緊張と疲労で、睡魔に襲われたんだろう。チコちゃんことチンペーちゃんは、わたしが果てたあと、崩
れ落ちるように眠りについてしまった。身体を起こして、チンペーちゃんについた汚れをウェットティッシュ
でぬぐっていると、委員長が声をかけてきた。
「オシベさん。ラブラブ中に申し訳ないのですが、あとがつかえてますので、早めにお願いします」
 ちょっと休ませて……と言おうとしたが、委員長の目が怖かったので、大人しく従うことにした。

「オシベさん、次はワタシですよー!」
 キンちゃんがわたしに抱きついてきた。前も言ったけど、アメリカからの留学生アリス・ゴールドマンだ。
ゴールドだからキンちゃん。実にわかりやすいあだ名でしょ?
「と、というかキンちゃんいいの!? 理由わかってやってる?」
「もちのろんです! オシベさんのことについては、わかっているつもりですよ!」
 キンちゃんがわたしの鼻頭にキスをした。肩下で切り揃えられた蜂蜜色の髪の毛が、わたしの頬を
撫でる。綺麗な青緑色の瞳のなかに、わたしの顔が映りこんでいる。

 実を言うと、わたしはキンちゃんが少し苦手だった。彼女は勉強もスポーツもできたし、性格も明る
い。なによりそのルックスの良さは完璧といってよかった。どれをとってもわたしなんかじゃ敵わないキン
ちゃんに、わたしはちょっと引け目を感じていたんだ。
 ドギマギしているわたしをからかうように、彼女は口角をニッとあげた。チンペーちゃんがお月様なら、
キンちゃんはお日様だ。つられて微笑んでしまうくらい、底抜けに明るい笑顔だった。
「それじゃ、しましょ!」
 キンちゃんはいま、裸の上にブラウスを一枚着ているだけの格好だ。グラマラスではないけど、胸から
腰にかけてのシルエットは、やっぱりわたしたちとは全然違う。
 なにより特筆すべきは、ブラウスの裾からスッと伸びる白い脚。その膝の位置の高いのなんのって。

「オシベさんはとってもキュートですね! ワタシ、なにかに目覚めちゃいそうです」
 言い終わる前に、キンちゃんはわたしのくちびるにくちびるを重ねてきた。抵抗する間もなく、わたし
の舌はキンちゃんの舌に絡めとられ、屈服させられてしまった。
 密着したお口からは、舌を伝ってとめどなく唾液が流れ込んでくる。わたしのお口のなかが、どんど
んキンちゃんでいっぱいになる。息苦しさから逃れるために、注ぎ込まれるものを必死で飲み下してい
る間にも、舌とくちびるは休むことなく、わたしの口腔を隅々まで責めたててくる。
「あふっ、はぅ、んっ……」
 されるがままにお口を嬲られて、少しでも反撃しようものなら、容赦なく舌をお仕置きされる。それを
繰り返しているうちに、わたしは抵抗する気も失せて、キンちゃんの思うがままにされてしまった。
 まるでわたしのなかに、キンちゃんがドロリと侵入してくるような、そんな感覚。
 これはレイプだ。わたしはいま、お口のなかをキンちゃんにレイプされてるんだ……。
「ぷはっ……うふふ、とろけちゃったです? ワタシ、キス大好きなのです。得意技です」
 とろけちゃった。ドロドロに。下半身が完全に臨戦態勢になっちゃっている。
 いや、違う。これは敗北宣言だ。もう好きにしてくださいって。身体が白旗をあげちゃったんだ。
 おちんちんでも、おまんこでも、好きなほうで気持ちよくなってくださいって、尻尾ふってるんだ……。
 まさかキスだけでこんなにされるなんて、思ってもいなかった。

