泣かないと決めていた。
結局、先月写真で見たときからすっかり細くなってしまった母の手を見て泣いてしまった。
愛華はわたしが泣きやむまで傍にいてくれた。

大昔には葬式という儀式があったそうだ。
そして死んだ人はお墓とかいう石の下に埋められる。
話だけ聞くと妙なものだ。
いまの日本に故人の意味を残すのは仏壇ぐらいだろう。
仏壇の元になった宗教は途絶えて久しいけど、その意味や在り方は残っているんだ。
母の生きていた意味や在り方は、わたしや愛華で残していかないと。

自宅に帰ると時刻は22時を回っていた。
食欲も湧くことなく、そのままリビングで二人して眠りについた。



夢を見た。
わたしが後ろから愛華を乱暴に犯す夢。
フェロモンが効かないんだから、きっと無理やりだ。
なのに愛華は自ら腰を振っていた。
「愛華のここ、おねえちゃんならめちゃくちゃにできるんだよ」
夢には思えない明晰な声が聞こえる。
いいのかな、このまま中に出して。

帰省3日目

「な…そんな、バカにゃ……」
『おはようございます!本日は8月19日月曜日です』
端末からアラーム音声が鳴った。
      • オフにするの忘れてた。
病院の用事も済ませたのだから、アラームは必要ない。

母の弔いの直後から淫夢で目が覚めるなんて。
下着の感触は・・・当然、夢精しているわけで。女の子の部分もぐっちょりと濡れていた。
「あ~、もう・・・」
後悔と虚脱感が全身を襲った。どうにもだるい。


「えっ、おねえちゃん夢精、したんだ」
愛華は驚いたような、感心するような、よくわからない声音で言った。
どうせ洗濯するときにバレる。いま言っておいた方がお互いのためだろう。
「女の子の方も濡らしちゃったから、ごめん。
 洗濯かごに入れる前に、軽く手洗いしとくから」
そういうと愛華は身を乗り出して
「いいから!おねえちゃんはお客さんなんだし、愛華がやっておくから!」
とまくし立てた。ヘンなの。一応、好意には甘えることにした。
「ところでおねえちゃん、どんな夢見たの?」
「夢精すんだからエッチな夢に決まってんでしょ」
「だれと?寮に恋人さんがいるとか?」
「わたしの体質知ってるでしょ。変な質問すんじゃねーわよ」
愛華としている夢だなんて、言えるわけがない。


昼。
洗濯機が止まっているのを確認したわたしは、愛華が昼寝している間に干してやることにした。
「愛華のパンツ、わたしのブラ、スカート・・・」
愛華のブラ、小さいなあ。わたしが愛華くらいの頃はもっとあったよ、おっぱい。
「・・・んあ?」
異変に気づいたのは全て干したあと。わたしのパンツが、なかった。
「愛華、キモくて棄てたりとかしてないよね・・・」
あの子は知識はあるだろうけど、実際にふたなりとしたことがあるわけでもない。
いざ実物を見たら・・・ってこともある。
ちょっと愛華の部屋をのぞいてみることにした。

「ん、っ、ひぁ」
わたしのパンツはあった。愛華の部屋に、愛華の手の中に。
寝てるか起きてるか確認して、パンツのことを聞き出そうと思ったのに。
いざ覗いたらそれどころではなかった。
「はぁっ・・・んっきゅ!・・・おねえちゃんのせいし、すごいぃ」
わたしのパンツに顔を近づけながら、自慰に耽っていた。
「匂いだけでぇ……あっ、イク♪愛華イクようっ!おねえちゃぁん!」
愛華が、わたしを?
どうして?とかありえない、とかいろいろ考えたのだけど。
「っあぁ・・・」
それより先になぜか屹立してしまうわたしの一部に嫌になった。
ここに帰ってきてから、わたしはおかしい。
「おねえちゃん、そこにいるの・・・?」
「!?」
愛華の声を聞き、わたしは自室に逃げ出してしまった。
このままこの場に居たら、なにかが起こってしまうような気がした。
なにかって、なに?

