更新日時:2013-06-15 23:05:56 (Sat)アクセス数: -
glBindFragDataLocation
目次
概要
void glBindFragDataLocation(GLuint program, GLuint colorNumber, const GLchar *name);
シェーダプログラム program におけるユーザ定義の出力変数 name を
フラグメントシェーダの色番号 colorNumber にバインドします。
既に name が割り付けられている場合には古い方のバインドが取り消されます。
第 1 引数 program はシェーダプログラムのハンドルです。
第 2 引数 colorNumber はユーザ定義の出力変数に割り当てる色番号です。0 から GL_MAX_DRAW_BUFFERSの範囲で指定します。
第 3 引数 name はユーザ定義の出力変数の名前です。必ず NULL で終了する文字列を指定します。
シェーダプログラムが生成された後であればこの API はいつでも実行することができます。
これにはシェーダオブジェクトをシェーダプログラムに割り当てる前でも良いということです。
ただし、バインドの指定は次に program がリンクされるまで効果がありません。
エラー
- GL_INVALID_VALUE
- 第 2 引数 colorNumber が GL_MAX_DRAW_BUFFERS 以上である場合に生成されます。
- GL_INVALID_OPERATION
- 第 1 引数 program がプログラムへのハンドルでない場合に生成されます。
- 第 3 引数 name が OpenGL によって予約されている接頭語「gl_」から始まる場合に生成されます。
サンプルコード
以下のようなフラグメントシェーダの出力変数に対するマッピングを作成することを想定します。
///**********************************************//**
/// 頂点シェーダから入力された色情報をそのまま出力します。
///**********************************************//**
#version 400
in vec3 color; // 頂点シェーダの出力を補間して生成された色情報
out vec4 fragment_color; // 最終的なフラグメントシェーダの出力色
void main()
{
fragment_color = vec4(color, 1.0);
}
この場合、以下のようにしてフラグメントシェーダの出力変数のマッピングを定義できます。
///**********************************************//**
/// 頂点属性を頂点シェーダに渡します。
/// ここではシェーダのコンパイルとリンクは省略されています。
///**********************************************//**
// バッファオブジェクトへのハンドル
GLuint position_buffer;
GLuint color_buffer;
// 頂点配列オブジェクトへのハンドル
GLuint vao;
// バッファオブジェクトの生成
void CreateBufferObject()
{
// 三角形ポリゴンの位置と色に対応する頂点属性の定義
float positions[] = { -0.5f, -0.5f, 0.0f, 0.5f, -0.5f, 0.0f, 0.5f, 0.5f, 0.0f };
float colors[] = { 1.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f, 1.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f, 1.0f };
// バッファオブジェクトの生成
GLuint vbo[2];
glGenBuffers(2, vbo);
position_buffer = vbo[0];
color_buffer = vbo[1];
// 頂点位置をバッファオブジェクトに転送
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, position_buffer);
glBufferData(GL_ARRAY_BUFFER, sizeof(float) * 9, positions, GL_STATIC_DRAW);
// 頂点色をバッファオブジェクトに転送
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, color_buffer);
glBufferData(GL_ARRAY_BUFFER, sizeof(float) * 9, colors, GL_STATIC_DRAW);
}
// 頂点シェーダの入力属性とバッファオブジェクトを対応付ける
void BindVertexAttribute()
{
// 頂点シェーダの vertex_position と vertex_color に属性インデックス 0, 1 をマッピング
glBindAttribLocation(program, 0, "vertex_position");
glBindAttribLocation(program, 1, "vertex_color");
// フラグメントシェーダの出力変数をマッピング
glBindFragDataLocation(program, 0, "fragment_color");
// 頂点配列オブジェクトを 1 つ作成してバインド
glGenVertexArrays(1, &vao);
glBindVertexArray(vao);
// 頂点位置と頂点色のそれぞれについて頂点属性配列を有効化
glEnableVertexAttribArray(0);
glEnableVertexAttribArray(1);
// バッファオブジェクトに転送した頂点位置をインデックス 0 に関連付ける
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, position_buffer);
glVertexAttribPointer(0, 3, GL_FLOAT, GL_FALSE, 0, (GLubyte*)NULL);
// バッファオブジェクトに転送した頂点色をインデックス 1 に関連付ける
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, color_buffer);
glVertexAttribPointer(1, 3, GL_FLOAT, GL_FALSE, 0, (GLubyte*)NULL);
}
// レンダリング
void display()
{
glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
glBindVertexArray(vao);
glDrawArrays(GL_TRIANGLES, 0, 3);
glFlush();
}
参考文献
OpenGLに関連するオススメの本や WEB サイトを紹介します.
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OpenGL策定委員会, 「OpenGLプログラミングガイド 原著第5版」, ピアソンエデュケーション
- OpenGLの赤本(Red Book)と呼ばれる定番の参考書の日本語版です。
- 少し値は張りますがOpenGLの基本的な使い方が丁寧にまとめられています。
- 初心者の方には敷居が高いかもしれませんがOpenGLを極めるつもりなら必須の教本だと思います。
Mark Segal, Kurt Akeley, Jon Leech, 「OpenGL4.0グラフィックスシステム」, カットシステム
- OpenGLの仕様書の日本語訳です。個人的には翻訳に違和感を覚えることはありませんでした。
- 英語が苦手な方は本書をAPIリファレンスの代わりに利用できます。
- チュートリアルのような内容は含まれていませんので他の書籍との併用をオススメします。
床井 浩平, 「GLUTによるOpenGL入門」, 工学社
- これから OpenGL を初めようとしている方にはこの本がオススメです。
- おそらく OpenGL に関する文献の中では最も敷居が低く 3DCG に関する知識が全くなくても理解しやすいです。
- 少し内容は古いかもしれませんが導入という目的では最高の文献で、私もこの本から OpenGL に入門しました。
床井 浩平, 「GLUTによるOpenGL入門2 テクスチャマッピング」, 工学社
- 上の「GLUT によるOpenGL入門」の続編です。
- 前作の内容では物足りなかった方は本書を読むことで 3DCG の表現力が大幅に広がります。
- 引き続き平易な内容となっており、前作を読破した方であれば難なく理解できると思います。
David Wolff , 「OpenGL 4.0 シェーディング言語 -実例で覚えるGLSLプログラミング-」, ボーンデジタル
- 最近のゲームに見られるようなリアルな映像をつくりだすにはプログラマブル・シェーダという機能が欠かせません。
- 床井 浩平さんの「GLUTによるOpenGL入門2 テクスチャマッピング」でもシェーダに関しては少しだけ触れられていますが、書籍の後半で軽く紹介されているだけでいささか物足りない内容ではありますので、本格的に学ぶためにこの本の購入をオススメします。
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最終更新:2013年06月15日 23:05