 そうこうしているうちに、いつのまにやらキンちゃんに組み敷かれていたわたしは、互いの性器を舐め
あうという、なんかすごくヤらしい体勢を取らされていた。
「そう、そこっ……あっ、お上手ですよオシベさん……! その下も、下も……♪」
 眼前でぱっくり口を広げたキンちゃんの女の子の部分は、すでに蜜でぐっちょり濡れている。彼女も
また、わたしとの行為で昂ぶっていたのだろう。けれど、わたしは始終彼女に主導権を握られっぱな
しで、そのまま一方的に鳴かされてしまった。なんだか悔しくなってくる。
「はうっ、あうっ、でっ、りゅっ」
 みっともなく足をジタバタさせるわたし。彼女の舌はまるで怪しい器官みたいに、わたしのおちんちん
の弱いところを、的確に責めてくる。堪えられるわけがない。彼女の舌が動くたび、わたしの愛撫の手
は止まってしまう。そしてまた、強烈な快感に意識を奪われて、さらなる高みに追いやられる。
「んふぅ、……オシベさんのペニスは、弱虫さんですね。かわいっ」
 ダメだった。さっきのキスと同様、わたしはなにもできないまま、あっけなく陥落した。


「あ、はっ、その調子、いいですよぉ……もっと腰ひねって……っ」
 きもちいい、きもちいいっ! 大きく開かれたキンちゃんの脚をつかみ、わたしは狂ったように彼女の
身体を貪っていた。まるで盛りのついた犬みたいに、舌をつきだしながら交尾に耽っていた。
「うふふ、オシベ、さん、のっ……おいしっ……おいしいです、よおっ……」
 わたしのおちんちんは、キンちゃんの下のお口に食べられていた。
 そればかりか、今わたしは仕込まれて、味付けされて、彼女好みに料理されている最中だった。彼
女に言われるまま、わたしは覚えたてのセックスに勤しみ、ぎこちなく腰を振りたてている。
「ただ突くだけじゃ、あふっ、ダメですよ……、リズム、リズムっ、ほら、がんばって……!」
 キンちゃんの均整の取れた肢体は汗にまみれて、半脱ぎのブラウスが白い肌にぺっとり張りついてい
る。透けた布地に浮かぶお乳の、なんて扇情的なこと。こがね色の髪を貼りつかせた首筋の、なんて
色っぽいこと。劣情を焚きつけるこの身体の、なんて眩いこと。
 わたしは、この異国の女の子の虜になっていた。
 劣等感が与える歪んだ快楽に、囚われていた。
 ついさっき純潔をもらった、幼馴染の女の子のことも忘れて……溺れていた。
「はふぅ、はふ、あふうっ……!」
 きゅって。しめつけられた。よく潤んだ肉ひだが、おちんちんのくびれから根元までをしごきたてた。
 腰の奥から熱い塊がドロドロせりあがってきて、爆ぜる。
「く、う、ぅぅう!」
「あんっ、出てる……っ。くふふ、あと20秒で、はふぅ……、1分持ちましたのに、ざんねん」
 息を切らせて突っ伏したわたしの頭を、キンちゃんは優しく撫でる。彼女になんら悪意はないだろう。
だけどわたしは、その言葉に胸をえぐられた。心の裏側で、バカにされている気がしたんだ。
 そして、そんな風に邪推する自分がみじめで、わたしは彼女の胸に顔をうずめたまま、泣いた。

「はい。いい子いい子♪」
「……やめて下さい、訴えますよ」
 教室の隅で落ち込むわたし。その股間を教鞭で突っついてくる先生に、わたしは冷たく言い放つ。
「いじける必要はありません、オシベさん。誰もあなたの性技には期た……」
「うっさい、割るぞ!!」
 委員長は口をぱくぱくさせながら、メガネを身体の後ろに隠した。
 他の子たちも、わたしの怒声でいっせいに静まり返った。
 わたしは体育座りをやめて、立ち上がる。自分の荒い声を聞いて、感情が沸騰したのを感じた。
「……なによみんなバカにしてっ! どーせわたしは、エッチへただし、こらえ性もないですよっ!」
 わたしは叫んだ。息が続く限り、絶叫した。
 最初はただ、スネて癇癪起こしただけだったのに。ヒステリックに怒鳴っているうちに、わたしの心の
なかで、黒い何かが湧きあがってきた。頭のなかが、その黒いもので染まっていく。
 気づけばわたしは、この身体で悩んできた今までのことを、叫んでいた。
「なにが神様の子よ! みんなただ、いいように玩んで! 利用しているだけじゃないっ! オシベと
か……れる、わたしの気持ちなんて、ううっ……誰も、一度も、うっ、考えたことないくせに……っ!」