すぐにベッドの淵に腰掛け、ブラウスもパンツも脱ぎすてた。
当然身体の火照りを冷ますため。股間どころか胸も妙に熱いのに気づいた。
「……んっ」
走った時にブラウスが乳首に擦れてようだ。ブラ着けてればよかった。


「おねえちゃん・・・?」
足音と微かな声が聞こえる。わたしは耳を塞いで目をキュッと瞑った。
足音が大きくなりドアが開かれる音。愛華が入ってきたのだ。
両手の血流が流れるごう、ごう、という音に混じって
「おねえちゃん、どうかしたの?」
「お願い愛華、わたしには近づかないで……!」
「あっ…」
おそらくわたしのアレを見てしまったのだろう。
やばい、ドン引きされるでしょう、これは……。
ところが次の瞬間感じたのは腰が砕けそうな快感だった。
「うひゃっ!」
目を開けると、愛華がわたしのペニスをしゃぶりながら、女の子の方にも指を入れていた。
ちょ、膣とペニスの同時は弱いのに…じゃない!
「愛華、あんたなにやってんの!」
「じゅ・・・んぅ・・・んっ、んっ、んっ!」
愛華は聞く耳を持たないようで、貪るように頭を前後に降る。
ぬめっていて、あつい…。
経験がないわけじゃない。入れた事も、戯れに入れられたこともある。
でも、口の中なのに、なんでこんなに気持ちいいんだろう……。
「愛華、わたし、もう…」
「んっ…らひていいお?」
その喉の震えがとどめだった。
膣から愛液を手に、ペニスから精液を口に、二か所で愛華を汚したのを確認して、
わたしは気を失った。

帰省4日目

端末から電信の着信音が鳴った。
聴きなれた音。出ようとして腕が動かないことに気がついた。
よくよく見れば手首と足首に手錠が付いていた。
なんでこんな…。首を回すと自室のベッドの上にいるのだとすぐにわかった。
しかも全裸だ。
重力に負けた胸が肉まんのような形になっていた。
意識を失う直前から考えて、やったのは愛華。
「あそこになんか入ってるな……」
膣に埋まっているのは、おそらくバイブか。

それにしても着信音がうるさい…。
などと思っていると、ブツッという音とともに回線が開いた。
無理やり回線開く権限があるのは、ふたなりが持つものだけ。
「やほ、葵」
サキだ。多分そばにいる深雪の端末を借りたに違いない。
「……サキにモーニングコールを頼んだ覚えはないのだけれど」
「ママに頼んであんたの状態は大まかに把握してるの」
「はあ?」
「あのね、葵ちゃんと妹ちゃんの端末を……盗聴させてもらったというか」
深雪のふわふわした声が聞こえる。あの子じゃなかったらぶん殴ってるところだ。
「あんたがこうなるって事は全部わかってたのよ」
「全部…」
「そう、全部」
「……『全部』について、教えなさいよ」
いまのわたしなら眼だけで人が殺せるかもしれない。
「それを教えるのはあたしじゃないわ」
「愛華ちゃんは全部知らされているんだって。
 その上で、サキちゃんのお母さんからの提案を飲んだって。ジッケンだって」
愛華が?
「今更説明する必要なんてないでしょう?
 ……そうそう、遠征先でニンゲンを孕ませたら期間延長の手続きできるの。
 がんばんなさいねー」
通話が切れた。何もかも一方的だ。寮に戻ったら絶対泣かす。

