待ちに待った瞬間。夢にまで見た世界への扉がいま、目の前で開かれる感動と興奮でボクは自分の目頭が熱く潤むのを止めることが出来ない。
「ううん、泣いてちゃ駄目だ、ちゃんと見ないと……!」
 ぷしゅ~、とエアコンプレッサーの出す独特の音と共にボクの目の前に来たソレは、心地よい空気を醸し出しこれからボクを約束の新天地へと誘ってくれるのだ!

 『女性専用車』

 そのピンクのステッカーが貼られた車内へと一歩踏み込んだだけで、女の子だけが出す甘く爽やかな香りがボクの鼻孔を優しく擽る。昨日まで乗ってた他の車両みたいにゴミゴミとしてないし、男の汗臭さやコロンの臭い、そして何よりもガスマスクを付けたくなるヤニ臭が全くしない。
 正にパラダイスだ!
「美奈っち、こっちこっち~!」
「まぁ美奈さん、おはようございます」
 右を見ても左を見ても女の子、あーんどお姉さん。見ているだけで楽しくなる様々な学校の制服やカラフルなスーツ。その中でボクと同じブレザーを着ている女の子のグループが手を振ってる。ボクと同じ学校の学年のお友達。
「うん、おはよう」
「お? 美奈っちってば今日はご機嫌だねー」
「あらあら本当に。凛々しいお顔がだらしなく弛んでますわよ?」」
「脂ぎったオジサンが居ないからだよね? 美奈ちゃん何回か痴漢されたことあるって言ってたもんね? もんね?」
「う、うん……」
 そうなのだ。背丈はともかく、誰も頼んでないのにボクの体は女の子としてメキメキと成長中。もうブラなんか今でも毎年カップが変わるほどの発育速度。その所為で(お父さんに騙されて)私立の女子校に進学してからというもの、月に数度は満員電車の中でお尻やおっぱいを見ず知らずの変態に触られる日々が続いている。
「痴漢って、ホントに? うわ最低~!」
「私に言って下さったら、手首を捻り折ってから罪人縛りにして警察に突き出してやりましたのに!」
「静佳ちゃんが言うと冗談に聞こえないよぉ……」
「あ、ははは~……えっと、もう心配ないと思うから……」
 静佳ちゃんほどではないにしても、ボクだって武道の心得があるから素人さんなら楽勝で撃退できると思う。けど、問題はそこじゃないのだ。
(お、オチンチンがあるって知られたら……)
 ゴツゴツと骨張った男の手で敏感な部分を弄られるのも勿論嫌だけど、それ以上にボクが所謂フタナリだとバレてしまうのは嫌どころの話じゃない。戸籍上は女の子だから何の違反もしてないというのに、痴漢騒ぎを起こしてオチンチンのことが知られてしまったら学校からは自主退学を勧められるだろうし、それこそこの街にも住めなくなってしまうかも知れないのだ。だから電車の中では常に両手か鞄でオチンチンを隠し続け、お尻を触られても胸を肘で突かれても痴漢にオチンチンの存在を知られないよう祈りながら前をカバーすることしか出来ない。
「それにしても女性の弱みに付け込み、コソコソ隠れて体をまさぐるなんて人間の風上にも置けない卑劣漢ですわ。まとめて粛正して差し上げたくなります!」
「けど男なんて多かれ少なかれ似たようなもんだって。中学の時に付き合ってた奴なんて、処女をあげるまでは優しかったのに、一回許しちゃったら毎日毎日発情した犬みたいに迫ってきたもん。なんていうかさ、も最低~って感じ」
「あ、わかるわかる! 私はセックスが怖いからって言ってお口だけだったけど、それから何回もフェラチオさせらてたよ、させられたよ!」
「いっ!?」
 ちゅ、中学で初体験て。じゃあ処女も童貞も捨て切れてないボクって……?
「ああ、そう言えば私も……」
「って静佳ちゃんもなのっ!?」
「いえ、私の場合は一番上のお姉様のお話ですけど。お義兄さまが生理中とか妊娠中も求めて来られて困ったと仰ってましたわ」
「それでそれで? どうしたのどうしたの? やっぱりお口? それともお手々?」
 悠ちゃんが、あの小さなお口で何回もオチンチンを。ああ、唇が凄く柔らかそうだしベロも可愛くって気持ちよさそうだよ。最後はどうしたのかな? のの、飲んであげたのかな? あのプニプニしたほっぺの内側にオチンチンを押し付けて、喉の奥にボクのネバネバの精液をありったけ流し込んで……
「はい、お口で悦ばせて差し上げたそうですよ。あとパイズリ、と言うんですの? 胸でご奉仕したとも仰ってましたけど……」
「むむむむむ胸でっ!?」
「ええ、えっと……ちょっと腕を拝借して構いませんか、美奈さん?」