 それからわたしは、友達にひどいことを言ってしまった。
 嫌われるようなことを言ってしまった。嫌われれば、みんながわたしから離れていって、わたしを苦し
めるもの、全てから逃れると、そのときは本気で思っていた。そんなこと、ないのに。
 バカみたい。
 バカだよ。
 それがどれだけバカげた振舞いか、頭では理解していたのに、止められなかったんだ。
「もうやだよ、こんなの! もうやだよ、みんなキライ、わたしなんか、大キライっ!」
 感情が、それを許してくれない。わたしは泣き笑いながら、みんなを罵倒した。
 全てが終わった。そう、思った。
 けれど。ああ、けれど。

「ごめんね、さつき」
 誰かがわたしをうしろから抱きしめた。その子は、家族ですら呼ばない、わたしの名を呼んだ。
「生まれたときから、あたしたち、色んなものを押しつけてきてたんだね。ごめんね」
 胸の前にまわされた、幼馴染の細い腕を、わたしは抱きしめる。
 やっぱり、わたしの名前を覚えていてくれたんだね。いじわるなんだから。
 その手に、一人のクラスメイトが手を重ねた。重ねられた手に、手が重ねられていく。わたしたちは、
いつしかみんなで抱き合っていた。
 大切なものを壊そうとしたわたしは、その大切なものに救われて、包まれた。
 溢れだす涙を隠さず、わたしは泣く。ただただ、赤ん坊のように、泣き続ける。


 わたしはクラスメイトの女の子に口づけすると、その身体のなかにそっと自分を埋もれさせていった。
「あっ、オシベ……あったかい……」
「痛くない? だいじょうぶ?」
 慈しむように、確かめるように、わたしは友達と交わっていく。身体が重なり合って、溶けあっていく。
繋がりあったそこは、弱くて恥ずかしくて敏感で、そしてすごく温かいところ。
 それはたぶん、心といっしょ。
「オシベ、オシベ……っ」
 とりとめのない話をしながら、わたしたちは求め合った。会話が途切れたら、お互いの名前を呼んだ。
 「神様の子」としてのわたしを、みんなは求めているのかもしれない。けれど、わたしは「わたし」自
身として、みんなと繋がっていたかった。
「ゴメン、んぅ……わたし、また先に、いっちゃう……っ」
 そう望むことは、わたしのわがままかもしれない。けれど今日、ここにいるわたしの友達は、そんなわ
たしだって受け入れてくれた。「神様の子」ではない、ダメなわたしを、許してくれた。
 だから、いまはそれでいい。ううん、それ以上、なにを求めるの?

「その、私も謝らなければなりません。私は……いえ、私たちは、てっきりオシベさんがその生い立ちを
受け入れているとばかり思っていました。オシベさんがそんなに苦しんでいたなんて、知らなかったのです」
 いまさらそんなこと言い訳にもなりませんが、本当にごめんなさい、と委員長が深々と頭をさげた。
「い、いいよ謝らなくて。わたしがもっと、しっかりしていれば良かった話なんだから。それに、いっぱいひ
どいこと言って、わたしもごめんなさい」
 お互い頭を下げあっている構図がおかしくて、わたしたちは思わず噴き出してしまった。委員長が
笑ってるところ見るの、はじめてかも。目尻が下がってえくぼができて、とってもチャーミング。
「あっ……ん」
 不意打ちで口づけをする。ふんわりしたくちびるの感触。抱きしめた身体の、心地よさ。やっぱりだ。
 わたしは実は、委員長とするのが怖かった反面、一番期待もしていたんだ。なぜなら……。
「委員長、すっごいエッチな身体してるよ? おっぱいもこんな大きくて、おしりも……」
「やだ、オシベさん……恥ずかしいですよっ」
 わたしは身体をよじる委員長をうしろから抱きすくめ、とても同い年とは思えない、その豊満な身
体を堪能する。はだけたブラウスに手をつっこみ、水色のブラジャーをたくしあげると、手にあまる大き
な果実が、たっぷんとこぼれ落ちた。
「手のなかで、溶けちゃいそう。さわってるだけで気持ちいいよ、委員長」
「うぅ、そんなこと……」
 顔を真っ赤にしてイヤイヤする委員長が可愛くて、わたしはますます調子に乗っていく。わたしたち
は床の上に立っていたのだけど、委員長は机ベッドのふちに両手をついて、倒れそうになるのを懸命
にこらえている様子だった。

