正しいのはどれか。

a 卵胞数は思春期に最大となる。

b 原始卵胞は卵とそれを取り囲む多層の顆粒膜細胞とからなる。

c 原始卵胞から1次卵胞への発育にFSHが必須である。

d 成熟卵胞には卵胞腔が存在する。

e 排卵直前には卵胞の直径は約5mmになる。



答え:d
ヒト卵胞発育過程に関する基本的な問題である。卵胞発育というと卵胞期初期のFSHの作用によって成熟卵胞が発育する過程(約2週間)のみを思い浮かべがちだが、原始卵胞が排卵に至るまでにはそれに先立つ半年以上の長い過程があり、初期の卵胞発育はFSHに依存しない。

×a  卵胞数は胎児期に約m0万個と極大に達し、その後は時間経過とともに減少する。

×b  原始卵胞は卵とそれを取り囲む一層の扇平な顆粒膜細胞とからなる。

×c  初期の卵胞発育はFSHではなく卵巣内の細胞間の局所的な相互作用によって制御されている。

○d 正しい。

×e 排卵直前には卵胞の直径は約20mmになる。


正解:d

●胚細胞が起源と考えられる腫瘍の80%が性腺に発生するが、残りは仙骨部、後腹膜、縦隔、松果体など身体の正中部に沿って発生する。これは原始生殖細胞が生殖堤へ移動する過程で脱落あるいは迷入遺残したものが腫瘍化したものと考えられている。

●卵細胞の発育ヒトの卵細胞は、胎齢4週で卵黄嚢に原始生殖細胞として出現し、増殖しながら生殖堤へ移動する。卵細胞は胎齢20過で約700万個の極大に達したのち減少に向かい、出生時には約100万、月経を開始する頃には約30万個に減少している。女性が生涯に経験する排卵は約400回であり、99。9%の卵子は排卵に至らぬまま閉鎖する。

●ヒトの卵胞発育はFSHへの依存状態によって段階に分けることができる。このうち原始卵胞から一次卵胞までは、FSHに依存しない、極めて緩徐な発育の段階である。卵胞成熟が進み、顆粒膜細胞層が約3層になったころ(一次卵胞)にFSH受容体が発現し、FSHへの反応性を獲得する。

●発育にFSHを必要とするのは二次卵胞です。顆粒膜細胞のFSH受容体に作用します。卵細胞が1層の顆粒膜細胞に取り囲まれた状態を原始卵胞、顆粒膜細胞がどんどん分裂し多層性となると一次卵胞となります。大きな液腔(卵胞腔)を持つようになった成熟卵胞(グラーフ卵胞)は直径15~20㎜です。

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最終更新:2009年03月29日 15:14