「ウスライ、お前大きくなったら絶対いい男になるぞー!楽しみにしてっから!」
「守り、きれなかった……でも、これだけ…は……あの子に、……遺す」
【名前】篠木 如水(享年42歳/♂)
【身長/体格】182cm/がっちり
【一人称/二人称】俺/お前
【出身】日本/中臣庄
【職業】代理戦争戦士
【特技】天智篠木流剣術、運動全般
【すきなもの】ウスライ、篠木家
【きらいなもの】興味のない分野の勉強・努力、堅苦しい無意味なしきたり
ウスライの叔父。
そして、篠木家の先代代理戦争選出戦士。天智篠木流剣術の師範で、『異』慧眼を持つ。
黒髪黒眼、止水・ウスライによく似た端正な面立ちだが、表情が非常に豊かで通俗な印象を与える。
止水とは一卵性双生児の兄弟だが『5秒見ていれば見分けがつく』という。
篠木家本家の次男として生まれ、止水とともに当主となるべく幼少から教育されるが
立場への興味も責任感もなかったため、頭の回転ははやくとも勉強面では惨憺たるものだった。
一方で篠木のもう一つのアイデンティティである剣術に関しては先代師範をもって逸材と言わしめ、
技術のみならず人心を掴み、良い後進を育成する人格を併せ持つ人物だったようだ。
継嗣はおらず、ウスライを実子のように育てる。
性格は豪放磊落、広い度量の持ち主。子供や弱者に対しては特に優しさを向ける。
その反面、相手が強者であっても納得いかないことはそのように態度で示す。
このことから年齢が上がるにつれ、当主となった止水とは険悪な雰囲気になっていく。
また内省する気持ちも強く、明るくふるまっているようでいて、常に現実と理想の軋轢に苦しんでいた。
オンオフの切り替えがはっきりしており、
戦場(=仕事場)では容赦なく敵を屠るさまが人気を博していたが、
普段はジャージ便所サンダルでその辺をうろつく残念な面が強いので
ウスライには「ダメな大人の典型」と認識されていた。
……むしろ、その一面以外は見せたくなかった、ともいえるかもしれない。
得物は日本刀『清水(きよみず)』と四尺の野太刀『白水(はくすい)』。
二刀流などではなく、どちらも使えたので場面によって使い分ける。
(ウスライは日本刀しか使うことができない)
代々中臣庄からは中央街で戦う代理戦争戦士を選出し、政府に『異』のデータを取らせ有用性を示し、
見返りに庄全体を一族の自治区のように扱うよう取り図ってきた。
任期は平均10年ほどのところ、如水は19歳から42歳の間戦い続けた。
この長さは中央街でも異例であり、ウスライの世代でも如水の活躍を覚えているファンは多い。
それほど長く腕を振るえた理由は、如水が戦士として優れていたことも勿論あるが、
次世代が育っていなかったので前線にとどまらざるを得なかったというのも理由だった。
自分が倒れたら次はウスライが選出される可能性もあったため、
戦歴に反比例するように『守るために』刀を振るい続けた。
その死は突然だった。
その年、如水は長年の戦いで消耗し右足首から下に麻痺がわずかにあり、不調だった。
今までであれば問題なかったような相手に後れを取る形であっけなく斬殺された。
なおウスライは最下層街編終了時では一度も如水の試合風景を見たことがなく、
後に彼の足跡を知るために記録映像を探し始める。
完全なヘテロ。元は愛した女性がいたが、重篤な熱病に罹り生殖能力が減衰してしまっていたこと、
同時期に女性に将来有望な若者との縁談が持ち上がっていたことでいろいろと諦めた。
以降、死ぬまで独身を貫く。
その女性とはウスライの母・山桃であり、将来有望な若者とは止水のことである。
ただし山桃は止水よりも如水を愛しており、心の奥底は最後まで変わらなかった。
もともと病気がちな山桃だったが、第二子を産んだ後は特に体が弱くなり、
長くはないだろうとされていた。
そんな中山桃は如水に「後悔のうちに死にたくない」「責任を感じるなら願いをかなえてほしい」と
半ば脅迫する勢いで最後の願いをぶつける。それは密通を希うものだった。
そののち、ウスライがこの世に生を受ける。
父の可能性がある人物が一卵性双生児なので、DNA鑑定でもどちらが父なのかは判別できない。
なお、後々ウスライは如水の足跡を追う中でその事実を知ることになったが、
「完璧を期したようで杜撰なのは相変わらずだ。どうせ余計な心配の種蒔いて後悔したんだろう」と
うまいこと言ってあきれた面持ちで揶揄した。
同時に「貴方がどう在ろうと、俺にとって無二の存在でした」と因縁を全て受け入れ、長年のわだかまりを解消させた。