「ね、このままの格好でいいかな。制服着たまま、してみたい」
「オシベさんが、そういうのなら。でも、一つだけお願いがあるんです。いいかしら……」
 委員長は恥ずかしそうに俯くと、スカートのなかに手を入れて、ブラとおそろいの水色のショーツを、
ゆっくりと下げていった。クロッチの内側はしたたる粘液で濡れて、薄闇のなかでもそれとわかるほど、
淫靡に光っている。よく見れば、まだ太さを保ったままの蜜の糸が、股間へと繋がっていた。
「委員長はエロエロだなあ。わたしたちがエッチしてるところみて、濡らしてたんだね」
「っ、ご、誤解ですそれは!」
 委員長のスカートをめくりあげたわたしは、もうすっかり物欲しそうにしている女の子の部分に、指を
あてがった。粘っこい感触を愉しみつつ、とろけたお肉を浅く弄ってあげると、委員長は背を反らして
感極まった嬌声をあげた。
「お、お願い……そっちじゃなくて、うしろ……うしろで、してくださいっ。おしりで、エッチして……っ」
 えっ! 委員長マニアックだな。お堅いようで、そんなに経験豊富だったのか。と思ったら違った。
「純潔は将来のだんなさまに捧げたいんです。だから、オシベさんとは、おしりで仲よくさせて欲しい……」
 膝にショーツをひっかけたまま、委員長はおしりを高く突き出して、肩越しにわたしへ懇願してくる。
 処女を守るため、おしりでエッチして欲しいって、お願いされているのか、わたし。
 クラクラした。どっちかというとマゾと自認していたわたしだけど、支配欲やら嗜虐心やらがむらむら湧
きあがってくるのを、そのとき感じていた。


「あの、オシベちゃん。そういうことなら、あたしたちもおしりがいいの……」
「ええっ!?」
 そう申し出たのは、隣のクラスの双子姉妹だ。彼女たちは繋いでいた手を離すと、恥ずかしそうに
おそろいのショーツを脱いで、委員長の両脇に並んだ。
「おしりで許して欲しいの……」
 ぷりっぷりの丸いおしりが三つ、わたしの前に並んでいる。あまりの展開に、固まったままわたしがおし
りを凝視していると、羞恥心を煽られたのか、委員長はおしりの真んなかをキュッとすぼませた。
「ならば、順番待ちのあいだは、ワタシがお相手しちゃいますねっ」
「はい。じゃあ先生も教育的指導を、双子ちゃんにですね」
 まごまごしているわたしに助け舟をだしてくれたのは、キンちゃんと先生だ。双子ちゃんは、あっという
間に二人に抱きすくめられて、とんでもないイタズラをされ始めてしまった。