そうだ。わたしもある程度感づいている。
わたしの体質も、愛華の体質も。
それでも、愛華本人の口から聞かされるのは駄目な気がした。
ぼんやりと天井を眺めていると、バイブが動き始めた。
膣の中を弱々しく、それでいて確かな震動が満たしていく。
「ああっ!」
それとほぼ同時にドアが開いた。その瞬間、わたしのペニスは猛々しく隆起したのだった。
わたしのブラウスを着た愛華はとつとつと語り始めた。
わたしの性的対象、愛華に唯一、強烈に効くフェロモンのこと。
ほとんど聞こえなかった。大体わかってんだし、別にいい。
それより、姉としてはこの屹立を妹の蜜壷に入れて子宮に子種を注いだ時の感触について……
「って、なぁに考えてんのよわたしぃ……っ!子宮に子種、じゃねーわよ!」
「おねえちゃん、もう愛華の中に入れたくてどうしようもないんだよね……。
 愛華も、おねえちゃんの赤ちゃんの素が中に欲しくて…っ!」
愛華の足はカクカクと震えていた。立つのもやっとなのだろう。
言い終える前にわたしの身体に跨り、ぶかぶかのブラウスの裾をまくりあげた。
「愛華、待って……愛華の言う通りなんだけど、落ち着いて……」
こんなの言い訳だ。これからわたし達がする行為を正当化するためだけの。
「もうダメ……いれ、ちゃうね」
ちゅぷ、と聞きなれない音がしてそこから蕩けるような感触が襲った。
「ふあぁぁああっ!」
声なんて抑えていられない。
「んっ、んっ……全部入った、よ?」
淫蕩な笑みで言う愛華の膣からは血が出ていた。
「そんなに、痛くないんだね……」
そう言いながら愛華は腰を上下に振り始めた。
右手はわたしのおっぱいに。
左手を後ろに回して、わたしの膣を埋めるバイブを出し入れするのも忘れていない。
「お、ねえちゃん、ずるいよね。ふたなりなのに、胸もおっきくて…」
同じくふたなりである友人の胸を思い出していた。
アレに比べればわたしなんて、まだまだ。D対Fじゃ勝負の基準が違うの、わかる?
ぬぷっ、ずぷん、ちゅぶ、ちゅぷ……
ヴヴヴヴヴヴヴ……
聞きなれない音のオンパレードなのに、わたしはその音がいやらしいことを知っている。
「愛華、まなかぁ、愛華の中、熱くって、絡みついてきてぇ…!わたし、わたしっ」
「おねえちゃんも気持ちいいんだ?じゃあ、愛華の中に出していいんだよ?」
バイブの音がさらにくぐもった。ニンゲンにおけるGスポット。
ふたなりはそこに精巣がある。
わたしはあまりの快感で、狂ったように愛華の子宮口を突き上げた。
「かっ―――っはあ、すごいよぉ!奥まで!奥まで来てる」
丸くてコリっとした子宮口の感じに、Gスポットへのバイブの振動に。
もういつ出してもおかしくなかった。
「愛華、わたし、そろそろ出ちゃうぅっ!……ぬ、抜かないと」
「そう、だね、お姉ちゃんの、抜かないと…ぁ♪ダメだよねぇ…」
そういいながら愛華の腰は止まらない。
さらには亀頭を子宮口に押しつけながら腰を回し始めた。
愛華は呪文のように呟く。
「抜かないと、抜かないと、抜かないと……」
そしてよだれを垂らしながら笑みを作り、
「抜かな……くてもいいよねぇ、おねえちゃん?このまま出しちゃえ♪」
「やっ、ふああああああああっ!」
どくっ、どくっ、びゅく、びゅびゅっ……
愛華も一緒に絶頂に達したようで、
「ひゃあああうっ!」
と声を上げながら全身を弛緩させた。
ふとももとカクカクとさせながら、愛華は言った。
「な、中に出しちゃったね……これで妊娠かっくてーい。
 もう、この肉穴はおねえちゃん専用だから、いつでも使ってどぷどぷ出して、いいよ」

手錠が外された。愛華は学習机に手を置き、お尻を突き出した。
「手錠外したから、もうおねえちゃんの好きにしていいよ……」
指であそこを広げながらそう言った。
中は精液やら愛液やら血やら、いろいろ混じってドロドロだった。
もう、することは決まっている。
ちゅぷっ……
今度は聞きなれた音だった。
「ふぁああああん♪」
愛華が手で、学習机をかりかりとひっかく音が聞こえた。


結局六日目の夜まで、食事以外はずっと交尾に耽ることになった。
(サキに感謝しないと、いけないわね)
妙に冴えてしまった頭で、わたしはそんなことを考えていた。

「もっとぉ!おねえちゃぁん!ちゃんと愛華のこと孕ませてぇっ♪」

なんとなく、双子が生まれるような気がした。ふたなりと、ニンゲンの双子。

おわり

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最終更新:2009年08月10日 03:09