 どぞ、と殆ど脊髄反射で左上を差し出すボク。静佳ちゃんはボクに微笑みながらボクの上腕を制服の胸元に引き寄せて、
「こんな感じと仰ってたかしら?」
 むにゅにゅっ、とボクよりも更に数センチ大きなオッパイを両手で寄せボクの腕を包み込んだ。
「ふわわわわわわっ……!?」
「どうですか、美奈さん?」
「すすすす凄く柔らかくって……!!」
「んっふぅ。いまは下着で締め付けていますから余り動かせませんけど、お姉様は素肌で直接にお義兄さまのを挟んで、このように上下に摩って差し上げたとか」
「うわっ! うわうわうわうわっ!?」
 ボクも自分のオッパイを手で揉んでオナニーしたことあるけど、全然違う。他の女の子の胸って、こんなに気持ちいいんだ。しかも、このモニュモニュでプニプニしたオッパイで勃起したオチンチンを扱いて貰えたら……
「生理中は絶対に嫌だって言ったけどな、私は。でもさ、その反動って言うか、生理が終わった途端に猛獣みたいになっちゃってね? もう上に跨らされたり四つん這いで後ろからガンガン攻められたよ。しかも子宮がパンパンになっちゃうってくらいに中に出されたり、嫌だって言ってるのに体中ドロドロになるまで掛けられたり散々だったよ」
 う、後ろから動物みたいに犯したり上に乗って動けって命令したり? しかも春香ちゃんを裸に剥いて、ボクの精液で全身を汚して髪の毛も顔もドロドロにっ!?
「ほんと、男の人って身勝手ですわね」
「うんうん。そう思うこともあるよね? よね?」
「慣れれば強引にされるのも悪くないかなって思う時もあるけど、やっぱ限度っていうかさ、少しは気を遣って欲しいとも思うな。好きな相手なんだし、抱かれたくないって言ってる訳じゃないんだからね」
「うふふっ。男の子の感じてる顔も可愛いもんね? もんね?」
「そう言えば、お姉様も好いた殿方に尽くしてご奉仕するのも女の幸せだって仰ってましたかしら。私も好きな人が求めてらしたら、好きなところを使って頂いたり恥ずかしい行為も受け入れて差し上げるかも、ね? 美・奈・さ・ん?」
「え? あ、うん……………………って! ああっ!?」
 し、しまった! エッチな事を考えてたらオチンチンが……!!
「美奈っち?」
「美奈ちゃん?」
「あら? どうかなさいまして?」
「いや、その、えっと、あの……あうあうあうあう~!」
 い、言えない。頭の中でお友達にエッチしまくってオチンチン大きくして、しかもスケベなお汁でパンツ汚してるなんて絶対に言えないよぉ!
「お顔の色が良くありませんわよ? それに凄い汗。大丈夫ですか?」
 ああ静佳ちゃん、スベスベの手でおでこに触らないでぇ~! ああ、だからって良い匂いのするハンカチでホッペを撫でるのも禁止~!!
「ホントに具合悪そうだよ? えっと……」
 ダメダメ! 座ったらオチンチンが余計にバレ易くなっちゃうから空いてる座席を探そうとしないで譲ってくれそうな人なんて選ばないで春香ちゃん!
「美奈ちゃん、大丈夫ぅ?」
 ううっ、そんな捨てられた子犬みたいなウルウル目でボクを見ないで悠ちゃん。その可愛いお口にオチンチンをねじ込んで……じゃなくって!! ああもう、やっぱりボクは女の子にはなれないよ女の子でしか興奮しないんだから女子校なんて無理だよお父さん。毎晩五回もオナニーしてタマタマ空っぽにしてもご覧の有様だよ~~~~っ!
「美奈さん?」
「美奈ちゃん?」
「美奈っち?」
「うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~ん!!」
 心配してくれる友達の手を振るきり、次の停車駅で電車から飛び出したボクは、泣きながら駅の女子トイレに駆け込み、みんなに謝りながらも主に静佳ちゃんのオッパイをオカズにオチンチンが元に戻るまで精液を搾りまくって遅刻しそうになってしまった。
「無理~! やっぱり無理だから~! ボク、オンナノコになんてなれないからオトコノコの方が絶対に向いてるから! あ~~ん静佳ちゃん悠ちゃん春香ちゃんごめんなさい、でもすごく気持ち良いんだよぉ~~~!!」
 お父さんお母さん、このままだとボクは卒業する前にダメになっちゃいそうですぅ。

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最終更新:2009年09月04日 14:57