「オシベさん、わたしも……! もう我慢、できないんですっ」
 おしりをゆらゆら左右に振って、おねだりをする委員長。わたしも、もう限界だ。委員長の女の子の
おつゆをおしりの穴に塗りこめて、指で丹念にほじっていく。最初は抵抗してなかなか入らなかったの
だけど、しつこく爪の先ですぼまりをイジメているうちに、ようやく蕾もほころんできた。
「じゃ、いれるね。委員長のおしりの処女、もらっちゃうね? いーい?」
 答えはわかっていたけど、わたしはなんとなく尋ねてみる。ちょっと意地悪してみたくなったんだ。
「あふ……っ、ください、おしり、おしりぃ……っ。私のおしりの処女、もらって下さいっ」
 肉感たっぷりのおしりをつかんで、わたしは委員長のおしりの穴におちんちんを飲み込ませていった。
熱に浮かされたようにうわごとを言っていた委員長も、そのときはさすがに痛かったのか、きつく歯を食
いしばって、悲鳴を堪えている様子だった。
「はあぁ……っ、きつぅい。委員長のおしり、おちんちん咥えて離さないよ……エッチだねぇ……」
「そんな、こと……なっ……!」
「そんなこと、あるよ。ああ……処女を守りたいのは口実で、本当はおしりでエッチしたかっただけなん
だね、委員長は。本当にヘンタイさんなんだね……!」
「……!!」
 あ、すっごい締めつけてきた。なんとなく言葉でイジメてみようかと思っただけなんだけど、委員長は
実はマゾっ娘だったんだろーか。サドだと思っていたのに、意外ね。
 ともあれ、委員長のおしりである。見た目同様、委員長の体内もまた、お肉がみっちり詰まっている
ようで、次第に分泌され始めた粘液とともに、わたしのおちんちんをいやらしく舐めあげてくるのだ。
 特に、こう、腰を引いたときの感触といったら。きついお肉の輪が先っぽを痛いくらい締めつけてきて、
あまりの刺激の強さに全身がゾワッとあわ立つほど。
「委員長、きもちい? おしり犯されて、キモチいいっ?」
「は、ひっ、はひぃっ、いいですっ、おしり、キモチいいぃ……!!」
 腰を打ちつけるたびに、委員長のむっちりした白いおしりが波うつ。前かがみになって垂れたおっぱ
いが、一突きごとにぷるんぷるん悩ましげに揺れる。処女のおしりの穴でエッチしているという倒錯的
な状況と、眼下の絶景に、わたしはすぐに限界を迎えてしまった。
「出るぅ! おしりに、白いのいっぱい、いっぱい……!!」
「んぁあああっ!!」
 これでもかというくらい、わたしは容赦なく委員長のおしりに白いおしっこを排泄してしまった。咥えた
まま離そうとしない、委員長のおしりからおちんちんを抜くと、本来うんちをするための穴からは、すぐに
わたしの浅ましい欲望がごぽごぽと溢れ出てきた。

「オシベさん、まだ一息つくのは早いですよ。ほら、もうこっちの準備は万端です!」
 キンちゃんに呼ばれて目をやると、そこには四つんばいになって、ぴくぴく痙攣している双子ちゃんの
姿があった。開きっぱなしの口からはよだれが溢れてて、失禁までしている。
「や、やりすぎじゃない? なんか瀕死のカエルみたいなんだけど」
「だいじょうぶ、峰打ちです!」
 よくわからないが、彼女がそう言うなら、平気なんだろう。たぶん。
「ふぅうんっ……!」
 可愛らしく震えている双子ちゃんの一人にのしかかると、彼女は鼻にかかった嬌声をあげた。
 白状すると、わたしはこの子たちの名前を知らない。村中でも離れたところに住んでいる子だから。
 でもそれが逆に、わたしの興奮を煽った。だって、名前も知らない女の子とおしりエッチしてるんだよ?
 なんか物凄い悪いことをしている気がして、わたしはさっきより激しく、彼女たちの身体を犯してしまった。


 気づけば、すでに時刻は夕方近くになっていた。わたしたちは就学時間中、ずっとエッチをし続け
ていたことになる。
 あたりはもう、しっちゃかめっちゃかだ。机で作られた即席ベッドは乱れまくって、汗やらお小水やらよ
だれやら白いおしっこやら、ありとあらゆる体液でグチャグチャだ。わたし自身、髪も身体もいやらしい
臭いのするお汁にまみれ、淫靡に濡れ光っている。
 立ち込める性臭に頭をやられたのだろうか。わたしの出番が回ってくる間も、みんな女の子同士で
大乱交を繰り広げていた。清潔な格好を保っている子は誰一人としていない。
 今もちょうど、ゴムに出した白いおしっこを啜りながら、オナニーの見せ合いっこをしているクラスメイト
の姿が、視界の隅に映っている。
「……もう、ダメ……っ、わたし、もうだめ、もうできない……!」
 二週目の半ばで、わたしはとうとう音を上げた。足腰は立たなくなっていたし、おちんちんもまともに
機能しなくなっていた。いやまあ、ここまで続いてたのがスゴいけど。
「はい。萎えたらそこでエッチ終了ですよ。まだまだ、オシベさんならできるできる♪」
「ちょ、せんせ、待って……きゃあっ」
「はい。先生がおちんちん、おっきさせてあげますね♪」
 先生はほどいたネクタイで、わたしに目隠しをした。あれよあれよという間に、わたしは机ベッドの上
に大の字で拘束されてしまった。
「はい。みなさん注目ー! これからオシベさんを教材に、人体実験しまーす! はい。拍手!」
 ワーワーパチパチ。突然のイベントに沸きあがるクラスメイトたち。ヤバい、なんか知らないけど、これ
は大変な目に遭わされる気がする!

 蛍光灯が点けられた。厚手のネクタイはわたしから光を完全に奪っていたけど、それだけはわかった。
そして、みんなの視線がわたしに注がれていることも。
 わたしは、あのお祭の日の夜の、恐ろしくも甘美な快感を思い出していた。
 しかし、そのぼんやりとした思考は、突然打ち切られることになる。
「ひゃああううっ!?」
「はい。入りました。ちょっと強引だったかしら。ゴメンなさいね、オシベさん」
 違和感。物凄い違和感がおなかにある。なにかが、おしりに……おしりに、なにか入れられた!?
 痛みがないってことは、そんな太いものじゃないのだろうけど、目が見えない分、得体の知れない恐
怖がある。一体なにをされてるんだ、わたし……!
「はい。暴れないでくださいね。折れたら大変ですからね。よいしょっと、ここかな?」
「……んぁああ、だ、めっ、っちゃ、ダメええっ!!」
 快感とか、痛みとか、そんなんじゃない。おしりに入ってきたソレが蠢くたびに、わたしは下半身の骨
を丸ごと引きずり出されるような、そんな奇怪な感覚を味わった。
「はい。勃起しちゃった。おしりのなかにあるんですよ。おちんちんのスイッチ」
「ぎ、ひ、いぃ……!」
 口の端から泡を吹き、折れるくらい背をのけぞらせているわたしの耳に、先生が囁く。
「はい。これからは、オシベさんがイッたらおしまい、という都合のいい話はナシです。女の子をイかせら
れるまで、何度でも勃起させ続けちゃいますからね。頑張ってくださいね♪」
 しばらくして、強制的に勃起させられたわたしのおちんちんが、生温かいお肉の穴に包まれていくの
を、感じた。

 それからわたしは、何度も何度もセックスをした。拘束を解かれても目隠しはそのままだったから、
誰とどれだけやったのか、まったくわからない。
 ただ一つわかるのは、わたしは犯す側であるにも関わらず、犯されていたということ。
 被虐的な言葉を囁かれながら、みんなに言われるがまま、わたしはみっともなく腰を振っていた。
 放出して果てても、おちんちんを抜くことは許されず、おしりのなかの「何か」を弄られて、無理やり
勃起させられた。身体が動かなくなってしまったあとは、わたしは仰向けに寝かされて、代わる代わる
犯された。
「チンペーちゃんが見てるよ」
 そうしているうちに、クラスメイトの誰かが、その魔法の言葉を発見した。
 おしりを弄られなくても、その言葉を囁かれるだけで、わたしは浅ましく勃起してしまった。
「見ちゃやだ、見ないで、いやだ、いやだ!!」
 そのたびに、わたしはよだれを垂らしながら叫んだ。もはや見る見られるの問題ではないというのに、
そう言われるだけで、わたしは最高に……昂奮してしまったんだ。狂おしいほど気持ちよかったんだ。
 それが最低なことだとわかっていて、わたしはチコちゃんの名前を叫びつつ、見ないでと叫びつつ、ク
ラスメイトの誰かと嬉々として交わっていた。


 あたりは暗かった。異臭を放つふとんから身体を起こすと、乾いた粘液でひっついたシーツが、ベリッ
とはがれた。間接照明を頼りに、時計を見る……うわ、もう23時じゃん!
「目が覚めた?」
「……ひっ!」
 突然呼ばれて、わたしは思わず悲鳴をあげてしまった。見れば、驚くほど近くにチンペーちゃんが座
っていた。大きな瞳でわたしのことを優しく見つめている。ひょっとして、ずっと寝顔を見られてたのかな。
 わたしは、慌てて彼女から目をそらした。彼女に見つめられるのが、恥ずかしかったんだ。
「ふふふ。気にしなくていいのに」
「ご、ごめん……」
 わたしは、チンペーちゃんが何に対して「気にしなくていい」と許してくれたのか、わからない。
 わたしは、わたしが何に対して「ごめん」と謝ったのか、わからない。
 チンペーちゃんはそれ以上なにも言わないまま、いつも通りの声音で、いつも通りの表情で、わたし
の手を取った。
「部室棟のシャワールーム使えるよ。いこ?」

 それが当然であるかのように、わたしたちは同じシャワールームに入った。チンペーちゃんはすでに一
度浴びたようだったけれど、一人じゃろくに歩けないわたしのことを支えて、つきあってくれたんだ。
 熱いお湯が身体を打つ。わたしの汚れきった身体を、チンペーちゃんが石鹸で洗っていく。狂宴の
あとでは、そんな穏やかな感触が、なによりも心地よかった。
「全部、見てたよ。ベーヤンは気づいていなかったと思うけど、最初から最後まで、全部」
「……」

「かわいかった。あと、エッチだったね、ベーヤン。うふふ」
「……」

「誰が一番よかった? キンちゃん?」
「……」

「……」
「……」

「……」
「泣かないで」

「……」
 泣きじゃくるチコを、わたしは抱きしめた。華奢でか弱い、わたしの幼馴染の女の子。この小さな身
体に、わたしの汚いものを全て見せつけて、重荷まで背負わせてしまった。
「ごめんなさい。あたし、さつきが休んでいるあいだに、こういう話が進んでいたこと知っていたのに、あ
なたに教えなかった……! やめてって、みんなに言わなかった! あなたに、ひどい、こと……っ!」
「いいの、チコ。誰も悪くないから。わたしは平気だから、だから、泣かないでよ……」
 わたしはウソをついた。一番悪いのはわたしだ。わたしがもっとしっかりしていれば、こうはならなかっ
た。わたしが毅然とした態度をとっていれば、全ては防げたこと。
 でも、わたしが悪いなんて言ったら、チコは余計に自責の念にかられるだろう。だから、わたしは、誰
も悪くない、なんてウソをつく。彼女を守るために。
「ぎゅってして、……さつき……」
 チコを守るために? 違う、本当は、自分の責任から逃れるために。そうすれば、チコを守ってやる
フリをして、「誰も悪くない」なんて言えるからだ。わたしは、なんてイヤな子なんだろう……。
「ダメだよ。わたしは、もうチコにさわっちゃダメなんだよ。たくさん、裏切ってしまったから」
 快楽に負けて、流されたわたしには、チコを抱きしめる資格はもう、ないんだ。
 チコは、濡れた髪を乱しながら、首を振る。

「……もしも、さつきが誰よりもあたしのこと好きだって、言ってくれるなら、もう一度愛して。他の誰
よりもあたしが大切だって、思うなら、もう一度ぎゅってして」
 ――あたしは、あなたのことが好きでした。でも、そう伝えることが怖かったから、みんなを利用して、
あなたと結ばれようとしました。
 そんな卑怯なあたしのことを、もしもまだ好きだと言ってくれるのならば。
 好きでいてくれるのならば。
「さつき……!」


 とめどなく降り続けるシャワーのしたで、わたしはチコを抱きしめる。お湯がうっすら溜まったタイルの
床に、チコの波かかったロングヘアーが、浜辺に打ち上げられたワカメのように広がっている。
「……いま、あたしの髪、海に漂うコンブみたいって思ったでしょ、さつき」
「思ってないよ」
 わたしは不満そうに尖らされたチコのくちびるを、くちびるで塞いだ。最初はついばむような、小さな
口づけ。でもそれだけじゃ物足りなくなって、わたしたちはいつしか奪い合うようにくちびるを重ねていた。
 言葉はもういらなかったから、わたしたちは舌と舌を絡めあい、口を閉ざす。互いの身体をまさぐりあ
い、大好きな人がすぐそこにいることを、確かめあう。

「ぁっ……」
 色薄いかわいい乳首をくちびるで食み、舌先でゆっくり転がすと、チコは白い喉を晒して短くあえい
だ。やっぱり、ここ弱いんだ。わたしはもう片方のお乳を口に含みながら、彼女自身ですら触れたこと
がないであろう、身体のすみずみまで指先で味わっていく。
「やだっ、さっきと触りかたが全然違う……誰に、そんなこと……っ」
「うふふ、誰かしら」
 少女らしい、しなやかな太ももを持ちあげると、わたしはかすかに色づいた彼女の大切な部分に、
口をつける。お湯が絶え間なく流れているけれど、そこははっきりと水とは違うもので濡れていた。
「いつからこうなっちゃってた?」
「……ここに来る途中」
 軽く握った手を口元にあてながら、チコはそっぽを向く。かわいいなあ。わたしは彼女が鳴いておね
だりするまで、蜜をこんこんと溢れさせるそこを、指先でかき回してやった。
「そ、んなにしたら、欲しくなっちゃう……おちんちん、欲しく、なっちゃうよぅ……っ」
 言われるまでもなかった。つらいのは、わたしだって同じなんだ。節操なしのわたしのおちんちんも、
はやくチコが欲しくて、バカみたいに脈打っている。
 浅く早く息をつくチコに、一度だけキスすると、わたしは彼女のなかに入っていった。

「あぁっ……!」
 がちがちにそり返ったおちんちんの先っぽに、甘い痺れが走った。肉びらにくすぐられた先っぽが快感
にうち震え、勝手に腰が動くのをわたしは止められなかった。
「ふわぁ……かたぁい……」
 首をのけぞらせたチコが、聞き慣れているいつもの声とはまったく違う、鼻にかかった甘い吐息を漏ら
した。その顔があまりに妖艶で、わたしは軽くめまいを覚えてしまう。
 さっきはキツさばかりが気にかかったけれど、いまは違う。信じられないほど柔らかくて熱いお肉が、す
き間なく密着したおちんちんを、たっぷり可愛がってくれる。
 エッチな蜜でぐちょぐちょに濡れきった粘膜に揉みしぼられて、わたしは全身が総毛だつのを感じた。
「チコの、すっごくおいしそうに、わたしのおちんぽ、咥えてるよっ、わたしの、おいしいっ?」
「うんっ、おいしぃ……、さつきのおちんぽ、おいしいよぅ……!」
 形を憶えこませるように、わたしは浅く深くおちんちんでチコのなかをかき回す。腕のなかで震えるチ
コは、そうしなければどこかへ流されてしまうとでもいうのか、おちんちんがなかで暴れ回るたびに、切な
げにわたしの首筋にほっぺたをすりつけてきた。
「さつきっ、さつき……、あたし、なんか、きちゃ、う……っ」
「いいよ、イッて、いいんだよ……!」
 チコが、わたしにきつくしがみついてきた。腰に足を絡めて、背中に腕を回して、苦しいくらい抱きつ
いてくる。わたしの動きに合わせて、切なげに腰をくねらせている。
 そうして沸点を超えたとき、身体に絡んでいたチコの腕と脚が、痛いほどわたしを締めつけてきた。
「あっ、さつ、き、ぁあっ、ぁあああっ……!!!」
 魂消ゆる歓声をあげて、チコが達する。あれほど緊張していた身体が、放物線の頂点を過ぎたと
たん、瓦解したように脱力していく。
 その無防備な心と身体に向けて、わたしは空っぽになるまで、白いおしっこを吐き出した。

「チコ……わたし……」
「あやまっちゃ、やだよ……あたしたち、今日のこと、全部……受け入れて、そして……それで……」
「うん……」
 わたしたちはあまりに幼くて、あまりに不器用だったから。なにかを言葉でまとめることなんて、できな
かったから。だから代わりに、もう一度だけ、小さな口づけをした。

 こうして長い一日が終わった。でもそれは、これから始まることの、ほんの序章にすぎないことを、わ
たしたちはまだ知らない。

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最終更新:2010年04月24日 08:52